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ドゥープレックス ビータ ~異世界と日本の二重生活~  作者: ルーニック
第二章 夢の冒険者
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閑話 非実在のスライムは魔物?

・歴史的にも伝説でも存在しない魔物『スライム』


 本来はマルテの話で動く方が先だったのですが、一部で奴隷貿易の話が炎上しており、存在しないスライムの話を先に掲載させて頂きます。いや存在しちゃってたのですけどねw。 恐らく奴隷貿易を防ぐ話はお蔵入りかはしょる事になるかなぁ。

Oculusの持ち主も、ドイツ人のミアではなく花音ちゃんにしましたw。

 スライムの話よりワインの話がくどいのでお暇な方だけどうぞ♪

※この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、国、地方、大学、マスコミ、博物館の名称等は全て架空のものです。

※ついでに製品名や理論名も架空のものですよ。



 ゲーム大好きな花音ちゃんはPCではなく、oculusというVRのヘッドマウントディスプレイを購入して私にも使わせて貰いました。なんか3Dとか結構流行っているんですかね?


 このoculusですが、英語ではオキュラスですが私には良く意味が判りませんが、実は私は知っていますw。(何だそれw)

 これはラテン語でオクールスと言い、牛の目窓の事を指します。恐らく日本の正式な呼び方はオクルスではないかと思いますが、これもどうでもいいですねw。

 単に「目」だけを指す事もありますよ。

 例えば紙幣の「プロビデンスの目」であればラテン語ではオクールス プロビデンシィエです。

 

 牛の目窓というのは、洋館についている天井の丸窓の一種ですが、これが洋館らしさでもあり、有名な様式の1つです。本などでも詳しく書かれたものを読んだ事も一切ありませんが、わたしはこれはガラス由来だと勝手に思っています。

 

 以前、エリザベス女王陛下が、蒸気自動車のガラスの大きさに驚いてターオンでも「こーんなに大きなガラスを使っている」と自慢?w していたのは、板ガラスの「クラウン法」の事です。


 板ガラスのクラウン法は、地球では恐らく4~7世紀に登場したもので、この世界でも随分と前からあるものです。かなりの設備がないと大型のものは作れないのでエリザベス女王陛下が自国の技術を自慢するのも判ります。


 吹きガラスと同じように吹いて反対側に軸の棒を付けます。その後熱した状態で吹いた方の軸を外します。つまり穴が開いた状態ですけど、これを熱したままくるくると廻すと、小さな穴が拡がって、遠心力で丸く平らになるまで熱と回転で頑張るのですよ。びゅわわわーんって拡がりますw。


 大きなガラスだとそれはもう大変そうで、重くて支えるのも一苦労です。


 平らな面で直す事もありますが、まさに職人技ですけど、この技に秀でたガラス職人さんだと空中でそのまま直系1m以上のガラスを作れます。回転させたまま冷えて固まるまでやるのですよ。

 勿論、厚みや大きさはガラス職人の加減で自在です。

 確かにこのレベルになると自慢できるほどの職人技ですよね。

 ガラス職人のヴェルナーさんもこの達人でしたよ。今では社長さんですけどw。

 

 このクラウン法のガラスですが、形状は勿論、丸です。それだけでなく、くるくると廻して作るので、渦巻き状の跡がつくのです。私が以前どんなにやってもガラスは歪んでいると言ったのはこの為です。切り開く技法の方がまだゆがみは少ないのです。


 この渦巻き状の跡の模様を「牛の目」に例えて、牛の目ガラスと言います。


 つまり、本来の洋館の様式にある、牛の目窓は、このガラスのクラウン法で作った牛の目ガラスを使った丸窓の事だというのが私の推測ですが、あってますかね?w

(誰か詳しい人教えてください。)


 この花音ちゃんのオクールスというVR装置を使ってARを見せて貰いました。


 テストで付属のゲームに侵略してくる宇宙人と戦うのがあるのですが、花音ちゃんの部屋と机とかの障害物を認識してから、これでもかと宇宙人が攻めて来てそれを狙撃するのですよ。


 私はなんとなく上手そうだと誤解してくださる方もいるかと思いますが、全然ダメで花音ちゃんの半分くらいですよ。

 何故なら、人や動物が攻めてくれば明鏡止水的に生命の反応は感覚で判りますが、これは全く反応しないで、まるで幽霊のようだからです。

 ゴーストはささやいてくれないのですw。


 感覚なのでみなさんには上手く伝わらないかもしれませんが、実際そうなのですよ。


 と、一応私がダメな言い訳をしてみますw。



 勿論、身体強化などのズルはしませんよ。


 やっぱり花音ちゃんはゲーム上手いね。



◇◇◇◇◇



【将来】


 将来、ノーラはバー経営の方が上手くいっていてこの先はやっぱりお酒関連かな?

