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ドゥープレックス ビータ ~異世界と日本の二重生活~  作者: ルーニック
第二章 夢の冒険者
121/129

ヤバい異世界地図?/地獄絵図

 ソフィアの世界は過去の同じ地球なのか? 今、ここに真実が明かされる?w。 

 超古代都市にとうとうレイが絡んで来てしまいましたw。org.

 ソフィアの方は女海賊がw。

※この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、国、地方、大学、マスコミ、博物館の名称等は全て架空のものです。


【生きている間のソフィアのテーマ】


 この世界でソフィアとして生きている限り、私には私だけのずっと続いているテーマがある。


 『この世界は過去の地球なのか? 別の世界なのか?』


 と、言う事だ。


  過去の地球とかなりの共通点があるけど恐らく違うと思う事もある。

 でも似過ぎているんだよね。

 でも判りづらいかもしれないけど私ソフィアにとっては『未来が地球なのか?』なんだけどねw。

 変わらない過去と変えられる未来って私には大違いなんだけどね。


 仕組みは全く判らないけど、その答えが恐らく今、目の前に出された。



 パサッ。


 世界地図だ。


 に、似てる、、、。

 って言うか結構違う?


 細かく沿岸部が描かれているのは恐らくこのグレースフェール付近。つまりエウロパ廻りはかなり細かく描かれている。

 私達のグレースフェールは恐らくここでイタリカはこの長いイタリアの位置でフランクはフランスの位置、ターオンの島はイギリスにほぼ該当すると思うけど、ここまで細かくても少し形も違うようにも思える。

 シルバタリアの南の海は船を使った貿易も盛んでこのマーレは地中海の位置だ。

 正確にはマーレは省略した言い方で、マーレ メディテラニウムと言う。

 ここが黒海にあたるマーレ ニーグロムだね。


 ここが恐らくジブラルタル海峡にあたる、フレートム ガディターヌム。

 フレートムが海峡という意味だ。


 えっ!

 エジプト側が空いてる?

 スエズ運河を作ったんじゃないの?

 

 フレートム ニーリと書かれている。

 ナイル海峡?

 エジプトのこれ河の名前じゃないの?

 エジプトの位置はアエジープトスという国のようだ。


 アフリカはつまり陸続きでなく、細い海峡のようだけど、このアフリークはやけに形が細くなっている。

 良かったぁ。マダガスカルが島としてあるよ。これが島として別れてないと動物の移動の考察がこっちで進まないかもしれないからねw。


 そうだ、日本は?

 。。。


 いや、アジアにあたるエイジャは沿岸部がかなり適当で、インド半島の方は結構詳しく書かれているけど、ロシアの方はかなり適当だ。

 日本の位置には、〇しか書かれていない。

 何これ。

 オルトスブルプターティスと名前が書かれているけど、この意味は楽園になる。

 朝鮮半島もなくて、サハリン側から台湾の方まで島みたいのがちょんちょんと続いてて、○があるw。


 この辺りはかなり適当なんだと思う。

 

 トマト、ジャガイモなどの謎であった、アメリカ大陸は、、、。


 あったよ!

 カナダは東側はかなり詳しく書かれているけど、西側は結構のっぺりになってる。

 アメリカ本土の部分はめっちゃ細くてチリみたいだよw。南アメリカは槍の先みたいになってアルゼンチンの位置は尖っている。

 

 これはつまり、これまで冒険者達や海賊達も含めて、人が行ったことがあって、おおよそ地形が判る箇所が書かれているだけで、正確なものではないんじゃないかな。

 のっぺりとした場所や〇みたいに適当な所は恐らく行った事がなく聞いた話だけで描いたんじゃないかと思う。


 地図は普通の国では軍事的秘密だけど、このエウロパ各国は人の行き来もあるし交易もある。

 適当なのは、そこに大地がある事は判るけどきっと細かくは判らないんだね。


 うーん、これだと違うのかどうか判らないよ。

 と思ってよく見るとトンデモない違いがある。


 大西洋、アイスランドの位置の下に菱形の大きな島、太平洋、大洋の真ん中にオーストラリアの大きくしたような大陸、インド洋にあたる位置の沖に長く大きな島がある。


 そして、オーストラリアはパプアニューギニアの位置まで同じ大きな島で、更にはタイランド湾に大きな半島がある。


 これ全部見た事があるよ。

 これ神功先輩の発表資料に書かれていたやつだ!w


 そしてそこに書かれている名前も、まさに

 アトランティス、

 ムー、

 レムリア、

 だ。

  何これ? 氷河期じゃないのに島がある?


