ファンタジー!
美鈴先生がまた売れないと判っている夢美と共著の本を出すw。
貴族学院では様々な授業があって期待大のファンタジーを含む楽しい講義が満載!w
ソフィアは色んな意味で驚くがそこにかなりやばい先生がいたw。
美鈴先生がこれまで数多くの一緒にやって来た歴史上の発明品の改良についての書籍をまた私との共同執筆として出した。机上や妄想だけなのと違って私が実際にやってフィードバックして開発しているのが色々とあるからこれはちょっと凄いよw。
『発展の歴史にもしもがあったなら、、、~人類の発明は世界にどのような影響を及ぼすか?~』
歴史にもしもはないっていうのが定石だけど、それをわざわざ『もしもがあったなら』と例えば現代にも問題になっている二酸化炭素や排ガスなどの公害を最初から色々と考えて作られていたら現代はどう変わっているのかというような美鈴先生の力作だよ。
でもさぁこんなタイトル誰も手に取らないよねw。
当然ながら現代は科学が発展しているから、今の時代に頑張って蒸気機関を作ったり、振り子時計を作ったりなんていう人は誰もいないよ。でもこれって私から見ると面白すぎて人類の歴史を知る上でもバイブルにしたいような本だよw。あははは、こういうのがきっとオタクっていうんだね。
環境問題に関しては私も美鈴先生も温暖化二酸化炭素説にはかなり懐疑的だ。
現代は気候変動が大きく、気温一つをとってもダイナミックレンジが大きくなっているからね。
その背景の上で、作りやすく機能的な改良や効率の向上、公害などの問題点が最初の時点から配慮されていたらという仮定の数値が試算されている。
まあ実際に私は全部そう作ってるんだけどねw。
そして発明は成功の歴史であると同時に失敗の歴史でもある。うんうんこれはすごく共感できるよw。
沈黙の春、フロン、アスベストなどこれまで数多くの失敗を繰り返している。
おかしな活動家達の話に惑わされずに科学的・論理的思考から、人の発展の歴史の成功と過ちから学ぶべき事、最初に評価・考えるべき事が多い事がこれからの先の日本や世界の発展に於いて考え易く示されている面白い本だよ。
活動家と言えば環境問題は巷では『温暖化』なんて言われていたけど南極の東部の一部以外の全体の氷はずっと増え続けているし記録的な寒波や記録史上最低気温なんかも記録されてる。海水が浸水しそうな島は地盤沈下が確認されてるし世間で言われている事と事実があまりに違い過ぎるなどもこの本で指摘されているから、そういう面で見ても私個人としてはかなり面白い本だけど、この辺りはマスコミや一部の環境活動家の言っている事がことごとく事実で否定されているから、この本は世間の評判にはならないと思うw。大人のこういうのってもうなんだかなぁだよ。都合の悪い話は一切取り上げもしないよねw。
勿論、私も金星の温暖化の暴走なんかは知ってるよ。
でも、そもそも二酸化炭素が原因だと言う温暖化の科学的な根拠は存在しない。温暖化を研究していると言うアメリカのお爺さんの研究者は根拠として産業革命以降平均気温が2.4度も上昇していると言ってた。この本には実際のお名前も書いてあるけど内緒だよw。
私は気象の専門家じゃなくて普通の少し歴史が好きなだけの中学生だけど、中世ヨーロッパの時代、西暦1000年~1300年頃は普通に今と同じく太陽の活動が活発で100年の間に気温が6度も上昇した記録もある。その後、俗に言う小氷期で日本でも江戸時代などはかなり寒かったよね。そして1700年以降に小氷期が終わり太陽の活動が活発に戻り気温が上がって今の温暖な気候になってる訳で、産業革命以降に気温が2.4度上昇って、、、そんなの太陽の活動によるものだって中学生の私にもわかる当たり前の事ですよね。こういう気象の専門家さん達って太陽の活動とか歴史が中学生の私よりも嫌いなのかな?