 マルテの方は、以前マルテの結婚の事を心配していたけど、あの時とは違って、今はマルテは貴族になってしまったので事情も違います。 あまり遅くてもダメだけど、やはり金銭的に有利なようにお母さまのように何か「個人の」商売が成功している方がどの貴族家でも有利になります。

 まあ、でも以前よりは焦らなくてもいいですけど、どうなんだろうと二人と話し合いました。


「ソフィア様。出来るだけ長くソフィア様に仕えたいと考えております」

「私もです」

「いやいやいや、二人共年も離れていて、今は休学中だけど、卒業するまで何年も先だよ」

「お待ちしています」

 

 あー、ノーラのこういう感覚はまだ子供の私には上手く理解出来ていないのかもしれない。自分の5年も6年も先なんて正直あまり考えられないからね。


「じゃあノーラはワイン関連をもっと詳しくやってみましょう」

「はい! 一番好きなお酒です」

「じゃあ色々と整理するから別の日に詳しくやりましょう」

「はい。お待ちしています。『忘れずに』お願いします」


 あははは、なんか『忘れずに』が力強いなぁ。

 ノーラはとても判りやすく自分の好きなもので商売を成功させたいんだよね。



 と、本当はマルテの方で沢山動いていますが、今回はノーラのこのお話ですw。


 ノーラも一応まだ私の側使えなのですけど、色々と忙しくて動き回っている事があります。

 最近ではマルテの方は海運業の準備で、てんてこ舞いでまだノーラの方が一緒にいる事が多いです。



 そのノーラからのお願いで、シュトライヒの街に住む貴族の1人スピリトス家の持つ土地でシュトライヒのお屋敷の近くに鍾乳洞があってそこをノーラが買い取ってワイン貯蔵に使いたいのだそうです。これにはマクシミリアン叔父様も絡んでいて、鍾乳洞の中を上手く広げてワインセラーを置きワイン協会を立ち上げたいという思惑が絡んでいます。

 これは小さめの重機を使って崩れないように補強しながらやればそこまで大変な作業ではありません。



 各地のワインはそれぞれのノーラのシュトライヒ家の出資したワイナリーで製造していますが、気候や葡萄の品種、生産者のこだわりなどで味が違うだけでなく、販売価格まで適切なものと不適切なものが出来てしまっています。


 これを相談された私は、このお二人に「ワインのテイスティングを行い、評価によって基準価格を設ければ良いのでは?」とお話しました。これがワイン協会のお話です。勿論私は詳しくないので、ワインの愛好家でもある成瀬博士に色々と詳しくお伺いして調べたのですよ。結構大変でしたが美鈴先生がお酒に弱い事がわかりましたw。



【テイスティング会】


 ワインはその簡易さから果糖を使って簡単にワインが作れます。逆にこれらは簡易だからこそ奥が深いのだそうです。

 ルントシュテットでの需要が伸びた後、主にマクシミリアン叔父様、ノーラ、ミスリアにより他領でもワインに適した葡萄が栽培されるとその地方の気候などで味はかなり変わります。


 味の変わる主な要素は、ワインの製造はワイナリーで行いますが、葡萄の品種、産地、生産者のこだわりによって味が異なるのです。

 飲む方でないと難しいのですが、恐らくフルーティさやタンニンの強さの事を言います。

 

 グレースフェールは全体で言えば北から南まで距離もあって気候も異なり、土地質も違います。

 葡萄に適したある程度の範囲はありますが、様々な葡萄が育ち、ワイナリーの人材も育ってきました。まあ、私には判らないけど、ノーラ達によれば全然違うのだそうです。

 流通が良くなって概ね、価格は似通っていますが、味が相当違うのですよ。


 そこで、ノーラとマクシミリアン叔父様を中心に、ワインのテイスティング会が行われる事になったのです。


 これは私がそういうのがあると説明したからです。


 私はこれを成瀬博士から詳しく聞きました。成瀬博士はかなりの愛好家で、とても詳しくて、新倉先生に相談して成瀬博士に探険を待って貰う為ににワインを持って行ったくらいです。

 これ結構高かったのですよ。私が手土産に持って行っても子供の私は口に出来ませんけど。


 色々な採点項目があるそうですし、様々な手法があって、デキャンタやテイスティング会で使われるグラスなどをヴェルナーさんにお願いして揃えました。

 INAOグラスや一応ISOの国際規格にもあるのですよw。私は国際規格のものですが、これはチューリップ型でスワリング(ワイングラスを回してワインと空気を触れ合わせる動作)しやすく、ワインが十分にエアレーション(空気接触)できる形状です。



 ワインの出来の見方はおおよそ次のような感じです。


 グラスを傾けた際に、輝き、色の濃さ、粘性を見ます。

 この際に、グラスを伝わるワインの残りを見るのだそうです。

 粘性が低ければアルコール度数は低めで、ゆったりならばあるアルコール度数は高めです。


 香りは、まず、そのまま匂いを嗅いで、その後、2~3回、廻すように揺らして揮発させて匂いを嗅ぎます。

 この辺りまでなら私にも確認出来ますw。


 この香りの表現はちょっと独特で、フルーツ、花、ナッツ、木、などに例えてその複雑さを見ます。(木って何?w)


 ワインはデキャンタに一杯分入れて最初の分はそのまま出します。

 その後、注ぎます。


 空気に触れることで酸化を促進させ、ワインの香りを開かせるという表現を使いますが、ワインが美味しくなるのだそうです。

(本当でしょうかね? もうここまで来ると私にはなんだそれの世界ですw)


 デキャンタを使う理由は、その開かせる事もそうですが、澱を取り除くのだそうです。

 これは上澄みだけをゆっくりとワイングラスに注ぎます。


 ここからが味見です。(やっとっていう感じですw)


 少量を口に含んで、廻すようにして様々な要素を確認します。

 第一印象のまろやかさ スッキリなのか? まろやかなのか?

