シーンNo.1
この物語は前作「HEROES OF THE SCHOOL Ⅰ moonlight」の4か月後を描いたドラマCD風シナリオです。と言っても長いのですが(笑)。バレンタインデーということで、恋愛要素が入っています。
また、書きかけではありますが(苦笑)、掲載しているmoonlightの続編『Sunlight』につながるような構成にしております。なので、Sunlightで初登場するキャラもここで登場しております。色々と伏線を張ったので、この先の展開を想像していただけたら、と思います。
内容も王道でベタな展開ですが(笑)、楽しんでいただけたら嬉しいです。
※学校名は実在する名前ですが、架空のものと考えてください。
■登場人物
●メインキャラクター
・麻倉音緒 (ネオ)主人公。女性。17歳
・長里みちる(みちる)女性。16歳。
・野上健斗(健斗)男性。16歳。
・伊藤巧(巧)男性。16歳。
・竹下実緒(実緒)女性。16歳。
・舞永朱莉(朱莉)女性。17歳。
・小倉優太(優太)男性。17歳。
・仲須蒼士(仲須)男性。17歳。
●サブキャラクター
・ネオの母 女性。
・クラスメイト(女子) 女性。
■作中時間
「HEROES OF THE SCHOOL Ⅰ moonlight」が終わって四か月後の二月一三日と十四日。
■二月十三日 昼 ネオの家 キッチン 〈シーンNO.1〉
キッチンでバレンタインデーのチョコレートを作っているネオ、朱莉、実緒。
ネオ、溶かしたチョコレートを型に流す作業をしている。
緊張して腕が震えている。
ネオ 「(威嚇するような感じで)うーっ」
朱莉 「(ネオの危なげな手つきにドキドキして)いいよ、ネオ。そのままチョコレートを型に流すのよ」
ネオ 「(息を呑んで)う、うん」
実緒 「ネオちゃん、がんばって」
ネオ 「(慎重に)あと少し、あと少し……」
ネオ、ゆっくりと型に溶かしたチョコレートを無事に流し込む(【SE】流し込む音)。
ネオ 「(慣れない事をして、疲れたがたまったように)……で、できたあ―――っ」
朱莉 「(ホッとして、安堵の息を吐くように)ふううっ。相変わらず、慣れないことには緊張すんのね。おかげでこっちまで息を呑んだよ」
ネオ 「苦手なんだからしょーがないじゃん。(緊張がほどけたように)ふううっ」
実緒 「おつかれさま」
ネオ 「とりあえず、これでひと段落ついたね」
朱莉 「いーや、これはまだ序の口にすぎないわよ。固めて、渡して、気持ちを伝える! そこがゴールなんだから」
ネオ 「わかってるよ。じゃあ、冷凍庫に」
三人は、チョコレートを冷凍庫の中に入れる(【SE】冷蔵庫を開ける音)。