ズンダランドへ
多いよと非難を浴びつつも、またもイタリア料理回w。
※この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、国、地方、大学、マスコミ、博物館の名称等は全て架空のものです。
【取り引きに適したもの】
海賊のアンさんによれば、マーレ メディテラニウム(地中海)の船を使った貿易を最も栄えているグレースフェールのレヴァントを中心に『レヴァント貿易』と呼んでいるそうだ。
私がつけた商業特区レヴァントは『東方の』という意味合いで地球の古い貿易都市の名前からとっているので、この『東方の』というのが『太陽の昇る』というような縁起物的に商人達に気に入られているという事があるのだそうだ。外国商人にとってはシルバタリアの一地域でしかない。
この貿易圏は黒海にあたるマーレ ニーグロムを含め、ナイル海峡を越え紅海側にまで続いているそうだ。
でもスエズ運河は何処へ行ったんだろうねw。
一般的にエイジャからエウロパへ輸入されるものは、
『茶、染料、香水、磁器、 香辛料 、宝石、珊瑚、琥珀、絹織物、毛織物、亜麻布』
などで、
逆に輸出されるものは
『馬、ラクダ、蜂蜜、ワイン、金、美術品』
などが主なものだそうだ。
シルバタリアの香辛料なんかはこういう取引で輸入しているものだね。
勿論、ターオンにも大量に入っているからこそあの味付けだったんだよね。
仮に私がズンダランドで現地の人達と取り引きするとしたら何がいいかが問題なんだよね。
宝石っていうのはどこでも高価値だから相当気に入って貰えないと私のお父さま、つまり公爵様が気に入るものなんて手に入らないからね。
まず立ち寄る予定のアエジープトスは結構政情が不安定で、これを詳しく書くと絶対にカットされちゃうか非難の嵐になる事が判るから書きませんよ。
でも、今はイスラーム世界の中心都市として栄えていて、出入りも特に『カーリミー商人』と言われる遠隔地取引を行う商人なら問題なく入国も出来るそうだ。
つまり私達は貿易を行う遠隔商人なんだよw。
持って行く予定のもの
服飾関連:コサージュ、ドレス、靴、鞄
香辛料関連:醤油粉、味醂、味噌粉、小麦粉
食品関連:乾麺、米
お酒関連:ワイン、ラム酒
機器:乾湿計、気圧計、晴雨計、懐中時計
文房具:鉛筆、鉛筆削り、消しゴム
ガラス製品:切子グラス、保温ポット、光で色の変わるコップ、熱で色の変わるコップ
これらで上手く宝石と取り引きが出来ればいいなぁと思っています。
これを私は2パレット位積んでいくよ。
アンさんに聞いたら『バッチリだぜ』って言ってましたよ。
バイキングとして襲って奪いたい位だってw。
イヤイヤイヤ、それは勘弁して。
お酒はここの乗組員用に別に大量に積んでいる。
何しろ海賊さん達だからねw。
これらの他に販売はするつもりはないけど
砲車 バイク10台 クレーン車
キャンプ用テント、寝袋
箱、包装紙 リボンの薔薇
なんかを積み込んだよ。
勿論、長期旅行用にオレアンジェスに旅をした程度の着替えもある。
冬用の服だけど、恐らくズンダランドは赤道付近で暑いし南半球のサフランドに至ってはこれから春がやって来る訳だからね。
アエジープトスまで行けばもう気候はグレースフェールと違って結構暑くなるから服の着替えは結構必要だよね。
・・・。
天気は晴れ。海も穏やか。
シルバタリアの港の脇にこれ用に作った秘密のドッグから出港する。
フリッツ伯父様が見送りに来てくれたよ。
お土産買って来ますね。
私がここまでオーバーテクノロジーを使っているのは以前も言ったかもしれないけど、これは一般には提供しないからだ。
見た人も恐らく幻とでも思ってくれるんじゃないかと思うw。
船長はアンさんで操船はメアリーさんが担当する。
機関室からGOサインが出て私達は出航した。
◇◇◇◇◇
【快適な船旅】
全く揺れないよw。
この海は海流も少なく、波もかなり穏やかだそうだけど海とは思えない程揺れなかったよ。
まだ冬だけど穏やかな日差しが気持ちいい。
かなり高速に航行していると思う。
マルテとノーラとレストランに行く。
船長のアンさんとリズさんがいた。
「おう、姫さん。やっぱりこいつは凄いな」
「まだ出航したばっかりですよ」
「このままで行けば明日の昼にはアエジープトスに着いちまうよ」
「結構早いんですね」
「ああ、船が速いのさ。しかしこの双眼鏡や高性能の望遠鏡や六分儀の天文航法なんてのをなんで知ってる? 姫さん、あんた一体何者なのさ」
天文航法であれば、常に陸地の見える近海を航行するだけでなく直線距離で目的地まで行けるからねw。
「そんな事を聞く為に来たのですか?」
「いや、そいつは止めておこう。雇い主だからな。姫さん、この航海が終わってもあたしらのパトロンになって貰えねーか?」
「それは今回の冒険が終わったら考えます」
「良し! 任しときな」
アン船長はジョッキのビールを一気に飲み干して戻って行った。
さっき船長室に案内したら『貴族の部屋か!』って驚いてたけど、そこまで豪華にしてる訳じゃないけどね。
よく見ると、操船しているはずのメアリーさんまでビール飲んでるよ。
おい!
