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ドゥープレックス ビータ ~異世界と日本の二重生活~  作者: ルーニック
第七章 悪夢の暗殺者
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理不尽な人達には負けてはいけない


 私は日本で目覚めて右手が凄く痛かったので、そんな事はないだろうなぁと思いつつも何か残ってるとイヤだから真っ赤に腫れ上がった手を洗面所の石鹸で痛みに耐えながら綺麗に洗った。涙がポロポロと落ちて来たよ。

 その後母に『手が炎症を起こしていて物凄く痛い』と見せると、めっちゃ驚いた顔をして直ぐに皮膚科の病院に連れて行って貰った。


 病院へ行く車の中で母から


「どうしたのよ?」


 と聞かれたけど、


「何か不味いものを触っちゃったんだと思うけど、何に触ったのか判らない」


 と正直に説明した。いや夢の中の出来事を説明する事を正直というのかはちょっと疑問だった。


「昨日寝る前は大丈夫だったのよね?」

「うん」


 我ながら「寝ている間になんでこんな事になっているのか」がまったく説明出来てないけど母は頷きながら「判った。夢美、早く治す事を考えましょ」と言った。

 母はどんな事があろうと私の見方をしてくれると心から思った。


「どうにか跡が残らないといいわね」


 寝て起きて怪我してるってこれが初めてじゃないけど、母は既に原因よりもこの炎症の跡が残らないか心配してくれているようだ。


 病院へ着いて受付で手を見せると順番を優先して貰えた。

 問診で皮膚科の先生は


「何で炎症を起こしているのか記憶をたどっても判りませんか?」


 と同じ意味の質問をさっきから3回くらい別の言い方でされた。


 先生によると同じような炎症を起こしていても原因によって処方する薬も異なるので、正しい薬の処方が出来ないのだという。

 確かにそうかもしれないけど、日本の現代の医療にも限界はあるかとちょっとがっかりしたよ。


 まあ医療は何でも出来るというような夢のような魔法じゃないからね。


 私も触ってしまったのが何なのか本当に判らないから結局正しい治療は不明のまま、炎症を抑える為に非ステロイド性抗炎症薬を処方して貰った。後で思い出して確認出来たら正しい薬を処方出来るとの事だ。状態を後で確認する為に通院が必要だそうだ。


 この後「しばらくの間、結構酷い状態が続くだろうから出来るだけ跡が残らないように塗り薬を丁寧に塗って完治を待ちましょう」と説明された。これは跡が残ってしまうような結構酷い状態なんだね。

 母も少し暗い顔をしていたけど、私に心配させないように気を使ってくれている。

 人目に付く手に酷い爛れた跡とか残ったら本当にイヤだ。


 家に戻って包帯をほどいて改めて自分の手を見ると、実際はもっと細いかもだけど右手の指は自分の感覚だと二倍くらいに膨れていてどす黒い赤だ。皮膚も爛れて剝けている。掌の厚みも倍くらいありそう。かなり熱を持っていて、首廻りや身体全体も熱っぽい感じだ。

 左手も少し赤くただれている。これ右手を触っちゃったんだね。


 自分の手を見てるだけで心の中に言い知れない恐怖が拡がった。

 本当に注意しなければならないと改めて思った。


 私は地位的にも元々命を狙われやすいけど、私自身が誰かを陥れようとか懲らしめようとか一切考えた事もない。先日、ラーラと話した時も私が文化の発展に寄与する事も周りの貴族にとっては邪魔な存在なのだという。

 日本人の私の感覚では理解し難いおかしな話だ。


 こんな世界だけど、だとしたらそんな理不尽な人達に絶対に気持ちだけは負けてはいけないね。


 ああ、そう言えばお茶会での演奏とかあって、こっちでも練習したかったけど、これじゃピアノもシピオーネも弾けそうにないよ。


 私は『神様お願い』と思いながらもう一度呪文を唱えた。


『~エルクルフルト クルリトン クレステペタル~』


 左手を右手にかざして掌が光る。

 最初は少し重い抵抗のようなものがあったけど、真っ赤にただれて既に皮が剝けていた指の皮膚が徐々に再生し元の色に戻って行く。手の熱も引いてきて掌の厚みも戻った感じがする。