科学的に二酸化炭素との結び付きは説明せずにおかしなキャンペーンばかりやってる大人達は何で? って私のような中学生から見ると変な事言ってる人にしか見えないんだけど、私が色々と教わってる美鈴先生はまともな科学的思考の人で本当に良かったよ。
でも地面がアスファルトで埋まってしまう都市は、確かに同条件下なら田舎より気温が2度程高いからそういう面から行けば、もしも気温上昇が心配ならばアスファルト道路工事と太陽光パネルをやめて土と緑を増やせば気温は都市と田舎で違わないと私なんかからしたら思うけどね。風力発電もこの本に書かれてるアセスメントの調査結果では風下では地面の温度が3度上昇してしまっているからマクロファージが変わってしまうからどう考えても生態系にとってダメだよね。
大人達は全部逆の事をやってるから何がしたいのか普通の中学生の私には良くわからないよ。
でもまあ別にこの本が売れなくてもこの前儲かった分がまだあるし美鈴先生が出したいっていうから付き合うのは別に構わないよね。
◇◇◇◇◇
貴族学院の方は大分判って来た。
この一週間で一年生のプラマーリアの各講義が一通りあって、中でもとっても興味があるのが日本の私の知識にない貴族学やこっちの地理や歴史、それに魔法学だよ。
なんかこういうのちょっとワクワクしない?
貴族学は、最初は各領地の色と紋章についての紋章学で、オレアンジェスのテオバルト・フォン・ベートマン・ホルヴェーク先生が教えてくれる。確かオレアンジェスはサクレールからのスパイがいたって言ってたから注意しなきゃだけど、テオバルト先生は一応学年主任でいい先生っぽい。
日本には家紋と言って家系それぞれにあるけど、こっちは貴族の領主が領のシンボルとなる紋章を持っている。
戦争の際などでは旗で自軍が判りやすい。
まず、ルントシュテットの紋章『アクイライ』(白頭鷲)に始まり、中央の『レオ』(獅子)、先生の出身地オレアンジェスの『バラエーナ』(鯨)、シルバタリアの『オルカ』(シャチ)、イエルフェスタの『ウォルフ』(狼)、ラグレシアの『アーピス』(蜂)なんかを全部を教えてくれた。
(他はグレグリストの『ウルサ』(熊)、パープラングの『アッチーピタ』(鷹)、ピシュナイゼルの『パーボ』(孔雀))
それぞれに謂れがあって、伝説的なのは本当の話かどうかは疑わしいけど結構面白い話だったよ。
地理のユリアーナ先生の授業は概論の世界や宇宙のお話だったけど、ユリアーナ先生は地動説を私から説明されて数多くの理由から天動説は間違えである事は既に判っていても教材がマッパ・ムンディという世界地図や地動説の宇宙観を説明しなければならないので授業中にずっとチラチラと私を見ながら涙目で講義していたよw。
『後で資料を作って別の説もお教えします』って言ってたから地動説も教えてくれるかもだね。
ルントシュテット領の事をあまり良く思っていない他領もいくつかあったようだから各領地の先生の事を最初は警戒していたけどそうでもなかった。他領と言っても領主や色々な貴族がいるからそんなでもないのかなーって思っていたけど算学はかなーり来てましたw。
プラマーリアの算学の授業は基本演算を学ぶんだけど、問題は先生がイエルフェスタのクレメルヒェン・フォン・マートリッヒ先生だという事で、エミリア様と同じ私達が襲われた問題のある貴族のいる領地の先生だね。
ちょっと注意して行こう。なんか神経質そうな女性で、日本で小学校の頃、私達のクラスの全員に靴下の色がどうのこうのと嫌味を言ってた先生にそっくりだよw。
「わたくし、これから皆さんに算学を教えますクレメルヒェン・フォン・マートリッヒですわ。皆さんは頭を使う算学は苦労なさるでしょうけど、あまり手を煩わせないで頂きたいものですわね」
いやー、いきなりこの先生全開で飛ばしてるねーw。ヤバイ、これ吹き出しそうだよw。
後は何も言わずに板書に数字を書き出した。
どうやら足し算の方法と引き算の方法、掛け算の方法を板書にみっちりと書いているようだ。
もうあまり板書のスペースが空いてないけど、脇の空いている場所にあまりきれいじゃない文字で曲がったまま足し算の問題を書いた。
「これがアディタメンティム(足し算)とデタラクティーオ(引き算)、ムティプリカティーオ(掛け算)ですわ」
いやいやいや、それ何も説明なしなの?
