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プロローグ『星々による世界の終焉』
7がつ7か。
雲一つない空の下。
流れ星が良く見える今日この頃。
――絶好の天体観測日和だ。
そんな呑気なことをつい、思ってしまう。
呼吸は荒く、顔は涙と汗でぐちゃぐちゃだ。
声はか弱く、今にも潰れてしまいそうだ。
触れるだけで溶けてしまいそうな、身体。
辺りは静まり返っていて、『星』は今まで見たことがない程、夜空に散らばっていた。
目を開けるだけで必死な彼女は笑っていた。
緑色をした優しい髪を靡かせながら。
否、笑うしかなかったのだ。
――こんなの、間違っている。
「世界が終わっても、また会いに行くから。だから…私のこと忘れないでくれると嬉しい…な。」
「絶対、絶対に忘れないよ。………またね。」
これが、彼女と、私が交わした―――最後の言葉。
ーー私は忘れない。
刹那ーーー、夜空の『星』は輝きを増し、増し、増し、増し、増し、夜を、ヨルを、セカイを、焼き払った。
ーー忘れちゃいけない。
ーー私は、忘れない。
ーーなにを?
4がつ2か。
「ーー星が綺麗ですね。」