「ああ?⤴ ああ、舵ならクラウに頼んだよ。鍛冶職人が舵ってか? ぎゃはははは」
これ酔ってるよね。
「いや、操船は?」
「大丈夫だって、こんなに天気もいいのに方向さえ間違えなきゃ問題ねーさ。しかしいい男だなクラウは」
なんかクラウが危ない感じだねw。
まあ、大人なんだから個人に任せればいいよね。
「雇っているんだから仕事してくださいね」
「判ってるよ。口は出さずにあたし達に任せな」
「判りました。お願いしますね」
はぁ、これ大丈夫だよね。
◇◇◇◇◇
【なんかキャンプがカッコイイ】
真冬だけど、別荘のある田舎のこの辺りは滅多に雪は降らないそうだ。
風が強い時もあるけど普段は穏やかだから外でも日があればそこまで寒い訳ではないよ。
私の土地の敷地内は概ね芝生や散歩コースが作られているけど、土の開けたスペースもあって、そこに新倉先生と、間宮博士がテントを張ってキャンプを始めた。
手際よくテントが出来て、小さなコンロでコーヒーを飲む。
焚火のようなものを小さな器具で作り、そこでお肉の調理を始めた。
私は場所を貸したのはいいけど、かなり気になって見に行ったよ。
今回の明日の探索にはまた美麗は参加出来ず、明日には千里さんと神功先輩も来る。
明日の探索は片神無グループだねw。
新倉先生達が持って来てくれたアンテナみたいのと特殊なWi-Fiはさっき私が言われた通りに地下に設置してきてもう確認して貰ったよ。
美麗から新倉先生を探索に参加させるなって言われているから私が設置して来たw。
暖かいココアを入れて貰った。なんか外で飲むココアが美味しいw。
調理はスキレットという鋳鉄の蓄熱性能がある小さなフライパンのようなもので調理していて、焼いたり、炒めたりする際に食材に熱をむらなく伝えて、カバーと併用することで蒸し焼きや煮込みまで幅広く調理が可能なものだそうだ。
最初にシーズニングという結構面倒そうなお手入れしてから使う調理器具のようで、新倉先生の話を聞くと、そういった手入れすら楽しんでやっているように思えるよ。
間宮博士がとても美味しそうにビールを飲んでお肉を食べてるよ。
なんか大人な楽しみ方を知ってるんだなぁ。
私もキャンピングカーでキャンプして楽しいけど、この二人を見ているとキャンプって家に泊まれないからキャンプするんじゃなくて、こういう面倒な事も楽しめる心の余裕みたいのがあるからキャンプは楽しみに行くものだって改めて伝わって来たよ。
新倉先生がこの地方の高級牛肉を本当に美味そうに焼いてる。
こういうのは普段食べてるよりも数倍美味しく感じさせてくれるんだよね。
「夢美さんも味見してみるかい?」
「いいんですか?」
コクコクコク。
私はお肉の美味しい所を切って貰って口に入れた。
ジューワーってお肉の美味しさが口に拡がる。
簡単な塩の味付けとバターの香りしかしないのにこれまでの最高の牛肉に感じたよ。
お肉がむっちゃ美味しいし、なんかキャンプが凄くカッコイイ。
◇◇◇◇◇
【スーク】
朝、日が昇ってご飯を食べてから少ししてアエジープトスへ着いた。
入港しなければならないので船長に手続きして貰っている。
もうマルテの瞳がキラキラしてるよw。
船長と何人かの海賊の人達やこの船の船員はアエジープトスの街に出るそうだけど、メアリーさん達は船に残るそうだ。
船の方がよっぽどいいって言うけど、その通りなんだけど折角他国に来てるんだからさぁ、、、。
クルト達サービス係の人達はかわりばんこに遊んで貰う。
一応グレースフェールのお金も両替商の人に手数料は大量に取られるけど両替も可能だよ。
この辺りの市は『スーク』と呼ばれる市が開かれている。
民族衣装、銀細工、香辛料、日用品などあらゆるものが売っている。
値札は全然なにも書いてなくて会話して交渉しなくちゃならない。
今回は海賊の人の一人に通訳をお願いしてさっきからマルテが色々と買い物してるよ。
マルテは大商人の娘で今は男爵家の令嬢。お金は下手な貴族達より沢山持ってるし、商売には本当に目がないからね。見てて面白いくらいだけどもうノーラも呆れてるよw。
そのノーラも綺麗な銀細工を気に入ったみたいで早速買ってたよ。
私は宝石商とお話がしたいのでマルテやノーラ、護衛の人達が一通り買い物が終わってからでいいからね。
って普通は私が優先だからカーマイン達はもうびっくりしちゃってたけど、それでいいんだけどね。
一通り楽しんでから通訳をお願いしているミラさんに宝石商まで連れてってもらう。
私は『カーリミー商人』、つまり遠隔商人だと言い、商品と宝石を取り引きして欲しいとお願いして様々な商品のポラロイド写真を見せて説明を始めた。
いや、ポラロイド写真の弁明に10分もかかったよ。品物持って来るの面倒じゃんか。
結局、ワイン、ラム酒、乾湿計、気圧計をこれでどうだと手のひら一杯の石を見せてくれた。
赤黒い石が一杯あるんだけど、宝石職人のカスパーさんに見て貰うと『カーネリアンストーン』だと言う。
カーネリアンストーンは天然赤瑪瑙原石だね。
メノウなら削って、お母さまの肖像画でも細かく描いて貰えば凄いプレゼントになりそうだよ。
20th Anniversaryとか入れれば完璧じゃない?
