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悪魔は人間を襲わなくなりました 作者:黒ポイント
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プロローグ

12月23日 自宅


 意識が薄れていく。
 近づく死。唐突に終わる命。
 部屋をあらした強盗の気配はすでに感じられず、僕を育ててくれた里親の呻き声は聞こえなくなっていた。

 コツコツ

 助けがきた? それとも帰って来たの?
 どちらにしろ妙に落ち着きがある歩き方な気が……

 中学生ぐらいだろうか。
 白人らしき綺麗な脚が喉元から滲み出た血の池に入り、止まった。
 誰なの? 助けてくれる……わけではないの?

 僕の運命もこれまでか。

 「運命ねー」

 と、大人びているようで無邪気な声。

 「『運命とは、最もふさわしい場所へと、貴方の魂を運ぶのだ。』聞いたことあるかい?」

 そんなの聞いたことないしそれより、

 「あー無理に答えなくてもいいよ。」
 「そうかそうか、哲学を学ばないのは人生損だよ?」
 「といっても僕はまだ小さいか。」

 声に出してないのにどうして? そんなことより痛い、苦しい…

 「あははっ。確かに」
 「まあ痛いのも苦しいのも仕方ないよね。じきに死ぬのだから。」
 「そんなことより僕。なかなか変わってるね〜」
 「僕はどうしてそんな風にして生きてきたの?」

 それは……


 僕はどうやら生まれて間もないころに、本当の親に捨てられた。
 それからおじさん、おばさん、つまり養子になった。
 二人は本当の家族のように接し愛情を注いでくれたのに、僕は今までどうしてか二人を家族と思えなかった。
 本当の親の顔も見たことないのに、二人が本当の親と思っても不自然ではないのに……
 それでも僕は二人の子であると言い聞かせてきた。
 また捨てられたくなかった? 違う。
 本能が否定しているのかそれとも僕の人格がおかしいのか……
 おそらく後者だろう。
 いつからだろう。いいヒトと思われたくて、周りの期待に答えるように僕は“いい子”を演じた。
 他人を気遣い、助け、自分を犠牲にすることも厭わなかった。
 そしていつも“笑顔”で過ごした。例えどんなことが起こっても……

 僕がいいヒトであるためにあらゆる手段を使った。
 “子供”という立場も利用したし、平気で嘘もついた。
 積み上げてきた絆も、相手の気持ちも、想いも利用した。
 人の気持を弄び自分のためだけに行動してきた僕を時々
 “ヒト”の皮をかぶった悪魔。
 と思ってしまう。


 「人の皮をかぶった“悪魔”……ね。気が変わった!!」
 「実例は確か……全て失敗だった気がするけど、僕なんとかなるよね?」

 なにを?今全て失敗って!

 「さあ賭けをしよう! Dead or Aliveだ!!」
 「拒否権は無し。死か生きるか……違うな。」

 愉快な声と肉が引き裂かれる音
 声の方向から飛び散る血

 聞いてよ! わぁ!血!?

 「Ladies and gentlemen今宵行われるのは人間として最後の大博打!」

 人間として最後??

 「Let’s “Dead” or “Reincarnate” !」

 と、目の前が真っ赤に染まった。
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