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ドゥープレックス ビータ ~異世界と日本の二重生活~  作者: ルーニック
第二部 第一章 夢の海外旅行
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閑話 ストロー

『リズ』の次は『ミズ』w。

※この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、国、地方、大学、マスコミ、博物館の名称等は全て架空のものです。


【私が異世界転移したら最初に必死に頑張る事】


 もしも、私がマンガのように異世界に転移でもしてしまった、もしくはさせられてしまったとしたらまず間違えなく何を差しおいてもエールを手に入れる為に必死に頑張ると思う。


 日本では飲めることが普通だけど、普通は水が飲めないのが当たり前だからね。

 直ぐに生死にかかわる緊急の問題だからだけどあまり慌てているようなお話は私は読んだことがないです。


 地球でも200もの国があるのに日本を含めて数える程しか飲める国はないんだからね。

 水道があってもそんな感じなので、上下水道が完備していなければ尚更だ。

 中世ヨーロッパのような国々であるとしたらまず飲めない方が当たり前ですね。

 私ならまずそれで必死に走り回っていると思うよ。死にたくなければね。


 ターオンは国全体で飲めなかった。でもグレースフェールは飲めると言っても、これも領地や場所によって異なる。

 ルントシュテットは結構綺麗な水で軟水、一番水質がいいのはグレグリストで少し硬水。イエルフェスタやシルバタリアはなんとか飲めるという感じで場所によっては煮沸した方がいいし、普段はエールを飲んでいる。

 無理して飲むとお腹を壊す人もいるらしい。

 オレアンジェスは山間からの清流しか飲めないし、ピシュナイゼルやブルリア、パープラングは飲めない。


 水が飲めない理由は主に2つだ。


 一つは水質の問題。菌や鉱物の含有によるものだね。

 もう一つは手に入らないという事だ。

 これは、ピシュナイゼルのように砂漠地帯で、オアシスの数も限られると、本当に地下水の流れる僅かな場所でしか手に入らない。

 手に入っても水質が悪ければどうにも出来ない。


 これには上水道が完備出来ていない事もあるんだけど、基本的にろ過しても今までの技術ではダメで、地球レベルの技術でろ過してして5分以上煮沸消毒すればなんとか飲めるというレベルだよ。

 これが普通の生活用水としての上水道だね。

 それでも手に入らなければそれも出来ないけどね。塩素の殺菌なんかもやってないからね。


 日本の厚生労働省の基準では色々な検査の方法がある。でも全部を私が既に出来る訳じゃないからね。

 私は以前電池を作っているのだけど、使い道を皆さんにお話していないのかと思う。

 この機会だから先に言うと、これは水質検査の為だよ。


 菌類の一般細菌や大腸菌は普通に寒天や乳糖ブイヨンの培地で簡単に確認は出来るよ。

 こういうのはシャーレや顕微鏡、スポイトなどを用意すると、錬金術師の方々は嬉々としてやってくれるから見ててこっちが怖くなる位なんだよw。


 でも、鉱物やヒ素なんかはちょっと面倒だ。


 多分、めっちゃ詳しく説明すると、このページの一回では無理で、私の説明だと絶対に誰も読んでくれない自信すらあるw。


 陰イオンと陽イオンの標準試料と検査したものとの差を見て、塩素、フッ素、亜硝酸性窒素、シアンなんかが含まれていないかどうかを電気伝導度で確かめるイオンクロマトグラフという手法や紫外線を当てる水素化物発生法でヒ素やカドミウム、マンガン、クロム、亜鉛、鉄、銅、ナトリウムなどを確認している。

 紫外線発生装置は水銀イオンと希ガスを管にいれた蛍光灯のようなものだけどこれは後でタマゴの生食まで行きたいから頑張る予定だよ。ほら、私も水銀使えば少しは錬金術師っぽいでしょw。


