表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドゥープレックス ビータ ~異世界と日本の二重生活~  作者: ルーニック
第六章 夢の火魔法使い
64/129

勧善懲悪

 国王様に火魔法を披露するソフィア。

 異世界のアニメやゲームに詳しい花音ちゃんに正統派の異世界ものの勇者について教えて貰う夢美。

 (じゃあこのお話は正統派じゃ、、、確かに勇者じゃなかったよorg)


 私はサーラに原油の場所を聞き樽一つ分を採取した。場所はかなり判りづらい場所で特に隠す必要なく上手く隠れた場所だった。一応クルツバッハ伯爵様に守って貰おう。

 この辺りが街になるとすると、、、。結構厳しい場所だけど水さえどうにかなれば大丈夫かな。緑化も必要だね。



 中央へ戻りマクシミリアン叔父様達が騎士団の指揮官アーデルベルト・フォン・イエラルを王城へ連行した。私は週末にルントシュテットの館で少しはゆっくりと出来るかと思ったけど叔父様が慌てて館に戻って来た。


「ソフィア様。国王様(レクス)に火魔法使いをお見せすると約束したのか?」


 しまった、マクシミリアン叔父様に言うの忘れてた。けど確かにフォルカーさんにそう伝えてもらったよ。


国王様(レクス)が火魔法使いがいると言い、ソフィア様はいないと言っていたが、火魔法使いはこちらが保護している。何故国王様(レクス)に火魔法使いをお見せするなどとフォルカーに連絡させたんだ。おかしいではないか!」


 うん、傍から見たら確かにおかしいかもしれないよね。

 でも種を明かす訳だからそれでいいんだけど、、、。まだ叔父様にも説明してないや。後でいいか。


「『直ぐに見せろ』と言われなんとか2週間の猶予を貰った。2週間後の週末以外難しいそうだ」

「2週間ですか。本当は1ヵ月くらい欲しかったですけど、、、。それでも2週間を確保して頂きありがとうございました。では頑張って準備しますね」


 ???


「ソフィア様が何を考えているのか良く判らないが国王様(レクス)に披露する際には同席させてくれるのだろうな」

「勿論ですよ。皆さまをお呼びします。では忙しいのでこれで失礼しますね」

「わ、わかった」


◇◇◇◇◇


 日本でもいきなりだけど丁度2週間歴史研究会がお休みになったよ。葛城部長によると私達が使っている部屋のある建物の改修工事が行われる為に使えないと顧問の岩崎先生から連絡があったそうだ。



 この時間を利用して異世界物が好きな乙羽 花音ちゃんに色々と教えて貰おう。

 でも私が『勇者の物語を教えて』って言ったら、『どったの? 夢っちみたいな優等生がゲーム?』って驚いてたよw。

 いや、今はそれが一番必要なんだってばw。


 花音ちゃんに聞くと勇者の物語のポイントは『勧善懲悪』である事だっていうのが良く判ったよ。



 普通は魔族の王「魔王」が人間の国を「魔族の国を拡大するため」に攻めて来る。魔族の領土にされた地域の人々は絶滅したり魔族に酷い扱いでこき使われたりする。土地は瘴気に満ち溢れこの世の地獄で住めない土地になる。『瘴気』っていうのは疫病が蔓延するような淀んだ、つまりウイルスや悪い菌だらけっていう感じの空気だね。

 勇者の敵は概ねこんなパターンの『悪』が主流のようだね。


 あるお話ではその理由が数千年前は魔族の土地だったからだそうだ。


 そんな理由? でも私達のような民主主義国家の人からするとあり得ない『悪』だけど地球で今も行われる戦争や侵略の幾つかの独裁国家のそんなお話とまったく同じだねw。



 勿論現実世界の話ではなくてこっちは想像のゲームの中のお話なんだけど火魔法使いが出て来る勇者のパーティって何故か判らないけど4人くらいなのだそうだ。本来戦争なんて数のゲームに等しいからとても不思議だけど恐らくゲームのシステム的な理由かららしい。この際それはどうでもいいかな。イメージが大事だしねw。


 勇者という職業は勿論ないから、標準的なのは戦士、パラディン、魔法使い、僧侶という感じだそうだ。旅芸人というのもいるのだそうだけど、吟遊詩人や旅芸人は私みたいな勇者素人から見ると芸人という戦いの素人が戦うのはちょっと難しいんじゃないかなと思うからこれはパス。