しかもそこに書かれている掛け算は掛ける回数だけ数を足して求めるとか気が遠くなりそうな求め方だよ。何これ。本気でこれを教えようとしているならもう完全に嫌がらせのレベルだね。
「では、えー、ベルントさん。前に出てこれを解いてください」
ルントシュテットの同級生ベルントが前に出て答えを書いた。一桁の足し算なのでベルントもこれは間違えない。ベルントはトランプ強いからね。
「あら、ルントシュテットでもたまたま出来る方もいるのね。では次」
いや、ルントシュテットは関係ないと思うけど。
カシカシカシ。
一桁だけど、これは繰り上がって11になる問題だ。
「スーザンさん。前でこれを解きなさい」
酷い授業だね。繰り上がりを一切教えていない。
スーザンが簡単に11と書く。
しかしこの後、ルントシュテットの子供達に少し問題がある事が判った。
幾人かが12+13を『サレンダー』だと連続して間違えたのだ。
答えに『サレンダー』と書く。
あちゃー、それブラックジャックの『勝負を降りるっていう』意味だからねw。あの3人はブラックジャック強かったのに><。
「おーほっほっほっ。やはりルントシュテットの子供はこんなものですわね。今日はこれが出来たら終わりにしますわ。どなたでも答えてみてくださいませ」
3桁と2桁の足し算だ。
私が行こうとすると、マティーカが
「姫様、わたしが答えます」
と前に行って簡単に答えた。
勿論正解だ。
「ま、まぁ!!」
何故か先生が怒っている。出来たのが問題なのだろうか? まだ授業始まったばっかりなのに先生の言う通りならこれでもう終わりだよ。
カシカシカシカシ。
「で、では、ソフィアさん。これを答えてみなさい」
いや、話が違うじゃんか。終わりじゃないの? まあ、いいか。
えーと、空いたスペースに書かれていてもう式も斜めで曲がっちゃってるけど、これだと、えーと、
562 x 34 にしか見えないんだけど、これ足し算? 掛け算?
「マティーカ、これ足し算かな? 掛け算だよね」
「うーん、掛け算にしか見えませんよ」
「ほら、そこ! 優秀なマティーカに相談しない!」
いや、なんかもう私達完全に恨まれてるっぽいね。
19,108
私はこれは掛け算と見たw。
「おー、ほっほっほっ。これでルントシュテットの領主の娘で女神様ですって。全く違うわね。答えは592よ」
「クレメルヒェン先生。これは掛け算にしか見えませんよ。違うならこれだと見づらいですから掛け算には『・』を使ってくださいませ。それに足し算だとしたら正解は596です」
「えっ!?」
「はい、姫様の答えの方が両方あってますね」
「マティーカもやるねー」
「ソフィア姫様程ではありませんよ」
この後、顔を真っ赤にしてクレメルヒェン先生は教壇にバンと資料を叩きつけて「終わり!」と言って出て行った。
えーーーっ!
な、なに、これ?