 魔法で右手の指がチリチリとしている。

 

 しばらく治療していると左手の方が温かい感じがして来た。

 結構時間が掛かったけどこれは治りそうだ。

 酷くただれていたのでマジで安心したよ。


 右手はほぼ大丈夫そうなので今度は右手で左手の患部を治療した。


 良かった。まだあの物凄い痛みの感覚は鮮明に残っているけどこれは完治したようだね。

 この状態をいきなり母に見せると流石に不味いから新しい包帯でも巻いておこう。伊達メガネならぬ伊達包帯だけど、言っておくけどこれは中二病じゃないよ。


 既に母が学校を休む連絡をしてくれていたので沢さん達が来るまでベッドでちょっと『うだうだ』してようかと思ってたら『うだうだ』ではなく私なので『うとうと』としていたようで、ドロミス神様と色々とお話する事が出来た。

 

 ドロミス神様によると、かえって痛かったのは何度も治った状態から何度も毒による痛みを新たに感じ続けたからで丁寧に毒を取り除いてから治せば良かったらしい。治そうと頑張ったせいで余計に痛かったんだね。失敗失敗。っていうかそんなの判らないよ。つまりおそらく人間のアドレナリンや免疫が働いてどうにかしようとしているのをリセットして何度も毒で新たな炎症を繰り返してたっていう感じのようだ。こういう場合って治癒魔法最悪じゃない? 何度も治って何度も凄い痛みを繰り返すって地獄か!


 ドロミス神様はあまり人間の痛みとかはどうでも良さそうだけど、私の命に係わる事は気にして頂いているようだった。

 ドロミス神様のお話では私を狙う者が数名いて敵対する悪神の『苛烈神フェロックス』という神様が力を貸しているらしい。そう言えばボールを手で拾って返した時の男の人はとても気持ち悪い笑顔で人とは思えない感じだったよ。


 数名の内の一人はあの王女様らしいけど、他は名前とか判らないそうだ。

 私の名前は間違えたままだし、神様ってどんだけ人間に興味がないんだって。


 貴族学院の中にもそういう人がいるって事だね。

 日本の感覚だとそんな事考えないから、直ぐに悪意の毒だって私には判らなかったし注意が必要だね。

 

 参ったなぁ。中央の国王様(レクス)とは協力してやっていくつもりだけど王女様と敵対しているのなら協力は難しいかなぁ。何で頭のいい国王様(レクス)が王女様を止めないんだろ。

 これは慎重にお父さまとお話しないとダメっぽいね。


 この後、ピアノの久美子先生には手を怪我したからとお休みの連絡を入れて、沢さんや美鈴先生が来たけど、包帯をしてたから筆記が出来なくて頭で覚えたよ。帰ったら包帯外してメモとろう。w


◇◇◇◇◇


「姫様! お目覚めですか!? まだ手は痛みますか?」


 リナだ。


「リナ。おはよう。もう大丈夫だよ」

「そうですか。深夜まで高熱で涙を流しながらうなされていたのですが夜半過ぎに急に熱が下がったのですよ」

 