英語じゃなくて20thアッカニーベルサリオだけどねw。
「小さなのではなくてもう少し大きいのはありませんか?」
と聞いて貰うと、数は減ったけどかなり大きいのを出してくれた。
こんなに大きなのもあるしこんなに沢山と取り引きしてくれるのか。
宝石職人のカスパーさんは『これは加工しやすいから上手く削れますよ』とお勧めのようだ。
なんか今回の航海の予定は、これで用事が済んでしまった気がするw。
「食事を終えたら商品を持ってくるからこれは取り置きして欲しい」
とお願いして船まで食事に戻った。
結構な量があるし、大きなものもあったからあれでいいと思う。
『冒険、終わった~♪』
いや、うそうそ、ちゃんとズンダランドへ行きますよ。
船のレストランでカレーを食べて商品を運んで貰って宝石を貰って来たよ。
私の頭の中にはなかったんだけど、何人かはすぐ近くのピラミッドを見て来たそうだ。
ああ、忘れてたよ。折角だから行けば良かったね。帰りにまた寄るか。
ピラミスって言ってたよ。
◇◇◇◇◇
【野生動物確認!】
「外の口が必ず複数個所ある!」
「どないするんや。戻すか?」
「今のじゃ無理だから一旦機材を回収して戻そう」
「らじゃ」
片神無チームw。
新倉先生と間宮博士が外からモニターと無線でアドバイスして、千里さんと神功先輩が犬型のロボットを2台操作して進めた。
美麗にシェアして貰った地図と一致させて位置情報は新倉先生の言っていたシステムでバッチリのようだ。
千里さんはゲームのようにロボットを操作して、直ぐにこの前迷子になったロボットを見つけて回収しようとした際に、神功先輩のロボット側を向いた際にその先に『何かの目が見えた』と新倉先生が気が付いてモニタで確認したところだ。
新倉先生は神功先輩の犬のロボットの髭が風で揺れてると言い、どこかに外に通じている口が複数個所あると指摘した。
モニターで再生すると確かに揺れていたよ。
あんな深いのにあるかなぁ。
前回のロボットを回収して私達はレストランへお昼を食べに行った。
◇◇◇◇◇
成瀬博士もびっくりしていたよ。
「ここを歩きで探索しようとしてたのはちょっと無謀だったかもしれないわね」
「なんか鳴き声みたいのも聞こえましたからね。でも新倉先生、あんなに深い所なのにどこかに口がまだ残っているのでしょうか?」
「ちょっとこの辺りの地図を見たけど、こっちの沢側じゃないかな?」
「おお、そうですよ。あの沢って相当下ですからあっちからの口ならトンネルみたいに繋がっていてもおかしくありませんね」
「地下の方が深そうだし高さが揃っているとは思えないけどね」
「そうですか」
「午後はどないするんや、このまま探索を続けるんか?」
「ええ、危なくないようにロボットを使って一つずつ進めましょう。それによって判る事もあるでしょう」
「UFOまでかなり時間が掛かりそう」
「そんなに簡単に調査は終わりませんよ」
しゅん。
「間宮博士、仮にイノシシのようなものだと想定すると、今のこのタイプで大丈夫ですかね」
「いや、ちょっとそれは難しいな。最低でもアクチュエータや電磁ソレノイドを強化する必要があるだろう」
「じゃあ、今回は少しずつ進めるしかないね。千里さん、これ強化出来る?」
「絶対にやったるわ。野生動物のこんなんで引き下がれんわ。最低でもやのうて最高のにしたるわ」
「わかりました。研究室に戻ったら早速取り掛かります」
「あははは、次はクマとでも戦うのかい?」
「次までにゲームで練習しとくわ」
ゲームw。
「ユメミン、午後、少し操作してみる?」
「いいんですか?」
「いいよ。UFOはまだ遠そうだから、、、」
・・・。
午後、私もロボットを操作させて貰って一つずつ撮影しながら調査を進めて行った。
成瀬博士も操作させて貰ってかなりのスペースを調査したと思う。
神功先輩達はこの細かい作業が面倒になったのかと思うw。
まだ確認するスペースはキリが無い感じがするけど、成瀬作戦で行こうかと思う。
◇◇◇◇◇
【紅海を抜ける】
アエジープトスを出航すると北西の風が少し強く吹いていた。
紅海=マーレ ルーブルムも海流は殆どなく太平洋に出るまでは問題ないという事だ。
