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好きって言ってよ!

作者: 坂崎 春香

「ねえ、私のこと好き?」

「好きだよ、花蓮」


好きかと問えば、彼は好きだと返してくれる。でも、少し不満がある。彼はスマホをみながら下をむいて、言うの。最近、なにか調べ物をしているらしく、そっけなかったりする。私だったら、目を合わせていうのに。ぷうっっとふくれたのをみて、彼、唯人は気づいたらしい。


「また、拗ねてるの?もう少しだから、待って」


顔をのぞきこんできて、優しく言われる。唯人は顔がとても整っていて美形で、平凡な私とつきあってるのが不思議なくらい。告白は、彼からだった。高校の時、真剣な顔をし、「僕とつきあってください」って。それからのつきあい。いまはお互い、社会人だけど。つきあい始めてからも、初めはスマホもみず、一生懸命私の目を見て会話し、楽しそうに笑ってくれた。今は笑わないわけじゃないよ、目を見て笑う時もある。


けど、けど。最近やたら、スマホにかじりつき、調べ物をしているの。結婚の何かかなあ。結婚の話はないわけではない。高校からつきあってることを思えば、ゴールしたっていいはず。なのに、最近の唯人は大切なのは、スマホとばかり。もう、スマホと結婚すればいいのよっ!!その日はそれで、終わった。けど、物事とは急展開するものらしい。その後一週間たったある日のこと。


ぴんぽーん。


インターホンがなり、唯人がきてくれた。一週間ぶりに顔を見て、じわっと涙が出そうになる。後ろ手に何かをもってるみたい。なんだろう、と顔をそちらにむけようとしたら、唯人がつぶやいた。



「―――――花蓮。目をつむって。渡したいものがある」

「あ・・・」


顔を唯人の方にむかせ、目を手のひらで隠し、つむらせた。何かと思えば、左手の薬指に何カラットかとびっくりするくらいの、指輪。これって、まさか・・・。彼に問おうとすると、付き合い始めのころの真剣な瞳で、


「花蓮。待たせてごめんね。僕にこれからの花蓮の人生をください。一緒に歩んでいきたいんだ」

「唯人・・・」

「返事をほしい。答えは?」

「・・・はい、喜んで」


左手の薬指をみる。スマホをみていたのも、ジュエリーショップをみていたからだった、と後からいわれ、自分へのプレゼントをみてくれていたのに、すねていた自分が急に恥ずかしくなってしまった。


「ねえ、好き?私のこと」

「好きだよ、花蓮。君だけだ、これからずっと」


はじめは柔らかなキスから、だんだん深いキスになっていき、私たちはお互いの愛を確認しあった。やっと顔を見て好きっていってくれたね。これからはずっと、好きだからねっ。



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