今の国会は「2大パフォーマンス政党政治」だと思った方がいい
筆者:
今回は石破首相の「パフォーマンス発言」が早すぎたことから炎上したという事と、
立憲民主党もパフォーマンスではないか? と言う事について触れていこうと思います。
質問者:
まず炎上した発言から振り返りましょうか?
筆者:
石破総理は3月25日総理大臣官邸で、公明党の斉藤代表とおよそ1時間、昼食をとりながら会談し、「年度予算案の成立後に強力な物価高対策を打ち出す」考えを示したと斉藤代表が発言したんですね。
今の予算を否定するような発言をしたために野党から批判が紛糾し、
林官房長官が「新たな予算措置ではなく決意を申し上げた」などと閣僚が火消しに必死なりました。
これについて石破首相は3月27日、参議院・予算委員会で
「新たな予算措置を打ち出すことを申し上げたものではない」などと釈明し、
それに続けて
「物価高対応に向けて、新たな予算措置を打ち出すということを申し上げたものではなく、あらゆる政策を総動員し、物価動向や、その上昇が家計や事業活動に与える影響に細心の注意を払いつつ、物価高の克服に取り組んでいくという旨を申し上げたものでございます」
としました。
質問者:
まず謎なのが「強力な物価高対策」と言うのは、予算と関係なく出来るものなのですか?
筆者:
できませんね。
結局のところ「賃金を上げてね」という「お願い」を全企業に対してしまくるだけなんでしょうね。
「お願い」だけではどうにもならないと思うんですけどね。
氷河期世代の賃金はむしろ低下しているというデータもありますし、
中小企業の新規採用は4年ぶりに6割を下回るという雇用における低調なデータも存在します。
質問者:
追加で予算を使ってくれるという事は無いんでしょうか……?
筆者:
追加の物価高対策はせいぜい機動的に使う事の出来る予算である「予備費」を使うことぐらいでしょう。
予備費は25年度予算では7500億円ですので、この範囲で行える程度です。
しかも、予期せぬ大災害のための緊急的な支出も「予備費」に含まれているので、全額使えるわけではありません。
質問者:
それじゃぁ、ただのパフォーマンスと言う事なんですか?
筆者:
そうだと思いますよ。もう石破首相の目線は7月の参議院選挙なんでしょうね。
ポイントは参院の予算決議が無くとも「衆議院の優越」で予算が成立することは確定しているわけですが、まだ予算が確定しているわけでは無いという事です。
「衆議院の優越」を考えれば参議院の予算審議は「消化試合」なんです。
石破首相の問題は消化しきっていない状態で「次の試合を始めてしまった」という事です。
恐らくは衆院で修正予算も通過したので、安心しきっているのかもしれませんね。
ある意味、石破首相は人間味がある方なんだと思いますよ。
ただ、総理大臣としての資質があるか? と言う話になれば「全く無い」と言わざるを得ないですけどね。
◇主要野党もパフォーマンスばかり
質問者:
これについては野党からも追及があるみたいですし、立憲民主党は予算を暫定予算にするべきだという提案も少し前にしたみたいなのですが……。
筆者:
恐ろしいことにこれもパフォーマンスなんですよ。
よく考えてみてください、予算は衆院の優越がある上に自公で衆院過半数割れをしていることから衆院で野党が優位に立てたはずなのです。
立憲民主党は「消化試合の前に暫定予算の話をするべきだった」のです。
それも裏切った日本維新の会をちゃんと裏切らないように紐づけする必要があったのです。
今になって暫定予算の話をしても全く取引材料にならず無駄です。
取引材料になる段階で暫定予算を前提とした話し合い(国民を救う政策)を行うべきだったのです。
野田代表が総理大臣時代に暫定予算になってしまったことを悔いて簡単に通過させることを決めたみたいですけど、下らない意地を張ってないで国民を救う方法を考えて欲しかったですね。
※憲法の衆院優越規定で予算案は衆院通過から30日で自然成立するため、今年は参院の採決がなくても4月2日には衆院で可決された内容の予算案が自然成立します。
質問者:
それでは今になってどうして暫定予算を言い始めているんですか?
