表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドゥープレックス ビータ ~異世界と日本の二重生活~  作者: ルーニック
第二部 第一章 夢の海外旅行
119/129

閑話 村雲

憲法20条1項は「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」

と言う政教分離ですが、特権の解釈にもよる事は確かですが、現実の政治はああなので一般的には御存じない方も多少はいらっしゃるかもしれませんね。でも取り締まられないのはかなり不思議ですね。

※この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、国、地方、大学、マスコミ、博物館の名称等は全て架空のものです。


【不正発覚】


 先日、日本の有名自動車会社が検査の問題で謝罪したと話題になったそうだ。色々な費用を考えると莫大な損害額になると思う。

 でも前島さんによれば、海外で同じものを日本より厳しい検査をしていて日本でもそれに合格している。検査項目が日本の国土交○省の規格とちょっと違うからダメだといちゃもん的に膨大な損害を与えているのだそうです。もっと緩い検査で良かったと言うだけの話だったそうなんですよ。


 簡単にいくつか例を言うと、後ろから1100キロの物をぶつけた試験では1800キロの物をぶつけた試験結果は規格があっていないからダメだという訳です。どう考えても1800キロの方が安全性試験としては優れているのに1100キロじゃないからこれはダメだと言ってます。

 他にも頭がボンネットにぶつかった際の衝撃試験ではぶつかった際の角度をより厳しくしたデータ国交〇のものは50度ですが、実際にもっと厳しい65度のデータは規格が合っていないからダメだという具合です。 どちらも明らかに安全性がより高いデータを出している訳ですが『不正だ、ダメだ』と言っている訳です。頭おかしいとしか普通思えません。

 日本では1.1トンの車には衝突されるけど、1.8トンの車には衝突されないのでしょうか?


 今の日本にも日本の企業を貶めるこんな異常な省庁もあるのですね。本当に驚きました。

 海外の方がより厳しいので企業の検査は判りますが、この省庁は何がやりたいのでしょうね?

 値が違うから注意してくださいなら判ります。でもこんなに騒いで被害を与える程の事なのでしょうか? より安全な試験なのですよ。

 常識で言えば『より良い試験をやってるみたいだけどもっと軽い試験でいいから次から気をつけてね』と言う話で済むと思うけど凄い違和感があるね。


 それって少しおかしくないですか? あのwマスコミの騒ぎ方もおかしな感じだね。

 それらを判らない様に違法とだけの印象を報道しています。


 なんでだろう、ああ、あの宗○の省庁かw。わたし判っちゃったけどこんなこと書けないよw。(書いてるけどw)うん、きっと私の中の陰謀論的な錯覚だよねw。

 日本の省庁がここまで異常な事をやると本気でそんな事を疑いたくなるよ。ダメな省庁と私のような子供にも思われたり疑われたりしてるwって働いている人も本当に可哀想だね。

 

 これ以上書くとまだ近々の話なので完全にカットされるからこの辺りにしないととても危険です。

 それは企業の責任とは思えないけど、こっちのは完全にダメだ。



 私の家にも何台か蒸気自動車はある。

 でもエバーハルトお兄さまやウルリヒお兄さま、私個人のはまだ無くて、まずエバーハルトお兄さまの分が出来て納品されたんだけど、お兄さまの側使えのエドワードさんがドアの調子が悪いって言うから見せてもらうと閉まりはするけどめっちゃ強くバン!って閉めないと閉まらない。いや、一応公爵家なんだから車から降りてそんな音させたら周りにも驚かれちゃうし毎回お兄さまが振り返っちゃうよ。


 クラウを呼んで見て貰うとこれはダメだと言って調べでもらったら不正が発覚したんだよ。



 私は試験の不正が発覚したクラウに頼んでいる物のうち同じ担当者が手掛ける予定でもある、ウルリヒお兄さまの車と私の車、大量生産予定のシャフト三輪自転車と三輪バイクの生産を止めた。



 いま、会議室でクラウとマルグリット、不正を行った二人、それに関係ないけどフェリックスまで死にそうな顔で土下座して謝りに来ている。フェリックスは久しぶりだけどなんか痩せたかな?


