困ったちゃん
なんとなくまたお名前をお借りしたりしてますw。
今まで何度も登場して貰った西園寺財閥のお嬢さまの衝撃の名前の読み方w。
今回は『困ったちゃん』と題して色々と発展して困った事をどう解決したのかの解説回なのですが、何が一番困ったかと言うと『なろう』で編集して更新しようとしたら『混雑してます/Over Capacity』と表示されて更新が出来なかった事ですねw。復帰しなくて消えちゃいますから正直もう面倒になって来たよ。しばらく時間を置けって書いてあるけど、消えちゃったらまた書くんですかね。
いやさっきと話が全然変わっちゃったよw。
中学では二人とは違うクラスになっちゃったけど、高塚 知佳ちゃんは運動神経が良くて、陸上部とテニス部の掛け持ちだ。背も伸びて来ているしきっと活躍すると思う。舞ちゃんは手芸部に決めたようで、私も一緒にどうかと誘われたけどまだ迷い中だ。手芸とかはマスターすれば向こうでも役に立ちそうだけどね。
お昼休みに同じクラスの乙羽 花音ちゃんと白石 梨乃ちゃんと一緒にお弁当を食べながら二人と部活は何にするかを話し合っている。
因みにみんな私の『夢美』という名前よりキラキラ系でカッコイイ名前だよね。でもキラキラネームで言ったらあの西園寺のお嬢様の名前の読みはミュールだからねw。(美麗)
あまり部活に時間を取られると色々と出来なくなっちゃうから早めに帰宅出来るのがいいんだけど、私としては数学や物理の知識も含めて情報処理のIT研究会か歴史研究会がいいかなと思ってるけど梨乃ちゃんが『部活でまで勉強するのか?』とあまり乗り気ではないようだよ。うーんどうやって説得しようかなw。
教室が少しざわっとしたかと思うと上級生が二人教室に入って来た。
男の人が私を指差す。
つかつかと私の所に来たよ。ポニテの綺麗な女の人が真っすぐに私を見つめて来る。
「貴方が九条さんね。わたしは佐伯 京子。女子剣道部の部長よ。もしかしたら部室の場所が判らないのかと思ってお教えに来たわ」
うん? なんか私が剣道部に入るの前提? いや、武道館があるのは知ってるから多分判ると思うけど私は剣道部に入る気はないよ。
「えーと、わたしは剣道には入りませんよ」
「えっ!!」
驚いて顔が青くなって口を開けたまま固まる人を日本で始めて見たよ。佐伯先輩はポニテの美人なのになんか凄くシュールだ。隣の男の人も固まってるよ。なんかこっちの男の人は見た事があるね。
「な、なんで? 九条さんは大会でも何度も優勝しているでしょう? それに同じ貴方の家の道場に通っているこの男子剣道部後輩の山崎くんから聞いたけど、信じられない事に九条さんは免許皆伝だそうじゃないの」
「はい。そうですけど、、、」
「だ、だったら剣道部にお入りなさい。うちのコーチは全日本で2回優勝しているあの山本 真理コーチに指導して頂いているのよ」
「誰?」
「えっ!!」
ヤマモト? 誰? あの?
いや、また固まったよ。
えーとこれって剣道やってて知らないと不味い人なのかな。
ホントそんな時間はないって。
「いえ、だからわたしは文科系の部活に入るつもりですから」
「えっ!!」
あ、また固まった。今度は困った顔になって来たよ。断ると思ってなかったのかな?
「ま、まさか免許皆伝だと中学の剣道なんてくだらないと思っているのかしら?」
いや、そんな事は思ってないけど、、、。
「そんな風には思っていませんけどちょっと忙しいんですよ」
「えっ!!」
この部長さんの固まり方面白い。今度は涙目になって来たよ。
「掛け持ちでもいいから、、、ねっ、剣道部に在籍しない?」
「うーん、それなら後で考えておきます」
「か、考えてくれるのね!?」
しまった、日本人っぽく曖昧に答えたけど、こういうのって変な期待を持たせちゃうかもだね。
「今はあまり参加するつもりはありませんので期待しないでくださいね」
佐伯部長は私の手を両手で握りブンブンと振って
「待ってるから!」
と二人は嵐のように去って行った。
体育会系っ!!