 果実味        フレッシュなのか? 円熟なのか? 

 酸味

 タンニン(赤ワインだけ)

 アルコール分

 余韻


 を見ます。



 最初に確かそういうのがありますよとノーラと叔父様に説明したら詳しく教えてくれと私が成瀬博士に教えを請いに行った訳です。

 あー、言わなければよかったかもw。これかなり大変でしたからねw。


 これらを評価(5段階評価)にして様々なタイプをカテゴライズするのがワインのテイスティングになります。


 伯父様は好きだけど忙しいので、ノーラがワインのテイスティング協会の会長となってテイスティング会を開き、皆にテイスティングの方法を共有して、楽しんでいます。

 勿論、ミスリアも会員ですよw。会員になるには一応試験っぽいものがあって味の違いの判る方しか会員になれません。

 

 そして、このテイスティングで毎年、5段階評価の表ができます。

 

 ワインの現在の価格は、これによって希望小売価格になります。


 本来はダメですが、頑張ったからとか、収穫が少なくて希少価値があるからという理由で異常な価格が設定されることもあります。でも、今はこのテイスティング会で評価が決まってそれによって価格が決まります。


 しかし希少価値だけでなく地元の貴族の影響などでワインの評価は誤魔化される場合もあります。

 地球の場合はアメリカのワイン評価誌『ワインアドヴォケイト』において、評論家がつける点数にパーカーポイントと言う物がありますがこの評価誌の創刊者、ロバート・パーカーJrの名前にちなんで、「パーカーポイント」と呼ばれるもので不正でない評価を目指したものです。


 仮にルントシュテットにワインの評論家がいたとしても商業的な影響を防ぐのは、より高位の貴族達の正当な評価なのです。


 入会には簡単な試験もありますがノーラと叔父様が作った会員証には会員の条件としてたった一点。


『自分の味覚に嘘をつかない者だけが会員となれる』


 と、書かれてました。


 一応常識的な話は以前もしていましたが、こんな魚介類に合わせるとか、あの肉料理はこれとか色々と好みでワインを選びやすくなり、ワインの販売側の方も詳しくなってワインのファンがグレースフェールにも沢山増えました。


 なんかノーラは大人気ですよw。

 特にルントシュテットのアーデルハイド家がワインに酔いしれてノーラを絶賛しています。 ノーラポイントにしようという話まで出ていますw。


 これもノーラの権威なのでしょうけど、色々な領地に招待されて忙しそうです。

 まあ、ノーラの潔癖な性格だとワイロは無理っぽいけど、、、w。



【私は大人になってから、、、】


 ワインには、フラボノイドやレスベラトロール、アントシアニン、タンニン、カテキンなどの成分が含まれていて、クエン酸も含まれており、ミネラルの吸収を高め、血液サラサラ効果も期待できます。

 

 効果としては、抗酸化作用や抗炎症作用、血管拡張作用、動脈内のコレステロールや脂肪性プラークの沈着を減らす作用、脳の神経細胞を保護し、脳機能を改善する作用、認知症やアルツハイマー病の発症リスクを低減する作用、うつ状態を防ぐ作用、抗菌作用で胃腸を守る、血行を促し、美肌や冷え対策、リラックス効果や睡眠導入効果、疲労回復効果などがあります。


 飲み過ぎはダメですが、健康に良いと言われていますので程々に楽しんでくださいね。


 私も大人になって味が判るようなら参加しますねw。試験落ちそうだけど、、、w。



【スピリトス家の牛の目窓】


 スピリトス家はルントシュテットのお城に働きに来ていましたが、ご主人のアンゼルさんは亡くなり今は長男のブラッツさんがルントシュテットのお城で働いています。

 しかし、元々主はお母さまのアリーダ・フォン・スピリトスさんの方なのだそうです。代々女主人の家系で次代もブラッツさんでなく娘さんが継ぐ予定なのだそうです。


 私はノーラとマクシミリアン叔父様と一緒にスピリトス家を訪ねました。

 そして今回一緒に出資させて欲しいと言って来たのは、噂のノーラの婚約者アドルス・アーデルハイドさんで、アーデルハイド家の長男です。叔父様の秘書を務めるヒルデガルトさんと私の護衛のクラーラの長兄です。


 ちょっと小太りで一見頼りなさそうなのですが、ノーラの事が好きで、なんかいつもノーラから小言をいわれてますが、笑顔を絶やさない優しそうな人ですw。

 ノーラがこの人と結婚したらきっと、尻に、、、。ううん、何でもありませんよw。



 スピリトス家の家は小さな(と言ってもかなり大きな洋館です。わたしのお城と比べての話です)洋館で、門から建物を見ると、屋根に見える牛の目窓に赤い服を着た人影が見えました。