 教会って向こうだと司教様がいる座があるのが『カテドラリス』(もしくは聖堂がカテドラル)っていうんだけど、まあこっちで言う大聖堂っていう感じだね。そこにいる色んな役職の人も上層部の腐敗から人気がないんだよ。この辺もなんとかしないとだけど、彼らは神様にお祈りはするけど魔法は使えない。取り敢えず僧侶とかではなくてこれは修道士と言うことにしよう。


 パラディンって言うのは聖騎士というのだそうだけどそういう存在もいなくて日本でもお寺で僧侶が戦力を蓄えてっていうそういうパラディン的なのが歴史にあるけどそういうのは僧侶じゃなくて普通に軍事力の戦士だよね。でもこれだと勇者との違いはなんだろう。

 まあ勇者より大きな盾を持たせてちょっと強そうにしようっと。


 ピシュナイゼルのクラウディア様の事をマクシミリアン叔父様は『神の使徒』って言ってたから近いのかもだけどその場合、勇者は神じゃないだろうからちょっと違うのかな。

 

 で、勇者のかぶっているこの頭のは何?w コロネット? いや、本当に花音ちゃんはこういうの詳しくて助かったよ。でも戦う人なのに何で装飾品が必要なのかは意味が結局判らなかったよ。


 でも向こうでは普通に森林法があるから貴族以外にゲームに出て来るような場所にはそもそも誰も入れないんだけどそこは何か別の辻褄が合う事を考えないとね。

 国のものでもない誰のものでもない土地なんて誰も行かない南極位しかないからね。勝手に入っちゃダメだよね。

 

 何が凄いかってこのゲーム音楽が凄いよ。私も聞いた事あるけど本当にカッコイイ音楽だね。気に入って何度も聞いてたからもう覚えちゃったよw。

 ネットで調べるととっても有名な凄い作曲家が作曲していてオーケストラでやってるんだね。お金がかかってそうだね。


 うんよく判ったよ。

 花音ちゃんありがとう。本当に色々と勉強になったよ。



 美鈴先生とのお勉強では石油の採掘、プラントなんかのお勉強を始めたよ。

 石油プラントを持っている国って結構少なくて原油を輸入して実際に加工している国ってそんなにないんだね。難しいし危険な事も良く判ったよ。


 でも蒸気機関も地球で最初に発明された際にはとても効率が悪くて馬力も少なかったけど、美鈴先生とやったのは最初からコーリスの蒸気機関の回転弁を採用していたからここまでの効率を得ている訳で、他にも現代じゃなきゃ無理な石炭粉末や自動投入の装置なんかもそうだけど現代の知識があれば色んな事が最初から上手く出来るからね。だから聞きかじりの知識じゃなくて勉強や頭を使った工夫って本当に大切だと思う。


 石油も焦らずにきっちりとやって行こう。


◇◇◇◇◇


 国王様(レクス)に火魔法を披露する為にみんなにも手伝って貰わないとね。


 ノーラにみんなを集めて貰う。

 ルントシュテットの人達は私を国王様(レクス)に取られないようにとか頑張ってくれるそうだけど私はそんな心配はしてないんだけどねw。


『おおー!』


 って盛り上がってるから水は差さないようにしよう。


 連れて来た孤児達は全員洗って美味しいものを食べて貰って遊び道具を渡したらみんなで遊んでてくれたよ。暖かい芋やマメのスープが一番美味しいものと言う概念が崩れみんなお腹が膨れるまで食べていたそうだ。食事が改善されたら直ぐに元気になったよ。でもそろそろ協力して貰うよ。

 連れて来た孤児達全員の採寸をケイトとハイデマリーにお願いして新しく服を作ってもらう。


 クルツバッハ伯爵にも連絡しておかないといけないね。


 貴族学院の音楽の講義ではまだ音階のお話で私はまだこっちの楽譜が書けないからヘルムートに旋律やアレンジのイメージを私の鼻歌で聞いて貰って楽譜にしてもらい、演奏が出来そうな人を探して貰う。


 危ないから本当に切れなくてもいいから勇者の剣をフェリックスに作って貰う。装飾は結構カッコ良くしようね。

 木工職人のマーティンには魔法の杖と魔王様人形を作って貰う。


 本当の魔法の杖って本物の実際の作り方があるんだけど、私が言う魔法の杖っていうのは勿論地球の漫画やゲームの魔法の杖でこっちで本当に使ってるものとは違うけどこうガラス職人のヴェルナーに大きな色ガラスの玉をはめて貰って私的に凄くカッコ良いのにして貰うw。