私がつぼって笑いをこらえてたら花音ちゃんと梨乃ちゃんも噴出して一緒に笑ったよ。
「面白かったな、あの部長」
「夢ちゃん剣道やってるの?」
「うん、おじいちゃんの道場で習ってるよ」
「わー、凄いな。なら在籍してあげればいいのに」
「それだと、大会とかに出ちゃうと頑張って練習している人達に悪いからね」
「でも、それでも入って欲しかったみたいだったね」
「うん、でも歴史研究とかの方が面白いかな」
「わー、そんな事さっきの部長さんに言ったらまた固まっちゃうよ」
「「きゃははは」」
いや、あんまり笑ったら先輩に失礼だよね。私がお断りしているのに諦めてくれない困ったちゃんだったよ。でも先輩の部長さんの真っすぐな真面目さはよく伝わって来た。
剣道はおじいちゃんに感謝してるから本当に考えてもいいかもだよ。
取り敢えず先輩の事は『困ったちゃん』と覚えておこう。
ここまであっちで色々とやって来て産業革命らしきものが出来て来たけど私が勘違いしていたのは蒸気機関が革命と言う訳ではなくて鋼鉄こそが産業革命だった事が判ったよ。
これが思った以上に様々な影響が大きい。鋼鉄のお話は副産物があるからまた別の機会に出来るかと思う。
そこで困ったちゃんと言えば、ルントシュテットの領内ではその産業革命の波が荒れ狂っていて、繁栄し過ぎて困った事が多発している。
例えば人が多く集まり商工業が発達し過ぎて建物の為の建材が足りない。
人や企業が集まる理由は後でお話するけど税金を下げたからだよ。これまで色々な歴史を調べて来たけど、税収を伸ばす為には税金を下げるのが最も効果的だからね。
でもルントシュテットの資源には限界があってこれ以上の建材は作れない。他の領地からレンガや木材を輸入してもいいんだけど手続きが煩雑過ぎるんだよね。
私はどうにかしたくて美鈴先生にお願いして建築と土木の専門家を紹介して貰ったよ。美鈴先生は良く見ると美人で(笑:良く見るととか言うなって)意外と人気があって高校生の頃の知り合いを紹介して貰った。
前島さんが建築の専門家で一級建築士を持つ大学の研究助手、紀州さんが土木の専門家だ。
前島さんによると橋の設計はまた別だとの事なので後で専門に研究している三矢さんも紹介して貰った。色んな人が無償で協力してくれるのは嬉しいけどメガネ女子の美鈴先生は私から見てもモテ方が結構凄いね。
私の家まで来てくれて美鈴先生とも楽しそうに話してるからこれ放っておけばいいのかも。みんな結構イケてるけど前島さんはかなりのイケメンだったよw。
顔だけじゃなくて構造力学の博士号を2つも持ってる凄い人だった。
私は精一杯『おもてなし』をして料理やお菓子を振る舞って逆に感謝されたりもした。男子は胃袋からだと学んだw。いや沢さんに習ってるからだけどね。
やっぱり専門家は耐震設計や構造力学計算、強度試験などめっちゃ詳しかったよ。
前島さんが私の事を可愛いとずっと褒めていたから美鈴先生が『ロリコンじゃないだろうな』って心配してたよw。土木や橋はまだ計画だけなんだけどね。また判らない事があったらお願いします。
ルントシュテットの話に戻すと、石灰を原料としたセメントに砂と水を混ぜた物がモルタルでそこに更に砂利を加えた物がコンクリートだ。内部に鉄筋を入れ強度を増す事も出来る。
混合比一つで硬度や持ちが格段に異なるなんて本当に専門家じゃないと判らないよ。鉄筋コンクリートってこんなに複雑な計算で成り立ってたんだね。
前島さんはPCを持って来てソフトを見せてくれたけど、元の計算式と理論を詳しく聞いたら最初は笑ってたけど数時間したら真剣な顔をして一旦ご自宅に戻ってから何冊も本を持って来て貸してくれた。私の質問にも即答出来なかった所は全部調べてくれたよ。めっちゃ時間が掛かったけど本当にありがたい人だよね。
