アクアピープル
リクのセイレーン島のサバイバルが始まる…。
最高難易度を選んだ彼は、生き延びる事はできるのだろうか…。
頬に生温かい水が落ちて目を覚ました。
しかしその水が何なのかすぐに理解して狸寝入りを決め込む。
・・唾をアイツが垂らしているんだ。
と言う事は…ここは教室か…。
寝たフリしてやり過ごすか…。
「狸寝入りしてるんだろ?起きろよ神崎ぃ。・・なんてザマだよ神崎!!」
嫌悪感をもたらすサディスティックな声。
ああ、クソ広樹だ。
早く新しい標的見つけていなくなってくれ…。
「お前、どうなったか知ってるか??道に迷って散々泣いた後、斜面から滑って落っこちて崖から落ちたんだぞ(笑)ゲラゲラゲラゲラ…」
熱い鼻息と視線が頬にかかり、頭を乱暴に叩いた。
そしてスマホを頭に落とすと捲し立てる。
「スマホのマップ使えばそもそも迷わなかったんじゃねーの?自分のバカさ加減に嫌気がさすだろ?なぁ?」
足を蹴飛ばされ、僕は必死に無視をする。
パニックになってスマホでマップを見る気にもならなかった…。
ヒロキに言われた事が一理あって、そんな余裕の無い自分が心底嫌いになる。
「なぁ!おい!」
足を蹴られる。
「起きてんだろ?おい!」
足を蹴られる。
「おい!!起きろよ!」
ああああ!うるさいなぁもう!!
僕は頭に来て”教室”から出ようと頭を上げた。
その時だった!
「ゲァアアアアアア!!」
「うわぁーー!」
目の前にいたのは、カサゴの顔とでっぷりとした鱗の身体を持ったアクアピープル(lv.12)だった。
海藻のついた錆びた槍を持ち、人生で聞いた事の無いような声を出す。
「うわ!」
「ギェアア!」
右の踝にはチェーンで繋がれた2つの砲弾が醜く絡みついて異臭を放っていた。
「うわっ!!うわっ!!うわ!」
慌ててレイピアを抜こうとしたが剣が無く、鞘を持つと必死に振ってアクアピープルに抵抗した!
「ゲァアアアア!!」
命を奪おうと容赦なく突いてくる!
ふざけんな!
たまったもんじゃない!!
再燃した恐怖と緊張で顔が赤くなり『生きる』と言う絶対的な信念で歯を食いしばる。
「いっっっっ!!!」
しかし、左肩に激痛が走ったと思ったら、錆びた槍が肩に食い込んでいた!
「ひだぁああ!!」
その手加減を知らぬ激痛で目を見開き。
刺さった部分が痛みをもって熱をもつのを感じた。
僕は落ちてる巨大な巻き貝をアクアデビルに投げつけると、情けなく砂で足を空回りさせながら犬のように逃げ出した。
「ゴァアアアアアア!!」
まるで和式トイレに水が流れる時のようなアクアピープルの咆哮。
「ひいいい!!!ぎゃああああ!!!!」
僕は悲鳴をあげると腰をぬかし、力の入らなくなった下半身で尿を漏らした。
「へああああ!!!助けて!!コルツ君!!!!」
四つん這いで砂利をかき、思うように脚が動かない様はまるで瀕死のゴキブリのようだ。
アクアピープルは砲弾を引きずりながら僕の所まで駆けよると、槍を素早くクルクルと回して力を蓄え始めた。
「だ、、だめだぁ、、、殺されりゅ」
僕は脱糞してヘナヘナと無防備になった。
「ゴアアアア!!!」
その時だった!
バチン!!
ブシャアアアー!
アクアピープルが槍を突き出したその時、凄まじい閃光と火花が包み込んだ!!
そして見覚えのある影が咆えながらアクアピープルに飛びかかった!