 勿論日本の技術程でないとしてもこれは概ね正確に出ているっぽい。

 色んな物質を用意したり、電流計の記録とか紫外線とかも正直に言うと結構苦労したんだけどね。


 勿論そんなに出力は出ないんだけど、充分に測定は可能だよ。

 これが出来なければ水質検査は出来ない。


 つまり、どこの水が綺麗という話は見た目とか感覚なんかじゃなくて、こういった水質の汚染度合いの事を言ってるんだよ。


 軟水と硬水って言ってるグレグリストとの差は規格ではリッターあたりの硬度っていってるけどこれはマグネシウムの含有量で、ルントシュテットは山間部もあるけど平地も多く水をためて流れる長さが違い水にマグネシウムが溶け出す時間が少なくて軟水になっている。これは日本も殆どそうですね。

 逆に口にするまでが長ければ硬水だけでなくそれだけ色々と汚染されやすくなるからね。



◇◇◇◇◇


【発展をコントロールとか貴族の横暴だw】


 以前は、発明者登録の制度が良く判らなくて、言われるままにサインして知らない間に私も結構お金持ちになっていたり大量に使われていたりもしていたけど、今は少しは判って来た。


 前に、イソブタンを使った冷却装置を作ったんだけど、イソブタンは作り方そのものをブラックボックスにしている。

 でも、この冷却装置は無償開放しているんだよ。


 日本で特許なんかをとって、色々と判ったけど、誰でも知っている仕組み、例えばホッカイロなんかだと当たり前の化学反応だから特許は取れない。

 私的に言えば、こんな冷却装置なんか今時小学生でも知っていると思う。


 それに、無償で技術を公開すれば、イソブタンはまだ高価だけど、頑張れば領民でも自由にこの装置が作れる。

 こういう風に自由に使ってもいいってやると、様々な人の発想で私が想像できないような使い道を考えてくれると期待しているんだよ。こっちの頭いい人達は私とは違う色んな意味で半端じゃない凄さがあるんだよ。

 私の目的は本当にお金を儲ける事じゃないからね。


 もう開発しちゃうけど、仮に私の活版印刷が出来たら自由に無償で公開するよ。

 私の目的は多くの人に本を広めるという事であって、お金ではないし活版印刷を独占してしまえばその障壁になってしまうからね。これは小学生にも理解して貰えると思う。勿論筆記用具も同時に安価に広める。これはセットだね。


 つまり、簡単に言えば私は無償で公開すべき事と、有償で公開すべき事、普通は提供しない事を適切に判断して、地球のようなおかしな争いや失敗を何度も繰りかえすようなおかしな事をしないように制御しなければならないという事です。

 これは私が考えるというもので正解は判らない。つまり私の横暴なのですw。


 文字通り横暴と言う方がいるかもしれないけど私は文明を過ごし易さや安眠の為に正しく早く進めたいだけでお金が目的でないからだね。


 勿論、こっちでも誰にも理解しては貰えないから言わないw。逆にマクシミリアン叔父様にはいつも『何故だ!』って未だに言われてるよw。


◇◇◇◇◇


【誰でもどうぞとやってみた】


 で、冷却装置を公開したんだけど、、、。

 水の保存が以前よりも長く可能だし、、、。


 はい、まずは色々な各地の貴族の方々が頑張ってくれる事を期待していましたよ。

 色んな領地でも私と同じ物は作ってみたようだ。


 忙しくて放っておいたとも言うんだけど、少し経つとどうなったのかと言うと、国の殆どの地域から飲み物の提供をどうにかして欲しいという嘆願書が宰相様経由で私に届きましたよ。


 えー、だよね。私の考えが甘かったかぁ。


 トラックも今で言う冷凍トラックのようなものでも可能なんだけどなんかみんな忙しいのかなぁ。

 大人の貴族だと仕方ないかもだね。もっと領民でも自由に出来なきゃ無理かも。

 結構私も子供にしては忙しいんじゃないかと自分でも思っているけど、ここまで沢山の要望があるのなら仕方ないよね。安価で飲み物をどうにかしてみる事にしたよ。

 でも全く簡単じゃなかった。



【やっぱり美麗と沢さん頼みw】


 どうやって流通を制御すればいいのか全く判らなかったからまた美麗に頼ったよ。出荷から配送センター、在庫管理まで物を造るのとは全く別の難しさがあって美麗の知識がなければ最終的に全国へ行き渡らせるなんて不可能だったよ。こんな社会システムの(ことわり)を判ってる知り合いが身近にいることがほぼ奇跡だなと美麗に聞いて思ったよ。勿論、私だけでは出来ないから嘆願のあった領地の領主にも協力してもらったよ。