 早速商談を済ませて鍾乳洞の洞窟へ向かい、ワインセラーをどうするとか考えたり温度を測定したり確認したいと考えています。


 スピリトス家の女主人は当初から快く高額でw売ろうと考えていたそうですが、その洞窟を確認しに行くと、困った事に魔物がいたのだそうです。



【魔物】


 えーw。っているんだねw。


 みなさん、魔物ですよ魔物w。


 いやーなんか私も久しぶりっぽいですが、実際私は小人のゴブリンやドワーフ達は何度か見ましたし聖剣を作ってもらったのもドワーフ達です。彼らの名前まで聞いてます。



【いきなり、精霊、妖精、魔物談義w】


 他には、人熊(じんゆう)(と言ってもあれば人狼と同じ間違えなく少しおかしくなった人です)、それに見た事ないけど、地竜というものが隣の国にはいるらしいです。

 他は、私が黒魔術で呼び出した「霊」です。悪い霊は悪霊ですが、私は天使と自称する方がいらっしゃいました。

 以前、授業の際にも「精霊は悪魔的に考えられている」と皆さんに説明していますが、これはどういう事かというと(って言って良いのかな?w)、一神教の宗教の方々が古い神話などを編纂しているからです。


 一神教の場合、例えば日本の八百万の神とか、ウェールズの精霊達を神格化する事はムリなので、精霊を悪魔的に例えられています。

 本来はこれらの神話系には一神教の神など全く関係なく、彼らが神的存在でした。

 まあ、古い話を編纂した時に、そうやって書いちゃったので仕方ありません。

 

 例えば、地球のお話の場合、ケルト神話ならそれが良くわかります。

 本来同じ系統のはずですが、アイルランドのケルト神話では古くからキリスト教の方々がお話を集めて本にして残していましたが、ウェールズのケルト神話は、それらと違い、まるで日本の八百万の神のように精霊が沢山のこっているのですよ。

 日本の神道とかなり近しく似ています。これは19世紀までウェールズのケルト神話が口伝であったためです。


 いや、話がそれてしまいましたね。


 簡単に言うと、ゴブリンもドワーフも精霊や妖精の一種なんですよ。

 まあゴブリンは悪い妖精の一種で、他の妖精はゴブリンに間違われる事をとても嫌います。


 これもきちんと言っておかないとダメなのですが、ゴブリンはもの凄く小さい(20cmくらい)ですが、妖精が小さくなったのは実は近年なんですよ。つまり昔の妖精は大きく人と同じか、むしろ巨人であった妖精もいますw。これもいろいろな都合でそうなっていますw。 


 そして『魔物』というのは、まったく精霊とは関係ないです。


 つまり、どういうことかと言うとこっちでも魔物と呼んでいる魔物は私は初めて♪

 なんか凄く期待しちゃいますw。


 でも、私のこれまでだけでも相当ですよね。日本にいたらこんなの絶対に見れなかったと思います。まるでファンタジーのようですねw。(いや、一応ファンタジーでしたw)


 黒魔術の霊の姿はもしかすると私の心の中のイメージの投影かもしれません。


 ちなみに黒魔術の霊も一神教的に悪魔とされているだけで、基準なんてないんですよ。悪魔だと一神教の彼らが言えば悪魔なのですw。あれ、これも言って良いんだっけ?w



 で、どんな魔物なのか詳しく聞いてみると、そこにいた魔物は「ビトゥミナ」だと言うのです。

 そんな魔物は聞いた事がありませんが、直訳するとおそらくスライムではないかと思うのですよ。

 ベトベトしたものの意味で、言語的にはモルトゥスビトゥミネスでベトベトのアスファルトの事を指します。

 でも本当にスライムとか存在するんですかね?



 ノーラも知らないけど、マクシミリアン叔父様は聞いたことがあるそうです。

 しかし、叔父様も聞いたレベルの話で、どこかの島に時折現れては蹂躙して消えるという噂のような話だそうで、人は逃げるだけだという事です。

 正直、これだとまったく判らないですね。アドルスさんも勿論知りませんし私達の護衛や側仕えも誰も知りませんでした。


 困りましたが、これは成瀬博士に聞いてみるのが一番かもしれません。

 なんか逆ですが、ドワーフやゴブリン達の事も成瀬博士の言う通り、つまり地球の正確な言い伝えが正しかったのですよ。


 その晩はスピリトス家の貴賓室と客室に泊まらせて貰いました。



◇◇◇◇◇


【花音ちゃんのゲーム説】


 学校で休み時間に異世界物が好きな乙羽 花音ちゃんに一応「スライム」について聞いてみました。


「ああ、スライムね。ザコだよ、ザーコ」

「そうなんだ。あははは」


 ザーコってw。でも一応ゲームの知識も聞いておこう。


「そのスライムってどうやって攻撃するの?」

「体当たりだね」


 えっ!

 ちょっと待って、スライムってベトベトのはずでは、、、。私の聞いてるのと違う?


「ス、スライムだよね?」

「うん、骨がなくて半液体状のぶよぶよした奴」

「なんか体を溶かすとかじゃないの?」

「ないよ」


 ないのかぁ。い、いやこれゲームの知識だけど、聞いておいた方がいいよね?