 検査をせずに済ませてしまったテストがあり、それを見ないでクラウとマルグリットが出荷のサインしてしまったのだそうだ。


 気持ちは理解出来ないけど心情は判らなくもない。貴族のそれも公爵家からの依頼で忙しくてどうにもならなかったのかもしれない。

 でも、なら賠償しても遅くなるって何で相談出来なかったの。まあこっちだと言えないのか。


 なんか以前、ハイデマリーやカリーナがスパイに加担した時も私は家族の事を相談して貰えなかった事がある。

 貴族と領民は違うし、民主主義のようにお互いに意見を言ってなんて事は出来ない社会だからね。

 意見が言えなければ不満もたまるし争いも増えると私なんかは思うんだけど、不満や不安を抱えたまま過ごすと楽しい人生を送れないんじゃないかな。

 私がこっちで生きている間に、こういうのが是正されるような未来は来るのだろうか?


 でも、試験をしないでそのまま出す方がより危険で、下手をすれば公爵家の人間を事故で殺す事になるかもしれないのに、、、。

 そう考えればこんな社会であったとしてもどんな貴族でも遅れる相談位は聞いてくれると思うよ。蒸気自動車で死ぬよりはいいと思うよ。


 クラウは頭を坊主にしてきた。これは謝罪に来て私を笑わせる作戦じゃないよね。

 なんか意外と似合ってるんだけど、、、。


 彼らの心情はもっと深刻で、この二人のご両親にも話し、クラウの両親やマルグリットの親であるシュミット親方にも状況を話して来たそうだ。


 これは貴族に罪で裁かれて死ぬ刑罰を想定しているようだ。



 はぁ。全然判ってないや。


 日本の無責任な政治家じゃないんだから責任者が退任しても例え死んでいなくなっても何も改善なんかしないからね。


 私は全員に理由を細かく考え、どこが不味かったのか? どうすれば再発しないのか?

 の始末書と改善策を書いて出直して来てとそのまま帰した。


 私もこの会社にはお金出してるから無関係じゃないからね。



 いや、やっぱり原因は私でしたよw。


 次々と止まらない大量の仕事が『強風で流れて来るまとまった雲』のように次々と襲いかかり仕事の嵐に巻き込まれて判断力を失わせたようだ。


 なんか判ってたけどねw。

 因みに幾重にもつながる雲の事を村雲って言うんだけと九条流にも『村雲』という技があるよw。えっ? 全然因んでないw?



