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一抹の不安、破壊

 またまたまたまた地図で示された指定の場所まで歩き、遂に辿り着いた。

 ゴブリンの時よりさらに森の奥で、さらに薄暗い。

 やはり難易度が上がったということで雰囲気もリアリティもグレードが上がっている気がする。


「う〜怖いです…」


 メイが震えながら俺の腕を組んだ。

 俺の腕に何か柔らかいものが当たっている気がする。


 俺も怖いな〜…女の人が……。


「そろそろ来るよ。準備して」


 王子は色恋にうつつを抜かしている俺たちを見もせず、黙々と装備を着始めた。

 俺はクエスト前からずっと着たまんまだから特に備えるとかは無いのだが、最初からずっと装備を着ていないメイも俺も同じように特に動く様子がない。


「メイは装備とかないの?」

「はい!そうなんですよ!!武器を高いの買っちゃってお金無くて…」


「その"武器"って?」


 メイは両手を一度ズボンのポケットの中に入れ、また出した。


「これです!」


 ズボンのポケットから現れたメイの拳には、金属質のトゲトゲしている物が装着されていた。


「…メリケンサックか……!」


 俺は驚いた。

 そんなニッチな物作れたんだという驚きも勿論あるが問題はそこでは無い。

 防具も無しで…メリケンサックだけで戦えるのかという事だ。


 アイロニーで行ったクエストでの働き具合から見てもやはり不安は残る。


 そんな不安をよそにメイと王子は気合十分、馬鹿みたいに武器を振り回している。


「かかってこんかい!」「やるぞ〜」


 不安だ。大丈夫かな。


「ウ゛ウ゛ウ゛」


 !?!?


「わん!後ろだ!」


 王子の掛け声で、後ろを振り向くとそこには、ゾンビが数匹ゆっくりとした歩みで近づいてきていた。

 暗くてあまり分からないのだが、ゾンビの後ろからさらに何匹も歩み寄ってくるのが見える。その数はあまりにも果てしなく見えた。


 一体何匹いるんだ…。


 でも前回とやることは変わらない。


「ヘヤッ!!」


 ただ1匹残らず斬るだけだ!


 俺は先頭の1匹の肩の辺りに一撃を入れた。


 よしっまずは1人!


「まだだよ!!」


 前を向くと、俺が斬り殺したはずのゾンビは変わらぬ姿勢でこちらにゆっくりと進んでいた。


 これが…ゾンビか……。


 俺の背後で王子も戦闘に入っている。

 どうやら挟まれたらしい。


「頭だ!頭を切り落とせば倒せるっぽい!」


 なるほど…それだったら…!

 頭を斬……


「ぐわッ」


 俺は横に突き飛ばされた。

 明らかにゾンビによるものでは無い衝撃に混乱している中、体を起こし前を見ると、そこにはメイの後ろ姿が。


 まだ頭がはっきり働かないが、状況を見るにどうやらメイが俺の身を案じ突き飛ばしてくれたっぽい。まるで俺がゴブリンクエストの時に王子にやったかのように。


 だが当然今度はメイが危険にさらされる。


「メイ!危ない!」

「『破壊(クラッシュ)』」


 メイが放った頭へのメリケンサックの打撃でゾンビの頭が宙を待った。


 え、強〜


「わんさん!私強くなったんですよ?見てて下さい!」


「『破壊(クラッシュ)』」

 ぽーん

「『破壊(クラッシュ)』」

 ぽーん

「『破壊(クラッシュ)』」

 ぽーん


 ゾンビの頭がボウリングのピンかのように弾け飛ぶ。

 うん。ナイスストライク。


「やった〜めっちゃ飛んだ〜!!」


 俺は…とんでもない娘を仲間に入れてしまったかもしれない。

 もちろん……いい意味で……ね?

ゲンテンオブムーンクエイクとはVRゲームなのでもちろん痛みや感触など実際は感じることはありません。ただ、かなりリアリティの高いゲームのため脳が錯覚を起こし、現実のような感触を感じる事もあるかも知れません。ですがわんが先程感じた柔らかい感触はただの妄想です。。。

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