閑話 序:フェルナンデス・ブローの手記2 ~ソフィアのイマジナリーフレンド達~ 「あの時代にグレースフェールだけが発展した理由」
皆さんこんにちは。ルーニックです。
実は思っていたよりも多く色々とご要望もありましたので早速ですが第二部を開始したいと思います。他も色々とやっていますので、なかなか更新頻度は減るかと思いますが、第一話は書け次第アップします。
不定期更新とか心もとないですね。
他の作品を公開するように進めていたのですが、あまりに様々な「なろう作品」をバカにするような内容が多すぎて流石に書き直さないと無理だなと思っていますw。
もうそんなの書くなよという感じなのですが、こっちもこっちなんですがまあ概ねこんななので仕方ありませんw。
こちらもまた頑張ります。
よろしくお願いします。
※この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、国、地方、大学、マスコミ、博物館の名称等は全て架空のものです。
私は歴史学者のフェルナンデス・ブローだ。
あれから私はソフィアの日記を読み進め、これまで不明であった事や間違えていた事、正確な開発の時期などの数々の歴史的真実を知った。
そして最も恐ろしい事実はその殆どはソフィアによるものであるという事もだ。
個人の視点だけでなく他の人の当時の日記と照らし合わせればどういう状況であったのかがとても判りやすい。
仮に、この日記がソフィアの妄想の話でないとすると、ソフィアはまるで夢の中で本当に学んでいたのではないかとおかしな勘違いをしてしまいそうな程、毎日のように進歩している。夢の話までここまで詳細に書かれていれば私もこんな夢の話を信じてしまいそうだ。
恐らく彼女の中で産業を進めるアイデアを思いついた時に夢の中の物語を作り、比喩で言っていたのだろうと思う。なかなかお茶目な姫様だ。
彼女は優れた寝具を生み出し睡眠をこよなく愛してたそうだが、これは睡眠による効果かもしれない。脳内の記憶の整理だけでなく発想に役立つ何かが睡眠によって生まれていたのかもしれない。おそらくこれは脳に良い作用をもたらすドーパミンの類だろうと思う。
それとも神がかり的な睡眠学習とでも呼ぶべきだろうか?
本当に頼りになる『イマジナリーフレンド達』だったようだ。
あの有名なオレアンジェスの『バラエーナ戦争』で先頭で戦ったのも本当にソフィアだった。言い伝えや伝説などではなく日記にそのまま『私が一番先に敵の所についた』と書かれている。
そして近代兵器は歴史に残るよりも早く現在の交易都市レヴァントが生まれる前に開発されていた事も良く判った。
そればかりかこの日記によればあらゆるものを開発していただけでなく、各国との戦争やサイレントインベージョンを実質防いでいたのもソフィアだ。女神様でもここまではやってはくれないだろう。
他にもこんなに数多く危機が訪れていて、記録に残るものだけでなくここまで様々な侵略を防いでいた事が判ると、私は本気で今の政治家達や平和ボケした国民達にソフィア皇妃の爪の垢を煎じて飲ませたいと思った。
歴史学者として私の使命はこのソフィアの様々な真実を伝え、この国の全員に歴史から様々な事を学んで貰う事だと思う。
いや、私はこの為に生まれて来たのだと思う。
◇◇◇◇◇
私はその後ソフィアの日記を五冊まで読み進め熱を出し倒れた。
熱で朦朧とする夢の中で何度もこれまで読んだ幼いソフィアと出会ったが私から話す事は出来ずソフィアを見守るだけだった。
そこで私が見た夢の中のソフィアの姿はこれまでの歴史が語るような戦争で兵士達を率いる姿でなく、真剣に産業を進める姿と無邪気に心地よい寝具で眠る姿だった。
それに5冊目の読んだばかりであるグレグリストの印象が強かったせいか記述にはなかったがソフィアが素手でクマを倒す夢も見たw。
ここまで読んだ日記はソフィアがまだ10歳にも満たない子供時代のものだが、この時既に一部の貴族達から絶大な信頼を受けていた事も真実だと良く判った。後にソフィアの騎士となるピシュナイゼルのラヴェンナとクラウディアからも絶大に信頼されていた事も解った。
これを考えればソフィアが侯爵を賜った時の貴族達の意見が割れソフィアを元に国内が二分した理由も良く判る。