 あー、これずっと起きてついててくれてたんだね。多分その頃治療出来たんだよ。寝ながら涙とかちょっとハズいね。


「寝ないで見ててくれたんだね。ありがとう。エミリーに変わってもらって」

「それがエミリーは手が爛れてしまっていて熱を出してます」

「えっ!! わたしの対処をしたからだね。直ぐにエミリーの所へ行きましょう」


 私が部屋を出るとルイーサとクラーラが青い顔をして立っていて私を見ると跪いた。


「姫様。御守りする事が出来ずに申し訳ございませんでした。あの男も取り逃がしてしまいました」

「お話は後です。エミリーの部屋までお願い」

「はっ!」


 ルイーサ達にエミリーの部屋まで案内して貰った。


 部屋へ入ると熱っぽく目にクマのある状態のエミリーがこちらを向いた。


「エミリー!」

「ソフィア様! 手の方はもう大丈夫なのでしょうか?」

「一晩寝たお陰ですっかり大丈夫です」

「それは良かったです。わたくしは痛みで眠れませんでした」

「わたくしのせいですね。ごめんなさい。手を見せてください」

「ソフィア様のせいではございません。今包帯をとります」


 ありゃ、私もまだ包帯してたよ。

 私も包帯を取るとエミリーが自分の包帯をほどいてから私の手を見てびっくりしていた。


「ソフィア様は本当にもう、大丈夫なのですね、、、」

「はい」


 エミリーの手は酷く爛れて真っ赤に腫れ上がっていた。

 痛いだろうけどエミリーは貴族らしい意思の強さで痛みを見せないように頑張っている事が明白だ。


 私はリナに石鹸と水を用意して貰い痛いけど我慢して貰い綺麗に洗ってから治癒魔法を掛けた。


 直ぐに改善してきた。


「あんなに爛れていて腫れていたのにもう大丈夫なようです。痛みもございませんしこれなら跡も残らないでしょう。ありがとうございます」

「エミリーは完全に私のとばっちりだからきちんと治って貰わないとわたくしが困ります」

「ソフィア様、、、」


 色々とドロミス神に教えて貰ったので私自身の治療よりも早く終わったよ。

 エミリーに知らずに治癒魔法をかけて余計に痛い思いをさせないでよかったよ。



 みんな少し落ち着いて来たのでエミリーの部屋に側近と護衛が集まってるから話し合った。

 女子の部屋なのでマティーカはいないけど、、、。


「貴族学院の中でもあんな事もあるのですね」

「クラーラが追いかけた男ですがポームのサークルには在籍しておりませんでした」


 なんか見事な似顔絵が書かれているよ。人とは思えない気持ち悪い笑顔だ。


「結局犯人は判らないのですね」

「そうだね。ドロミス神様によるとあの王女様も絡んでるらしいけど、、、」

「リーゼロッテ王女様ですか?」

「神様の話だから確かなんだろうけど証拠も何もないからね」

「確かに迂闊には動けませんね」


「ねえ、ラーラ、この使われた毒は何だか判る?」

「ポドストローマの汁だね」


 何それ。 いや、まったく判らないよ。


「それどんな植物だか説明出来る?」

「植物じゃなくてキノコの一種で、プクッって膨らんだ真っ赤な炎みたいな形だよ」


 それって地球で言うところのカエンタケみたいだね。似たのがあるんだ。確か食べれば即死レベルだし汁に触れば物凄い炎症を起こすからね。

 でも、もう治っちゃったし全く同じかも判らないから日本のお医者さんには説明しなくていいね。


「目的はなんだろう? やっぱり嫌がらせかな?」

「これは嫌がらせのレベルを超えています。わたくしまで高熱と痛みで眠れませんでした」

「ポドストローマなら口に入れば命の危険もありました」


 やっぱそういう感じなんだね。


「おそらくですけど、、、姫様のお茶会の演奏を中止させたかったのではありませんか?」

「それだっ!」