 このオーストラリアの位置にある大きな島は、サフランド。

 このタイランド湾の先に拡がる大きな半島はズンダランドと書かれている。


 ・・・。ずんだってあの豆のずんだ餅、、、w。


「・・・ア様、・・フィア様、ソフィア様!」


 はっ!


「戻って来て下さいよ~」

「すみません、ちょっと色々と考え事をしていました」

「それはソフィア様の世界地図と違うからですか?」

「ですからわたくしの知識はマッパ・ムンディですよ」


「・・・そうですか」


「リズさん、このアエジープトスのここは船で通れるのですか?」

「ええ、結構狭いけど普通の船なら通れますよ。私もそこを通ってインディアまで行った事があります」

「この辺りは詳しく描かれているんですね」

「それはここマーレ メディテラニウムの海運の経済圏がそちらまで伸びていて香辛料などの取引が行われているからですよ。かなり詳しく海流まで判ります」


 この海の位置に書かれているいくつかの矢印が海流なんだね。

 海流は知ってる限り同じっぽいね。


「ここにある、大きな半島『ズンダランド』って」

「そこは凄い所らしいですよ」

「らしいって詳しく調査されていないエリアなんですか?」

「そうですね。色々としきたりとかが難しいそうですしかなり暑い地域です。地図が詳しく書かれているのは迂回する事も多いそうですが、上陸した者で帰って来た者は相当なお金持ちになっているそうです」

「海賊行為ですか?」

「鉱物らしいのですが詳しくはわたくしでは判りません。詳しくお知りになりたいのでしたら海賊を紹介しますよw」

「大丈夫です。トマトやジャガイモ、トウモロコシはこのこちらの大陸からですか?」

「はい、よくご存じですね。100年程前に海賊達はこの海を渡ってカーナダへ渡り、南に下ってヌーワールドを見つけたそうでその地の人々と取り引きしたそうです」

「凄い冒険ですね」

「はい、なんでも50人もいた乗組員が帰って来た際には12人まで減っていたそうですよ。聞いたお話では現地では生贄をやっていたと言われています」


 ビクッ!

 やばいね。


「そう驚かれなくでも冒険者は一攫千金狙いなのでそれも冒険です。実際に帰ってから作物はターオンを始めあらゆる国の高位の貴族達に高値で売れましたから彼らも満足だったでしょうね。あの者達は命よりもロマンなんですよ」


 命よりもロマンかぁ。そういう人達は冒険で死んでも本望なんだろうなぁ。

 冒険者ねぇ。

 

「この大きな島と海洋の真ん中にあるこの大陸は?」

「アトランティスとムー大陸ですね。アトランティスは昔栄えていたそうですが、今住んでいる人達はあまり文明が栄えているとは言えません。ムー大陸もそうですね。巨石文化が信仰の対象として残っているようです」


 昔に栄えてて今はあまりっていう事か。もう滅びたって事かな。


「サフランドには一面にサフランが咲いていたそうですよ。それを刈り取るだけでも大金持ちになりそうですよね。そしてズンダランドには高価な鉱物、つまり宝石が溢れている。どうです? ソフィア様のお休みの間の次のテーマとしてこのズンダランドとサフランドへわたくしと冒険してみませんか?」


 いや、何言ってるの。

 リズさんとそんな事出来る訳ないじゃんか。

 確かに色々と気にはなるけど、あのエリザベス女王陛下の送って来た人だからね。

 この護衛達も怪しいし。


「リズさん、トマトやジャガイモの謎が解けました。ありがとうございました」

「ソフィア様にとっては謎であったのですね。そんな事を謎だと思っている人はいないと思いますよ」


 そ、そっか。知ってる人なら知ってるだろうし、そんな100年も前の事は普通気にしないか。

 日本でも普通に売ってるものの原産地なんて学校で習わなければ原産地を見るくらいでいつ、どうやって来たとか誰も気にしたりはしないからね。


 いや、地球の歴史を考えたら、ちょっと謎だっただけだけどね。


 リズさんとの面会は怪しい約束をしてしまったけど無事に終わった。



【ソフィアの世界地図】


 本当にもしかすると地球の大陸とほぼ同じ、、、。っていうかこの幻って言われてる大陸まで全部あったからねw。


 つまりここはちょっと違う『ヤバい異世界』だねw。


 こんなの神功先輩なら大ジャンプして喜ぶよねw。(多分2mくらい飛べると思うw)