 何故なのかは知らないけど、私が見た漫画やゲームの勇者側はみんな青い玉を付けていたんだよね。結局勇者の頭のって意味が良く判らないけどこれも一応聞いた『コロネット』を着けてもらおう。


 いや、私が色々とカッコイイとか言ってもゲームを知ってる私の感覚であって、こっちの人達にカッコイイと思って貰えるかどうかは別の話だ。あり得ない話は受け入れられないから当然パスなんだけど私が納得するものじゃないとイヤだからいいんだよこれで。


 サーラはあの手袋だと火傷しちゃう危険性があるからもっと安全な手を火傷しないものを作って貰う。

 サーラには髪の毛じゃなくて綿(わた)を使って貰って持ってきた原油で危なくないように練習して貰う。


 孤児達には次のように演じて貰うよ。

 ザック・・・勇者

 アルフ・・・戦士

 サーラ・・・火魔法使い

 パイル・・・回復魔法

 ミア ・・・魔王、その他敵役


 逃げ足が速い、、、いや運動神経のいい孤児達に勇者パーティと魔王を演じて貰って国王様(レクス)に火魔法を披露するという感じだよ。


 準備だけで一週間くらいは掛かって、貴族学院がお休みの週末にストーリーを説明してリハーサルをする。私のいない間も練習してね。失敗出来ないから。



 そして火魔法使いを披露する当日を迎えた。


 国王様(レクス)の他にも宰相様まで見ているよ。ルントシュテットからは叔父様と叔母様、ユリアーナ先生とお兄さまも見学に参加している。クルツバッハ伯爵も同席して頂いた。


国王様(レクス)。大変お待たせ致しました」

「本当に待ったぞ。何故時間がかかったのか?」

国王様(レクス)にお見せしても恥ずかしくないように火魔法使いの服などの支度を整えるのに時間が掛かりました。本日は簡単な劇によって国王様(レクス)がお望みの火魔法を披露させて頂きます」

「劇? 成程。趣向を凝らし火魔法を披露してくれるのだな。それでこの演習場でという訳か」

「はい、火魔法は危険でもありますのでこちらで失礼させて頂きます。では早速ですがお楽しみください」


 タータララータララーーー♪


 勇者が登場して歩いて来る。


 タッタラーラーラーラータララーラタラララーラ♪


 おお、なんか本当の楽団っぽいよ。本当に勇者が登場しそうな音楽だよ。ヘルムート達の見事な演奏だ。凄いよ本物の楽器で私の護衛騎士カッコイイ!


 簡単な寸劇を孤児達に演じて貰う。孤児達は大道芸をやってたからこういうのは上手い。勇者のザックは声も張れて聞きやすいね。でも国王様(レクス)の偉さとかは普通の貴族と区別がついていない感じだから全然大丈夫だったよw。知ったら卒倒しそうだけど。


 ちょっと教会の腐敗の皮肉を込めた寸劇で、腐敗に嫌気がさした修道士と不正を行う貴族の元を離れた騎士も勇者パーティの仲間になる。国王様(レクス)の前だけどちょっと攻めた内容にしたよw。

 人形で作った悪魔や精霊的な悪い奴らをやっつける勧善懲悪のお話だよ。こっちでは精霊は悪い悪魔みたいなものなんだよね。

 最後に魔王が現れた。これも人形なんだけど孤児のミアが操っていて彼女の声は声優さん顔負けの上手い声色でセリフも結構迫真の演技だ。


『ダー!』


 バシャバシャ!


 魔王が水を撒く。勇者も戦士も魔王にタジタジで修道士が回復魔法を掛けてなんとか持っているけど、勇者パーティが劣勢なここで火魔法使いの出番だ。この回復時の光も袖に隠したライトを使ってるよw。


「勇者ザック! ここは私に任せて!」

「魔法使いサーラ! 頼む!」


 シュバッ!

『~イーニス ピーラ!~』


 見事な火の玉がサーラの手元に現れた。

 ブワッ!


 お、おー!

 これかっ!

 国王様(レクス)を始め見ていたみんなが声を上げた。

 魔王の人形を操っているミアが退避する。

 

『ハッ!』


 火魔法使いのサーラは火の玉を勢いよく魔王の人形に投げつけそれが魔王に当たると火まみれになり燃え上がる。


『ぐわー! や、やられたー』


『今よ! 勇者ザック!』

『任せろ! たー!』


 ドシュ!