「ウルアァアアアアア!!!」
───────
「俺が相手だぁああ!!!!」
コルツがアクアピープルの槍を剣で弾くと、側転し、リクを庇った。
攻撃アイテム:『フレア』
品質:劣化
属性:火(メルヴィア神)
特性:『怯む』の効果付与。
毎ターンごとに弱ダメージ。
攻撃アイテムである“フレア”は攻撃力と火の属性が高いものの、日にちが経っての『品質:劣化』と、コルツの『熟練度』が低く、手から滑り落ちて命中とはならなかった。
よってアクアピープルの後方で炸裂したが、フレアの火花で毎ターンごとのダメージに苦しんだ。
嫌でも魚の香ばしい香りが立ちこめる中、コルツの短剣がアクアピープルの右頬を叩く。
尽かさず短剣を両手で持って左脇腹を叩くも、アクアピープルの剛腕がコルツを吹き飛ばしてしまった。
「ぐあっ!」
コルツが歯を食いしばりながら倒れ、アクアピープルはたまらず海岸の方へ逃げる。
執念深く、一度狙った獲物は逃さないアクアピープルは回復魔法の『ミーキュア(回復魔法の中級)』を唱え始めた。
リクが腰を抜かし、コルツがヨロヨロと立ち上がる。
コルツは自身のスキルであるファイヤーボールか、回復薬を使おうか迷った。
もしもどちらかを使った場合、騒ぎを聞きつけた魔物との戦いに対処できるだろうか?
「ア!?ゴアアアア!!」
「「あっ!」」
しかし、密かに海中で漁夫の利を狙っていたシーサーペントが、スキルを唱えていたアクアピープルの頭上に飛び出すと頭に食らいついた!!
「ギャアアア!!」
そして咥えたまま持ち上げると、何度か地面に振って脚や腕をへし折り、そのまま上を向いて呑み込んでしまった。
「ゲプッ・・・コアッ!ぺっ!」
「うわわ!」
そしてリクの足下にアクアピープルが付けていた砲弾を落とすと、そのまま海の中へ引き返して行った!
・・・。
そして何事も無かったかのように、波の音が戻る。
・・・。
・・・。
「リクア・・アノ───」
「*コルツ君!!うわわわあああん!」
リクは堰を切ったようにコルツの胸で泣き出した。
コルツは驚いたような顔をすると、優しい表情になり、労うように背中を優しく叩いた。
「まさかモンスターに鞘で挑むとは…勇敢な戦士だよリクは。よくやった。リク、ガンバッタ!ガンバッタ!!」
「*頑張った?ウウン。コルツ、ビスティア(獣・勇敢)だった!!ダイケア(ありがとう)コルツ!!」
「プッ!あはははは!」
「*ちょっとー!本当に怖かったんだから!笑わないでよ!!あはははは」
コルツはリクの泣き腫らした顔に笑い、リクもつられて笑った。
「そうだ!これを届けようと思ったんだ!使ってしまったけどな!」
とコルツは思い出し、メメルが旅立ちの時にコルツに渡したポーチを見せた。
攻撃アイテムは使ってしまいメメル手製の回復薬があるばかりだ。
回復アイテム:『回復薬』
品質:底品質
属性:水(テティア神)
特性:HPが小回復し、少しだけ強化する。
「リク、テフロレリアを飲んで傷を塞ぐんだ」
「※コルツ君、飲んで?」
「いや、いや。これはメメルがリクに渡したものだ。飲むんだリク」
「*じゃあ、"はんぶんこ"しよう?」
「ハンブンコ??」
リクは回復薬を半分呑むとコルツに渡した。
「*おおおっ」
もともとリクは低レベルでHPも低いので、滑落した傷や戦闘で受けた傷が立ちどころに塞がって治る。
コルツはそれを見届けると回復薬を飲み、空き瓶を放り投げた。
「”アリガトウ"リク」
「*日本語、上手くなったね」
「"ツヨクナレ"リク!!」
「*今、言う言葉?それ」
「あはははは」
コルツはリクの手を取り、歩きだした。
コルツはこれからの作戦を身振り手振りで話す。
「リク、ピピカとカークがギアーテ王国の兄弟達に俺らの救援の話をしてくれる筈だ。少し持久戦になるけど、、、食糧を探し、、、寝る所探す、、、わかるか?船から見える所で大人しくしていよう。滅びの王の軍勢が近くまで来てるって話だ」
「*寝る所?探す?」
「そうだ。テモンが近くに村があるって教えてくれたんだ。
もしかしたら何かあるかもしれない!」
コルツがマングローブの森を短剣で断ち切って進み、リクは鞘を握って左右を警戒した。
「気をつけろよ…!」
「*うん!」
熱帯のセイレーン島は蒸し暑く、軽装とは言え伝説の防具が描かれた衣類が暑い。
足は泥と湿気で靴擦れを起こし、巻いた脚半が蒸れて痒かった。
コルツの頼もしい後ろ姿に安心する反面、リクは自分の弱さに嫌気がさしてきた。
───自分のバカさ加減に嫌気がさすだろ?───
元の世界で実際に広樹に言われた言葉だ。
それを夢で見た自分に嫌気がさし・・スマホを見ればそもそもこんな痛い思いをしなくて済んだ事が悔やまれた。
「*あれ?」
そう言えば、スマホがポケットに入っている。
いつ入れたのだろう?