こんなのが先生なの? 学ぶ事が1か所もない反面教師だね。
はぁ~流石に私も呆気にとられたよ。
私は前に行き教壇でみんなに向かって話した。
「皆さんもわたくし達貴族が取るべき態度を先生のような反面教師から学んでくださいませ。皆さんは3桁の足し算、引き算、掛け算まで復習しましょう。答えの求め方が先生のご説明と違いますからわたくしがサロンで説明します。それからトランプの『ブラックジャック』と勘違いして『サレンダー』(降参)と言って間違えた3名は残って2桁の足し算のお勉強です」
あははは。(流石にウケてる)
「マティーカ、教えてあげてくださいませ」
「はい。姫様」
なんかまだ時間が沢山あったから他の生徒のみんなも残ってマティーカの授業を受けた。
マティーカが二桁の足し算を判りやすく教えて繰り上がりの考え方や筆算、暗算の際のコツを丁寧に教える。どうしてもクレメルヒェン先生と比較しちゃうけど、これは比べるまでもなくマティーカの圧勝だね。
全員が完全に理解したようだ。
「では、今日はこれで終わりにして後はサロンでやりましょう」
「「はーい」」
流石にこの授業はダメでしょ。クレメルヒェン先生はルントシュテットの子供達に教える気が全くないよね。
簡単に問題点をレポートしてサロン・マスターのユリアーナ先生に相談しよう。
週末の授業はお待ちかねの魔法学だね。先週は私達は出れなかったけど礼拝堂でお祈りをして神様の加護を確認して追いついているよ。
魔法学はブルリア領のヘルマン・フォン・アイヒホルン先生だ。確かブルリアの子爵様だってユリアーナ先生が言ってた。スカーフの色が青で虎、ティーグリスの紋章の入ったスカーフだ。
今日の魔法学は基本魔法の予備知識と実践を教えてくれる授業で正直私は始まる前からもうワクワクだよ。
魔法は大きく3種類あって、『神的魔法』、『白魔法』、『黒魔法』とあるそうだ。
これだね。叔父様の言ってたの。
『神的魔法』は神や聖人の起こしたとされる奇跡の事で現在現実に確認された物はなく想像上の物とされている。えー、ちょっとガッカリ。
こちらの聖人の伝承で海の水が引いて道が出来たと言う何となく聞いたことがありそうな物があるそうだけど、その地方の人によると海の干満と月の状態によって珍しい事ではあるそうだけど普通の自然現象だそうで、それを知らない聖人の弟子が伝記を書いたので奇跡とされたなど、他にもかなり色々ガッカリなお話を聞いた。org. まあ科学的と言えば科学的だけど、私の期待は、、、神様、聖人様、、、。
でも言い伝えでは神が顕現する際などでは光が確認されるそうだ。
『黒魔法』は庶民の間で言われている呪いが基本な物で所謂アニミズムや呪術的な物だそうだ。アニミズムは日本で言えば八百万の神の様な物だね。これは悪魔や精霊の力を借りる物なのだそうだけどこれも効果などは不確かで、色々と救いを求めたいと言う欲求による願いに近い物なのだそうだ。詐欺もとても多い。
古くからあると言うシャーマニズム的な物も黒魔法になる。因みにこちらでは精霊は悪魔的に考えられているよ。これらも現実には不確かで何も証明されていないそうだ。
この前マクシミリアン叔父様から聞いたちょっと眉唾の「火魔法使い」はこの黒魔法にあたる。
うーん、私が日本で得た知識の魔法の概念が崩れそうだよ。これだと魔法学って一体何を学ぶんだろ。
まあ得た知識って言っても漫画からだけど、、、。
これまでも知ってはいたけど、黒魔法を信仰する庶民の中には思春期の頃『珍想者』と呼ばれる病気に掛かる人がいて、学問として学んでもやはりこれは中二病の様な物だそうだ。珍妙な事を想う人だそうで何にも出来ないのに自分は伝説上の人の生まれ変わりだと妄想したり黒魔法が使えると妄想したりするそうだ。