 こうして勇者達によって魔王は倒され平和が訪れた。

 キメのポーズw。


 みんなが国王様(レクス)達観客へ向けて頭を下げる。

 拍手喝采だね。結構長い喝采だったよ。



「なかなかに面白い話だったぞ皆良くやった。しかし見事な火魔法だ。ソフィア嬢。このような見事な魔法でも種や仕掛けのあるまやかしだとでも言うのか?」

「はい。その通りです。これは魔法ではなくマジックです」

「何っ!」


 シュバッ!

『~イーニス ピーラ!~』


 なっ!


 ソフィアが火の玉を手袋をした掌の上に出す。


『ハッ!』


 ソフィアが火の玉を投げた。


「この通り、火傷しないように厚皮に保護を付けた手袋を用意してやり方を覚えれば誰にでも使えます」


「こちらの火魔法使いサーラは元は髪の毛をまとめたものを利用していましたが今は綿を使っています。

 こちらがその元である黒い玉です」

「それがイーニス ピーラ(火の玉)の元だと?」

「はい、これにマッチの原理を使ってこのように火を着けます」


 シュバッ。 ボッ。


「おお!」


「このまま長く持ち続けると火傷をしてしまいますから直ぐに投げつけて手袋に着いた火は手を握って火を消します」


 パシッ。


「当たった箇所にはこの黒い液体が拡がり火が燃え広がるという仕組みです。この黒い液体はランプのオイルのように燃える液体なのです」


「ぐぬぬ。知らぬ技術が使われそれが魔法と思われていたのだな」

「はい。しかしこちらはとても優れた錬金術師が考案したもので魔法ではございませんが見事なマジック技術だと思います」

「成程。それでは嫁入りの賭けはソフィア嬢の勝ちと言う事か」

「物理的に無理なものは不可能ですので最初から無理筋ですから勝ち負けを競うお話ではありません。それよりもこの綿に染み込ませた黒い液体はこの国グレースフェールに発展をもたらす大いなる祝福なのですよ」

「大いなる祝福だと? よし城へ戻って詳しく話そう」

「ありがとうございます」


 孤児達と楽団に後片付けをお願いする。


 ・・・。


 私は原油とは何かとピシュナイゼルのクルツバッハ伯爵の領地に原油が埋蔵されている事を説明した。

 原油を精製して内燃機関によって、時間は掛かるけど現在ルントシュテットの蒸気機関を刷新するとても有用なエネルギーである事を説明する。国王様(レクス)は頭が良く直ぐにそのとてつもない有用性を理解してくれた。


 でもここからが交渉だ。


 この有望なピシュナイゼルへの出資をルントシュテットだけでやってしまうと今のようにルントシュテットがとんてもなく儲かっている現状が一旦は減るものの更に凄い事になってしまう事も理解して頂き中央だけでなく他の領地でも余裕があれば出資して貰うようにする。

 でも簡単に公表してしまうと他国の侵略対象になるから秘密裏に行って貰う。

 そのお金でピシュナイゼルの砂漠化を食い止め石油の採掘を行い石油プラントを建設運営する。


 中央へ産出した石油を届けるのにタンカーのように大型の船で運ぶ為に中央から大きな川を整備して貰う。

 これがピシュナイゼルを復興させるためのポイントだよ。


 かなりのお金が必要だけど、絶対に元が取れるからね。

 技官や文官には直ぐには理解して貰えなかったけど国王様(レクス)にはご理解頂いたようだ。


「ピシュナイゼルはとんでもない味方を手に入れたものだな」

「はっ。これも女神地母神ガイア様の思し召しかと」

「女神様のか、、、」


 国王様(レクス)には概ね私の思い通りに約束して貰ったよ。

 でもこれとは別に内燃機関の仕組みや石油プラントなどを詳しく説明する必要があるんだけどね。


 そして、火魔法の大道芸はピシュナイゼルの領民にも人気で、なぜなら貴族や大商人、教会の上層部が領民に不人気で不満が溜まりまくっているという事を国王様(レクス)に言う。


「そんな事はソフィア嬢に言われずとも判っておる。余も国も手をこまねいている訳ではない。不正を暴き次々と対処はしているが不正が多く追いついていないだけだ」

「その間に民の不満が溜まってしまうと大変ですよね。この国には娯楽も少ないです。そこで本日お見せしたような劇を娯楽として民に提供してそれらの不満のはけ口とする事が必要なのです」

