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異世界から来たリクは本当に使えない  作者: 地底人のネコ
32/40

女神の手のひらで

ゴブリンの舵取りが恐る恐る望遠鏡で覗き込んだ。


彼らは奪い合うように望遠鏡を覗きこみ、時に大きな目を擦り、目をパチクリさせた。

帆を担当していたゴブリン達も呆気に取られてメインマストからスルスル降りてくる。


そこには巨大な噴火口を空に向けたセイレーン島があった。

波は不気味に泡立ち、セイレーン島に向かう渦のような風が吹いている。

なんと彼らは丸一日かけてセイレーン島から離れ、翌朝戻ってきてしまったのだ。


「セセセ、、セイレーン島だ・・!!」

「セイレーン島だ!!セイレーンが呼んでる!!キュラーテティアが呼んでるんだ!!!」

「うわーーー!!セイレーン島だ!!!」

ゴブリン達がカモメように絶叫し騒ぎになる。



「何事だ!お前ら!!・・・ぬ“ぁ!!?」

「なんだ、なんだ!?」

寝起きのオーク達がゾロゾロと出てきて悪夢のようなセイレーン島を見る。


あぁ、オークのゲンコツが飛んでくるぞ!

ゴブリンの船長と舵取りはオークの機嫌を損ねないように言い訳を考えた。

「これは!!」

「羅針盤は確かだった!!羅針盤は確かだったんだ!!」


「テメェ!!」

オークがゴブリンの船長の胸ぐらを掴んで持ち上げる。


「ひいい!!」

「もういっぺん羅針盤を"正しい"と言ってみろ!!!俺への侮辱で魚の餌にしてやるからな!!貴様が間違っていたんだ!!そうだろ!?」

「俺は!!何も!!間違ってはいない!!断じて!!」


「俺が間違っていたと言うのか!?あ!?」


オークの尋問にゴブリンは泡を噛みながら抵抗する。

確かに間違いはしたが、ゴブリンは上からの指示には従順で仕事には誇りを持っていた。


「貴 様 が 間 違 って い た ん だ!!繰り返せゴブリンよ!そうだな!!」

「俺は断じて間違った仕事をしてねえーーー!!」

ゴブリンは首を縦に振る。


「まだ言うか!!」


「ちょっと待ってくだせえ!!」

「あ!?」

そこへ別のゴブリンが割って入る。


「確かに羅針盤も、俺ら仲間も間違ってはいねえよ!」

「貴様も“無能な舵取り”の肩を持つのか!?」

「ち、違います!!明らかに海の様子がおかしいんです!!間違いなく神の惑わしの技がかかってる!!そうとしか思えない!!」


「神のせいだと言うのか!?」

「そうです!!思えば、奴隷を買った時からおかしかったんだ!神々に寵愛されし者が居るに違いねえ!!」

「神々に寵愛されし者・・!伝説の勇者が・・!?」


オークはセイレーン島を睨みつける。

そして巨大な女神の手の平で、船が永遠と航海している様を想像して身震いを起こした。


「ごはっ!!ゴホッゴホ!」

オークが放り投げるように手を離し、解放された舵取りのゴブリンが床に突っ伏して咳き込む。


「とにかくセイレーン島から離れろ!!」

「ど、どうするんで??ただでさえ奴隷が多いんだ!!食料だって・・!」

「伝説の勇者探しと、食料の確保!!同時にやるのよ・・!なぁに、考えてみれば簡単さ!!」

オークは邪悪な目を光らせた。





───────


一方。