 そうだよ。手があんなになる事が判ってたら演奏なんて無理だよ。


 コンコン。


「ソフィア様。ノーラです。こちらとお聞きしました」


 あれ? ノーラだ。


「リナ。ドアを開けてください」

「はい」


「ソフィア様。シュタインドルフ伯がお呼びです。サロンの会議室まで皆さんもいらしてください」

「マクシミリアン叔父様が!?」


 全員の顔色が変わった。

 みんな悲壮な顔をしてサロンの会議室へ向かった。


◇◇◇◇◇


 会議室に行くとマティーカが先に呼ばれていて、ミスリアとヘルムート、カーマイン、ザルツだけでなく叔父様の護衛もかなりの数がいた。


「ソフィア様。もう手は大丈夫なのか?」

「はい。おかげさまでもう大丈夫です」


「エミリーもソフィア様の治療で被害があったと聞いたが、、、」

「もうわたしが治しました」

「ソフィア様、そうなのか。エミリー、毒の対処も学んでないのに恐れず良くやってくれた。身体を休めて欲しい」


「ルイーサとクラーラはもうヘルムート達に散々怒られたのだろう」

「はい、い、いえ、わたくしもソフィア様を突き倒してでも止めるべきだったと自らの不出来を反省しております」

「そこまで理解しているならよい。しかしソフィア様の状況は二人の経験からも授業の片手間でも出来る範囲を越えている」

「別の護衛を付けると言う事ですか?」

「ソフィア様の状態を見てザルツ殿とカーマインが昨日学院の校長に直談判に行き既に話はついている。学院側の判断はこれ以上貴族学院で大きな問題を起こさない為にも正しい判断だ。今後二人は授業のない時間帯のみこの四人について護衛を学んで欲しい」

「「畏まりました」」

「ヴァルター兄上を始めルントシュテットの者にはこれまで以上の護衛が付く」


 それで叔父様もこんなに連れて来たのですね。


「マクシミリアン叔父様、わたくしに四人とは、、、」

「この四名だ。ザルツ殿がそう話をつけて来てしまったんだ。こちらはまだいい。ルントシュテットでは報告を聞いたビッシェルトルフ様が騎士団を準備して中央とやり合う言い張りと兄上が止めるのを苦労したのだ」

「まさかそんな話になっていたのですか?」


「ソフィア様。ヴァルター兄上は忠臣ではあるが愚かではない。恐らくソフィア様には価値観は理解しがたいかもしれないが、国王様(レクス)がダメなら討って代わりに国を納める方が良いと判断する事もあると言う事だ」

「内戦!? ですか?」

「今回は兄上が止めたが領主の家族が害されそうになったのだぞ。当たり前ではないか」


「中央の仕業と判ったのですか?」

「わたしの方で調べてポドストローマの入手ルートや売人を押さえたが、依頼元のリーゼロッテ王女は捕まえていない。しかしその事はわたしから直接国王様(レクス)に話した」


 毒の事も判った上でもう押さえてるんだね。叔父様相変わらず優秀。


「では、リーゼロッテ王女様は国王様(レクス)に怒られて収まる感じですか?」

「どうだろうな、、、」


 叔父様は言いづらそうに顔をしかめた。


 叔父様は

「次にもしもの事があればこちらで処理させて頂きます。故に二度目はなきようにして頂きたい」

 と国王様へ言って来たそうだ。


 これもう脅しだよね。敵対しちゃってない?

 叔父様も完全に怒り心頭だけど流石に冷静に話しているようには見える。


 でも、恐らくこれで静まってくれるだろうしお休みになったらエミリーの実家の方にみんなで遊びに行きたいんだけど、きっと大丈夫だよね?

 でも雰囲気的に叔父様には言いだしづらかったので後でお父さまにお願いする事にする。


 叔父様の話では

「王女側は治っている事は判らないだろうからお茶会の演奏まで包帯をしていた方がいいだろう」


 と言っていた。私は叔父様の言う通り治っている手に包帯をしたままにした。

 