 リズさんとちょっと面倒な約束しちゃったけど、この世界の地図は大体判ったよ。

 おっきな紙に忘れないうちに出来るだけ詳しく書いておこう。


 メルカトル図法でいいか。

 まず、普通の世界地図を描いていく。

 地理は結構好きw。

 日本もめっちゃ細かく伊豆諸島から竹島、尖閣諸島、台湾の手前まであって、千島列島まで描こうw。

 ロシアの沿岸はこんな感じで、アメリカ大陸がこう近づいているよね。


 カナダとアメリカはこんな風になっていて、西海岸からメキシコまでこんな感じ、東海岸側はこんなの。

 ブラジル的な場所からアルゼンチンの先端が多分こうだよね。喜望峰だっけ?

 こっちに斜めに北に上がってアフリカ。この辺がマダガスカル。赤道がこのあたりでコンゴ、ケニア辺りで、アラビア海の方に行って、サウジアラビアとエジプトの間がここで、なんとここが地中海に海峡で繋がっていたよね。

 ナイル海峡? って何? ナイル河はあるのかな?


 で、インド半島のこっちがズンダランド。ズンダってずんだ餅のずんだ?w

 さっきも聞いてツボって噴出しそうだったよ。ゴメン。スンダランドじゃないんだね。方言的な違い?

 皆さんとツボが違うかもだけど即興で歌作れるくらい気に入ってたよw。


 タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、東ティモール位まで繋がってたね。


 サフランドって、神功先輩のレポートしてたのサフルランドだよね。

 こっちはパプアニューギニアからオーストラリア全体とニュージーランドの近く位まで繋がってた。


 でもサフランなんて本当にあるのかな。

 藁ぶき屋根を黄金と勘違いしました的な話だったりしてw。


 そして太平洋のイースター島辺りからぼてっと左上にちょんて伸びたムー大陸がこの辺で、こっちの大西洋のアイスランドの南のこの辺、恐らくユーラシアンプレートと北アメリカプレートのこの辺りがアトランティス。西洋のカイトや盾みたいな菱形の形だったよね。


 レムリアがインド洋の沖。

 パンゲア説の続きとして考えれば、南のゴンドワナとレムリアの領域が確かにハマりそうだったね。


 で、南極を書いて、北極圏を範囲で示す。

 こういうのって、国の形をおおそよ思い出せればジグソーパズルのように沿岸は作れるよねw。

 まあ、バラしてパンゲアに戻すのは難しそうだけどw。


 ここに海流も描いておこう。一応暖流と寒流を描き分けておくか。


 さっき見せて貰った地図よりこっちの方がかなり細かく書けたと思う。

 いくつか自信がない箇所があるけど、これは夢美の宿題だねw。


 出来たらコニー呼んで銅板で何枚か作って貰おう。


◇◇◇◇◇


【ついでに量子コンパスのテストw】


「美麗、そちらの方は?」

「水無瀬。櫻井の部下ね。今日、参加してもらうわ」

「別にいいけど、三人の秘密なんだから一応、わたしと神功先輩には確認しようね」

「あら、そうね」


 結構大きなリュックを背負っている。


「みんなもこのナイフを持って行って頂戴」

「なんで?」

「昨晩調べたこのエリアに何かいるかもしれないのよ。ドローンが一機戻って来なくて何かにやられたのね」

「何かがいるって事? 壁とかに当たったんじゃないの?」

「それはあり得ないないそうよ」

「そうなんだ」


 成瀬博士と神功先輩もナイフを渡されている。

 これは最新技術のプラスチック製で現在の銃刀法では問題にならないものなのだそうだ。

 