アン船長に聞くと7つの海という概念があるそうで、確認すると私の知ってる7つの海と全然違ってたよw。まあ、なんとなくそうかなって思ってたけどね。
アメリカの事を『新世界』ヌーワールド:ノバエ テーレと呼んでいる状態ではまだ全部ではないからね。
南極大陸周囲に流量の大きい東向きの海流の南極環流があって、それによって各大洋の亜熱帯域などに大規模な循環が存在する。
紅海からインド洋に出た際には反時計回りの海流になる。
私達はズンダランドへ向かうのでここは反対向きだ。
それでもこのクルーザーにとっては何の問題もないようだ。
天気、気圧も問題なく順調に航海を続ける。
陸側に船が見えたり、紅海では海賊船にも出会ったけど、速度が全く違い過ぎて何も問題にする必要はなかったよw。
船長が羅針盤を確認して定規で私の地図に線を引いた。
もう印刷して沢山あるって話してから書き込んでいるからね。
もう気候も寒くもなく、結構快適に船旅を続け、色んな人に楽しいお話を聞いたよ。
◇◇◇◇◇
【スーパーロボット大戦】
美麗に探索の状況を説明したら、次回は西園寺もロボットを出すと言って来たよ。
千里さんと同じ日は出来れば避けたかったけど、2週間後には同じ日に行くことになる。
新倉先生と間宮博士にはご遠慮してい頂いた。
でも千里さんと美麗はなんか普通に話していて、あの位置測定のインターフェースがどうのこうのという話をしていた。
片神無の用意した位置情報にアクセスするための口を用意するというような話だった。
「全然かまへんで、そないに心せまないからな」
「随分と自信じゃないの」
「まあ、次みときいや」
「そちらも驚かないで頂戴ね」
一体何が始まるんだよぉ。
野生動物と対峙する事になれば、ロボット対決が始まるかもしれないw。
この2社の先端技術であれば、高校生のロボット大会レベルでなく、さしずめ『スーパーロボット大戦』になるんじゃないかなぁ。
いや、私達の目的ってなんでしたっけ?w
皆さん判ってますか?
◇◇◇◇◇
【バイキング】
アエジープトスを出航して7日目の朝、ズンダランドが見えて来た。
私達はこのまま通り過ぎてサフランドへ向かい通訳の方と合流する。
勿論、遠隔通話などないのでついてから手配するけど、メアリーさんの知り合いなのだそうだ。
そのメアリーさんはこの一週間、クラウととても仲良くなっていたよ。
クラウもいつも操舵室にいるらしい。
「メアリーは女でも男でもいけるんだ。あいつこそバイキング、両刀使いの王様さ」
いや、船長。何言ってるのか判らないよ。
マルテもノーラもミスリアも何故か顔が真っ赤だった。
まあ、仲良くしてくれるのなら別にいいけどね。
でもクラウはあげないからね。
このペースで行けば半日もすれば目的の港に着くのだそうだ。
今のところズンダランドの陸づたいだ。
これは個人的な問題と言うか世界にとっても問題なんだけど、仮にズンダランドとサフランドが繋がっていたとすると、、、。
船では簡単に太平洋へ行けないと言うことになる。
地中海からジブラルタル海峡で大西洋には出られる。ナイル海峡で紅海に出てインド洋までは出られる。
でも、繋がっていたらオーストラリアを南極側に回り込んでニュージーランド側に出なければ大平洋に抜けられない事が判る。さらにはジーランディアがあればより大平洋に出るのは難しくなる。
大西洋を横断してアメリカ回りか、オーストラリアを迂回してジーランディアがあればそれも迂回してってもうかなり現実的じゃないね。
見せて貰った地図は太平洋沿岸は適当過ぎて使えないレベルだったけどこれがその理由なんじゃないかと思うよ。ああ、私は日本には簡単には行けないんだね。
つまり航海技術の進んだエウロパの船では太平洋に出るのがとても困難で船があまり発達していないナージャの船で日本へとなると死にそうだね。
まあ、後で考えよう。
南半球のこちらではもうすぐ春になる。
でも、サフランドは確か一面にサフランが咲いてたって言ってたけど本当ですかねw。
【大量の生物】
港に近づくと陸は一面紫に花が咲いていた。
マ、マジか、、、。
うん? あれ地面の花じゃなくて木に花がついてない?