 『試験官と検査官で試験の項目を二重確認チェック、試験項目表を責任者が確認し通常の乗車前チェックを一通りしてから出荷』という再発防止策作が来た。


 いや、これだとダメ。

 忙しくてダメだった改善が出来てない。やり直し。


 『工程管理、進捗管理で確認し無理があれば理由をご説明してご相談』


 うん、これだよね。


 貴重な人材なんだから頼みますよ。


 この仕事はもっと遅らせて一つずつでいいや。

 工程引き直してやろうね。


 と言いつつクラウにはもっと凄いの頼んでるんだけどねw。

 他も量産してるのがあるから大丈夫だよね。



 いや、ちょっと私が仕事減らしてあげようよw。



◇◇◇◇◇


【強いがための弱さ】


 貴族学院の冬でも休みの日にはザルツの屋敷の演習場で練習をしているよ。

 バーミリオン部隊だけでなく、ルントシュテットの騎士のカイゼルさんや大叔父様まで中央に来て参加してる。いや、それだと誰が守ってんのルントシュテットはw。


 大叔父様から相談された。


 ランハートさんとレイモンドさんの事だ。


 元々彼らはとても強かった。

 彼らは元から手数も多く剣の打つ力も強い。

 実際に手合わせをすると迷いが捨てきれないのか打大刀が遅れる事が多々あるのだそうだ。


 我流なんだけど、あそこまで強くなっていると逆に九条流をやってもなかなか上達が遅いらしい。

 うーん、そうなんだね。なまじ元が強かったからですかね。そんな事もあるんだね。


 乗り越えないと先に進めない壁、プラトーが二人には近かったんだね。


 カイゼルさんにランハートさんが負けた事は知ってるけど、今ではヘルムートやカイにも勝てないそうだ。

 それはそうでしょ。カイはもう刀を作る事を許しているからね。ヘルムートも素直な剣が功を奏している。


 でも当の二人はその事にとてもショックで、レイモンドさんなんか悩んじゃってるし、ランハートさんも暗くなってるそうだ。

 手合わせをすると、もうムキになってまるで壊れた機械のように剣を出して来て、大叔父様の指導だとこれ以上は難しいと相談してきたんだよ。


 今のままだと、次の剣術大会にはこの二人は九条流としてここからは出せない。


 これ、やっぱり無刀の気が出来てないね。

 二人共他の人だとコテンパンにはやられる事もないだろうから手合わせが必要かな。


【村雲】


 九条流と新陰流や陰流は違うから恐らく色々と違うのだと思う。

 九条流書を読んだとしても実際は口伝なので恐らく正しい理解は難しいし動きはまず正確には判らないと思う。そもそも剣術を書に書くなんて無理があるんだよ。でも同じような部分もあるだろうから、あまり正確にはここには書けないけど、

 九条流書の『村雲』には次のように書かれている。


 村雲

 序載相敵に切りかけ思い付処を調子をぬきうらより勝也、右砕重々


 『切りかけて思い付処を調子を抜きうらより勝』

 とか普通意味わからないですよねw。

 しかも「調子を抜く」んだよw。私もこれを読んだだけなら全く判らないと思うよw。

 おじいちゃんに聞いた話では九条流の初代じゃなくて三代目の人が書いたそうだ。そこまで強くはなかったそうだけど陰流にも詳しくて頭のいい人だったそうだ。


 あれ? でもこう言うの書いても大丈夫なのかな? まあいいや。


 実はこれ竹刀だと結構難しくて、日本刀だとやりやすいんだよね。

 木刀でも出来なくはないんだけど、重い方がいいんですよ。


 多分、日本刀をぶんぶん何十回も振って色々と実際に切っている人じゃないと感覚が伝わらないのだと思う。柔らかいものばかり切っていても判らない。これは銃刀法があるから気軽に誰でもっていう訳にはいかないので簡単に感覚を説明すると、一般的に薄い刀と見られているからもっと軽いと思われてると思うし、弱いとも思われていると思う。


 感覚的に言えば、鉄筋コンクリートの鉄筋が手ごろな長さで、曲がりづらいと思って貰えばほぼ近いと思う。仮に他の刀と打ち合わせても普通に勝てるし、太さは色々とあるだろうけど重さもそんな感じです。ただ振り回してもあまり武器的に有利にはならないので剣術を学ぶ方がいいですね。おじいちゃんの所ではいつでも生徒募集中ですw。

(この刀に関する詳細な長い話はカットされてると思いますw)


 刀だと重心が良く判ってその重心を常に正確に意識し易い。そこを中心に肘を絞って切っ先を走らせ易くなる。

 これはある意味、長さのある刀をこの重心で廻すようなイメージになるよ。

 力のある人が刀を長くブンって振り回すのとは全く違うよ。ひゅんって肘で調子を抜くんだよw。

(いや、多分もう私の話が伝わらないよねw。それは我慢して下さいw)


 右から砕くように斬りかけ切っ先を走らせると、それを避けるか防がれてもこれは速度と正確さだけで、実は刀の力はそんなにかけてない。まあこれは右から始めるのが基本なのかな。