「じゃあ私は木刀でも持って行くよ」

「そう」


 美麗は何か警棒みたいのをベルトにつけている。


「一応、シンクホール的なのは全部塞いだつもりなんだけど」

「どこかにに未だ空いているか他に野生動物が入れる所があるのではないでしょうか?」

「人やドローンを見たら逃げないんですか?」

「普通は逃げますが、稀に縄張りなどに侵入されたと攻撃してくる事がありますからみなさんもご注意ください」

「判りました」

「「はい」」


「水無瀬はそれ大切なやつだからお前は走って逃げろな」

「えー! 重くて無理ですよ~走れませんよ~」


 成瀬博士は作業服、神功先輩はTVで見た事があるような探険隊のような服w、美麗はハイキングかピクニックみたいなのにリュックとベルトに警棒、私はパーカーとジーンズだw。

 

 結構みんな本格的なんだね。私も今度何かそういうの買って来よう。


 櫻井さんと水無瀬さんは黒服w。

 櫻井さんは長い警棒で水無瀬さんはめっちゃ大きなリュックだよ。


「地下だとスマホの電波は入らなかったけど、GPSは雲程度でも入りが悪くなるのよ。今日は丁度この試験もさせて貰うわ。この水無瀬の背負ってるのがGPSの代わりになるわ。このエリア表示端末を配るから見て頂戴」


 スマホを小さくしたみたいで液晶画面がついてる。


「下に行ったらスイッチを入れれば、昨日の地図と現在位置が判るわ。まあゴルフで使うような位置表示で。文字データも送受信できるからはぐれたらそれでどうにかなるわね」


 美麗はゴルフとかやるのかな。おじさんっぽいねw。


「スマホが使えないなら助かるね」

「使い方は?」

「見れば判るわよ。じゃあ行きましょう」


 美麗がいたら夢美隊長いらないねw。


 秘密の部屋、隠し部屋から地下へ降りる。

 エレベータで水無瀬さんのリュックが大きくて結構邪魔だったよ。


「これ結構大きいですね」

「あはははは」

「夢美、何を言ってるの。これでも最新技術でようやくここまで小さくしたのよ。これは量子コンパスと言って、量子加速度計で、原子を極低温に冷やすと波の性質が強くなって干渉を起こすようになるのを利用したGPSの代わりのプロトタイプよ。電源を含めて、これでも小さく出来てるのよ」

「良く判らないけど凄そうだね」

「そうねw」


「それがGPSならはぐれたら判らないんじゃない?」

「離れても通信は出来るわよ」

「判った」


「博士」

「えっ、何、何?」

「なんか大丈夫ですか?」

「いや、ちょっと今聞いた技術が凄すぎてボーっとしちゃたわ」

「早く探険に行こう」


「危険かもしれませんから慎重にお願いします」

「はい」


 私達は昨日確認したU1へ向かって迷路のような道を進む。

 結構明るいけど一応ヘッドランプのLED照明も使う。

 途中、窓の無い石の部屋みたいのを一つずつ確認する。

 前に発掘していたいくつものペンのような工具が見つかった。


「この遺物を集めたら相当な数になるわね」

「一応、あの別荘の地下に専用の倉庫があります」

「判ったけど、神功さん、それ、サンプルで持ち帰るのはいいけど、今は写真で確認しながら遺物の分布などを確認しましょう」

「らじゃ!」


 私達は地点U1へ向かう間に成瀬博士の指示で構造物内部の確認、撮影、遺物の確認、採取などを繰り返し、相当な数をこなした。

 なんか全然進まないよw。


 もう私のリュックにもみんなのもサンプルの遺物で一杯だ。ビニールに入れて成瀬博士の用意したタグがつけられている。

 時計を見るともう午後3時を廻ってたよ。


「一旦引き返して荷物を整理して食事にしましょう」

「判ったけど、こんなに沢山あるだなんて完全に想定外だわ。これじゃあU1へ行くのに何日かかるか判らないわね」

「いや、そうだけど、調査ってそういうものなんじゃないの?」

「そうね。じゃあ戻るわよ」

「「はい」」


 私達は別荘の方角へ戻った。


『ギギー!』



 ビクッ!