『建築科には女子が少ないから将来是非建築科に進んで欲しいな』って言ってたけど、前島さんみたいな頭のいい人達から人気なのはちょっといいかもw。
複雑だけど建築の構造力学計算で概ね計算は可能だけど日本の基準はかなり耐震強化されていてとても安心だね。ここを話出すとかなり長くなりそうなので、おおよそ耐用年数は50年位だと思っていればいいかな。建築需要が高まり石造りやレンガ、木造では追い付かなくなって今では殆ど鉄筋コンクリートを使ってもらっている。
モルタルまでなら地球でもかなり昔から使ってたからそんなにおかしな技術じゃないんだけどね。中央の王様のお城の周りにも使われているそうだ。
ルントシュテットでは頑張る人は男性も女性も性別関係なく頑張っただけ豊かになってる。
でも人手が全く足りないんだよね。他領からの流入や手伝いも焼石に水状態で第二次産業や第三次産業はてんてこ舞いだ。仕事をみんな頑張り過ぎてる人も多いからこれは本当に困ったよ。
でも、さらに困ってるのが第一次産業の農家で、農業施策が上手くいったのは良かったけど刈り取り出来ない麦畑まであると言う飛んでもない人手不足に陥っている。
このままで行けば私が貴族学院へ行った後の秋には膨大な麦畑の放置というとんでもない勿体ない事が発生してしまうのが確実で農業ギルドのギルド長のホルツさんがお父さまの所へ助けを求めて何度も来ているそうだ。
仮に供給過剰であれば涙を飲んで放置という処理もあるかもしれないけど全国的に需要が上回っている状態でこれはきつい。
今は人の手配が難しくてこのままでは簡単には解決しそうもない。
鍛冶の技術が向上して良く刈れる大きなカマを使う位ではどうにもならないようだ。
私はこの頃美鈴先生と銃火器の技術設計向上を頑張っていたけどこのままではダメだと急遽コンバインの設計に取り掛かった。
コンバインは複式収穫機と呼ばれる農業機械で、油菜や亜麻、大豆、米、カラスムギ、コムギ、ライムギ、トウモロコシなどの刈り入れと脱穀・選別を同時に行うことが出来る優れものだよ。
これが出来れば農業の新時代が始まる。
コンバインはかなり機能があるけど正直とても複雑で面白い。
根元から刈り取った麦の穂から日本でも明治以降に使用されていた「足踏み式脱穀機」のようにこぎ胴、こぎ歯の仕組みで、こぎ胴を回転させてこぎ歯の側面で穀粒をこぎ落として脱穀する。その後斜めに設置した受け網を通過させて穀粒だけを下に落とすんだけど、これには葉や屑が混じっているから落とす間に風を当てて軽いものだけを飛ばすと穀粒だけが下に落ちるっていう仕組みだよ。
刈り取り部分の刃やキャタピラー車の運転も危険だからこれもキチンと免許制にして沢山使って貰えれば人手の何倍もの効率アップが見込めると思う。
産業革命を実現してくれたクラウとフェリックスの二人は『クラウ&フェリックス商会』を立ち上げて『クラックス』(出資者の私命名とロゴ作成w、ちなみにこれ雷に見えるけど『ヒビ』だからねw)と言うブランドの蒸気エンジンと蒸気自動車の会社になって今では従業員も沢山抱えている。社長はフェリックスの奥さんのマルグリッド。
勿論重機もあれから何種類も出来てるよ。働く自動車シリーズはどれも面白いよね。重要なのは整備部門も立ち上げた事だ。点検整備は細かくかなりの頻度で行って問題の発生を出来るだけ抑えるようにする。今は領の運営や貴族達が車を持っているからお金がかかっても危険よりはいいのかと思う。ルントシュテットの貴族達の間では蒸気自動車を持っている事がステータスになっているようだ。
この二人に相談してお父さまにも協力して貰いコンバインの開発を始めてもらったよ。
「必ず、なんとかします!」
この二人の情熱は蒸気自動車や蒸気機関の工業機械だけに向いている訳ではなくて『ルントシュテット愛』が感じられるから本当にわたしのお気に入りだ。逆に彼らの情熱が私を後押ししてくれてるのかもしれないね。
