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トイレの花子さんの恋愛事情

作者: カル


久遠高校の部室塔二階のトイレには花子さんが出るとの噂が合ったので、オカルト研究会部長の俺、太田(おおた) (つばさ)噂の真相を確かめるためそのトイレまで来ていた。


「やっぱり、噂は噂かそれともまさか女子トイレしかでないとか? 花子さんだし。」


仕方なくトイレを出ようとしたとこで、扉の1つが開いているのに気付いた。


「おいおいさっき閉まってなかたか? しょうがない一応確認だけしとくか。」


ガッ 扉を開けようとしたとこで急に扉から手が出てきて腕を掴まれてしまった。


「うおお‼ マジかよ放せ! 放しやがれ‼」


何とか掴まれた腕を振り解く事に成功したので、その勢いのまま扉を開け放った。


「見つけたぞ学校の七不思議トイレの花子さん‼」


そこにいたのは黒い目元まである髪の女の子だった、その子はこっちを見ると驚いたような顔で


「キャーーー!!」

と叫んだ。

「うぉう!? 何でお前が叫ぶんだ、そこは普通こっちだろ!」

「普通の人はは掴まれた手を振りほどいたら逃げますよ! 何で入ってくるんですか!?」


幽霊に普通じゃない人呼ばわりされた。


「そもそも本当にお前幽霊なのか? どう見ても普通の女の子にしか見えないんだが。」

「普通の女の子は男子トイレに何か入りません‼」

「じゃあ変態だな。」

「私は正真正銘トイレの花子さんです。」


確かに普通の女子にしては見た目からは想像がつかない程のかなりの握力だった、それに最初に確認したときには間違いなく居なかったのだ。


「分かった、一応君が噂のトイレの花子さんだと信じよう。」

「一応も何も本当なのに。」

「それじゃ俺は噂の正体も確認したし帰るか。」

「待って。」


思わずといった感じに花子さんは俺の制服の裾を掴んで引き留めてきた。


「どうかしたか?」

「あの、ごめんね私いつも1人だったから誰かと話が出来るのが嬉しくてつい、迷惑だよね私みたいな幽霊にこんなこと言われても。」

「迷惑なんかじゃない、取り合えずほら泣かないで。」

「え?」


花子さんは自分が泣いていたことに気づかなかったようだ、今思えば制服を掴んできたときも寂しそうな顔をしてた気がする。


「本当に迷惑じゃないの?」

「当たり前だろ、だって女子と話せて嫌がる男なんていねーよ、だからほらきちんとこっち向いてな?」

「あ」


髪を上に上げてあげるとその下の瞳は大きく綺麗な目をしていた。


「可愛い。」

「え?」

「あ、な何でもない、でもやっぱ顔が見える方が断然良いと思うぞ。」

「そう?」

「ああ、てヤバもうこんな時間かよ、ごめんな今日は帰るは。」

「あの明日もまた会える?」

「ああ約束だ明日も必ず来る。」

「じゃあ待ってるね、お休み。」

「ああお休み、ん? 幽霊って寝るのか?」

「あはは大丈夫だよ、幽霊は朝寝るんだよ。」

「そうか、じゃあお休み。」

「うん、また明日。」


今日は帰ることにしたが、その夜は花子さんの顔が忘れなくて中々寝付く事が出来なかった。

そして次の日の放課後、約束通りに部室塔二階にのトイレに向かった。


「花子さん、いるか?」

「あ! 来てくれたんだ!」

「約束だからな、それとプレゼントだ。」

「何?」

「ヘアピンだよ、そう言えば買ったのはいいけどこれ付けられるのか?」


プレゼントしようとしたのはスターチスと呼ばれる花のヘアピンだが相手が幽霊なのを忘れて選んでいた。


「ああ~、すまんもっと考えれば良かった。」

「大丈夫だよ、ほら私の髪に付けてみて?」

「え、良いのか?」


もし付けれるとしたとして、女子の髪に触ることになるでも花子さんは嬉しそうな顔でこちらを見つめている。


「うん良いよ、むしろ何で駄目なの?」

「いや、何でもない付けるぞいいな?」

「もう早くして。」


花子さんの髪に触ると少しくすぐったそうにしたが、それ以外には特に反応しなかったのを少し残念に思ってしまう。