◇◇◇◇◇


 そして、お茶会当日。


 私の右手の包帯をみんなに見られた。リーゼロッテ王女様もいて口元が笑ってる。


 私を選出した音楽教師のクラーラ・フォン・ブライヒレーダー先生も私の右手の包帯を見て、

「手をどうしたの? 大丈夫かしら?」

「少し問題がありましたが今は特に問題はございません」

「そうですか。ではさっそくお願いしますね」


 勿論、こちらでも音楽の歴史はとても古いんだけど、こっちではずっと長調の曲ばかりで、短調の曲は300年程前かららしい。これらは音楽界だけでなく吟遊詩人達も同じだ。

 曲の調も半音の複雑なものは余りなく、私が包帯を外してシピオーネで弾いたロマン派の曲は嬰ハ短調の曲で、とても半音が多く複雑で情緒的な曲だった。


 先生方や他の学年の優秀者は私の演奏を聞いて驚愕と感激の顔をしてうっとりとしていたけど、新入生で学年3位だったリーゼロッテ王女様は、私が包帯を外した際に「なんで、、、」と呟いた後ずっと私を睨んでいたよ。


 弾き終わるとなかなか止まない拍手と様々な賛辞を貰った。


 クラーラ先生が、


「音楽の神ムジコロム様のご加護を頂いているに違いないわ」


 と言っていたけど多分わたしのメモした神様のリストになかったと思うので加護は頂いていないと思うけど私は何も答えなかった。


「こちらの曲の楽譜はないのかしら?」(クラーラ・フォン・ブライヒレーダー音楽教師)


「申し訳ございません。まだ書けるだけの細かな部分まで習っておりません」

「習っていなくてここまでの楽曲を演奏したのかね」(マンフレート・フォン・アルデンヌ校長)

「楽曲を演奏するのに楽譜が書けなければいけないという事はないと思いますが読めないと困りますね」


「わたくしも発言してもよろしいでしょうか?」

「勿論よアメリー」

「同じ拍の中に複雑で情緒的な音が沢山含まれるのですね」(3年主席:アメリー・フォン・シュライヒャー)

「はい、これは装飾音と言います。簡単に言うと、、、そうですね弾きながらの方が判りやすいかもしれませんね」


 私はもう一度シピオーネの前に行き先程の曲のフレーズを抜き出してそこだけ演奏した。

 鼻歌で歌いながら主旋律はこうだと説明する。


 同じ2つの音のつながりに対して今度は複前打音を適当に入れて弾く。


「これは装飾音と言います。本来の主旋律と違うこれらはどのように楽譜に書いたらよいのかまだ判らないのですよ」

「こんな演奏手法はこれまでないわ」(クラーラ・フォン・ブライヒレーダー音楽教師)

「他にも、長前打音、短前打音、後打音などがこのようにあります」


 私は実際に違いが良く判るように弾いた。

 トリル、プラルトリラー、モルデント、ターン、そしてアルペジオ。

 単純に綺麗な旋律を演奏技術で情緒豊かに表現する事が出来る。


 5年生のネーナ・フォン・ローリングホーフェンさんや4年生のオットー・フォン・ロッソウさんは音楽を得意とする貴族だけど私の演奏を心から褒めてくれた。


 数名の中央の講師と王女様は苦虫を嚙み潰したような顔をしてたけど他の方々にはとても好評だったよ。


 この後のお茶会も私の弾いた曲や演奏技術の話に終始した。

 いや久美子先生と頑張ったかいがあったよ。


 終わった後、護衛騎士のヘルムートに


「ソフィア姫様、とても素晴らしい曲と演奏でした」


 と言われたのがなんか一番嬉しかったよ。



 貴族学院の慣習行事の一つとして優秀者のお茶会の演奏を聞く為に音楽の好きな生徒や教師達が隣の部屋へ集まり『ドアを開けたまま声を立てず隣の部屋の演奏を聞く』という事があるそうで、私は知らなかったけどそれによって私のシピオーネの演奏技術や切ないロマン派の曲がとても話題になった。


 先輩達がルントシュテットのサロンを訪ねて来て、お茶会の申し込みが殺到したけどもう貴族学院はお休みになるし年明けにお願いします。


 これなんとか休みで落ち着いて欲しい。



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