閑話 日本の発酵技術は何故出来ないか
以前、菌が見えても500年位かかるとソフィアが大袈裟に言っていたお話の詳しい説明回ですw。
ソフィアの魔法でも菌の活性化がありますから元があればもう少しは縮められるかもしれませんねw。
普通のなろう作品の場合、結構直ぐに日本酒を作り頑張れば味噌や醤油が出来るみたいですが、正直結構不可能なのですよ。なのでソフィアも夢美も「なんちゃって」で我慢しています。今回はその理由を簡単にお話します。
お暇な方だけどうぞ♪
※この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、国、地方、大学、マスコミ、博物館の名称等は全て架空のものです。
【現在不可能な理由:私の長いお休みでも1年半じゃ出来ない】
これまで色々とやって来ましたがここには成功した時の事しか書いていないのでなんか私が簡単に色々と出来ているという素晴らしい勘違いをして頂いている方もいらっしゃるかもしれません。
もうそれはそっとしておいてもいいんですけど、実際は失敗も多くておそらく全部書けば『そんな初歩的な失敗をしているのか』と笑われてしまうような事もあります。
いや、色々と思い出してたらなんか恥ずかしくなってきたから書くのやめよw。(えっ終わり?w)
◇◇◇◇◇
w代りに失敗というよりやりたくても出来ていない事ですが、研究は続けますが恐らく私が生きている間には出来ないかなぁと思っている事です。
皆さんは映画とか見に行きますか?
私は先日も花音ちゃんと梨乃ちゃんと一緒に海外でも話題になったの怪獣映画を見て来ました。
『ガジラ+1.0』。カッコイイ怪獣が出て来る戦後すぐのお話でした。
『ガジラ』のお話の、その前の『シン・ガジラ』は現代のお話でしたが、血液凝固剤を使って行動不能にするという作戦でその名も『八塩折之酒』作戦と命名されていました。
そうですね、あの古事記の神話『日本略史 素戔嗚尊』に描かれたヤマタノオロチを強いお酒で酔わせて行動不能にするお酒です。
では一体いつ頃から日本酒を作っていたのでしょうか?w
私が出来ないと思っているのは前にも少しお話した事があるのでもうお気づきかもしれませんが、それは『日本の発酵技術』です。
醤油、味醂、味噌、酢、日本酒など日本独特のこれらは米、麦、大豆などの穀物に「麹菌」を繁殖させたもので日本の発酵食品を作るのに欠かせません。
一口にお酒と言っても普通にお酒を造れる発酵は自然界でも勝手に作られるもので、サル酒でも有名ですが、木のうろなどにサルが果物を入れておいたらお酒になったなどという、つまり糖分があれば自然発酵も可能です。古くから作られていると言ってもこれらはそういうたぐいのものです。
でも日本酒などは2段階必要で、これは簡単に自然に出来るものではありません。
実際には、「糖化」と「アルコール発酵」の2段階必要になる為、他の最初から糖分のあるものから作ったお酒とは全く別物なのですよ。
米に麹菌を加えてぶどう糖にした後で酵母でアルコールにする訳です。
この日本酒の製造方法は『並行複発酵』という複数の発酵を並行して行う特殊な技術なのです。
今から1300年前の『播磨国風土記』には次のような記述があります。
『大神の御粮、沾れて糆生えき。即ち酒を醸さしめて、庭酒に獻りて宴しき』
とありますが、これは
『神様へのお米が濡れてカビが生えたので醸したらお酒が出来て宴をした』
と言っています。
この辺りが麹によるお酒の起源ではないかと言われています。醸さしめるって発酵の事ですよねw。
以前、前島さんの現在広まっているものと異なる特殊な自動修復コンクリート(と言っても技術の中身は書けませんが、温度やPh、添加物との相性など色々と優れたものです。何を言ってるのか良く判らないと思いますがすみません許してくださいw)のお話をする為に前島さんと一緒にある県まで行ったのですけど、その時の社長さんの弟さんがBIO研究者で近くで醤油や味噌を作っている会社もやっているというので終わってからBIO研究のお話を前島さんと一緒に聞かせて頂きました。
この際に『日本の麹菌は今の研究者が0から作るのはほぼ無理』というお話をお伺いしています。
つまり、これを無理やり私があちらでやろうと考えても出来ないのは当然の話なのですよ。
カビにはいくつかの生えやすい種類がありますが、大まかに言うと
①クラドスポリウム(クロカビ)
②ペニシリウム(アオカビ)
③アルテルナリア(ススカビ)
④トリコスポロン(酵母様真菌)
⑤アスペルギルス(コウジカビ)
などがあります。この⑤のコウジカビは自然界にも多く存在するもので喘息や呼吸器疾患の原因にもなりますが、醤油、味噌、日本酒などの精製に活用されているものです。
日本の焼酎なども麹菌を使いますが黒糖焼酎などは糖分の塊である黒砂糖が原料な為、麹は必要ありません。でも、日本の場合は「酒税法」により米麹を使って醸造しないと黒糖焼酎として認められないそうですw。なんかこれもフフフなお話ですよねw。フフフw。
この日本で使われる麹菌は長年の功績を認めて日本醸造学会で『国菌』として認められたそうですが、私にはその学会が凄いのかどうかは判りませんけど凄いのだそうです。
はい、この時点で前島さんは私の事を呆れていますw。いや知らないんだから判らないのは普通だと思うけど。まあ前島さんが色んな場面で私の事を呆れるのはいつもの事なので慣れていますw。
この麹菌は糸状菌の総称ですが、日本をはじめ湿度の高い東アジアや東南アジアにしか生息していません。日本の麹菌は「コウジカビ」と言って、中国や台湾、朝鮮半島に生息する「クモノスカビ」とは異なります。
