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最後の夢の彼方へ ~for the light of tomorrow~  作者: edwin
第六章 夢の彼方へ
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エピローグ 『大好き』

 三ヶ月後 タウロ湖の周辺


「めっちゃ楽しかったよね!」


「そうそう~ やっぱり湖水浴って気持ちいいよね~」


「ちょっと、結衣、春乃、そろそろ水着から着替えようよ」


「いいじゃん! どうせあたし達以外に、誰もいないし!」


「結衣ちゃんの言う通りだよ~ 飛鳥ちゃんの水着姿、凄く可愛いし~」


「まったく、仕方のない奴らだね……確かにみんないつもより可愛いね」


「「えへへ~」」


「でもこの私が一番可愛いぞ! そう、アルナリア帝国の新しい皇帝陛下、エル――」


「何言ってるんですかエルちゃん? アスカさんより可愛い女の子なんて、この世界にはいませんよ?」


「ちょっ……サリア、どこ触ってるよやめて! アスカ助けてー!」


「自業自得だよエルちゃん」


「そんなー! 私、姫様だったのに、領主だったのに、どうしてこうなったんだよー!」


「エルちゃんも楽しんでいるなぁ! あたし尊敬してるよ!」


「うんうん~ わたしちょっとだけ羨ましいよその扱いが~」


「そうなの? 春乃にもしようか?」


「……………………やっぱりやめとこう~」


「ハルノのバカ! ユイのバカ! 助けてー」


「それにしても魚がいて驚いたよ! 核爆発で死んでないね!」


「それはね、わたしが魔法でこの辺の生態系を守ったんだよ。動物は殺さなくても良かったし」


「おお! さすがあすちゃんだね! 良くやったよ!」


「まぁ、わたし達もこの世界に生きるんだし、やっぱり綺麗じゃないと楽しくないし」


「じゃぁ地球には帰らないの~?……家族とはもう、会えないの~?」


「そうだね……わたしも、いつかお母さんともう一度会いたいけど、今はいいか」


「そうか~」


「うん……そもそも帰れるかどうかわからないよ。わたしの魔法は凄く強力だけど、そこまでできるかどうかは不明だね」


「まぁいいか! 今めっちゃ楽しいし別に帰れなくてもだいじょーぶ!」


「そうそう~ 飛鳥ちゃんさえいればわたしは満足だよ~」


「ありがとうね二人とも。わたしも、今の生活は凄く幸せだよ」


「ね、アスカ、私達以外に生き残っている人、いないの?」


「あらエルちゃん戻ってきたね」


「ったくサリア覚えてろよ!」


「えへへ~ ごめんなさいですぅ」


「でもうん、多分どこかにいると思うよ。地下室とか鉱山とかにいたら、爆発の衝撃波が直接当たらないし、わたしが魔法で放射能を洗ったし、生き残りがいても不思議じゃないね」