マングローブを抜けると、独立した円形の岩のような物がいくつも海岸に生えていた。
それが波に打たれながらも顔を出している。
「デ ストローマ(ストロマトライトだよ)」
「*ストローマ??」
「マモー・ルルルガがデルマの民を住まわすのに最初に創り出した岩だと言われているんだ。“呼吸する岩”と言って、新鮮な空気を出してくれる」
リクはスマホをカメラ機能にするとストロマトライトを見た。
採取アイテム:『ストロマトライト』
品質:58
属性:土(マモー神)
特性:軽くなる。
図鑑:空気を出す微生物の集合体が長い年月をかけて岩になったもの。
どうやら岩石系のクラフト素材のようで、このままでは使えないようだ。
スマホには図鑑機能もあるらしく、主な採取場所も見る事が出来た。
ブシュァアアアア!!!
「うわぁ!なんだこれ!」
暫く海岸を行くと、崖の斜面を断ち切ったような渓谷と、その岩石の至る所から間欠泉が勢い良く噴き出して虹を作った。
「*すごいね!」
「スゴイ!ウンウン!」
採取アイテム:『イオウ石』
品質:30
属性:火(メルヴィア神)
特性:火属性付与。攻撃力の付与。
図鑑:独特な臭いがする石。武器や火薬の原料として使われる。
採取アイテム『泡立つ水』
品質:50
属性:水・風(テティア神・クアラ神)
特性:水属性の付与。回復力の増加。
図鑑:明らかに泡立ち光を放つ水、回復アイテムの補助に役立ち、アイテムとアイテムを繋ぐ働きをもつ。
スマホをかざすとクラフト素材が幾つか見つかるが、どれが何の作用かは分からなかった。
きっとゲームを進めて行くうちに、こう言ったアイテムの合成が必要になってくるのかもしれない。
「リク!そんな臭い石何に使うんだ?早く行こうぜ??」
試しにイオウ石を持ち帰ろうとしたらコルツに注意され、諦める事にした…。
道の途中でツジキツネの群れを見かける
「フワワワン!!」
「ホヒャーーー!!ワンワン!!」
コルツを見ると特に警戒する素振りもないので、特に害のあるモンスターじゃなさそうだ。
「あ!?あれは??ダークウルフか?」
「*ダークウルフ??」
道の途中でダークウルフ達の死骸を発見する。
どうやら何かに殺されたようで、そこにツジキツネが食べに来たようだ・・。
「ここら辺にダークウルフが出現するなんて聞いた事がないから、何者かが解き放ったんだろう・・ツジキツネが倒したと思えない・・早くここから離れよう!」
ダークウルフの来たであろう足跡が石垣など人工的な建造物がある方向から来ているのがわかる。
石垣やヌオを休ませるための簡易的な水飲み場が増え、ダークウルフに放ったであろう鋭利な魔法の爪痕が幾つもあった。
何者かが逃げ惑うダークウルフに強力な魔法を放ったようだ。
「村だ!!」
「*おおお!」
「み!!水!!」
2人は競うように走るとキュラーテティアの口を模した水飲み場に走った!