うぷっ。ツボる。なんか日本でも知ってる病状だよそれ。
私達貴族が教わる魔法は白魔法で、黒魔法と違って白魔法には『珍想者』はいないそうだ。
これは『黒魔法を憧れ的なものとして悪どい商人や悪い貴族を倒す』というような抑圧された精神的な願望から理論的な組み立てなしのおかしな物語を読んでしまったが為の病気で、どう考えても国王様は頭いいのに色んな本を読み過ぎてるんだね。演繹性を無視してもきっと面白いお話があるんだろうなと思う。
私も中二くらいになれば中二病に掛かるのかなとか漠然と思ってたけどそういう話じゃないんだね。
日本の兄から借りる漫画もファンタジー小説も、おかしな話が出て来た時点で私だとそれ以上読み続けられないからなぁ。逆にある意味ではそういうのを無視して楽しめる人達が少し羨ましくもある。
でも『珍想者』マジウケるよ~。
「皆さんは可哀想な『珍想者』になったりはしないように当然の一般常識や現実を貴族学院で良く学んでくださいね」
あっ、はい。
釘刺されたよw。学ばないから掛かるのか『珍想者』。
しかも『可哀想』、、、。 吹き出しそうだよ。
ヘルマン先生。国王様にもう一度魔法学を教えて欲しい。
更にガッカリな事に『白魔法』は本来人間が出来る事の補助をするだけの魔法だそうで神や悪魔が起こす奇跡ではなく当たり前の事を当たり前に出来るようにするだけなのだそうだ。
うんっ!? えーーー!
身体強化や遠くの人と意思疎通したり怪我を治癒したりするのが当たり前の事なの!?
なんで、、、。
これは逆に別の意味で『白魔法』に興味が沸いて来たよ。
いや、ちょっと待って。あの声に聞いた治癒魔法で手当てをする時には手が光ったからね。光るとかは絶対に当たり前の事じゃないよね。あんな風に傷口がウニウニと動いてくっつくのも絶対に普通じゃないよ。
も、もしかすると私がその珍妙な病気の人っ!?
そう言えば私がビアンカの怪我を治した際に大叔父様が『女神様』だと言ったり、電球の光を見せた際に『神の光か!』と言ってたのは、つまりあれは『神的魔法』のような奇跡の事を差して言ってたのか。
そう言えば『神的魔法』で神威によって光るって言ってたね。珍妙ではなくて神様の奇跡の部類なんだね。それもなんかなぁだけど、、、。
『神的魔法』と『白魔法』は違うって事だし、その『神的魔法』が私には使えるって。
これはなんか不味い感じだから叔父様も国王様の前で慌ててたのか。
と言うと、少なくとも私のあの手当ての治癒魔法はみんなには隠さないといけないね。
へルマン先生が『白魔法』の話を続けた。
「皆さんの身近な方で亡くなられた方はいますか?」
数人の生徒が手を上げた。
いきなり凄いの来たね。こんな小さな子供達になんでそんな事を聞くのかな。
「その人の思いが強いと亡くなる前には虫の知らせとも言いますが遥か遠くからでも気持ちを伝える事が出来ます。それが亡くなる際にはあまり意識しなくとも多くの人が使えるのです」
日本でも言う虫の知らせって人の能力だったの?
「遠くにいる程難しくなりますが、これを魔法の言霊の力を使い、使いやすくするのが呪文です」
いや、言霊って何? 質問してもいいよね。
「へルマン先生。言霊とは何ですか?」
「はい、熱心に聞いて頂いてますね。言霊とは言葉の持つ力を使うもので、同じ魔法を使った場合に呪文を唱えると統計的に確認されていますが成功する確率がとてもあがるのです。これらは古代の魔法文字を元に作られ伝わるものです」
成る程、統計的に力があると言われているんだね。
でもそれ魔法じゃんか! 古代の魔法文字とかカッコイイ!
知りたい!!