「そうか……」


「ちょっとだけ人間とかが生き残ってもあの女神には勝てたんだから問題ないもんね」


「でもね、私達は女の子同士だから子供作れないから、他に生き残りがないとエルフ類も人類も、滅亡するぞ」


「いや作れるよ子供」


「えっ」


「えぇぇ!!」


「そうなの~!?」


「凄いぞあすちゃん!!」


「当たり前じゃない? この魔法で核爆発も作れるなら、遺伝子の操作なんて余裕じゃない? 多分」


「わたし飛鳥ちゃんの子供欲しいよ~ 孕ませて~!」


「ちょっとはるはるそれはさすがにヤバいって!」


「冗談だよ……今は~」


「そうか、もう一度国を作れるのか……やっぱり私が新しい皇帝陛下になるぞ!」


「ダメ」


「なんで!」


「今度は民主主義でやろうよ。やっぱり帝国制度は良くないな」


「わたし、飛鳥ちゃんに投票するよ~」


「あたしもあたしも! あすちゃん万歳!」


「アスカさん万歳!!」


「やめてよマジで恥ずかしいから!」


「でもそれなら資本主義もやるの~? 日本みたいに~?」


「いやアルナリア帝国にもいいところがあったんだぞ!」


「例えば?」


「そうね……私、ダリアン領の領主だったんだけど、みんなには仕事も役目も、そして食事もあったんだよ。資本主義だと、仕事が出来ない人が野垂れ死ぬんだろう?」


「うん、やっぱり自由は大事だけど、お互いを助け合うことも大事だもんね」


「まぁあたし達には関係ないか! だって凄く遠い未来の話なんだろう?」


「いやわたし死ぬつもりないけど」


「どういうこと?」


「女神アテラみたいに、魔法で永遠の生命を手に入れるよ」


「わたし達も~?」


「当たり前だろう」


「凄い! あすちゃん本当に凄いよ! あたし達神になるのだ!」


「でも本当にいいんでしょうか? 退屈にならないんですか?」


「まぁわたし達が一緒なら大丈夫なんじゃない?」


「そうそう! あたし達永遠の恋人だもんね!」


「本当に女神アテラと女神イセーロみたいだね~」


「でもあいつら二人だったね。私達は五人の恋人だぞ!」


「そうそう~ 飛鳥ちゃんのハーレムだ!」


「いやみんなのハーレムだよ! みんな、一緒にエルちゃんをいじめちゃうぞ!」


「ちょっ! なんでよ!」


「あははー」


「あすちゃんはいいの? アレナイトサイエンスに入りたかったんじゃないの?」


「そんなのいらないよ。だってアレナイトサイエンスの研究よりこの世界の魔法の方がずっと進んでいるし」


「確かに~」


「ね、アレナイトサイエンスって何ですか? 地球のことについて、もっと聞きたいです!」


「いいぞ。時間はたっぷりあるんだからね!」


「ありがとうです!」


「どこから始めようか?」


「わたしね、小学生の時にいじめられたことがあったんだよ~ でもある日、素敵な王子様が現れて――」


「ね、春乃、その王子様やめてくれない? わたし女の子だからそれあまり好きじゃないかも」


「じゃ姫様~? いやそれはちょっと違う気がするけど~」


「姫様はこの私だぞ!」


「国もないけどね!」


「女王様はどうかな~? 飛鳥ちゃん?」


「それも年寄りみたいで嫌だね」


「でもドSなあすちゃんにはちょうどいいじゃない!」


「そうそう~」


「ちょっ! どういう意味だよそれ!」


「な~んて!」


「まったく……」


「…………」


「どうしたのサリア?」


「私達の戦争で、いろんな人が死んだんだね」


「全人類とか?」


「私達、みんなのこと忘れないようにしましょうか? フィンラ達も、皇帝陛下達も、そして女神アテラ達も、です」


「そうだね……なんか、全世界の人々のことはさすがに覚えられないけど、わたし達の旅で出会った特別な人なら、いいよ」


「ありがとうです……みんな、悪い人じゃなかったんですね。ちょっと、なんか、かみ合わなかっただけ?」


「コルタルシ領のライナー領主は間違いなく悪い人だったけどね!」


「あいつでも、最愛の息子には優しくしたんだっけ?」


「それでもあたしは嫌い!!」


「まぁそりゃそうよね」


「でもそうだね~ みんな、ちょっとだけ可哀そうかも~ 自分なりに頑張ってたのに~」


「でも後悔はしてないですよ! こうしないと、私達の幸せな生活は手に入れなかったんです!」


「もちろんよ。でも忘れないようにしよう、わたし達の思い出の中だけなら生きられるんだ」


「はいです!」


「わたし、フィンラという人には会えなかったけどね~」


「でも帝都テラシアでの知り合いあっただろう?」


「そうね、特に大臣アリアナはいい人だったね~」


「アルナリア帝国にはこんなにいい人がいっぱいいたのに、どうしてうまくいけなかったんだろう」


「それが人間の社会なんじゃない? エルフだけど」


「残念だけどそういうもんか~」


「でも、これからはもっと輝いている未来を切り拓きましょう!」


「うん! 人間もエルフも、平等に自由に生きるぞ!」


「そう簡単にはいかないけどね……まぁ、頑張るしかないか」


「これからはどんなことが起こるんだろう~?」


「何も起こらないんじゃない? あたし達以外に誰もいないもん」


「でも永遠に生きるんだったらきっと何かあるんだろう!」


「その時はその時に考えようよ」


「今はね、この尊い瞬間を楽しめるぞ!」


「はいです! アスカさんの素晴らしい水着姿を満喫するのです!」


「ちょっとどこ触ってるのよサリア!」


「そういえばこの前は私を助けてくれなかったんだね!」


「ちょっ! エルちゃんまで、やめろ!」


「ずるいよ二人とも~! わたしも飛鳥ちゃんの綺麗な肌を触りたい~」


「じゃぁはるはる、あたし達も混ぜようか? 他に、誰もいないし!」


「そうだね結衣ちゃん、参加しよう~」


「おい……四対一は酷くない?」


「だってアスカさんのハーレムなんです!」


「だから奉仕するんだぞ!」


「あすちゃんの肌つるつる! 柔らかい!」


「魔法で手入れしてるんじゃないかな~」


「だって…………みんな好きだもん」


「きゅんっ」


「あすちゃん!!!!」


「大好きです!」


「はぁはぁ」


「ね、みんな? そろそろ休憩しない?」


「アスカさんの髪凄く好きです! 長くて綺麗です!」


「手も、本当に暖かいぞ……」


「あすちゃんの太もももいいなぁ、羨ましいなぁ」


「でも一番はもちろん顔だね~ この、照れている顔めっちゃ可愛い~!」


「って誰も聞いてないか……」


「アスカさん好きです! どうしょうもないほど好きです!」


「私も! 世界を捨ててもいいくらい好き!」


「もちろんあたしも! 死ぬまでずっと好き!」


「かっこいい飛鳥ちゃんも、今の弱気な飛鳥ちゃんも大好き~!」


「みんな……愛してるよ。本当に、わたしの夢が叶ったんだね……」


「うん!」


「そうよ!」


「本当に、本当に、ありがとう!!!」

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