夢のミサキ総集編
あらすじを総集編を残します。
【夢の世界の出来事あらすじ】
貴族の跡継ぎを多く失った事からグレースフェールは危機に陥る領地もあり、オレアンジェスでは悲惨な状況が加速する。
王妃アドリアーヌから頼まれソフィアがヴァルターから持たされた書簡を手にオレアンジェスに向かう。
オレアンジェスの領主夫人エリザベートが亡くなって後、領主コーエンがお金を宗教につぎ込み領のお金が枯渇する。その頃から次期領主ゲルフェルドがグレ、金策の為に麻薬に手を染めた犯罪だった。
ゲルフェルド捕縛後、ゲルフェルド放逐の心労で領主コーエンが亡くなり、残された次男アデルはソフィア達が来ると「ようやく楽になれる」と兄の行いからソフィアに自分を処罰として処刑して欲しいとお願いされる。貴族学院にいた時よりも痩せこけていたアデル。
もちろんソフィア達は応じない。
ルントシュテットの領主ヴァルターが成人する迄後ろ盾になるという書簡を渡し励ます。
アデルの母エリザベートの死後、聖職者から教えて貰った古くからある焼き畑農業で一時農業は回復したものの食料が少なかった為余裕がなく、そのまま土地を休ませず作物を育ててしまい砂漠化が始まってしまっている状況で、家畜は全て亡くなっていた。
オレアンジェスの紋章は『バラエーナ』(鯨)だが、過去のそれとはかなり異なり、宗教はクジラを神の使い『ミサキ』として崇めるもので、鯨の数が増えすぎ魚が取れなくなり僅かに取れる魚もクジラの糞によるアニサキスだらけで食べられない状況だった。
クジラが浜に打ち上げられると腐敗し始めるまで放置し、領民が集まり万病に効くとその鯨油を桶で『聖水』として汲み持ち帰る。
魚が取れないばかりでなく、小さな漁船はクジラの群れで沈没し、沿岸にも巨大なサメが現れ貝を取る事も出来なくなっていた。
魚介類の産地であったオレアンジェスでは、食は僅かな野菜で食べ繋ぎ、領民全員が痩せこけ、それでも宗教を信じる若い者達の突然死が多発し手が付けられない状況に陥っていた。
鯨を狩るしかないと考えるソフィア。
地上の食物連鎖の頂点にいる人が、海の食物連鎖の頂点であるクジラを狩って良いのか?
ソフィアは迷う。聖堂や教会は使わせてもらえず、微睡の中、ドロミス神に相談しても地母神ゲーの地上系列は海の神も全て人の神であり海流などをつかさどるだけで海の生物は見ていないと言う。ゲーの子、海の神ポントスとゲーの間に生まれたネレウス(海の老人)を紹介してもらう。
ようやくネレウスと話せるソフィア。ネレウスは夢美の世界で人がどれ程、海を破壊しているのかをソフィアに諭すように正しく教える。これも一般的に言われている事と違い過ぎるものだった。さらに地の世でも最大の自然破壊は農業であると改めて思い知らされる。
人が魚を取り、農業を行う。これは、、、悩み落ち込むソフィア。
落ち込んでばかりはいられないと夢の世界を地球と同じにしない為にはどうすれば良いのか自分なりのルールを色々と考える。(勿論グレースフェールでのルールである)
『自然破壊だと言って人が生きる為に必要な農業をやめるのか?』
生きている私達にそんな事は出来ない。
獣であるクジラは人と同様な自制ができなければ、増えすぎて食物連鎖の下層を滅ぼすのは必然と教えてくれる。放っておけばその魚の取れない今より更に悪いバランスになるという。何種類もの珍しいペンギンが今回オキアミの枯渇で滅んでいる。
クジラとは違い、人には考える力があるからそれは役に立つだろうと謎かけのようにネレウスが言う。
ソフィアは決心し、領主アデルに聖堂の勢力に逆らってもクジラを狩る事を説得しフリッツ伯父から借りた大量の蒸気船によって狩を始めてもらい食事情が改善し始める。この多数の船を届けたのはビルムだった。
海を縦横無尽に豪快に駆ける蒸気船。
沿岸のサメも減り貝が取れ始め徐々に自然界も豊かになって行く。
フードを被る怪しい者達につきまとわれるビルムとソフィアはオレアンジェスの聖職者と信者達に命を狙われ、ミスリア達に守られる。
数多くの聖堂があるオレアンジェスで聖職者達と完全に対峙するソフィア。
レオン司教がオレアンジェスにやってきて乱入。実際には聖職者のおおよそ1/3しかミサキを崇めていない事が判る。我々が守るべきは人なのかミサキなのかを聖職者達に問いかけるソフィアとレオン。
多くの共感を得るものの、それでも反対する残り1/3の聖職者達と完全に衝突するとヒーシュナッセから援軍が出て聖職者達に加勢し戦いに発展。
彼らの行いの全てが信仰を利用したグレースフェールに対するサイレントインベージョンである事がビルムにより暴かれ明るみになる。土地の枯渇も不漁な漁業も全て仕組まれたものだった。
