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現実等比

作者: 渋音符



 現実から逃げ出した先は「きっと救いだ」と思っていた。

 演じるのが嫌になって夢を見るように手を伸ばした。

 忘れていた。


 夢は触れないのに触れる気がしていた。

 幸せな夢だったから、見たくなくなった。

 現実から逃げ出した先は「きっと救いだ」と思っていた。

 現実と変わんない夢を見て、遠く逃げ出した。

 どこへ?


 悪夢はないのに、悪夢しかなかった。


 連立して求め出した解は分かりやすくてよかったんだ。

 数えるのは簡単で答えは見ないで進めた。

 どこから間違ってんだ?


 同じものならば、全部ゼロになった。

 差がなかったから、解けなくなった。

 連立して求め出した解は分かりやすくてよかったんだ。

 現実も同じように、出来ればよかったのに。

 差があればよかったのに。


 現実から逃げ出して、見た夢も現実と同じようで。

 まったく同じ式でまったく同じ比率で。

 黄金比を見たくって走り出した先でも。

 綺麗な絵は飾ってなくて、ベッドから跳ね起きた。


 現実は末項のない数列で。

 下手すると揺り籠から続く葬列で。

 逃げても等比は変わらない。

 かけられてるのは期待。

 等号は先のないレール。

 連立しても簡単じゃない。


 綺麗な数字が欲しかっただけ。

 意味の分からない比率じゃなくて。

 虚ろな愛が欲しかっただけ。


 そんな夢を見た。

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