この時代はガルムル民族大移動後の混乱がなかなか収まらず他国の戦乱は続いていたがグレースフェールだけが常に各国の侵略を退け文明が発展していった。紛争は500年も続くからだ。
それは一体何故なのか? この答えもやはりソフィアにあった。
私もこの時代の幾つかの歴史上の天才達の書物を書いている。他国にも優れた天才は数多く存在し驚愕するような発明も幾つもある。しかし残念ながらそれらは当時世にひろまらなかった。拙著『不世出の天才達』に書いた天才達はこの戦乱の世に生まれ相次ぐ戦争のせいでこの時期の文化も発達せず発明も世に出なかったのだ。
これを歴史に学ぶと『戦争は悪だから武器を作るな、武器を持つな』『武器を開発するのは悪魔に魂を売った科学者だ』『死の商人は排除しろ!』などという平和主義者達が多い現代の国民達にこそ、この真実の姿を学んで欲しい。
これは逆にソフィアが幼年期に自身の中でこれだけ葛藤しながらも『圧倒的に強力な兵器を作り数多の侵略を退けたから』こそグレースフェールだけに平和とこの文明の発展があったのだと私にもハッキリと判った。
今まで謎であり神罰が終わらせたとまで言われていた『バラエーナ戦争』もこの時にはまだ作られていないと言われていたがソフィアの兵器が彼らの一部を吹き飛ばし退けたからこそ死傷者の数があり得ない程少なく戦争が終わったのだ。
人々を本当の意味で救ったのは神ではなくやはり人、ソフィアなのだ。
この各国の動乱の中、グレースフェールだけが異常に文明が発達した最たる理由はこれだと断言しよう。
たった数か月で住む場所を追われ、安心し落ち着いて研究など出来ない世の中では文化も産業も発展しないのだ。
当時の各国の力関係を考えれば仮に当時ソフィアがいなければシルバタリア地方とピシュナイゼル地方はチョイナーに占領されオレアンジェス側はヒーシュナッセに奪われた後でターオンに征服されていただろう。
チョイナー側に侵略されたならばグレースフェールの民達は処刑か奴隷労働が待っていただろうし、ターオンであったとしても植民地として近年まで搾取され続けただろう。
これは贔屓目でもなんでもない事実だと思う。
『奴隷労働、処刑、植民地』。平和主義者達の帰結はこの姿なのだと、ソフィアの行動が、この時代に実際にそう出来なかった他国の天才達の歴史が、私に教えてくれた。
惜しむらくは他国の天才達は、歴史にもしもがあればだが、ソフィアのいた時代のグレースフェールで産まれて欲しかった。
他国が穏やかな時代を迎え、数々の産業が進むのはこの500年程度後であるわけだから当時の文明や産業の発展などグレースフェール以外では無理な時代だったのだ。
私はまだ発熱が続くが、今、この日記の続きが読みたくてしょうがない。
この後のソフィアが子供時代にターオンで教化における統治の時代に絶対王政を確立したエリザベス一世と出会い、確か記録ではソフィアはターオンに国賓として招かれたはずだ。
生涯独身で婚姻の話も政治に利用したエリザベス一世のその生涯も驚くべき歴史だが彼女はソフィアと手を組まずその後も戦乱で戦う事を選び、ソフィアは自国の発展を選んだのだ。
当時、女王陛下やターオンの貴族達には誰も他国の王でさえも意見具申なと出来ない情勢でソフィアは彼らに衝撃的に考えさせたと記録に残る。これは一体どういう事だろうか? ソフィアはどうしたのか?
ソフィアから見た真実のエリザベスはどんな人だったのか? ソフィアと何故手を組まなかったのかが知りたくて仕方がない。ソフィアはどう行動したのか?
もうたまらなくこの日記の続きが読みたくて私は禁断症状を起こしそうだ。
いや、いきなりあれな話題にしてしまいましたw。
でもこの章は全体的にこんな感じなので実は公開はまだ躊躇しているという感じですw。
(なら再開するなよという感じですねw)
次回:第二部 第一話 美麗の負けられない戦い
お楽しみに♪
おそらくこの辺りからかなりお話もヤバイ感じになるので、一応全てのお話に
※この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、国、地方、大学、マスコミ、博物館の名称等は全て架空のものです。
を入れますねw。