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悪魔は人間を襲わなくなりました 作者:黒ポイント
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 「神咲さん大丈夫?」
 「ええ。けれど人が……」
 人の死を目の当たりにする機会が少なかったのだろう。見ず知らずの人でも目の前で見るのは辛いだろう。

 「今日はもう帰ろうか。」
 相手側から仕掛けられたのだから今夜は引き返してもいいだろう。それに神咲さんには落ち着く時間が必要だ。

 「少しだけ…少しだけ休憩させて。それから再開しましょう。」
 使命感、はたまた救えなかった責任からかこの人間は前に進もうとしている。普通の人間なら人の死を経験したらしばらくは前に進めない。
 こういうところで人間の格が分かるのかな。

 「ありがとう。助けてくれて。」
 顔色がまだすぐれないが冷静にはなっているようだ。

 「どういたしまして。その中確認してくるわ。」
 アダマントでできた立方体に触れ中を見られるように魔力に分解する。

 「それどういう仕掛けなのよ?」
 「錬金術だよ。」
 「卑金属から貴金属を作り出すあの錬金術?質量保存の法則知っているよね?」
 「勿論学生なんでね。と言っても実際錬金術というよりか魔法の応用になるのかな?」
 「ここまでのサイズの物質を一瞬で作る魔法なんて聞いたことないわ」

 確かにそんな魔法はない。魔法といったが実際は魔力が鍵となっている。
 錬金術の歴史としては卑金属を貴金属に錬成するという大業は失敗で終わった。
 しかしモノを別のモノに変えるという錬金術はあったのだ。錬金術は質量保存の法則に縛られているのではなくモノの価値に縛られている。
 例えると、100円で120円のモノは買えないが、100円以内のモノなら買える。つまり錬成したいモノの価値に釣り合うリソースとなるものを用意さえすれば錬金術はできるのだ。
 俺は錬成陣からリソースまで魔力で代用しているだけなのだ。幸いにも魔王の血筋なだけあって魔力はある。

 「難しい話になるから現代風錬金術ぐらいに思っておいて。」
 てきとうに話をはぐらせつつ中を確認する。
 中からは火薬と焦げた不快な匂いがした。
 中に入り人であっただろう一部を神咲さんのところに持っていく。

 「気分悪い中申し訳ないけど、これに回復魔法できる?」
 「回復魔法?できるけれどもう助からないわ……」
 「少し気になることがあるんだ。

 腑に落ちない様子だが「わかった」といい魔法をしてくれた。

 「アンデットではないか」
 「なるほどね。」
 神咲さんも何をしているのか気づいた。
 よくある話、アンデットに回復魔法をかけるとダメージ、身体が崩れる特性が見られない。これで一つの可能性は潰せたのだが、何かぬけている気がしてならない。

 「神咲さんは不老不死、生命力が強い生き物思い浮かぶ?」
 「ゾンビではないのよね?うーんゴキブリとか?」
 ふざけられるまで元気になったか。

 「うーん私てっきり死人を操れる能力があるのが犯人だと思っていたわ。だって発見される直前まで息があったのでしょう?」
 死霊魔術か…たしかにその節はある。だけれども二つ目の事件で血が抜き取られていたのはなぜだ?血が抜き取られていた?

 「そうか。犯人はヴァンパイアか。」

 少し離れた暗闇の中に赤く光る二つの点がある。
 一匹のコウモリが枝にぶら下がってこちらを見ていた。

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