私達は船を降りると一本の紫の木まで行ってみた。
綺麗な紫の花がブドウのように房状に咲いている。
これ、サフランじゃなくてジャカランダだよ。
こんなに沢山だと確かに綺麗だけど、冒険者達ってお金に目がくらんでるから遠目にそう見えたのかもだね。これなら本当に藁ぶき屋根の家も黄金に見えそうだねw。
メアリーさんが通訳の人を探して来るそうだ。
話を聞くとどうも明日までかかりそうだよ。
もうすぐ夕方だけど、私達はずっと船の中だったので、キャンプ道具を降ろしてキャンプの準備を始める。
現地の人達が不思議そうに見てたよ。珍しいのかねキャンプ。
日本で新倉先生が使っていたようなスキレットはないけど、私達もお湯を沸かしたりお肉を焼いたりする事くらいは出来るし今回は寝袋も用意したw。
紅茶を入れ椅子に座って綺麗な沈む夕日を見ていた。
この辺りはかなり温かいので、寝袋だとちょっと暑いかもだね。
ランプを付けて、お菓子を摘みながらみんなと今回の航海について色々と楽しく話していた。
ガサガサ。
「ソフィア姫様、今変な音がしませんでしたか?」
「カーマイン、何か気のせいじゃないですか? 波の音も心地いいですよ」
「カーマイン、ちょっとあっちも見に行こう」
さっきこっちを不思議そうに覗いてた現地の人達ももう暗くなってみんな帰ったみたいだからね。
ちょっとまだ早いから海賊の人達も入れてトランプでもやろうかな。
「ひ、姫様っ!」
マルテ、どうしたの?
「ソ、ソフィア様、足元!」
えっ!
うきゃー!
これ、めっちゃ大きいヤシガニだ。
気が付くと周りに凄い数がいるよ。
海賊の人達も気が付いたみたいで驚いて慌てている。
当然、マルテもノーラも騒いでいるけど、何より私自信が驚き過ぎて動けなかった。
「ソフィア様!」
といち早く私を抱き上げたのはピシュナイゼルのラヴェンナ様だった。
勿論、噛まれたりする訳じゃないだろうけど、ヘルムートもカーマインもザルツも呆気にとられていたんだよw。
辺り一面ヤシガニだよ。
ラヴェンナ様は私を抱きかかえたまま港まで走りそのまま船に乗せてくれた。
私を降ろすと
「ソフィア様。天幕は撤収してまいりますのでこのままここでお待ちください」
と走ってテントの方へ戻って行った。
いや、びっくりしたよ。
トライポフォビア(集合体恐怖症)と言うのではないんだけど、あれ程多くの、結構大きなヤシガニが足元に出て来るなんて思わなかったよ。
マルテとノーラも青い顔をして船に戻って来た。
マルテは泣いてたよ。いや、私こんなのからマルテを守れなかったね。私もちょっと無理だったよ。
ザルツやカーマインが苦笑いしながらテントを撤収してくれた。
部屋へ戻ってからラウンジへ行くと、メアリーさんが現地のアボリジナルを連れて来た。
メアリーさんはこの浜付近に大きなヤシガニが大量発生する事を知っていたそうで、大笑いしてたよ。
いや、それ先に教えてよ。それで現地の人が不思議そうに見てたのか。
【クーティス・ノーメン】
連れて来た可愛い赤い肌の女の子はワンピースのような服を着てゴールデン・ワトルの黄色い花房を頭に飾っていた。
彼女の名前はナプルーラ。ズンダランドでの通訳の方だ。
メアリーさんが以前サフランドへ来た時に言葉を少し話せて助けられたそうだ。
その時に名前を貰い親しくなったのだそうだ。
メアリーさんは私には違いが良く判らないwんだけど、ナルプラというそうだ。
特にここの現地の人と何か取り引きする為にはこのクーティス・ノーメンと言う名前が必要なのだそうだ。かなり複雑な事で一言では説明出来ないそうだけど、これがないとズンダランドへの上陸すら許して貰えないのだそうだ。
そこでナプルーラはズンダランドに上陸予定の全員にクーティス・ノーメンを付けてくれた。
私はナパンガティ。これは名乗る際には、ソフィア・ルントシュテット・ナパンガティと言うそうだ。
マルテがナンガラ、ノーラがナカマラ、ミスリアはナンピトゥンパ。
船長はヌンガッラウィ、ラヴェンナさんはナパナンカ、ミラさんがナパルゥヤリ、リズさんがナパルンバ。
ちょっと覚えづらいよねw。
男性陣は、
ザルツがンジャパンガティで、名前で『ン』から始まる難しい名前は初めて聞いたけど、みんな『ン』だったよw。
ヘルムートがンジャパルタリー、カーマインがンジャパンガルー、クラウがンジャカマーラ、宝石職人のカスパーさんがンジャカラヤだそうだ。
みんなちゃんと自分の名前覚えた?