「攻撃力は強いの?」

「そっちもザーコだよ。一回の体当たりでHP1ポイントくらいだったかな」

「一般人だとHPはどれくらい?」

「うーん、スライムの場面程度は序盤だから、勇者で10くらいでその半分くらいかな」

「こっちの攻撃は?」

「勇者だと最初は2回くらいだけど、一般人だと装備していないと攻撃は無理かな」


「スライム無敵じゃん」

「えっ!?」

「4回か5回やられて死ぬって、バットとか硬い棍棒で思い切り殴られてる感じだよね」

「あっ、そういえばそうだね」

「それでこっちの攻撃が通じないなら一般人にとっては無敵の強敵じゃない」

「ホントだ!」


 花音ちゃんが驚いてるけど、花音ちゃんがゲームに詳しいから聞いたんだけど、、、。


「でも体当たりって事はネバネバはしてないんだね」

「うん、後の方の話だと、飛び跳ねて近づいて来るよ」

「ボールみたいに?」

「うん、ボールか風船みたいな?」


「割れたりしないの?」

「それは別のゲーム」

「そうなんだ」


 聞いたけど謎が増えただけだったよ。ネバネバ状というのがスライムの元の意味だよね。

 それだと水風船みたいだし、体当たりとか男子にドッチボールぶつけられる感じかなぁ。


 考えてみると、そもそもスライムって言うくらいだからベトベトはしている訳だけど、それだと中身がベトベトしてて、表皮がある感じだよね。


 仮に、表皮がなくて表面エネルギー(表面張力)で丸い水滴のように形を保っていたとしても中身はベトベトの不死なのだから崩しても意味がない。

 分子間結合エネルギーが破壊されるだけであって、スライム自体は破壊できる訳ではないですよね。


 つまり表皮がない表面エネルギーなら風船みたいには割れない。


 簡単に言えば、タマのような机に出来た水滴を崩しても水はそのままだという事です。


 

 仮に表皮がなくて、ベトベトのまま移動するならば、筋肉などもない訳だから、原形質流動しか考えられませんが、車軸藻シャジクモの細胞のように大きい細胞の中を小さな粒が高速に流れて移動しているというのが正しい気がします。筋肉はありませんからね。


 でも、それだと体当たりの際の衝撃はほぼ生み出せない。

 どう考えてもゆっくりな移動ですね。仮に表面エネルギーで丸いとしたら、そのままでは移動出来ません。

 つまり、その場合はこれは筋肉質の表皮でしょう。


 体当たりの攻撃で相手をやっつけるのなら速度はある程度必要だとすると、仮説としてはあの表皮は筋肉のようなものだと考えられます。


 仮に、スライムの重さを5kgとした場合、表皮筋肉によって100m10秒程度のオリンピック選手並みに動けるとすると、


m(質量):スライムの体重(仮に5kgとする)

v(速度):スライムの移動速度(仮に10m/sとする)。


  1

E=- x 5kg x (10m/s)^2=250J

  2


 になりますから大体バスケットボールをぶつけられた程度ですね。

 いや、ドッジボールどころじゃなかったよ。もの凄く痛いというか骨折の危険があるレベルですね。


 でも普通の人でもバスケットボールが4回ぶつかっても死にませんよね。

 計算的に速度を20m/sだとすれば1000Jになります。

 これだと自転車の急速な衝突か小型車両かオートバイの低速な衝突なのでこれくらいですね。

 つまりもしも5kgだとすればゲームのぽよぽよよした表皮筋肉があるスライムはオリンピック選手の倍の速さで動ける事になります。

 そう考えるとかなり危険だし速すぎて対処が難しいかもしれませんね。

 一匹でなく複数いたら死のドッチボールで4回でアウトです。


 怖~!


 ゲームのぽよぽよ型スライムはかなりやばい存在ですね。しかもかなり早い。


 確かゲームの最初の頃に出てくるとかいってたけど、これでも花音ちゃんに言わせれば「ザーコ」の位置づけなんだね。でも一般人にとっては驚異です。まあ花音ちゃんのはゲームの話だもんね。


 マクシミリアン叔父様が言ってた「蹂躙」とか「人は逃げるだけだ」と言っていた事とはちょっとというか、かなり違います。



【成瀬博士説】


 放課後、成瀬博士の所へおじゃましました。

 成瀬博士は探索を早く再開したくて何度も私に確認しています。


 成瀬博士は私が話を切り出すと


「えっ、探索の話じゃないの?」


 と顔を曇らせます。


「す、すみません。でも先生の専門の中世の魔物の話が聞きたくて、、、」


 博士の専門の話になるといきなり顔が「パー」っと明るくなりました。

 魔法みたいですw。これだから研究者っていうやつは、、、w。


 学校での花音ちゃんから聞いたぽよぽよスライムとべとべとスライムの考察を成瀬博士に説明しました。


「その通りね。もしかするとそんなスライムに出くわすかもしれないわよw」

「いや、あれはゲームで可愛くデザインされたものですよね?」

「ええ、そうよ。とても有名な漫画家がゲームのためにデザインしたものだけど、人の意識や想像の産物が多くの魔物を作っているという考えもあるのよ」

「目に見えない霊を除くとしても悪魔や鬼ってなんであの姿をしているのかという話ね」

「多くの人の共通イメージからという話ですか?」


「そうね。でもそれならイメージする人によって知識が違えば全く違うものになるわよね」

「ゲームの知識ならばぽよぽよした体当たりするスライムで、ゲームとかやらずに過去の伝説や言い伝えになんかに詳しければベトベトのスライムだという事ですね?」


「そうね。学者さんのような高尚な趣味なら後者でゲーム好きなら前者だわね」

「学者さんにはゲームをする人はいないという事ですか?」

「少なくとも第一線で活躍している人はゲームにのめり込んで時間を忘れるような事はないかなぁと思うわよ。勉強する時間が必要でしょ?」

「確かにそうですね。でもゲーム好きのイメージだとすれば他の魔物も可愛くなりそうですw」


 確かに私ですらゲームを詳しくなれる時間なんて取れないしね。

 でも花音ちゃんので見たように、仮に人の共通イメージで魔物が存在するならみんなゲームみたいな可愛い魔物ならいいのにね。花音ちゃん家で見たのはゾンビですら可愛かった気がするw。