そして、このゲノム研究からこの麹菌は元々自然界に存在したものではなく、元は野生菌A・フラバスという猛毒のアフラトキシンを出す可能性がある危険なものだったそうです。
一説では種麹屋さんが数百年掛けて飼いならして無毒化したという説が有力なのだそうです。
えー! ですよね。
普通やりますかね? 数百年掛けて無毒化とか、最初からその有用性が判っている訳でもないのに出来ますか? この株ではなく人間の方も何世代なんでしょうね。
日本の最古の麹屋が確認出来る資料では1246年の京都のものがあるそうです。
この際の手法は『アルカリ性の灰をまぶして生き残った菌だけを選ぶ』という生き残り法ですね。
その資料には『京都大原の椿の灰が良い』などと書かれているそうです。
先程の風土記は1300年前のものですが、これも、もう800年も前の資料なのに日本にはこういう資料が普通に残って今を生きている私達も知る事が出来るんですよ。本当にありがたい話ですね。
でもマジで当時には顕微鏡もないんですよ。見えないんですよ。本気でこんなの私には信じられないような凄いお話ですよね。ここから無毒なオリゼーに変化したのでは? という事です。
色んな健康ブームだったり、先日は逆にある種の麹に問題が発生したというニュースがあったりと色々とありますが(これは単にコンタミだったそうです)、例えば他の乳酸菌などと比べてもその効果などの研究も国からはあまりお金が出ずに、研究はとても遅れているのだそうです。
最近、少しだけ健康的なものとして見直されて来たという感じですね。
当然、普通に私の会社のみんなには反対はされますけど、私はこういった研究にも投資したいと思っています。こんなのまさに日本の宝ですからね。こういう普通に先生達に反対される事案は新倉先生に相談すると大抵なんとかしてくれますw。
という日本の方は良いのですけど、この日本の最先端のBIO研究者をもってしても種麹を野生菌から作るのは困難だと言っているのを、私がグレースフェールで出来るはずなどありませんw。
これは当たり前ですよね。造れたという話があれば詳しくお聞きしたいです。
紅麹は別ですよ。あれは「クモノスカビ」から作れるもので日本の種麹を使ってません。
良く『カビが生える』と言いますが、生えると言ってもパンから出て来る訳ではなくて、自然発生する訳でもなくそこには菌が存在する訳です。
その菌が日本にしか存在しないんですよ。その元の菌がです。東南アジアや東アジアのものとは違うのです。
これは流石にどんなに頑張っても無理ですよね。
頑張って湿気の多い状態を作っても菌そのものが存在する地域でなければ数百年かけて行う前のその元の菌すら手に入りません。
私は以前、数百年掛かると言ってましたけど、細かく説明するとこんな感じです。
実際には秘密の魔法w『ペルジェフェルメント』(お酒の発酵、菌の発酵を促す:腐らせる)があるので、菌さえ見つかれば数百年を数十年に縮める事はもしかしたら可能かもしれません。
うーん、研究拠点を日本、つまりあのリズさんに見せて貰った地図の〇と書かれていた場所wに移しましょうか。これも同じ気候で同じ菌があるとは限りません。
もしくはなんていう人達かは知らないけど、こっちの日本人さんがもう作っててくれないかな。
後でアン船長に頑張って行って貰おうかな。
その場合、多分現地の人達にあの船を見られて言われれるのは『白船』w。
(FRPって紫外線に弱いから塗装を白くして光を反射しやすくしてるんですよ)
という事で、これは日本以外では日本の種麹を作るのは不可能で、似た別のものは作れるかもしれませんが、日本と同じものを再現するのはそんな理由で無理な訳です。
他国の似たものを使っても日本の美味しいものは作れません。
で、私はそれらの偽物を作ってますけど、この『なんちゃって』シリーズwも今ではほぼ同じ味にはなっています。ケイト、アンネマリーという味覚の才能を持った方々の協力を得て、配合は企業秘密ですが私の好きな醤油、味噌、味醂、お酢はほぼ完璧に近い味になっていて、私では判らないレベルです。
本気で『本物』を作りたいのは事実なのですけど、私が今の1年半のお休みを全部使ってもちょっと無理かなと思います。
そんな事をラーラと話していたのですが、やはり菌類とはラーラは会話出来ず探せないのだそうです。ラーラに思考能力や会話能力があるのは不思議ですけど、彼らは恐らく思考回路がないと言ってました。
まあ、菌だからね。
仮に菌がラーラのように半分人間、、、いや、想像したくないんだけど、、、。
うじゃうじゃうじゃうじゃ。
閑話を出し忘れていました。書き散らかしていて自分でも判らないのですよ。すみません。
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続きは別のサービスでの公開になると思いますが、あまり期待せずお待ちください。
なろうでないかもですが、一応次回以降の簡単なお話。
次は大空へ♪
第三章 夢の大空へ 第一話 モグラ計画
鉄道開通慰労会でユリアーナとラーラから「飛行機を作らずにあんな凄い船を先に作るとはどういうことですか!」と責められるソフィアw。
行き詰った超古代都市は仕切り直し、美麗と千里が対策の開発を始める。夢美は14歳から始められるグライダークラブへ通いドイツ出身の女子高生と単独飛行を目指します。
模型のテスト飛行でラーラがポッキリ!?
まあ、章的には、グライダー、ラジオ、ダイエット食と書いて、今は抗生物質を書いてますw まだ電気も普及してないのにねw。
ラーラだけでなく、アメリア、そしてソフィアも大変な事に!
個人の力なんてどれだけ無力なのかを思い知ります。
ああ、またクレーム多そうw。
またどこかでお会いしましょう。
お元気で♪