こう言う原住民のしきたりみたいなのは大切だろうからね。
これ明日が楽しみだよ。
◇◇◇◇◇
【残酷なのはダメ】
お昼休み。いつもの仲間とお弁当を食べていると美麗、千里さん、神功先輩がかわりばんこに私の所へ来て、同じ質問をしてきた。
サル、シカ、イノシシなどの野生動物の出現頻度とクマも出るのか?という質問だ。
ネットなんかの情報だと古かったり正確じゃない事があるからホテルの人に確認して最新情報が欲しいっていう話だ。
恵一さんに聞いて同じ答えをしておいた。最近でも子熊が確認されている。
もう、いっぺんに聞きに来て欲しいよ。
この人達は真剣やってくれてるんだけど、なんとなく方向性がちょっと違うような気がするんだよねw。
でも、これ次回は野生動物対決になるんだろうか?
この人達はかなりヤバそうだから、可哀想なのは止めて欲しくて、
『野生動物がいても捕獲出来たら勝ですよ』
と言っておきましたw。
◇◇◇◇◇
【ズンダランド】
かなり大きな半島なのかと思う。
山のようにいくつかの地域が高くなっているけど、中央に大きな川があり、そこから端の方に三角州のようなものが見える。
この辺りは地球で言えば最も海水温が上がる地域だけど、毎日のようにスコールがあり、大量の水が流れ土砂を運んでくるそうだ。
通常、上流から運ばれた石などは河口付近では丸くなる。まるで磨かれた石のようで結構綺麗なのが多い。流れが強いのかもしれないね。
つまり、川の付近は増水の危険があるから天気には気を付けた方がいいという事だ。
ナプルーラさんにここの現地の人のンジャパガティさんとお話してもらい、今日の夜、船に現地の偉い人を招いてもらう事になったよ。
ンジャパガティさんによれば川にあるかもしれない鉱石や宝石は見つけられるのであれば持って行ってもいいのだそうだ。普通は現地の人が見廻っているからめぼしいものは現地の人の方が早く見つけるからないだろうって言っているらしいw。
まあ、そういうのはこの辺の人の方が詳しいからね。 取り引き出来ればいいから。
この辺りは流れはあるけど、今は浅い。
私はマルテ達と護衛達と川の方へ見に行った。
なんか色々とありそうだよ。
これなんか凄く綺麗な宝石っぽいんだけど、、、。
船長さんが教えてくれる。
「ほらな。綺麗な宝石なんだけど、宝石の中が濁ってるだろ? 惜しいんだけどこれじゃあダメだろ」
い、いや、違う! これトンデモない宝石だよ。
これキャッツアイだ。
エメラルドキャッツアイは主にチューブ状のインクルージョンを含むことによりキャッツアイ効果を出すんだけど、このインクルージョンの事をアン船長は濁ってるって言ってたんだよ。
ルビー系まである。
コランダム類だね。赤ルビー、サファイア、トパーズ。
何、これ、、、。
こっちの結晶に6条の線が見られるのはトラピッチェサファイアだ。
あわわわわ、こんなのが沢山ある、、、。
私は慌てて宝石職人のカスパーさんを呼んだ。
カスパーさんは『キャッツアイ』の事を聞いた事があるけど見た事はないそうで、私が言う事が正しいならこれだけの量があれば、お城が幾つも建つって震えてるよ。
上手くこの濁りの入った位置を猫の目になるように加工するんだよね。
私が見つけた物の中にはまるで太陽系や銀河系の宇宙に見えるものまである。前にガラス加工で人工的なそういうのはネットで見た事があったけど、これ天然ものの宝石だよ。
見てるとなんか吸い込まれそうだね。そう言えばガラスのあれはDIYの体験教室やってたと思うから今度時間が出来たら行ってみようかな。
こ、こんなに簡単にしかも、こんなに大きな宝石を手に入れちゃったよ。
私達はお昼を挟んで頑張って出来るだけ大きな『濁ってる』w、宝石を拾い集めた。
アン船長が『何やってんだよ?』って来たから正確にこの事実を教えてあげた。
メアリーさんに言ったら『現地の人には教えない方がいいだろう』って言ってたよ。
でも、この『濁ってる』宝石の価値は話そうかと思う。
私がバケツ一杯くらい、マルテもノーラも小さなバケツくらい拾って、他の人も手のひら一杯くらいは見つけて集まったそうだ。
見つかった宝石が凄すぎて寒気がするよ。
夕方、早めに船に戻ると、気圧計がいきなり下がって来た。
雨だ。来る。
ドシャー!!