筆者:
恐らくは世論調査で立憲民主党が埋没しているために存在感をアピールしたいのでしょう。
年齢層によっては、国民民主党はおろかれいわ新撰組よりも下の支持率ですからね。
ところが、今更パフォーマンスをしてもコアな支持層に響いているかどうか怪しいレベルで、空回りしているようにしか見えませんけどね。
質問者:
だから立憲民主党も「パフォーマンスをしている」という事なんですか……。
それすらアピールできていないって虚しすぎますね……。
筆者:
日本は「二大政党政治」ではなく「二大パフォーマンス政党がある国」だと思った方が良いです。
石破首相はあまりにも発言が「軽い」と思います。
総裁選での公約をいとも簡単に覆すのを始めとして、ご自分の発言が「嘘」になってしまったことに対して何ら罪の意識を感じていないようです。
人間として何の信頼性も無いという事をメディアも報じなくてはいけないと思うんですけどね。
質問者:
「法令に違反していなければOKと言う風潮」をメディアも共有しているという事なんでしょうかね……。
筆者:
ですが、(法律がザルであるために)法的責任が問われない政治家に対して道義的責任を投げかけ、足かせを嵌められるのはメディアだけなのだと思うんですけどね。
ただ幸い、一般人でも見てくれる数こそ少ないまでもこうして発信できる状況に今はあるので、僕が指摘しているという事なんですけどね。
質問者:
しかし、自民党は元より立憲民主党もパフォーマンスに終始しているとなると本当に投票先って無いですね……。
筆者:
自民党にぶら下がっている公明党についてもパフォーマンス政党です。
公明党が本来であれば反対すれば予算がひっくり返る可能性はあったのですが、
前回の衆議院選挙では大阪で日本維新の会に全敗して禍根があるにも関わらず、日本維新の意見が大きく反映された予算案に賛成しました。
公明党としたら国土交通大臣のポストが貰えればそれで十分なんでしょうね。
日本維新の会も「第二自民党」として存分に力を発揮されたので「与党と一体」と見て良いでしょう。
何を主張しているかより「何をやっているか」を基準として政党を評価した方が良いように思います。口先だけならどうとでもなりますからね。
質問者:
ある程度規模があって「まとも」なのは国民民主党ぐらいと言う事ですか……。
筆者:
国民民主党は「103万円の壁」を問題提起したという点で、経済政策の部門では実績を含めると頭一つ抜けたと思います。
複雑ですからここでは詳しくは触れませんが、動かした壁の規模は少なかったものの全く動かせなかったわけでも無いですしね。
弱小政党で減税を訴える政党は多いですが、実際に政策に反映させたか? と言うと「絵に描いた餅」に過ぎませんからね。
現実性や主張している内容の合理性を考えると国民民主党は投票先の最有力候補として良いと思います。
※ただし、国民民主党の玉木代表は憲法改正の緊急事態条項について先陣を切る存在であり、全ての政策を完全に是認できるものではありません。
経済政策を大きく評価する人にお勧めと言う評価の政党です。
質問者:
ただ、そこまで国民民主党の候補やご自身の望む候補者がいる選挙区って多くないと思うんです。
その場合はどうしたら良いんでしょうか?
筆者:
苦渋の選択ですが「消去法」で選ぶしか無いと思います。
一体ご自身の中で何の価値観を一番高く評価するのか? (経済政策、憲法観、防衛観、外国人対策など)を軸として投票する候補者、政党を選んでいただけたらと思います。
「選挙に行かないこと」が一番既得権益を持つ政治家を喜ばせる事であり、
安心させる行動だと思った方が良いです。
特に若ければ若いほど投票に行くことだけでも価値があります。
そもそも、投票する権利を持っている時代の方が遥かに短いです。
今年でちょうど男子普通選挙の1925年から100年なので、日本は男性ですら100年しか選挙権がないわけですからね。
これを貴重な機会だと思って投票先を決めて投票に行っていただければと思いますね。
質問者:
それを半分近くも棄権しているわけですから、ある意味「贅沢な時代」とも言えるわけなんですね……。
筆者:
そうです。民主政治のために血を流した先人に感謝して投票しなくてはいけません。
政治家に対して「ズルい」「無駄遣いするな!」と思うならばこそ投票する必要があるでしょう。
パフォーマンス政治家はなるべく一掃して政治家の新陳代謝を活性化させるしか現状手立ては無いです。
今後も現状の政治の問題点や今後の考え方について個人的な意見を述べていきますのでよろしければどうぞご覧ください。