「髪凄いサラサラだな、よし付いたぞ。」

「ありがとう、プレゼント何て始めてだから凄い嬉しい。」

「うん、やっぱり顔が見える方が断然良いよ。」


それに花子さんは嬉しそうな顔をしたが少し困った風な顔になった。


「どうした?」

「えーと何かお返しがしたいんだけど、私幽霊だから何もできなくって。」

「別にお返しが欲しくてあげた訳じゃ無いんだぞ。」

「それでも何かしてあげたくて、何か私に出来ることないかな?」

「そう言えば入試が近かったな、花子さんって勉強出来るのが?」


その言葉を聞いた花子さんは何故か寂しそうな顔をしてこう言った。


「入試って事はせっかく会えたのに直ぐお別れなの?」

「いや、俺は教師になるから卒業してもまた会えるぞ?」

「教師になるの⁉」

「言ってなかたっけ? それじゃ約束しようゾッとしても会いに来るって。」

「何でそこまでしてくれるの?」


流石に教師になる宣言は驚いたようで少し驚いた顔をして聞いてくる。


「いや~それを聞いてくるか、俺は今まで一目ボレ何て信じなかったんだがそれ、訂正するわ。」

「どういう事?」

「ははは、卒業しても教師として開いているのに来てやるって事だ。」

「でも私幽霊だよ?」

「そんなの関係無いさ一目惚れ何だから、と今日はもう帰るな。」

「え、うん、また明日。」

「おう、また明日。」


そして数ヶ月が経ち卒業式が終わった後、翼はいつも道理に部室塔のトイレに向かった。


「今日で一旦お別れだな、花子さん。」

「そうだね。」


卒業式が終わってもう会えないと思った花子はやっぱり寂しそうな顔をした。


「そう寂しそうな顔をするな、もう二度と会えないわけじゃないんだから。」

「でもング⁉」


何かをいいかけた花子の口を自分の口でふさぐ。


「なっ何をするの⁉」

「お、やっぱり赤くなった顔も可愛いなそれとでもは無し。」

「いつもいつもからかって、そんなに面白い!」

「おう、面白いそれと前にも言ったけど一目惚れだからなそりゃ教師になってでも会いに行くさ、それは絶対に変わらない。」

「何で? 何で私なの?」

「そんなの俺自信も分からないよ、ただ絶対に教師になって戻ってくる約束だ。」

「本当に戻ってきてくれるの?」

「ああ、そう言えばお前に会って二日目にあげたヘアピン何だけどな。」

「この花のヘアピンの事?」


花子は自分の髪を留めているヘアピンを触った。


「ああ、その花はスターチス、花言葉は変わらぬ心そして永遠に変わらない。」

「それって。」

「俺はお前の事を初めて見たときから好きだった、それは絶対に変わらない。」

「でも私幽霊だよ? 絶対に普通の人と付き合った方が良いよ。」

「何度でも言うけど、幽霊だとか関係ない俺はお前が好きだ。」

「絶対に会いに来てくれる?」

「ああ約束だ、それと愛とは信頼だ、人を愛すると言うことはその人に全幅の信頼を寄せる事、俺はお前を信じるだからお前も俺を信じて待っていてくれ。」

「しょうがないね分かった待ってるよ、だから絶対にこの学校に戻ってきてね。」

「ああ約束だ。」


そして高校生活は終わり数年の月日が流れた。


「ここはあの時から変わらんな、まあ昔より変な部活が増えたが何だ? 人助け研究会? 何すんだこりゃ。」


そんな事を呟きつつ歩いていると前方から二人の生徒とすれ違った。


「やっぱりここは珍しい部活に入ろうよ結斗。」

「珍しい部活って何に入るきだよ。」

「人研とか?」

「人研って何だ? 楓。」

「人助け研究会、通称人研! 楽しそうじゃない?」

「まあ、見学だけでもするか。」


どうやら変な部活はそこそこ人気が有るみたいだ、まあ俺はオカルト研究会の顧問になったので余り関わることは少ないが。


「まあ、花子の所に早く行ってやるか、余り寂しがらせたく無いからな。」


この物語は変わる世界 変わらない世界と同じ学校が舞台になってますが、全くの別物なのでこの作品だけでも大丈夫になってます。

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