「遠隔通話は『ボカ・リモーティス』と言いますが、今日は皆さんが御存じのルントシュテットのサロン・マスターユリアーナ先生に遠隔通話をしてみましょう」
ユリアーナ先生ならみんな知ってるね。
「ユリアーナ先生に答えの合言葉を伝えてありますから遠隔通話をして先生と話せた順にノートにユリアーナ先生の言葉を書いてこちらへ持って来て下さい」
「へルマン先生。同時に皆で通話してもユリアーナ先生に通じるのですか?」
「ユリアーナ先生への思いが強い方から順に通じるのです」
へルマン先生が板書に難しそうな文字を書いた。
これが魔法文字だね。丁寧に写そう。
「ではやってみましょう。魔法の呪文はこれ『~バルバリーベラ・オス~』です。今のわたしの発音を心の中で思いうかべて唱えても同じです。では皆さん始めて下さい」
おお、なんかウルリヒお兄さまが前に言ってたような呪文だよ。
ユリアーナ先生を思って、、、
~バルバリーベラ・オス~
『ユリアーナ先生!』
『ああ、やはりソフィア様が一番ですね』
『そうなのですね』
『合言葉は「アクイライ」です』
『判りました。ありがとうございました』
『はい、他の方もいますからソフィア様とのお話はここまでです』
『は~い』
『アクイライ』と。
ノートに書いてへルマン先生の所へ持って行く。
「へルマン先生。出来ました」
「ソフィアさんが一番なのですね。はい、正解です」
「ボカ・リモーティスはかなり遠くの方とも出来ますか?」
「様々な他の人の思いと交わり重なってしまうので遠くになる程難しくなります。古くには重ならないようにお城の搭の上で通話したのですよ」
「そうなのですね。それで尖搭師と言うのですね」
「はい、その通りです。よくご存じですね。ではソフィアさんの授業はここまでです」
「とても楽しい授業でした。ありがとうございました」
と、言ってもリナとマティーカ、クラーラが終わらないと帰れないよ。
頑張れ三人共。
がんば、、、。
遅い。っていうか時間が掛かるね。
うーん!? 言霊使ってるのに誰も出来ないの?
私は一人で暇だったのでルントシュテットにいる尖搭師のフォルカー・フォン・シュタインベックさんと話してみた。
~バルバリーベラ・オス~
『フォルカーさん。ソフィアです』
『ソフィア姫様。今どちらからでしょう?』
『貴族学院でボカ・リモーティスを習ったのでご連絡させて頂きました』
『ま、まさか中央から直接ですか?』
『はい。今教室にいて時間が余りました』
『ソフィア姫様は相当優秀でございますね。私の学年にはルントシュテットまで直接伝えられる者はおりませんでした』
『えっ、今フォルカーさんも話してますよね』
『これはソフィア姫様のお力ですよ』
『そうなのですね。お仕事中お邪魔しました』
『いえ、光栄でございます。またいつでもお声がけ下さい』
『では、失礼します』
成る程、あんまり遠くは難しいんだね。
もうすぐお昼になるよ。
結局、私以外は誰も出来なかったようで今日は時間切れになったようだ。
でも、魔法は期待はずれかとガッカリした事もあったけど充分面白かったよ。
うふふふ。
なんか、とっても、、、
ファンタジー!!
次回:知佳ちゃんへのプレゼントを手作りでって考えると、色々と知っていても自分では何も出来ない事に気が付く夢美。みんなと協力すればいいとハイデマリーに習おうと早く寝るw。
ずっと後回しにしていたシルバタリアのフリッツの要望をやっと叶えるソフィア。
そしてさらなるソフィアの野望で銀河の歴史がまた1ページ(いやそれ多分違う番組だから)
今週は強化週間wとして時間があれば第六章の人達も出て来るイラスト回が出来る感じです。
お話はどの辺りから第六章にしようか自分でも判らなくなって来たので一応考えますが恐らく次のお話の前に閑話で次のお話から六章かもです。
そして本来はこのタイミングではなかったのですがソフィア誕生の秘密もここで明らかに!?
何本書けばいいんだろ、あれなんかちょっと忙しいですね。
まあ今週暇だしこれからイラストと閑話を書いて公開する予定ですw。
よろしくお願いします。