ツェトリ村では謎の病気が麦を穢し、未知の毒の蔓延と貧困の不安が募っていた。

暇を持て余した農民達の間でアカナ教に対する不信感が生まれつつあり、労働者同士での陰口の言い合いや

喧嘩が発生した。

村には殺伐とした悪い空気が流れ、アーニャの体毛も何かを警戒するように常に逆立っていた。


教会の前の広場では、いつも楽観的なバッカスが樽に座って呑気にリュートを演奏していた。

「みなさん、変な空気が蔓延していますが恐ることはありません!気楽に気長に行こうではありませんか!」


気楽に言っても腹は膨れぬ。

鋤を持った農民が呆れたようにバッカスを見て通りすぎる。

仕事がなくなった農奴がくたびれたチェーンメイルと錆びた剣を持って冒険者ギルドに向かい、村の前では別の村の暴徒化を知った農民が木の枝を尖らせて槍を作っていた。

皆、暇である事に耐えきれず、何かをやって気を紛らわさないとやってられないのだ。


「バッカス!!あなた!そこにいたのね!?」

「おわ!!」

すると突然、ワインを入れていたであろう陶器のボトルがバッカスの目の前でガシャンと割れた!


バッカスが驚いて樽から落ちる!

「ア、アーニャ!君も殺伐としてどうしたんだね!?」

「どうしたもこうしたもないよ!!教会の倉庫に行ってみればこの有り様は何!?!?お酒ばかりじゃない!!!」

メメルは空いたボトルをバッカスの前に見せつけた。


「ギアーテ王国、ヴァイターの紋章があるわ!!これだけの酒類が教会の倉庫や納屋に密かに運び込まれてる!!説明してくれない?なぜ貴方がヴァイターから報酬を得ているのか!!あなた、リクをヴァイターに売ったわね!?」


メメルが単刀直入に言い、そのストレートな追求にバッカスが折れた。



「な・・!!!私だって、メルトリッス諸島に向かう兵士達を激励するためだと思ってたんだ!!まさかヴァイター将軍率いるメルヴナウタイに行くなんて予想もしていなかったんだよ!!」


アーニャ:「それでもリクは行ってしまった!!言葉もわからず、何が何でもわからない異世界の男の子が!!新聞で上手いようにヒーローとして飾られ!!香料をまぶされて香り付けして!!美味しく出荷されてしまったんだわ!!」

「落ち着いてくれアーニャ!!新聞の内容が本当かもしれないじゃないか!もしかしたらリクが本当に志願して────」


アーニャ:「それで見てみなさいよバッカス!!この毒に塗れた麦を!!殺伐とした村を!」


「な、何を言っているんだアーニャ!?まるで天変地異が私の責任のようではないか…!」

アーニャは脅すようにバッカスに顔を近づける。

バッカスもすっかり怖くなり、この混沌としたセイレーン島の作戦に何も知らない言葉すら通じない異世界の少年を放り込んだ罪悪感に恐怖した。

気付けばマザーアカナの像が彫られた首飾りを握り、

顔面は蒼白となり、唇や手が震えていた。   


「良く聞きなさいバッカス・・!!あなたはマザーアカナの威光のもと、告知の夢を見て司祭になった。そうでしょ??」

「・・あ、ああ」


「もしもマザーアカナがこの地上に舞い戻った時・・果たして貴方を許すかしら?私はとても許すとは思えないわ!

あなたはリクの血の味がするワインを呑み、そのワインの酔いで罪を拭い去ろうとした!

私の言っている意味が分かるわね!?