 勝手に起業してもらったのではなくこちらが適切な位置に適切な配送センターを作る。

 バランス、消費量なんかは単純な数学的予測だけどかなり上手くいった方だと思う。

 適切にやれば無駄はかなり省けるからね。


 負荷は適切なバランスによってあまり問題にはならなかったよ。

 日本みたいに人口が東京に集中したり過疎地域がまばらにあればこれは破綻するんじゃないかと思った。


 なんか結構面倒な事をかなり詳細に何回も美麗に聞いたと思うけど私が美麗に頼った事を美麗が嬉しそうにしていたのだけどこれ気のせいだよね。なんかまた借りを作ってる気がするけど私は返せるのかな。


 これが充実したおかげで叔父様が提供していた製パンに必要な素材や調味料なんかも流通が物凄く楽になったそうだ。いや、逆に今までどうやってたの。なんか絶対無理があった気がするけど勿論叔父様に突っ込んだりはしない。

 このバランスは発展地域との格差を減らし中央でも田舎でも便利さは余り変わらない。


 水質は確認するけど、グレグリストの協力を頂ければ冷たい水、氷なんかは結構もう自由になる。

 他は、イエルフェスタなどいくつかの領地の協力を頂いて、後は私は沢さん頼みだw。


 以前もジンジャエールを作っているんだけど。あの甘味は今度はメープルシロップで調整するw。

 頑張ったのは〇〇コーラと同じ味をこっちの素材で簡単に作る事だw。

(もう、何がやりたいの? っていう感じだよね。日本の子供の錠剤の水で作るコーラレベルではないよw。これは私の好みがかなーり発揮されてますw)

 炭酸系なんかそのままでは気が抜けちゃうからね。提供方法で出す間際に炭酸にするよ。

 

 他は、アイスウォーター、オレンジジュース、アップルジュース、アイスティー、アイスコーヒーだね。

 正確にこっちの言葉で言えば、

 グラーチェス アクア、アウランティアコ スークス、イウス マーリ、フリーグス ティー、フリーグス カプールスなんだけどねw。

 コーラはコーラ、ジンジャエールはジンジベリ チャルビージアだよ。

 コーラは南米産の植物「Kola」に由来してつけられた名前だからね。ここでは意味じゃなくて固有名詞に近い Cora。


 勿論、追加でお金を出せばティーやコーヒーは with milk & sugerも出来る。


 これらはお店で売るんだけど、各地の販売店はマクシミリアン叔父様が国中に普及してくれたパン屋さんを使わせてもらうよ。


 ほぼマイクロ水力発電機が使える場所で、いくつかを除いて殆どが冷凍装置の設置が可能な事が判ったよ。

 電気が普及すればそんな心配はいらないんだけどなぁ。


◇◇◇◇◇


【問題はここから】


 問題はここからですw。

 例えば日本のコンビニのように飲み物を販売してしまうのは私的に少なくとも今はしたくない。


 使い捨てのペットボトル、使い捨てのカップ。各種プラ、、、。

 こんなのをここで妥協して使ってしまってはなんか負けた気がするよw。

(だから誰と戦ってるのかってw)



 このプロジェクトにガラス職人のヴェルナーと木工職人のマーティン、更にお母さまのお針子の班長の一人マリーに加わって貰う。


 実はここからが大変でした。まさかこんな事になるとは思っていませんでしたよ。


 ヴェルナーとマーティンのギルドはもうトンデモなく大きくなっていて、この二人はその社長さんなんだけど、この二人が競い合うように頑張ったんだよ。『勝負だ!』ってw。


 まず、容器のサイズを同じにする。

 これはぴったり300ml入るように木製でもガラス製でも判るようにする。


 ヴェルナーの方にはガラス製で綺麗な小さな魔法瓶を蓋が出来るように作って貰い貴族相手に高価格帯で販売する。

 マーティンの方には、木製で容器を作って貰い高価なものからとても安価で領民でも簡単に買えるものを作って貰う。

 二人共蓋が出来てストローが使えるものだ。


 まず、この時点でもう二人の意地がまるで競い合うように凄いアイデアが一杯出て来たよ。

 マーティンの木製カップなんて、蓋がネジのように廻して絞められて一部をスライドで開けられるようになると、そこから飲めるし、反対側を開ければまるでストローを指してくれ的な小さな穴が出て来るんだよ。