「!! 成程。それで先程のような貴族や教会の皮肉を込めた劇にして余に見せたのだな。面白い、是非やってくれ。国からも協力しよう」

「はい。ありがとうございます。先程の内容につきましては大変失礼致しました」


「ソフィア嬢、、、。其方は中央の貴族として働くべきだ。マクシミリアン! 其方は知っているであろう。貢献を鑑みてソフィア嬢に侯爵位を与えると余が申した事を」

「ぐっ!」


 えっ! 何それ。聞いてないよ。

 ってか国王様(レクス)は何を言ってんの。私は成人もしていない8歳の幼女なんだけど、、、。

 いやいやいや、子供には違いないけど幼女じゃなくてもう貴族学院の学生だったよ。みんなからそう言われているからって自分で間違えてどうすんの。まあ子供には違いないけど。


「あ、あの件は兄上からソフィア様が成人になるまでお待ちくださいと申し上げたはずです」

「嫁には取れぬ、中央の貴族にはならぬと、その間にルントシュテットと中央の差がどれだけになると思う」

「それはそうですが、、、」

「今では中央からでなくルントシュテットからの商品が(くだ)りものと呼ばれておるのだぞ」


 それは確かにこの国の首都がルントシュテットみたいな感じだね。中央を預かる国王様(レクス)としてはプライド的な問題かもしれないね。


 でも私はまだ貴族学院に入学したばかりだから学校があるんだけど。日本で言えばまだ小学3年生だよ。

 でも大体話は判ったよ。


 私も中央だけじゃなくてシルバタリアやイエルフェスタ、他の協力的な領地も上手く頑張って欲しいとは思っているからね。


国王様(レクス)。それでは中央を含めた協力的な領地と力を合わせて産業を発展させていく為に『商業特区』を作りましょう」

「なんだ、その『商業特区』というものは?」

「今は各領地へルントシュテットから商品などを提供する際には多額の税が掛かります。参加協力する領地とその特区との取引に関しては課税せずに自分の領地と同じ扱いとするのです。その為に参加して頂ける領地では中央やルントシュテットなど関係なく商業や産業を発展させることが出来ます」

「うーむ。自由度が上がり発展が望めるだろうがそれによるルントシュテットの利益は何だ?」

「はい。わたくし共には様々な発明の元である権利が山のようにございます。それらも安く提供して広めれば更にルントシュテットも発展するでしょう」


「判った。ソフィア嬢の言うその発展はまだ余にも理解は出来ぬものがあるが其方の言う事だ。信じよう。ときにルントシュテットで問題が発生した事はご存知かな?」


 何、それ、聞いてないよ。


国王様(レクス)。まだソフィア様にはご説明しておりません」

「ルントシュテットのシーラッハは取り潰しとなる」


 えっ、騎士団のルッツの領地が、、、。取り潰しって何があったんだろ。ルッツ大丈夫かな。


「マクシミリアン。中央、シルバタリア、イエルフェスタに隣接するように領地を再編しそこをソフィア嬢の言う『商業特区』とするようヴァルターに伝えてくれ」

「はっ!」

「ヴァルターから申請のあった商爵であったマンスフェルト家を男爵とし統治に当たらせるように」

「はっ!」

「爵位の授与は別途行う」

「はっ!」


 えー、マルテのお家のマンスフェルト商会が男爵家!


「ソフィア嬢。成人するまでは仕方あるまいがその『商業特区』も頼んだぞ」

「はい」 



 うー、さすがに色々と他にもありすぎてこれはマクシミリアン叔父様じゃないけど本当に身体が3つ欲しいよ。


 結局、国王様(レクス)は掛けに負けたと言い張り強引にこの場で望みを言えというので『巨大な旋盤』をお願いした。

 多分みんなが想像している10倍くらい大きいよw。日本の普通の一軒家より大きなものだよ。

 今作っている小型砲よりも巨大な大砲を造る為には必要不可欠だからね。これは流石に簡単には作れないから国王様(レクス)に費用を持って貰おうw。



 でもまずはお父さまかマクシミリアン叔父様にまずシーラッハの街のお話を詳しくお話を聞かないとだね。


 でも花音ちゃん本当に助かったよ、勇者の勧善懲悪劇は大成功だったよ。


 

 少しお時間を頂いて恐らく数週間誤字とかを確認する感じになってしまいました。

 その間は閑話などを公開させて頂こうかと考えています。

 しばらくの間はよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