そして、コルツが慎重に水を確かめる。
「大丈夫だリク!!飲める!」
「*よかった!!」
コルツは口から水を出す女神に感謝しながら飲み、リクも必死に手で掬いながら水を呑んだ。
「*うわー!冷たい!生き返る!!」
「がはぁ!うまい!」
「飲んだら、、、プハッ、、、村を探索しよう!食料と寝る所を確保するんだ!」
村は真っ白な軽石を四角く切ったレンガで積み上げた家々と簡素な土の道路で、魔除けなのか青い塗料が窓枠やドア枠に塗られていた。
漁業を生業にしていたらしく、玄関の前にはホラ貝の殻や網が山積みになっていてタキア王子の生誕を祝うモザイク画が壁に装飾された家もあった。
どこもかしこも誰も居らず、かつて賑わっていたであろう街並みが心にズドンと影を落とした。
コンコンッ!
コルツが民家の扉を叩き、剣を抜く。
「魔物が住み着いているかもしれない・・!」
「*モストー。モンスター!?」
「ウンウン。気をつけろリク」
「*わかった・・!」
リクは鞘を上に振り上げると、コルツに合図を送る。
「行くぞ!!」
扉を蹴破ると、コルツが素早く壁を背にして剣を構え、リクも慌てて隅に寄って突然の攻撃に備えた。
大きな木のテーブルと、左には大きな竈と、様々な大きさの鍋が吊り下げられている。
・・壁には使い古したエプロンがかけられていた・・。
「*お母さん・・」
リクは元の世界を思い出す・・。
「・・ゴーストも居ないな!食べ物を探そうぜ」
コルツは遠慮なく食器棚の下や引き出しの中を探した。
「*え?いいの??」
リクはゲームの中とはいえ、他人の家の中を物色するのには戸惑った。
「何をしてるんだリク!早くしないと陽が沈むぞ!!早く!」
「*う、、うん!」
リクは近くの壺や樽を探し、探し終えたコルツが寝室に駆けて行った。
寝室にあったワードローブをコルツが探し。
リクは薬棚を探した。
スマホをかざすとアイテムの名称が表示され、赤切れや虫下しの薬の瓶詰めがあるばかりで特にめぼしい物はない。
「・・『市民の靴』と『市民の服』があったぞ。着替えるんだリク」
「*あ、ありがとう。ダイケア!」
リクは泥や砂だらけになった服や脚半を外すと、市民の装備に着替えた。
布の中央に穴が空いていてベルトで留める簡単な服だが、清潔で涼しくてちょうど良い。
「*コルツ君は?」
「俺?俺も別の民家で探すさ」
他にも、閉鎖されたギルドで10オルガを見つけ。
リクも手慣れてきたのか、やや手荒になって行った。
「*コルツ君!!」
「どうした?」
リクは一際大きい民家で、パンを焼く壺にへばりついたままの焦げたパンを3枚発見した。
「おお!やるじゃんリク!!」
「*えへへへ!」
「ここの住人はギリギリまで居たんだな…他にも何かあるかもしれない!探して見ようぜ!!」
リクはアイテムを探すコツを掴み、スマホのマップを使うと複数ある部屋の中で唯一名前のある『網元の部屋』に向かった。
「すごいな・・きっと漁師を束ねていた大元の部屋だぜ?」
部屋は魚を模したモザイク画があり、ベッドも天蓋付きで少しだけ豪華だった。
ベッドの前に“長持ち”と言う長い箱があり、リクは迷わず物色する。
採取アイテム:『銀の糸』
品質:200
属性:光(アカナ神)
特性:光属性付与。追尾能力。魚系モンスターに効果。光の早さ。
図鑑:大変丈夫で透明な糸。楽器系武器、弓系武器、『漁師の釣り竿』に使用できる。
「*なんか、すごいのがあったよ!!」
「おおお!凄そうだな!!」
「*コルツ君、あげるよ」
リクがコルツに差し出すとコルツが断る。
「君が採取したアイテムだ。大切に持っていてくれリク。ツェトリで使えるかもしれない」