 

 まあ、ゲームやイメージの話は置いておいて、

 ここで成瀬博士にスライムの伝説などについて聞いてみましょう。



「古い伝説や言い伝えね。ないわよ」

「え!? 存在しないんですか?」

「スライムのようなものが記述された古代~現代までの記録はないわよ。つまりトールキンの文学作品に登場するオークや未知の金属ミスリルと同じだわね。仮にその名前になっていたら著作的にどうなのかしらねというレベルね」

「じゃあスライムの存在って、、、」


「まあ、似たものはあるのかもしれないわね。でもスライムのようなものはないわ」

「では、なんでスライムなんてゲームなんかで出て来るんですか?」

「プリマ・マテリアや原初のスープ、つまり生物や錬金術の宇宙の根源物質つまりカオスなどは不定形だけどスライムではないわね。


 スライムは近代になって、生物学や宇宙開発の発展による警鐘を文学や映画作品で作ったのよ。明らかに顕微鏡でアメーバを観察したりした影響ね。つまりそれまではないわね。

 H・P・ラヴクラフトのクトゥルフ神話(20世紀初頭)の不定形の粘液状の存在、例えばシュゴスやクトゥルフ神話の古代の存在がスライムの原型かもしれないけど、あれもスライムではないわね。

 最初に登場した魔物のスライムという名前は、アメリカの作家ジョセフ・ペイン・ブレナンの短編小説「スライム」に登場したのが初めてね。その頃のTRPGにも登場したのよ。

 その後、映画「THE Blob」(邦題:マックイーンの絶対の危機1958年)もスライムと言えるでしょう。宇宙から来たのよ」

「つまり、科学が発展しないと生まれない魔物なのですね」

「そうね。それと宇宙開発ね。警鐘という意味では宇宙からみたいな感じだから。例えば顕微鏡でアメーバを知っていれば説明出来るだろうけど、それなしにはそういう生物の想像すら難しいでしょ?」

「そうですね。でもそこから生まれた話ならスライムって古い言い伝えの魔物ではなくて宇宙人ですか?」

「その通り。分類をするなら魔物ではなく宇宙生物ね。隕石の中にいたのよ」



 つまり、化学や宇宙開発の警鐘のために近年作られた存在しなかった架空の宇宙生物なのかぁ。

 魔物ですらなかったよ。エイリアン系かぁ。いや、知らなかったけど聞いてみるものだね。


 じゃあもし見つけたら世界初の宇宙生物w。けど本当にいる可能性は、、、。



「でも存在する可能性はありますか?」

「それはあるわよ。ない事を否定する事は出来ないわね。フフフ」

 

 まあ、そりゃそうだね、悪魔の証明だね。


 魔物かエイリアンが「ビトゥミナ」だとすると、残る方法は退治方法だね。弱点はなんだろう。



「文学やTRPGでも構いませんが、スライムの特徴や弱点はどんな事ですか?」

「スライムならお湯に酢を入れて洗い流せば上手く取れるんじゃなかったかしら」

「いやいやいや、それは洗濯のりとホウ酸で作った手触りを楽しむネバネバのスライムの話ですよね」


「うーん、まず近代の小説が元のスライムなら、基本的に粘液状で骨のない軟体動物で、他の生物を取り込んでどんどん大きくなるわね。基本的に不死」

「不死なのですか?」

「ええ、そういう設定ね。でも短編小説のスライムは『火』に弱いのよ。でも映画のブロッブは火に強くて寒さに弱いのよ。凍らせる事が出来るわ。消化器や降雪車で退治する感じね」

「消化器では無理っぽいですけど、では凍らせればいいんですか?」

「いえ、凍らせるだけではダメで溶ければまた動き出すわね」

「じゃあどうすれば、、、」

「隙間のないガラスなどの不燃性の容器に閉じ込めるかなぁ。ネタバレだけど映画でも最後に捕まえていたし、、、」


 流石の成瀬博士も架空の宇宙生物の対処法は難しそうでしたw。


 うーん、仮に容器に入れたとして閉じ込めたものをどこで保管するのかが難しいなぁ。

 そんなの保管してたらその地域の市民が絶対に反対するよねw。


「細胞のある宇宙生物だとすれば硫酸ですかね?」

「そうね。生物の細胞なら濃硫酸で死滅する可能性はあるわね」

「それに軟体動物だとしたら、ナメクジのように大量の塩でも脱水作用で対応できませんか?」

「あはははは、その可能性は高そうよ。原形質流動のスライムは体が広がっているはずだから塩が接触する面積が広くて脱水作用を即座に発生させられそうだわ」

「判りました。それで試してみますね」

「えっ! あなたが退治するの!?」


 やばっ、言い訳が思いつかないや。

 少なくとも地球では過去の記録には存在しない現代に想像された魔物だからね。

 まあいいや、このまま変な子で通そう。


「はい。頑張って退治してきますね!」

「頑張って地球人類を守って頂戴ね」

「任せてください」


 地球人類ではなさそうだけどね。


 いや、しかしスライムって伝説とか一切存在しない近年の創造物だったんだね。

 しかも魔物じゃなくてエイリアン。笑



◇◇◇◇◇


【鍾乳洞の優位性】


 バイメタル・サーモスタットは金属の熱膨張率が異なる事を利用したスイッチです。

 高膨張側に銅、低膨張側に鉄のものであれば、熱せられてスイッチの切れるもの、低温でスイッチの切れるものの2種類が作れますが、これは回路の話なのでどうにでも出来ます。