 いきなりかなり大きな音がした。

 みんな奥の方を振り返ったけど何も見えない。


「な、なんですかね」

「なにかの動物かしら?」

「構造物が崩落して擦れた音かもしれません。錆びた鉄のドアのような音にも聞こえました」


 なんとなくイヤな感じがする。


「ちょ、ちょっとやばそうだから早く戻ろう」


 私達は少し恐怖を感じて走るように別荘へ戻った。

 エレベータを一階で止めて、倉庫へみんなを案内する。


 水無瀬さんが重そうなリュックを降ろした。


 ドサッ。


「これ持ち上げてみていいですか?」

「うっ」


 と、持たせてもらうと、持ち上がらなかったよ。めっちゃ重いw。

 テーブルの上に遺物を採取したものを並べ、成瀬博士がつけて行った紙のラベル順に並べた。


「これは何かしらね」

「えーと、文字はルーンで品質保持、円滑、力とか書かれていて後はわかりません」

「わ、わたしが調べなきゃだわね。燃えるわー」


「データを整理するから食事にしましょう。櫻井お願い」

「はい、お嬢様。水無瀬、俺達は一旦車に戻るぞ」

「は、はい。これ重いからちょっと待ってください」


 櫻井さんが手伝って、エレベータで上がって私達はホテルの食堂へ向かった。


 料理を注文しながら、成瀬博士が撮影した画像を確認する。


「スケールバーが必要ね。地面に溝がいくつかあるけど、何通りかのサイズがありそうだわ」

「人ですかね?」

「どうかしら? 流石に人の痕跡などは古すぎて残ってないのではないかしら?」


 そりゃそうか? 朽ちちゃうよね。

 

「宇宙人」

「神功先輩、UFO見つかるといいですよね」

「うん♪」


 ちょっと神功先輩の話にのってみるw。


「まだU1までの道のりの1/4程度なのよ。これから遅くまで探索しても1/3まで行きそうにないわね」

「あのさ、さっきの音がちょっと怖いんだけど、、、」

「野生動物かしらね?」

「だって猪とかクマとかだったらやばいよ」

「あんな鳴き声じゃないと思うけど、でもまあ最初はこんなものかしらね」

「もう相当なお宝取って来た」


「確かに、もしもこれを発表したら大変な事になるでしょうから」

「では、櫻井がデータを整理したら、確認した箇所をシェアするわね。成瀬博士は、各位置の撮影写真と遺物を整理して、解析をお願いするわ」

「美麗、わたしが雇ってるんだけど、、、」

「お願いする事は変わらないでしょ」

「まあそうだね。でも全然進まないね」


「何言ってるのよ。全然判ってないのね。これ確認した箇所全てがかなり貴重な構造物と遺物なのよ。こんなのエジプトのピラミッドで言えば、王の間を40個くらい今日だけで見つけたようなものなのよ!」


 もう成瀬博士かなり興奮してるね。

 なんか古代遺跡っぽいのには違いないけど、代わり映えないからこういうのはJCの私達の()え的な感動とは違うよねw。

 