「*ツェトリ…うん!」
「さぁ、次だ次!!」
「*うん!こっちだよコルツ君!」
スマホのマップを指で拡大しながらリクが小走りで掛ける。
名称は無いものの麦を挽く為の回転臼が確認できる。
神官達のパン屋を中心にした小さな市場があったようだ。
ここでは市民達が慌てて買い漁ったのか、青果や肉が売られていたであろう屋台が荒らされ、複数の轍や足跡が行き来する痕跡があった。
藁でできた子どもが抱いていたぬいぐるみが砂を被って落ちている・・。
「・・人の賑わいがある場所は精神的に来るな・・」
「*何も無いね」
パン屋には複数の炉と調理場にめぼしいものは無かった。
コルツは剣を抜いて警戒を怠らず、リクは郷土資料館を見るようにパンが捏ねられて焼かれる所を想像した。
「これは・・・」
「*可哀想に・・」
回転臼のある場所にはラーマが繋がれた状態で死んでいた。
気温で腐敗が進み、白骨化して食べれる部位は無さそうだ・・。
「お!これは!」
その石臼場にはひまわりの種など穀物が入った袋と、塩漬けや燻製にした肉類とラム酒があった。
「*これは何て書いてあるの??」
リクはそこに置いてある手紙を発見する。
“民を連れてダイランへ向かいます。私はどうしてもアカナ教の信徒は信用できないのです…。親愛なるテモン様、どうか貴方の選択が正しい物となりますように・・。キュラーテティア様の盃の元に皆が還りますように”
「これは・・テモンに宛てた手紙のようだ」
「*テモン・・」
「ああ・・。これだけあれば暫くは食べれるだろう・・寝床を探そう、テモンの為にも生き延びるぞ」
それから2人の探索は続き・・。
村の少し離れた所に堅牢な鎧戸がある施設を発見した。
「ここは酒場だな。頑丈そうだし、何か飲み物や食べ物があるかもしれない・・!」
「*うん!」
『クローズ』になっている酒場のドアを慎重に叩き、内部で動きは無いか聞き耳を立てる。
「・・さぁ、入るぞ?」
扉を開けると、カウンターの後ろにある筈の酒類は全て持ち去られており、テーブルが2台と暖炉に置かれ2脚の豪華な椅子しか無かった。
「*あ!剣が置いてある!」
酒場の中心に柱があり、そこに是みよがしに剣が縛り付けてあった。
『コウターが酒代を支払うまで渡すな!』
と鞘には書かれており、リクが試しに抜いてみると完全に錆びおり、抜くのに苦労した。
攻撃アイテム:『短剣』
品質:劣化
属性:
特性:
図鑑:幅広く使われている短剣。古くはアカナ神話にも登場し、鋭い突き攻撃が可能。
リクは右の帯に伝説の剣の鞘を付け、左に短剣を差す事にした。
「*よかった」
「もうすぐ日が沈む・・!鎧戸を閉めよう」
コルツが素早く鎧戸を閉め、リクは蝋燭に照らされた剣を眺めていた。
野蛮な種族と魔物がいるこの世界において、武器の携帯は何よりもは心強かったのだ。
「万が一魔物が来ても安心して眠れそうだな。煮炊きは辞めよう」
照明は蝋燭の火を纏めた物を1箇所のテーブルに置き、煮炊きなどの調理は辞めておくことにした・・。
閉鎖された空間と日没でリクの顔は不安げだ。
コルツはそれを察し、あくまで明るく振る舞った。
「さぁ、見つけた物をぶちまけようぜ!」
コルツとリクはお互いの持ち物をぶちまける。
コルツは身振り手振りでリクに説明した。
「リク?これから暫くはここに泊まって救助を待とう。ピピカやカークが何処に居るかは分からないが・・きっと俺らを探しに来てくれる筈だ・・大丈夫だリク!!ダイジョウブ!」
「*うん」
「元気だせ!今日は宴にしようぜ!!」
「*うん!」
コルツはリクを励ました。
どうしてもリクに優しくしてしまう…。