 この幅(隙間)によって調整して狙った温度で起動するようにします。


 本来は電気で動くものならインバーターと組み合わせれば効率はよくなりますが、水車で動くものもあるからそれは後回しだねw。

 冷房装置を適切に調節したり高温も調整可能です。


 つまり、サーモスタットがあれば、洞窟でなくとも低温を適切に保つワインセラーは作れるのですが、適切なワインセラーの温度は12度から15度で、この鍾乳洞だと夏でも冬でも平均して15度ととても効率がよいのです。


 地球の本場、フランスでも鍾乳洞の石灰岩をくり抜いた広い醸造場所などがあります。


 こっちはまだ電気網が出来ていないし、あったとしても洞窟の優位性はとても高いのです

 そんな訳でシャトー、つまりワインの生産者やその生産者が所有する醸造所や貯蔵施設として鍾乳洞はとても適しています。



◇◇◇◇◇


【ではスライム討伐にいきましょうw】


 私とマクシミリアン叔父様、ノーラ、そして今回はアドルス・アーデルハイドさんがもの凄く張り切っていますw。ノーラを守るというかノーラの役に立ちたいと鼻息が荒いですw。

 私たちの周りではもちろん護衛のみんなも一緒にみんなに物凄く長く詳しい説明を始めましたw。(はい、これまでの私の考察と退治方法ですw)


 タイプAとタイプBに分けましょうw。



「・・・という訳で、ぽよぽよのものをタイプティプサ、ベトベトのものをタイプティブスビとして双方に対処します」

「ソ、ソフィア様はこんなに詳しく敵を考えていたのですか! わたしなんか剣一本で突っ込んでいこうと思っていました」


 アドルスさん。いや、それダメなやつだから。貴族の間にはターオンやフランクのような間違えたノブレスオブリージュが意識にあるんじゃないかと思う。ノーラにいい所を見せたいのだとは思うけどダメです。

 ノーラのためならば生きて役に立ってくださいね。



 ぽよぽよがタイプA、ベトベトがタイプBとして、それぞれに備えるよ。


 マクシミリアン叔父様はおそらく話しからベトベトだろうといっているけど、これは確認していないからわからないからね。


 鍾乳洞のような洞窟の場合、生存する生物は限られます。

 特に、入り口を一応は門のようなもので塞いでもらったのは正解だね。

 偶然、洞窟に迷い込む生物が空を飛ぶコウモリなんかに限られるからね。



 洞窟の中は植物は光がないからいないけど、キノコは生える可能性がある。

 洞窟の中と外で生活する生物は薄暗いところが好きなカマドウマのようなものはいると思うよ。あれ苦手w。


 完全に洞窟内だけで生活している生物は固有種の事が多くて、ずっと光のないところで進化しているから体色が白化する傾向があります。

 良く見つかるのは白いクモや白い魚、白いムカデなんかがそうですね。

 眼も退化している事が多いよ。

 栄養も乏しく温度も低いから新陳代謝が低くあまり動かない事が多いのが特徴ですね。



 何を心配しているのかというと、スライムが捕食して成長している可能性を考えています。 映画の様に巨大化するためには栄養が必要ですけど、おそらく、コウモリやネズミなどの大きな生物はベトベトだけでは捕まえられないと思います。ネズミもコウモリも素早いからね。


 では、ベトベトのスライムがどうやって捕食しているのか? を考えると、完全に食虫植物のように待ちの体制で蚊や小さな昆虫がベトベトに捕まるのを待つのも手段です。でもこれは効率が悪いので動かない植物のような代謝じゃないと生存が厳しいですよね。


 大きなネズミなどを捕らえたければ何かしらの器官があって、ネズミがいることが判ったとして、天井から全部もしくは一部を切り離して落下させネズミをネバネバで覆って溶かすという方法しかないのかと思います。ベトベトなら原形質流動で遅いから追いかけるのは無理でしょ。だから引力頼みです。


 この際の器官は匂いで判断するのはその構造が作れてないだろうから難しくて、おそらく音か赤外線だと思います。


 つまり洞窟の天井にいる可能性が高くて、触らないように注意して退治すればいいし、ぽよぽよのスライムが強すぎた場合、アドルスさんや護衛に防御してもらってすぐに撤退w。