 塗りもただ単に防水や艶出しっていうだけじゃなくて、漆を使ってめっちゃ綺麗な絵柄で出来る。

 貴族達用には紋章を入れたり、子供達にはヒヨコやペンギンのわたしの描いたデザインまで入って大人気になったんだよ。


 勿論、ヴェルナーも負けてはいない。

 魔法瓶である事はとても強味で透明且つ色ガラスで切子グラスもあるけど、絵画のような絵をガラスに描いていく『ガラスエングレーディング』だ。

 貴族の用途が多いから貴族の紋章は勿論の事、その領地を表す動物も凄く詳細に描かれていく。


 流石に数はマーティンの方が沢山売れたそうだけど、売り上げは僅かにヴェルナーの方がマーティンを上回ったそうで、どちらも『勝負だ!』と言っていた割にはお互いの製品を使って『すげーよこれ』て言い合っているんだからまあ仲もいいんだねw。


 これらを持ち歩けるように、マリーにはカバーや取り付け用のケースを作って貰って膨大な数が売れたんだよ。


【地球でも問題だよねw】


 ここで最後に問題にしたのは、やっぱりストローだね。


 私は日本で花音ちゃんや梨乃ちゃんとお揃いでマイストローを買いに行った事がある。

 でも、これ結構衛生的にどうなの?って思う。

 私と花音ちゃんのはお弁当のお箸のケースみたいので、梨乃ちゃんのは長い筒みたいなケースでキーホルダーみたいのがついてる。

 これを洗うのもケースを洗うのも結構面倒なんだけど、正直モックのアイスティーを頼むと出て来る紙のストローは全然飲みづらくてちょっと嫌なんだよねw。


 環境云々という方々に怒られそうだけどね。すみません、あれイヤですw。



 私は地球の事例を調べて『レピロニア』という植物を探し出し(シルバタリアにあったよ)、これを大量栽培して『草ストロー』で対処する事にしたよ。


 この草ストローは殺菌洗浄していて使っても洗えば一応何回か使える。

 ダメになったら、お店の回収場所に入れると、次のストローが無料で貰える。

 まあお金を出しても貰えるけどね。無料だからみんな失くさないように持って来るよw。


 回収した草ストローはそのまま飼料になるから牧場に廻すよ。

 この回収率が驚く程に高いんだよw。無料強し。


 まあ、男性や子供達は使わないでそのまま飲むんだけどね。


 そして、本来のアイスウォーターなどの販売は、全てマイポットをお店に渡して入れて貰う。


 同じだけつまり1回300ml買える。

 氷を少し入れて貰って水はグレグリストの美味しい水なんだけど、氷も入って物凄く安く購入できるよ。


 これらはグレグリストのゲートルード様やエルフリーデ様にがんばって貰ってメーカーにして全国的に大成功する事になったよ。因みにもうメイドのマレーネさんは料理学校を卒業してゲートルード様の元へ最近戻ってるよ。

 グレッグコーク、グレッグジンジャエールと言えば、今は誰も知らない人はいないくらいで、貧乏な農家の子供達でも『グレグリストの美味しい水』グレッグウォーターは飲むし知ってるよ。


 ストローは草だと気にならないし良さそうだね。元々ストローは麦ワラだからねw。


 ペットボトルも捨てるカップも蓋のプラスチックもプラスチックストローも使わずにマイポットで対処出来たのは良かったのではないかと思う。

 以前は私だけがマイポットを持ってたんだけど今では領民も誰もが持ってるよ。


 恐らく私の話を聞いていらっしゃる方は随分と古そうな方法を考えているなとお思いかもしれませんけど、もしかするとこっちが最新かもしれませんよw。(嘘っぽいけど)


 と、なんか私がまた忙しかったので、私に嘆願書を廻して来た宰相様辺りに文句でも言おうかと思ってるよ。

 睡眠時間が減るじゃんか。もうw。



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