「わかりました。じゃあ次は再来週の日曜だと私が大丈夫なんですけど、皆さんどうですか?」

「再来週はわたくしはダメね」

「わたしは大丈夫。UFO見つけるまで頑張る」

「2週間あれば、少しは情報の整理が出来そうだわ。でも私はここに泊まってずっと、、、」

「成瀬博士、一度落ち着いて帰宅しましょう」

「そ、そうね。私も再来週で大丈夫よ」

「了解です」


「さっきの怖がってたのはどうするのよ。私がいないから次はGPSも櫻井達もいないわよ」


「うーん、そうだね。どうしようか?」

「うちのロボティクス部門のロボットで下にアンテナ置けば、多分、悪路の歩行やサンプル採取、撮影くらいなら楽勝。あの部屋でバッチリモニタ出来る」

「うちのロボットを出してもいいわよ」

「片神無の方が優秀w。わたしの所の持ってくる」

「ぐっ!!」


「神功先輩、それいい案ですよね。それなら危なくないし」

「ピラミッドなんかでも小型ロボットで撮影探索する事もあるのよ。次回は西園寺さんのGPSやボディーガードの人達がいないのならそれで行きましょう」

「はい。それでいいと思います」


「わたくしがいないのだからあまり探索を進めないで頂戴ね」

「ロボットなら先にU1見て来れる」

「任那! あなた!」


『もう、神功先輩!!』


 はぁ、この人達は相変わらずだよ。

 以前よりは美麗が突っかかって行かなくなったけどね。


 遅い食事を終えて櫻井さん達も戻ったけど、成瀬博士がハンマーで石の構造物から石のサンプルを取ってから今日はお開きにした。


 そう言えばあの教会みたいなのとかの事話してないや。

 それに、こっちにも人類以前の神話みたいのあるのかなぁ。

 多分成瀬博士の専門だろうから後で聞いてみよう。


◇◇◇◇◇


【鉄道の日】 


 鉄道が開通した。

 中央だけじゃなくて他の領地の領主達も参加して国王様、アドリアーヌ様が参加した盛大な式典が行われた。

 まあ、国王様のお財布だからねw。

 お父さまとお母さまも参加して、新型の蒸気機関車を作成したユリアーナ先生や線路を担当したマクシミリアン叔父様が国王様の後で挨拶して『ノブス ポンティス』の街と『ボナ フルーメン』の街の貴族が同時にテープカットをして初列車が走った。


 着飾った貴族達が栄光の初の列車に乗り忘れられない思い出になったそうだ。

 お母さまの側仕えのオットーさんがポラロイドカメラで沢山撮影したそうだ。


 なんで私が聞いただけで参加していないような事を言ってるのかというと参加してないからだよw。


 私はシルバタリアでクルーザーの進水式だったんだよw。

 まさか同じ日になるとはね。

 クラウの髪は結構伸びて来ていて錯覚かもしれないけど私がファンの若い頃のブラック・ピッドに似て来た気がするw。

 

 専門に育てた機関士が二人いるけど、これは90人まで乗れる。

 リズとの約束があるからリズを招いたんだけど、リズが大柄のめっちゃ強そうな女の人を連れて来た。

 海賊のアン・バニー。アウルランド生まれの女海賊で船員も全員荒くれな女性達なのだそうだ。


 荒くれw。


 流れで彼女も乗せる事にした。

 今日はクラウとマルグリッドと私達3人。操船は今日の為に雇った専門の人がやってくれる。


 一応、シャンパンで進水式にしたよw。


 笑顔で手を振りながら進水する様子をマルテが一杯写真に取ってくれたようだ。

 非公開なので、私の関係者以外はあまり多くはないけど、この近辺の船の持ち主なんかがあんぐりとしながら見ていた。一応拍手もして貰ったよw。


 高速艇の特殊クルーザー。


 移動用の小型蒸気エンジンで先に港に出て、本体のエンジンを廻す。

 グラスファイバーのGFRP製スクリュータイプ。ダブルフロートを着けた波を吸収するタイプでこんな形状や方式の船はここには存在しない。

 エンジンやスクリュー、船舶の詳細な形状等はここに書くのはNGなのだそうですw。

 ゆったりとした船内は客室30室、船員エリアにもかなりの人数が入る。

 レストラン、ラウンジルームもある。


 地球でもかなり早い部類に入ると思うw。何しろ日本でも開発させて貰えない技術も取り入れてるからねw。エネルギー効率もあり得ないレベルに向上している。

 まあ、向上っていうのは地球のに比べてだけどw。

 

 加速し始めて私はデッキに出て海を見た。


 リズと女海賊アンが来た。


「嘘だろ、なんだよこの速さは、あ、ありえねー、、、」

「ソフィア様、この船はなんでこんなに速くて揺れないのですか? こ、これは一体、、、」


 勿論、微笑んであげるだけで私は何も答えないよw。

 この人達を降ろしたら私もバカンスだね。


◇◇◇◇◇


【探索失敗、そして魔法がやばい人にまでバレた】


 二回目の探索は神功先輩の用意してくれたロボットを遠隔操作して探索を進めたんだけど、途中で迷って映像見ても帰れなくなっちゃったんだよ。

 夜までかかって結局諦めて帰って来た。

 マジで私達だけで行って人が迷わなくて助かったよ。


 美麗に話したら笑ってたけど、神功先輩はロボティクス部門に相談したら、私の会社の新倉先生と千里さんに繋がっていて、その後新倉先生に私の魔法がバレた。


 人が制御出来ない人体の話や免疫なんかの話を私も新倉先生に相談したんだけど、美麗がらみで品質保持の魔法具を使った製品を千里さんの所へも美麗が技術提供していたそうだ。


 新倉先生に表面仕上げの技術でそこまで向上するはずがないと疑われ私が長者番付に入った時期、美麗の製品の躍進、技術提供から私が魔法使いである事を新倉先生に看破されてしまい、千里さんにバレたんだよ。

 美麗にも責任の一端はあると思うけど、今度から千里さんも参加するって。


「わ、判ったわよ。絶対にレイを探検に参加させてはダメよ」

「あそこのホテルの構想も新倉先生なんだよ」

「それでもダメっ!」


 プチッ!