あなたがリクにした仕打ちは、マザーアカナの裏切りとも取れるわよ!?」


ガンロ司祭の修道女だけあって、アーニャはガンロ譲りの尋問をした。


「あなたが呑み、樽に納めていたのはリクの血よ!!あなたはそれを深く理解し、謝りながら呑みなさい!!リクの血が貴方の体内を呪いで満たすまでね!!!」

「あああああ、ぐわー!!!!!私が悪かった!!本当にこんな事になるなんて知らなかったんだよー!!」


バッカスは耐えられなくなり、地面に坊主頭をつけて号泣した。

そして何度も天に向かって手を挙げるとアカナ神に赦しを乞うた。

アーニャの眼は怒りと悲しみで黄色く光り、剥き出しの口からは牙が覗いた。

そして聖典にあるトドメの一言をバッカスに言い放ったのだった。

「エ ア ノーノタルデ オニキス(お前の謝罪などいらぬ)」


「う"ぁあああ!!!!許してくれぇええー!!許してくれアーニャーー!!!!」


アーニャは耳を立て、大きく息をしながら毛を逆立ててバッカスを睨みつけた。


「少し言い過ぎよ。なにも聖典の言葉を引用しなくても良かったんじゃないの??」

とメメルは呆れて言った。



───


そんな一悶着をよそに不思議な一団がワゴンを引いてやってきていた。

青い衣に陽に焼けた褐色肌。

鱗を模した柄の服の巫女や、王冠を被った男児は神輿を乗るのを辞めて歩いていった。


ベルヴァがそれを見ると、慌てて教会前の広場へ駆け出す。



「アーニャ姉ちゃん!!メメル姉ちゃん!!何か来たよーー!!」

「何かって??」


ヴェルヴァが広場で3人を見ると絶句する。

「おわ・・!・・えっ!?!?虐めてるの!?!?」

アーニャとメメルの後ろに泣いて蹲るバッカスがいた。

アーニャは頬を掻きながらヴェルヴァにボトルを見せる。

「嬉し泣きよ。ホラ、お酒の空きボトルがあるでしょ?」




「キュラー・テティアの信徒です!!司祭に会いたいとの事!!」

鋤を持った武装農民が言いアーニャが驚いた。


「大切な客人よ!鍬を振り上げるのをやめて!友好的にね!」


メメルも驚きアーニャに言う。

「きっとメルトリッス諸島の難民達ね!!セイレーン島から来たのかも!」


「・・・(リク!!)!!」

アーニャの毛は逆立ち、不安と希望が交錯する。


「みんな、警戒を解いて!!おもてなしの準備をしよう!ツェトリに来てくれたのは何か理由がある筈だよ!!とりあえず、来村を許可してあげて!」

「はい!!」


アーニャは修道服の埃を叩き、毛を素早く舐めて綺麗にする。


そうこうしているうちに水の女神を信仰する一団が広場に到着し、村人達がワラワラと出てきて騒ぎになった。


タキア王朝を代表する白い毛皮のマントと王笏を持った少年と巫女達が先頭に来てアーニャとメメルに挨拶をする。


「突然の来訪失礼致します。このお方はルア・コルス・タキア王子で御座います」

「王子はよせ・・もう王都も無くなってしまったのだ・・ルアでいいよ・・」


ルアはアーニャに跪き、深々と礼をした。

アーニャは尻尾をピンと立てて驚き、固まったままメメルを見た。

メメルは"ちゃんと挨拶しなさいよ!"と、アーニャを促す。



「村人のご無礼失礼致します。アーニャ・クローラウスです。ガンロ司祭の下で修道女をしています。この子はリトルウィッチ族のメメル。この泣いているのは隣町の司祭のバッカスです」

「お初にお目にかかります。メメル・パルクリアです!」

メメルはスカートを摘むと華麗に挨拶をする。 

アーニャも礼節を思い出し、胸に手をあててチョコンと膝を折り曲げるお辞儀をした。


「バッカスです。タントリノで司祭をしておりますです・・」


ルアは気まずそうにバッカスに向かって鼻を擦る。

バッカスは"ハッ!"と気づくと鼻水を袖で拭った。



「アーニャ、ここツェトリではガンロ司祭が長のようだね。どうか会わせて欲しいのだが」

「そのガンロ様は・・」


アーニャの尻尾が下を向いた。


───


キュラーテティアの巫女達が広場で水芸を披露する。

その歓声が教会内にも響く中、ルアはガンロを見て絶句した。

ガンロは女神の像の前に立ったまま衣服ごとすっかり石化して固まっていたのだ。


メメルは長椅子に座ると、アーニャとルアを見ていた。

バッカスはマザーアカナの像に向かって祈りを捧げると、聖典の一節を黙々と読み上げていた。



「・・ガンロ様!ルア・コルス・タキア王子です」

「・・・」


「ガンロ様!」

ガンロの両手がゴリゴリと音を立てながら動き、胸の辺りが青く光る。

ガンロの声は天から響くようにこだまし、アーニャはガンロの手を握った。


「“”“”・・・おかえり、コルツ。そこに居るのはリクかね??“”“”」

「アーニャですよ!!こちらにいらっしゃるのはコルツじゃなくて、タキア王国の王子です!」


ガンロの顔は動かず、さながら腕が垂直に動くオートマタのようだった。

口髭の間から僅かに空いており、その間から深い呼吸音がしている。


「・・アーニャ!ガンロ司祭はなぜ強力な石化魔法を?」

「わからないの。私が物心ついた時からガンロ様は石化と戦っていたのです・・!!頑張って回復魔法(キュア)で癒しているんだけど・・最近ではすっかり進行してしまって!」