 ぽよぽよ対策として盾と剣。

 ベトベト対策として濃硫酸、塩、片栗粉、そして『お湯に酢w』を準備して注意して挑みましょう。


 午前中に準備して午後から対処しましょう。


 マクシミリアン叔父様とアドルスさんは私の考察にあきれていますが、敵を知らないで突っ込んでいくような事はしませんからね。

 本来の貴族の責務は自分も含めてみんなを守る事だよ。


 作戦としては護衛達とアドルスさんが盾を準備してぽよぽよ担当、私とノーラとリナ、エミリー、マクシミリアン叔父様がベトベト対応で、他は照明などを使ってもらいます。


 手配を終えて護衛や側仕え達が慌ただしく準備を始めたので私達はお昼にしましょうw。


 みんなも速く食べてね♪



◇◇◇◇◇


【ついに発見!w】


 食後、準備を終えて洞窟へ入りました。

 前衛を務める護衛達が一生懸命ハンドライトを握って辺りを照らします。


 問題は見つかるかどうかですね。ここで見つかった証言からは暗いので色まではわからないけど、わかりやすい水色とかではまずないと思います。


 恐らく天井ではないかと予想しているので、足下、左右、天井と担当を決めててらして詳細に動いていないかを見ながら進んでいます。


 私はずっと明鏡止水で注意していたけど、しばらくするとやはり上側に何かいるようでした。



 ここで私の生命探知を誤解されている人もいるかと思いますので簡単に説明すると、


 これは花音ちゃんに見せてもらったようなゲームのレーダー画面のようなものじゃなくて当然2次元じゃなくて自分からの方向と距離、つまり3次元ベクトルな訳で、洞窟の上側に5mくらいっていう感じで感じています。

 そもそも人間のレーダーってなんだよって話ですけどねw。



「ほんの少し先の天井に張り付いているようです」


「姫様、あれですかね?」


 クラーラが天井に張り付いているベトベト状で蠢く塊を目視したようです。


「ベトベトですね。ではプランBでいきます。アドルスさんは下がってください。護衛達はサイドから照明を担当してまずはノーラから」

 

 アドルスさんがとても残念そうに、とぼとぼと後方へ回りました。

 ここで活躍の場がないのは私のせいじゃないからね。


 ノーラが竹の筒で作った水鉄砲に保温ポットからお湯とお酢を入れます。


 エミリーとリナも準備OK.


「ソフィア様。準備が整いました」


「みなさん充分に注意してくださいね。では開始しましょう」


「「はい」」


 ノーラがスライムの貼り付いている天井部分にお酢の入ったお湯をかける。


 水量は少ないけど、結構な勢いでかかったよ。これは剥離させる為です。


 スライムの前の部分がデロンと下がるとそこにノーラが更に集中的にお酢の入ったお湯を当てた。

 べとっ。


 落ちた。やっぱり剥がれましたねw。


 想像通り、筋肉など存在しないただの細胞の集まりなのでもぞもぞとしているだけで動きはかなり遅いです。何か触手のようなものもなさそうなのでこれは本当にべとべとのスライムだね。

 これは3kgくらいだと思います。 これだけ小さければ結構弱いね。


 一応やっつける前に能力の確認で小さなナイフでヘルムートに切って貰いました。


 もちろん切れないしナイフは腐食し始めている。あれは水素が発生して塩化鉄になって溶けてるね。

 おおー、つまりこれは塩酸系っていうことかな?


 もうほぼ状況もわかったからこれでいいや。



「今です! エミリー!」


「はい!」


 エミリーがザザーっとかなりの量の塩をかけた。


 リナがもう一袋エミリーに渡す。私だと持てないくらいに重そうw。


 様子を見るとスライムはかなり苦しそうにもぞもぞともがいています。


 ナメクジのようだけど、こう見えても恐らく細胞はガン細胞のように不死で巨大化したら結構危ないのだろうと思います。

 不死属性の細胞があるからと言ってもそれは自然界の生活に於いてなのであって死なない訳じゃありませんよ。

 不死細胞であっても生物であれば栄養源がなければ当たり前だけど死んでしまいます。

 生物の不死というのはそういうものです。


 浸透圧で水分とヌメリはほぼなくなり、かなり小さくなりました。私のこぶし大程度だね。


 マクシミリアン叔父様が捕獲できれば捕獲したいと言っていたのでリナに瓶を出してもらい用意した長めの火ばさみで掴むと結構堅くなってましたよ。そのまま瓶に入れて厳重に蓋をしました。



「マクシミリアン叔父様。恐らく早めに水を与えれば復活しますし、栄養価の高い水もしくは有機物、昆虫などを与えれば飼えると思いますよ」


「こんなにあっさりと退治してしまうとは、、、」


「皆が準備をがんばってくれたからですよ。退治したのはノーラとエミリー達です。一応一回りして他にもいないか確認しましょう」


 意外とあっさりと退治出来ましたね。

 でも、確かにこんなのが巨大化してたら確かに手に余るかもしれません。その為の栄養が少なくて難しそうですけどね。

 

 私達は洞窟内を最初の前衛形式で一回りして他にいない事を確認しました。


 なんか実際はかなりあっけなかったけど、これで一応スライム退治は終わりだね。



 あははは、歴史的にも伝説でも存在しない魔物と言うかエイリアン系を私達が発見して退治しましたw。

 成瀬博士にレポートしたら喜んでくれるかなw。


 でも、まだ人に被害すら出ていないのに洞窟が使いたいからと言って退治しちゃってごめんね。

 マクシミリアン叔父様が飼ってくれると思うから沢山ご飯食べてね。



(長くなっちゃったので、窓に見えた人影(スピリトス家の不思議な力の持ち主長女レーアの話は持ち越します。すみません。なんかこれ無限に終わらない気が、、、w)

 熊退治の話ですが、現実的に被害が多く、この話不味いなと書き直しています。笑

いや笑い事じゃないんですけどね。すみません。

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