スコールとかのレベルじゃなくて、集中豪雨みたいなのが結構続いた。
川は濁流になり地形まで変わりそうな程の流れだったよ。
これ、宝石類も鉱物もこれが流してたんだね。
30分くらいで雨は止んだんだけど、川の流れは凄いままだった。
クルトが歓迎用の料理を準備してマルテ達が取り引きの品を用意している。
私はアン船長とメアリーさん、宝石職人のカスパーさんにキャッツアイの事をここの方々にお話すると説明した。
「あ、あり得ねーだろ。黙ってりゃあ姫さんの言う事が正しけりゃ丸儲けなんだぞ」
「姫さん、あんたおかしいぜ」
「ソフィア様。ソフィア様の仰っている事が本当に正しいのかも判らないのですよ。わたくしは聞いた事があるだけなのですよ」
確かにみんなの意見も判るし、そう言うだろうと思ったよ。
日本の幕末の歴史に、金銀の交換比率が日本が1:5で外国が1:15で日本から大量の金が流出した事がある。
外国銀貨を日本に持ち込めば日本の金を大量に安く手に入れられたというものだ。
幕府はその対策として質の劣る万延小判を作るまでの間ずっとだ。
外国商人にこれを直ぐに教えてくれた者はいない。
当時の日本人の商人はその比率で金銀を変えてたからそう気にしていないで、真実を知ったら笑った人もいたのだそうだ。
日本人って人がいいっていうかなんていうかだねw。
幕府にしてみれば国際的に大損を負った訳で決していい気分ではなかったろうと思う。
それを考えたら、私のこの話は間違えなのかもしれないけど、その可能性がありますよと教えてあげるのが正解だと思う。
多分、私の日本の知り合いならみんなそうするはずだし、私は学校でも先生達にも両親からも今までそう教わって来た。
これがここの他の人と意見が違ったとしても私が見つけたのだから私が言うよ。
と、ここまで説明すると、宝石職人のカスパーさんは呆れた顔をして、アン船長とメアリーさんは笑い出した。
いや、おかしいかな。結構真面目な話をしてたつもりなのに、、、。
彼らの宝石に対する価値は私達とは違う。それはいいとしても知らずに損をさせるのは違うと思う。
しばらくしてンジャパガティさんが偉い人達を連れてやって来てくれた。
雨が上がってから来たようだ。
長老のンジャカリーさん、その息子のンジャカーラさん、娘のナパルラさんだそうだ。
ナプルーラさんに通訳をお願いして挨拶した。
こっちの幾人かも紹介して、食事をしてから是非商品を見てくださいとお願いした。
飲み物はどれがいいか確認したらみんな飲んでみたいという事なのでビールから出したよ。
乾杯をする。私はジュースだよw。
来た時に、ンジャパガティさんに言われた川にあるかもしれない鉱石や宝石は見つけられるのであれば持って行ってもいいというものの多くは、中が濁っていると言っていたけど、これはキャッツアイという宝石の種類かもしれなくて、市場に出せば価値が出る可能性がある事を説明して貰った。
長老のンジャカリーさんと息子のンジャカーラさんはイキナリ怒った顔になったけど、長老のンジャカリーさんは笑い出した。
「ナパンガティ。ナパンガティ!」
あっ、私か!
「はい」
「『長老はあなたは正直ものだが商人ではありませんね』と仰ってます」
「はい、普段は商人ではなく、学生です」
「『そうであるかそうかも判らないがそれを教えてくれたあなたは信じられる友人だ』と言ってます」
「今日採取したものはお渡しした方がよろしいですか?」
「『いや、それはお持ち帰りください。その価値のある宝石であるといいですね』だそうです」
「はい。ありがとうございます。頂いて行きます」
くれる事になったよw。
宝石職人のカスパーさんが大きく「ホッ!」って声が聞こえたw。
イタリアンのコース料理にしてみましたw。
クルトの得意な料理だよ。
まず、アンティパスト(前菜)
外が暑いから冷製が主体です。(でもこの部屋はエアコンでかなり涼しいですw)
バーニャカウダ、カポナータ、魚介のフリット、アフェッタートミストにしました。
バーニャカウダは有名なので説明は省きますwが、カポナータは白ワインビネガーで味つけた甘酸っぱい郷土料理で、魚介のフリットも省いていいですかねw、アフェッタートミストは生ハムやサラミの盛り合わせです。
娘さんのナパルラさんはお酒は飲めないというのでジンジャエールにしました。
長老も息子さんもビールが美味いと豪快に飲んでいますが、一緒に食事にした船長とメアリーさんの方がグビグビ行ってるんですけど、ちょっと、一応ご招待してるんだからさぁw。
ここで、大きな勘違いがあったようで、長老と息子さんはこの前菜が料理の全部だと思ったそうです。
