心が広く包容力のある魔王は1000年待ち続けた勇者を愛でる。

魔と聖が対立した世界。

世界征服を企む魔王は、同時に生まれ落ちた勇者によってその野望を砕かれ、世界には平和が齎される。

それは変わらない世界の理であった。

しかし、
今、その理は破れ、魔王の誕生の時に勇者は産まれなかった。

世界は魔王に寄って瘴気の渦に飲まれ、人々は住む場所を奪われた。

奪われた土地には魔物が蔓延り、戻ることも叶わない。

土地は荒れ、人々は飢え、病に倒れる。

彼等は希望を求めて、ただ祈り続けた。

勇者の誕生を。

「本当、千年は長いよね」
当の魔王は呟いた。
「早く僕を倒してくれないと、世界が滅びちゃうのに」

これは、勇者の誕生を千年待って、無事に本懐を遂げた苦労性の魔王と、それを支え続けた面々とのやり取りを綴った魔王サイドの物語り。


遂に我慢できなくなって、一話をUPしました。
短編に纏められないので、連載です。
こちらも完走するつもりですが、元々書いていた物語を優先したいので、更新はまったり進行です。

最後までお付き合い頂けましたら、有り難いです。