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因縁、2倍増し

「絶対行けると思います!さっきだって私ほとんど何もしてないですもん!」

「いやいやほとんどメイちゃんのおかげだよ!」

「そうですかね?」


 2人が謙遜し合って盛り上がっている中俺は見たことも無いとある文字に引っかかっていた。


「このダンジョン…って何なんだ?」


 俺が見てきた今までのクエストどれにもこの文字は記載されていなかった。何だか少し不安がよぎる。


「それもイクシードからの追加要素で〜今までのクエストは全部一種類のモンスターをひたすら倒すだけだったでしょ?ダンジョンって書いてるクエストは何種類もモンスターが出てきてかつそこのボスを倒したらクリア…みたいな感じだった気がする」


「だから難易度も高い…って事か」

「そ!私もやった事ないから聞いた話なんだけど」


 そのボス…?ってのがやっぱり少し引っかかる。俺の今までの経験が危険だと言っている気がする。このクエストは今の俺たちで本当に大丈夫なのか、とあまり足が進まない。


「じゃあやるって事でいい?」


 でもこの3人は雰囲気も良いし戦力も申し分ない。負けを想像する方が難しい話だ。俺が感じた悪い予感はただの思い違いと思うことにした。


「うん!行こう!」


 俺たち3人はかなりの自信を持って酒場から1歩歩き出した。


「!?!?」


 目の前が急にうす暗い石の壁に変わった。俺たちはさっきまで昼間の明るいイクシードにいたはずなのに。急に…ワープした…?


「あ、ちなみにダンジョンクエストは指定の場所までテレポートしてくれるらしいよ」

「そういう事は早く言えよ!!」

「ごめんごめん」


 まぁでも好都合。ずっと時間の無駄と思っていたポイントへ向かう手間が省けたってもんだ。


「さぁ行こう」



 "イクシードの守護神(キーパー)(ダンジョン)"難易度6

 挑戦者«わん、王子、メイ»

 -開始-



 壁…というか周り全体はうす暗いと言っても所々松明が灯っている。雰囲気としては"いかにも"といった感じだが、森のように開けた場所では無く一本道な事もあって今のところモンスターの気配は無い。前も見ると完全な一本道ということは無く分岐しているのも見える。


 これがダンジョンか……。


 最初から各々装備を着てその時を待つ。


「あれ〜でも思ったよりモンスターいな……」


 フラグを即回収するように話途中の王子の顔にモンスターが飛びついてきた。思わずよろけ、倒れ込む王子。


「おいおい…またお前かよ……スライム!!」


 王子の顔に付いたスライムは素早く彼女の小さい顔面を包み込む。


「アッ…ッッ……!!」

「今助ける!」


 王子に駆け寄りスライム剥がしを試みる。手前に引っ張ったり上に引っ張ったり。だがさすがはスライム。伸縮性が一向にあり剥せる気配がない。そんなことをしている間にも王子の体力は削られていく。


「これ!どうなってるんですか!?全く取れないです!!」


 くそ!こんな時はどうしたらいいんだ!?

 確か俺も昨日こんな事があったような…。


 あれ…?"あの時はどうしてたっけ?"



 ……そうだ!ショウが真っ二つに斬ってくれたんだ!


 てことはこれも……。


 俺は王子の顔を斬らないよう慎重に剣を入れた。


「ぷはぁ」


 なんとかこのピンチを脱することに成功した。


「ありがとうわん」


 まさかこんなとこでショウに助けられるとは。

 なんか複雑なんですけど……!

 上を見上げ、石の天井にショウの顔を思い浮かべた。



 ……やっぱ感謝なんてしない!!!!

スライムは無理やりギコギコする必要はありません。そーっと剣を入れるだけで良いです。すぅぅぅぅぅ〜!!(うろ覚え)

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