いやいやいや、料理が始まるのはこれからで、それを待つ間につまんでいるのがこのアンティパストの前菜ですよ。
と、ナプルーラさんに言って貰うとかなり驚いてましたw。
確かに結構食べてるなぁって思ってたけどねw。
プリモピアットは一番目の皿という意味です。
リゾットにする場合もありますけど、今日はパスタのようで、とても美味しそうなミネストローネでした。
日本人の多くがイタリア料理と感じるのはこのプリモピアットで出て来る料理の事ですよね。
ニョッキやボロネーゼ、リゾットなんかの場合もあります。
結構な量なので私だとこれでお腹一杯になっちゃうんだけど、少な目にしてくれたみたいです。
丁度、長老さん達もアンティパストを沢山食べてたから丁度いいと思うよ。
セコンドピアットは第二の皿という意味です。
これがメインディッシュ。肉や魚ですが、これはイタリアの各地域の特徴がよく出るもので、ナポリのような海沿いでは魚介料理、内陸では肉料理が多いです。
今日はミラノ風カツレツにしたみたいです。
うん、さっぱりしてて美味しいよ。
ドルチェがデザートですね。
ティラミスの後に、暑いからジェラートを出してくれました。
パンナコッタやグラニータの事もあります。
クルトの今日の料理も美味しかったよ。
長老さん達はお酒も全種類飲んでたし料理も全部食べましたよ。
クルトがいつものように私達の所まで挨拶に来たよ。
長老さん達は凄く喜んでくれて、なんか握手してたよ。
うん、お食事のご招待は成功だね。
食後、マルテとノーラにこちらの商品を並べたテーブルの覆いを外してもらう。
サラッ。
服飾関連:コサージュ、ドレス、靴、鞄
香辛料関連:醤油粉、味醂、味噌粉、小麦粉
食品関連:乾麺、米
お酒関連:ワイン、ラム酒
機器:乾湿計、気圧計、晴雨計、懐中時計
文房具:鉛筆、鉛筆削り、消しゴム
ガラス製品:切子グラス、保温ポット、光で色の変わるコップ、熱で色の変わるコップ
だけど、一点じゃなくて複数あっていくつかの種類もある。
私は長老に『出来るだけ大きく綺麗な宝石が欲しい』と伝えて貰い取引の商品を見て貰った。
なんか残念な事に醤油粉や味噌粉、乾麺はもう他の方と取り引きして持っているんだって。
私が作ったんだけどねw。
長老のンジャカリーさんは色々と詳しく聞いてきて、乾湿計、気圧計、晴雨計、懐中時計などの動きや意味まで詳しく説明した。
ポケットから小さな宝石(といっても凄く大きな宝石なんだけどね)を取り出して、乾湿計、気圧計、晴雨計を宝石の数だけ交換してくれた。切子グラスも宝石1つと変えてくれたよ。
鉛筆は文字はこう言うのでは書かないのだそうだ。
指で示す大きさからいくとかなり大きな青い宝石が集落にあるそうで『明日それと懐中時計を交換して欲しい』というので『それを見てから決めさせて下さい』とお願いした。
この懐中時計はまだフェリックスが作った3個しかないものだからね。
貴重なものだからおいそれとは渡せない。
息子さんのンジャカーラさんはワインとラム酒を3本づつと宝石2個、娘のナパルラさんはコサージュ1つとドレス1着を宝石2個と交換して欲しいというので交換したよ。
娘のナパルラさんは明日集落へ来るのなら母の為にコサージュとドレスを持って来て欲しいと更にリクエストを頂戴致しました。ありがとうございま~す。(←完全に商売人モードw)
ノーラが貧血で倒れそうだったよ。ノーラの所のワインとラム酒をトンデモなく高値で交換してくれたからだ。マルテも顔がかなり青いw。いや、これ私が買い揃えたんだぞw。
それを言ったらハイデマリーだってここにいたら卒倒しそうだよねw。
私が小さな宝石って言ってるけど、これ日本で買えば恐らく200万とかはすると思うからねw。
私は用意した箱に入れ、包装紙にくるみ、コサージュは包装紙にリボンの薔薇を付けてお渡しした。
水の入った気圧計はこぼれないようにテープでとめ後で外すようにお話した。
『明日待っている』と約束して最初の取引は大成功に終わったよ。
お見送りに船の外に出たらむっちゃ暑かったよw。
宝石職人のカスパーさんに全部を確認して貰ったんだけど、こんなに大きな宝石の取り引きは立ち会った事がないと言ってたよ。
カスパーさん、明日もお願いします。
◇◇◇◇◇
紅海が繋がっていて便利♪ と思ったのもつかの間、ズンダランドとサフランドのおかげで太平洋に行けません。日本には行けないのかもしれませんね。org.
作者の罠にはまってやってしまうソフィアw。
次回:思い上がり/ズンダの涙
お楽しみに♪