『そんな事の為に、、、そんな事の為にこんなにも多くこの領地に死者を出したのか!』と怒り心頭のソフィア。刀が折れる程戦場で暴れまくる。刀が折れてもなお戦場で敵を倒し続けるソフィアを誰も止められなくなる。しかしルントシュテットの僅かな戦力と弱体化したオレアンジェスの戦力では対抗できず、被害は少ないものの敗走が続く。
そしてソフィアは謎の睡眠が続いた。
ソフィアが目覚めるとようやくルントシュテットから首に朱色のスカーフを巻いたバーミリオン部隊と中央の第一騎士団が到着し、スパイである聖職者を騙る者達とヒーシュナッセの加勢勢力を完全に撃破。
敵に悪夢のレッドネックと恐れられる。(いやバーミリオンなのだが、、、)
グレースフェールの圧倒的な戦力を身をもって理解するヒーシュナッセ。ヒーシュナッセの援軍に恐怖を植え付け侵攻は完全に終わり、ヒーシュナッセは敗走しオレアンジェス弱体化目的でおかしな「ミサキ」思想を広めたヒーシュナッセのスパイの聖職者は全員処分された。
ルントシュテットの肥料とクジラ狩によってようやく復興を始めるオレアンジェス。
漁師達と狩る数を制限してクジラが減り過ぎないように、普通の魚が今よりも取れるように管理をしてもらう事を約束する。魚が取れたら食べに来ると漁師達と約束する。
アデルは『もう少しでおかしな話からグレースフェールに侵攻を許す所だった』と領主としての自覚を持ち、撃退してくれたソフィア達に無限の感謝をする。
オレアンジェスの漁民や領民達の感謝を受け貴族学院に戻るソフィア達。
【日本の出来事あらすじ】
夢美の母明奈の実家付近で地下に落ち怪我をしながらも巨大な地下遺跡を発見する夢美達。
子供の頃の事故を思い出し、怪我を治療する為に美麗と任那に魔法が完全にバレる。
しかし伯父との約束で地下遺跡は世には発表されてはいない。
過去の発掘物を鑑定するととんでもない古いものだと判明する。
誰も抜けなかった刀を夢美が引き抜くと真っ赤な刀身にソフィアの世界の文字が書かれた物だった。
地下遺跡の街に探険に行きたいと任那がストーカーのようにつき纏い、更に美麗と任那に魔法について教えるように言い寄られてしまう。
隠したい事はあるものの嘘のつけない夢美は、講師は教えられないが正式に教わったもので、治療は神的魔法で神の加護がないと使えないが白魔法は練習して適正があれば使えるはずと、現在習っているたった一つの魔法『ボカ・リモーティス』について詳しく教える。
夢美からの通話は出来るが当初二人共自発的な魔法は使えなかった。
やがて美麗が微かに夢美にだけ伝えられるようになり、神功任那は悔しがりながらも魔法の存在を信じるに至る。
火魔法などはないのかと任那に問い詰められるが普通に人が持っている能力しか出来ないからそんな中二病のような事は記録にも歴史的にも存在しないと貴族学院で習った通りに説明する。
美麗のつてで世界の神話などを研究する幻想研究家の成瀬にゲームなどではなく本当に過去に記録のある幻想生物について教えて貰い夢の中の不思議な小人達と同じだと理解する。成瀬博士に発掘物の解析をお願いする。ここで夢の中の言葉が古ラテン語とルーン文字の切り替え期の文字であることを知る。しかし過去の英7大王国などヨーロッパの歴史を調べてもグレースフェールは見当たらない。
そして間もなく中二になる夢美は子供と大人の狭間を実感し、同じクラスのみんなが様々な変化をしている事に気が付く。
・洋楽を聞き出す
・ブラックコーヒーなど大人の飲み物を飲む
・やれば出来ると思っている
・母親にプライバシーを尊重してくれと言いだす
などである。
面白いなと思いながらも無理をしている子達が多い事に気がつき自然体が一番だと納得するある日、幼馴染の柏木達也が不良の仲間に入り、二人乗りのバイクから落ちて亡くなってしまう。
落ちた勢いでガードレールに当たり首の殆どが切れ首が真っ赤に染まった最後だった。
幼馴染の達也を同じ清廉学院に強引にでも誘わなかった事を後悔する夢美。食事も取らず眠れない夜が続く。
帰り道で二人でふざけあって楽しかった日々が昨日の事のようによみがえる。
お葬式の日、達也の母、雅子さんが小さく見えて寂しさを共感し舞達と号泣する夢美。
人の死は夢の世界でも見ているが日本の身近な人では初めてでこの衝撃でしばらく学校を休み家に閉じ籠っていると、美麗から微かな連絡があり、美麗が誘拐された事を知り立ち上がる夢美。
以上が第八章のあらすじです。
8回分約6万8千文字を約3500字で読めてしまうお得な回でしたw。
次回:第九章 夢のモテ期
美麗救出作戦!
お楽しみに♪