「落ち着いてアーニャ。ガンロ司祭、失礼します」

ルアはガンロの石化した手を握る。


「すごい強力な石化魔法だけど水の魔法で回復できるかも・・。やって見よう」

ルアは王冠と王笏を置くとマントを脱ぎ、高度な呪文を唱えた。


「ん?なんだこれは!」

「危ない!!」


メメルが慌ててルアの手を杖で叩いて離す。

ガンロの手には赤い魔法陣が渦巻き、不気味にトゲを形成して消えた。

もしもルアが杖で叩かれずに触っていたら、大変な事になっていただろう。

「強力な妨害魔法よ!!ルア、大丈夫だった!?」


「ああ・・。しかし、強力な石化魔法に加え妨害魔法もあるなんて・・よほどガンロ司祭に恨みがあるんだな」

「ガンロ様が今まで石化しなかったのは強い信仰心の賜物ね」


「ガンロ…様…」

アーニャは尻尾を下げながら切なそうに喉を鳴らして、ガンロの手を握った。


「希望を持たせてしまってすまない・・」

「・・・」

メメルは長椅子に座り、アーニャも力無くアカナの像にもたれる。


「司祭はコルツと言ったね??彼もまたツェトリの出身なのかい??」

「ええ。リクに剣術を教えていたわ。知っているの??」


「ああ。リクはタキア王朝の旗を持って勇敢にも単身で王都に突っ込んで来たんだ」

アーニャとメメルが驚いたようにお互いの顔を見る。

「新聞の内容は本当に本当だったのね!?」

特に情報に関しては用心深いメメルが言い、ルアは話を続ける。


「リクは旗を置いて、アモンや俺に言ったんだよ“心配することはない”と」


「・・・!!」

様々な感情にアーニャが支配されて、小さく引いた悲鳴をあげる。

メメルは腕組みをしながら疑うように聞いた。


「その話は新聞でツェトリまで伝わっているわ。でも・・ちょっと疑うようで悪いけど、リクは言葉が通じない筈じゃ?」

「・・確かに通じなかった。でも、俺は感じたんだ。こればかりは言葉では表せない・・信じて欲しい」


「やっぱりだ!やっぱりリクは言葉が話せたんですよ!!やっぱり僕の直感は間違ってはいなかった!!」

バッカスが息を吹き返したように3人に言い、こればかりはメメルも反論する事なく頷いた。


「リクはカークとゴブリン族のピピカ、そしてコルツと島を探検していたよ。とても良き友に見えた」


「リク・・・」

アーニャはコルツに手を引かれながら頼りなく歩くリクを想って切なくなった。


「それで“最後に”リクは本当に『ありがとう』って?」

メメルはルアに遠慮なく質問をする。

この『ありがとう』は新聞で言う所の最後に言った言葉だ。

新聞によるとリクはドラゴンの復活を察すると、コルツや他の者を逃したと言うのが新聞の内容だった。


「僕は聞いていないけどカークが聞いたと。コルツが”リクを連れもどしてくる“と船に乗る隊列を飛び出し、追いかけたが・・カークしか戻ってこなかった」


「・・カークはどこに?」

「オルオガーテの港で降りた筈だ」


「そう…いつか旅する時が来たら行ってみようかしら」

メメルがポツリと言い、アーニャが見る。


「ツェトリを離れる訳じゃ無いわよ?ただ・・その・・他の所に行けば何か新しい発見があるかなって思っただけよフン」


「その時は最大限の祝福をするわ。ルア達が来てくれたのだもん。きっとマザーアカナの御導きだわ。ねえガンロ様?」


ガンロの胸が青く光り言葉を告げる

「“”“”新しい風は新しい価値観を生む。しかし、この地の水は客人をもてなすには未知の瘴気で穢れておる。その穢れは穀物のみならず心にも侵食しようとしておる。アーニャ?ワシの言っている事がわかるね?“”“”」