 またもレイの仕業なのね。

 千里も夢美も私が手に入れられないレイを使ってるのは本当に腹立たしいわ。


 レイの提言した政策が取りあげれられ国会で決まり、その法案で父の会社が4社も潰されたけど、あの才能をこっちへと頑張ったけどダメだった。

 まあ、あれで日本の悪い部分は確実に改善され日本の世界的競争力は向上したのは間違えないけど、まだ古い商売をやっている企業も多いのよ。


 レイはあの協会の技術委員で彼の社会影響力も大きいしあの頭脳と技術発想はちょっと代りは見つからない。片神無側についているのは何か別の力も働いているのかもしれないわね。でも片神無もあれで一社倒産したけど。


 そのレイを千里も夢美も手に入れているのに私の手に入らないなんて本気で悔しいわ。


◇◇◇◇◇


【片神無側の介入?】


 ~『イデア プロキシマ』会議室(夢美、神功、レイ)~


「あははは、神功さんそれは困ったようだね。でもその西園寺の量子コンパスの小型量子加速器、見たかったなぁ」

「あれは美麗の所の人が大切そうに扱ってたから無理だと思いますよ」

「テストだろうけど、持ち運べるなんて凄いんだよ。でもそれならもっと簡単に出来るでしょ」

「どうやるんですか?」

「PHSの位置探索と同じだよ」

「PHS!?」


「えっ、嘘!? 今の若い子PHS知らないの?」

「すみません」

「判らないです、おじさんじゃないから」

「マジかぁ。神功さん、おじさんはないだろw。昔の携帯電話の方式の一つで、簡易に位置を特定するのに基地局からの距離を使ったんだよ」

「三点測位ですか?」

「そうそう、さすが夢美さんは優等生だね。ほんとに中学二年生なのかな?w」


「神功さん、あの前に千里さんと一緒に会った糸川さんの所にその測位システムがあるからかなり簡易で正確に恐らくその程度なら2cm程度の誤差で位置特定は可能だと思うよ。元ガストンダイナミック社の間宮博士の力も借りた方がいいかな」

「でも、美麗が新倉先生を探索に参加させるのはダメだって言ってますし、他の方も片神無の方はこれ以上は難しいんじゃないかと思います」


「西園寺グループのお嬢様ね、、、。西園寺の人は勝手に連れてきているんでしょ? ちょっとフェアじゃないな。でもなんなのこの交友関係w。凄い関係だよね」

(前に引き抜こうとしてたな。でもこの交遊関係は、外から見たらこれ地獄絵図だなw)


「あははは、日本の最大企業グループの関係者が集まってますからね」

「夢美さんもいるでしょ。夢美さんだけでも普通じゃないのにねw。でもこんなに面白そうな事やってたんだね」

(魔法使いで魔法を他の人にも教えられて、魔法道具を作れるとか人類の歴史が変わっちゃいそうだからなw)


「じゃあ、ぼくらは隣のホテルにいるよ。それならいいでしょ。モニタ出来れば対処位は直ぐに出来るでしょ。三矢さんのWi-Fi ahもあるんだっけ?」

「はい。あります。あそこは新倉先生の発想で作ったホテルですからそれは大丈夫です」

「部屋は空いてるのかな?」

「えーと、結構先まで一杯なんですけど、、、」

「そんなに盛況なのか。困ったねw。じゃあテント持って行くからキャンプさせてよ」

「あははは、それなら考えておきます」


◇◇◇◇◇


  

 次回:仕込み

 ミスリアとヘルムートがソフィアを離れるきっかけをここでソフィアが作ってしまいますが、ソフィアもそれを望んでいます。そして夢美もソフィアも冒険の仕込みを確実にしていきます。

 ヴァルターを説得後、ソフィアが女海賊を説得します。

 お楽しみに♪

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