コンバインは特殊な機構以外は自動車と言うよりも重機で、キャタピラーで農地でも小回り出来るようにしないといけない。ここではキャタピラーはタイヤよりもずっと作るのが簡単で、鋳型で幾つもの部品を作って繋げればいいだけだよ。重機を沢山作って開発しているからもうお手の物だと思うっていうか同じ寸法にしてるから他と使い廻しが出来るはず。
何とかコンバインが上手くいって刈り取りまでに間に合いますように。
でも困ったちゃんはそれだけじゃなかったんだよね。こっちはもう開始してるんだけど、色々と好調過ぎて困ったのは物流だ。
交通網やサービスエリアを整備するだけじゃ無理で、物流で最も有効だったのは日本で見るものよりも少し小型なんだけど巡回車で移送可能なコンテナ輸送だと思う。他領にまで大量の荷物を運ぶのも便利だしあらゆる商会が利用して小分けして馬車で運ばれる。大量の移動は規格が揃った事でかなり簡略化され輸出入のチェックも楽になったと言ってたから効率化の効果は多岐にわたるのかと思う。
大変だったのはクレーンの開発の方で、クレーンは滑車を使った構造で上部旋回体とジブって呼ぶ吊り下げる部分を『油圧の原理』で持ち上げる機構だけど、ワイヤーを含めて技術も向上してきていたから開発は問題なく成功した。油圧の原理を実際に持ち上げる為に移動させる距離と兼ね合わせが難しかったけど力あるよね。吊り上げ、水平移動、吊り降ろしが問題なく行われている。貨物車が到着するとステーションの先で積み下ろしが行われる光景が各街で見られるようになった。
圧に耐えられるワイヤーチューブの開発や真空ポンプも油圧ポンプもゴムパッキンのおかげでとても効率が良いものになったよ。
各ステーションから商人の荷馬車にそのまま乗せる大店も多くてマルテのマンスフェルト商会のような大店は移動可能な数台のクレーン車を購入して所有しているそうだ。
他領でもルントシュテットと取り引きのある領地ではクレーン車を購入して貰っている。
建築関係でも効率の為にクレーンは有効活用されているらしい。人手が足りない分もっと効率化しないとルントシュテットでは厳しくなって来たから私も効率化に大忙しだったよ。
でも逆に他領との輸出入が膨大に増えて仕事は前より増えちゃってるんだけど、もう正直どうしようって思い始めているよ。やっぱ当初考えていた予定を越える困ったちゃんはマクシミリアン叔父様に任せるしかないねw。
でも、私の『安眠』は何処へ行ったの?
ファッション系のブランドは総合デパートを始めお母さまのお店を含めると
『ルノール』 総合デパート
『シルベニア』 カジュアル
『ラッツ』 フォーマル
『ミストレス』 アクセサリー
『ラクール』 バッグ
『ソフィーネ』 基礎化粧品、リップ、お香、高級石鹸
『マルラ』 下着、女性服、子供服、寝具
と結構なブランドを展開する事が出来た。中央やシルバタリアまでいくつも出店が開始されてかなり好調だよ。中でも貴族に売れているのは下着や膨らんでいないドレスやバッグで、下着はこれ内緒なのかもしれないけどムネパッドを入れたものが一番売れてるんだよねw。
まったく胸がない私やリナではダメだけど思い切り持ち上げてボリュームを増やしてドレスから谷間を見せるタイプが流行ってる。ラスティーネ様なんかすんごい谷間を見せてくる困ったちゃんだw。同性のわたしが見ても赤面しちゃうくらいだよ。
マクシミリアン叔父様にお任せしていた衛生面やレストラン系やパン屋さん、お菓子屋さんも順調でもう数えきれない程他領にも全国的に毎日のように出店が進んでいるし、職人達の店やマルテのマンスフェルト商会も売り上げが指数的に伸びているそうだ。
ラスティーネ様にお願いした各街の観光も続々と立ち上がってまだ全部に行き切れてないよ。