 でもそう見せかけてその裏側の左に肘と手首でスッと調子を抜いて、切り替えて刀の重心で廻しそのまま高速に切っ先を走らせる。

 これも力はいらなくて重心を中心に廻す感じだね。

 そっち側を防がれてもさらにその裏側で調子を抜いて切っ先を走らせる。


 これをまるで連なり重なるように群れる雲が次々と襲って来るように止まらずに斬る。

 全然打大刀に力も入れてないけど、斬られれば切れちゃうからね。

 結構早いけど、これあんまり疲れないし高速に振れるからやってる方は楽なんだよ。

 重い剣を振り回すのとは全然違うの判って貰えるかなぁ。


 相手から見ると左右からしゅわわわ~って斬りかかられる抜いて走る切っ先が止まらずに次々と繰り出されてくる。

 まあ村雲みたいに群れた雲が風でじゃんじゃん来る感じだね。

 止まらないんだよw。


 マンガ的に、はしょって言えばまるで一太刀の呼吸で左右から複数の打太刀を打つようなものだ。

 私は最初の頃は三打位だったけど今は五打程度は繰り出せると思う。

(でも縄跳びの二重跳びは何回かしか出来ないよw)


 九条流の村雲を何回かでも避けられる人がいたら結構凄いと思う。これは狭い所でも廻すように振れるし大きくも出来るから便利だよ。

 正直この技の名前のように『まるで襲い来る村雲のようだ』と感じられるのはこの打太刀を最低でも複数回避けるか防げた人だけだ。そうでなければただの切っ先が早い太刀に過ぎない。


 いや、私ならこんなのやる人とは戦わないで走って逃げるよw。



 私はさっき木剣で手合わせしてランハートさんとレイモンドさんを正直コテンパンに村雲で打ち負かした。

 次々と左右から襲い掛かる木剣にあのランハートさんでも何回も頭に当たり血が出ている。

 レイモンドさんも結構木剣を受けちゃったね。

 恐らく二人共経験がない位コテンパンだと思う。



「お二方共以前お教えした事が全く出来ていません」

「ぐっ、申し訳ありません」

「はぁはぁ。すみません」


「お二方はこのように弱いんですよ。まだ自分は強いという気持ちを捨てられませんか?」

「『常々無刀の気不忘』を覚えていますか?」

「打大刀に勝とうという気持ちは悪くないのですが迷って遅れるのはダメです。今のあなた方はこの2つが出来ていません」


「「・・・」」


「本気で無手でカイ達と戦う事が出来ますか?」


「ぐっ、」

「そ、それは、、、」


 無手は教えてないからこの二人だと厳しいだろうね。


「そうなれば必死に相手の剣筋を見て避けますよね」


「「は、はい」」


「貴方達は剣を持ってその心構えが本当に出来ていますか? 自分の方がと相手の剣に勝とうと力に任せていませんか? むやみに力で行かずにその気構えが出来るのであれば貴方達はもっと強くなれると思いますよ」


「は、はい。あ、ありがとうございました」

「ありがとうござい、、、」

 ドテッ。


 あっ、レイモンドさん倒れちゃたよ。



「すみません、誰か手当をお願いします」


 いや、村雲じゃなくてもうちょっと優しい方が良かったかもw。

 でも、二人には成長してもらいたいからちょっとコテンパンにしてみました。


 頑張って♪


◇◇◇◇◇


 この後、まずレイモンドさんが、続いてランハートさんも心で何かを掴み一皮剥けたようだ。

 もう一人対一人の対人の剣技で彼らに勝てる者はルントシュテットにはいない。


 以前のような無双感は一重も感じられず無に近い心境を得ているようだ。

 この際に明鏡止水も会得した。


 でもあれから二人共無口になったのか私とあまり話してくれなくて前と違って自分から話しかけてくれなくなったんだよね。


 なんかやり過ぎちゃったのかな。

 いやちょっと私も反省だね。

 

先の話をしても仕方ありませんが、このまま今回で打ち切りにならず継続出来れば良いかと思います。


次回:第二部 第二章 夢の冒険者 怪しい話

お楽しみに♪ 


 この冒険の最後の方でソフィアは他のなろう作品のように珍種の可愛いもふもふの動物を手に入れます。当たり前ですが、触ってしまったのでソフィアはペストなどの感染症が怖いと自ら二週間隔離し誰とも接触できなくなりますが、なろうでは人獣共通感染症は存在しない世界なのでしょうか? 人の感染症の6割はそうなのにそんな世界あるの?w びっくりしました。これを無視したら話が書けないですよねw。

 でもこの当たり前の話だけで公開が危ういという話もありますw。

恐らく今週から第二章が開始出来ると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