アーニャは何かに気付いたように尻尾をピンと立て、それから力無くクタリと落ちた。


「修道女でありながら…聖典を引用し、バッカスを罵りました」


「"""そうじゃ。そればかりでは無い。村人は鍬から手を離さなかった。アーニャ、心を澄んだ水で潤すのじゃ。キュラーテティアはその事を教えてくれたのじゃ"""」

ガンロの光が消え、石像に戻る。


アーニャは涙をサッと拭うとルアに言った。

「さ、最大限のもてなしをするわ!準備をしよう?メメル!バッカス!」


「あ、ああ。とっておきがあるからね!さぁ、こうしちゃいられない!」

バッカスが倉庫に駆ける。

メメルもフン。と息を吐くとピョコンと椅子から降りて台所へ向かった。





───────


捕虜を乗せた奴隷船。

相変わらずリク達は魔光石に照らされた薄暗い船内に捕らえられたままだ。


ピコン!


リクのスマホが鳴りながら小さくバイブする。


スマホにはツェトリ村を復興するミッションとサブミッションが構わず入ってくる。

ゲームでは、リクはとっくにツェトリ村に帰っている筈なのだ。


不安と恐怖の中、いてもたってもいられず、リクは落ちてるロープの切れ端を船の柱に縛ってメメルから教わった"南京縛り"の練習を始めた。

南京縛りをマスターしないと、場所のワゴンに物資を運んだ際に固定が出来ないからだ。


そんな中、コルツとピピカが話をしている。

コルツ:「・・ところでカークは無事なのか??」

ピピカ:「わからない。王都に着く途中で逸れてしまったんだ。強烈な火山流があっただろ??」


コルツ:「そうなんだ。カークは無事でいて欲しいな・・」

ピピカ:「リクの事を気にかけていた・・無事でいる事を祈ろう」


他の捕虜になった兵士達も士気は低く、今後を悲観する者も多かった。



兵士:「これから俺らはどうなっちまうんだ・・」

兵士B:「オーク共に喰われるかもな・・」


兵士C:「いっそ反乱を起こすか?」

兵士:「もう何日もマトモな飯にありつけてないんだ。武器だってねぇし、力が出ねぇよ・・」


───伝説の勇者が居てくれたら────


コルツやピピカ、他の兵士達も自然とリクの方を見る。

リクは衰弱して薄汚れた手で結び方の練習をしている。


ピピカ:「リクは何を??」

コルツ:「ツェトリ村のリトルウィッチ族の子にロープの結び方を教わったみたいなんだ」


ピピカ:「リクは…村に帰った時の為に練習してるのか・・」


俯いている兵士達の目に、鈍いながらも小さな光が灯るのを見た。

他の兵士達も囁きながらリクを見て、自分達の故郷を思い出す。


兵士:「リク・・!結ぶ時はこうやってやるんだ!」


たまらず兵士の1人が声をかけ、身振り手振りでやってみせリクに教える。


兵士:「見ててみな?ロープで人の頭を作るだろ?"オツカレサマ"と、首に2回ロープをかける。そうしたら、新しい輪っかが出来るから・・そこに手を突っ込んでロープを取るんだ・・」

リク:「*こう??」


兵士:「そうだ・・!ああ、違う!全体的に緩いな!」


リクの不器用さに兵士達が笑う。

兵士B:「貸してみな!」

兵士C:「こうやって教えた方がいい!」


兵士達が群がり、リクを中心に円ができる。


コルツ:「リクは明日を見てる。俺らも落ち込んじゃいられないな。なんとか策を練って生き延びないと…!!」

とコルツが言い。

ピピカが深く頷いた。




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