今ではルントシュテット特有の味と言われている生イースト、醤油粉、瓶に詰めた出汁、みりん、ワイン、ブランデーは製造が追いつかなくなってる困ったちゃんで、拡張を予定しているそうだ。葡萄の美味しかった昨年のワインにはプレミアがついているそうで、もう別の領地でも作る事を考えないと難しくなってると思う。
肝心のルントシュテット領としての税収は、お金が動くようにと私の案を受け入れてもらい税率を下げたのにも関わらずここ一年で指数的に飛んでもない額になったとお父さまが頭を抱えていた。今は数学好きの私の側使えマティーカが、教えた簿記で手伝っていてまとめて貰い、新たにグラフ化や伸び率の比較を行って伸びの少ない産業や対他領地、人口と面積当たりの街の比較の抜き出しなんかが出来るようになったからマティーカは貴族学院へ行くよりもうこのままお父さまの元で就職してもいいくらいだよ。
当初、蒸気自動車の環状線運行にあまり乗り気でなかった街も今ではステーションを増やして新たな営業路線が欲しいとお父さまにアピールしている状況で、ルントシュテット領内にお父さまの反対派はほぼ無くなった。馬車の営業をやってた貴族もステーションに集まる旅客や積み荷を見て考えが変わったようだ。
ここ数年でドミノスを務めるお父さまは貴族と領民の両方からの絶大な支持を受けているようだ。
お父さまが頭を抱えていたのは、前回も上回っちゃってたけど、どうやら今回の決算で中央よりもとんでもなく多くの税収になってしまったようで国王様にこれまた好調なシルバタリアのフリッツ伯父様と呼び出されているようだ。
お父さまはわたしに何度も『困った』と言ってる別の意味の困ったちゃんだw。
私のお父さま達からの命題は概ね出来たのかと思うけど、なんか色々と楽しくなってきちゃったね。
取り敢えず私は貴族学院入学の為に中央の館に引っ越す準備を始めようかな。私の黒の制服も出来て試着したけどなんか可愛くて良かったよ。こっちの私の方が小さいからちょっと心配してたけど日本の中学の制服と同じでこっちでも似合って良かった。(自画自賛w)
でもその前にアメリアが今度ここに残るので、アメリアの側仕え達を含めてマルテを先生にして商会の立ち上げを教えておもちゃやゲームを売る為の店舗を展開して貰おう。
アメリアのお店のブランド『アメリー』。まんまだねw。
お休みにはまた帰って来るからお父さまもお母さまもアメリアもその間は頑張って貰えばいいよね。
ずっとアメリアと遊んでいたボードゲーム類は勿論の事、ぬいぐるみやヨーヨー、コマも面白いと思う。私はあんまり上手くはないんだけどね。
でもアメリアやリナ、マティーカが一番気に入っているのはカイト(凧)だ。
ブランジェルは山からの風が強い事もあって面白いように高く揚がる。
ユリアーナ先生もとても興味があったみたいで待ちきれなくて自分でも真似して作ってたよ。
先生は飛行機の事について聞いて来たけど今は未だ軽くて強い素材が作れてないから先になると言ったらとても落ち込んでたけど『絶対にお願いしますよ』って言ってたからやる事リストの一番下にでも書いておこう。
取り敢えずゴムで飛ばす組み立て式の模型飛行機を作っておいて我慢して貰えばいいよね。一応ユリアーナ先生には航空力学的には模型と実際の飛行機では揚力が違いますよっていう事を詳しく説明しておいたから、今回は危険な事に先走る事はないと思う。
この後、私はお父さまと一緒に中央へ行く事になった。お父さまは国王様に状況をお伝えするお仕事だけど私は中央の館へ行って入学式の準備だよ。
楽しみ~♪
【あとがき】
次回:第五章 夢の貴族学院
とうとう中央の貴族学院へ通うソフィア。
お楽しみに。
やっと話に戻れるかとその前に、割り込みで閑話? かもです。(未定です)