新たな仲間
「ふぅ、助かった~」
「アクアス様大丈夫でした??」
「ん~なんとか大丈夫だったよ~レーミン」
「よかったです!」
「みんなはどうだった?」
「はい、話し合いも終わったみたいで今王都に向かっています、私たちも早速行きましょうか。」
「そ~だね、行こっか~、とその前に長老さんちに寄ってくね。ちょっと待っててレーミン」
「はい、待ってますね」
私が長老の家に入ると中には長老らしき老人とさっき地下通路で出会った男がいた。
「お邪魔します、ちょっと独り言だけして帰るね、私は長老さんの誘拐とかして村の利益にするのはあまりよくないけど、しょうがないことかなとも少しだけ思う。私さっきそこの人にいいこと教えたから、それで誘拐とかする必要がなくなったら誘拐とかしないでほしいな。それじゃ、じゃーね」
「アクアスと言ったか、何故私達を許してくれるのか?」
「『無理に断罪しても、良い方向に進まない』って私の大事な人に教わったからだよ。正直心の底ではまだ納得いってないけどね。」
「そうか。」
「うん、それじゃあ、次こそじゃーね、この村に幸運あれ!」
そうして私とレーミンはイズール村を出て、みんなを追っていった。
~~20分後~~
「みんな~~~」
私が下に向かって叫ぶと
「え、どこ?どこにいるのよ」
「上ですよ」
「魔法というのはやはりすごいな」
「・・・上手」
「ふぅ、着地っと」
そう、私とレーミンはユスフルに教わった浮遊術を使って移動していたのだ。みんなを見つけたので着地することにした。
「これはインパクトがあるわ、さっき村で化けて出てきたと言われたのも少しだけ納得かも」
「私にもできれば教えて欲しかったです」
「剣の風圧であれができれば私にも・・・」
「・・・もう応用をきかせてる、さすがアクアス」
「ユスフルありがと~、それじゃ行こっか~ここから王都までどれくらいあるの~?」
「大体歩いて20日ぐらいわよ」
「・・・円盤で飛んでいくのは?」
「私だって本当はそうしたいわよ、でも他のハンターとかに見つかったら面倒なことになるから緊急事態とか急いでるとき以外はやめておくのが良いと思うわ。」
「さっき飛んでた私が言うのもあれだけど、私もそう思う~」
「アクアス様と同じ考えです」
「・・・アクアスがいうならそうする。それじゃいこ」
ユバとケニーもうなずいていたので恐らく同意ということだろう。みんなで歩いて行く。
~~~1時間後~~~
「・・・アクアス、ちょっと気になることあるから二人でみんなからちょっと離れて二人で話したい」
「いいよ~、じゃあみんなちょっと私とユスフル少し後をついていくね~」
「了解です、それじゃレーミンさんは私達と歩きましょうか」
「そうですね、私もトリケンの皆さんに聞きたいこと山ほどあるので一緒に行きましょう」
私とユスフルがある程度レーミンとトリケンの4人から離れたのを見計らってユスフルは口を開いた
「・・・アクアスは生活魔法の研究しているって言ってたよね」
「うん、そだよ~」
「・・・レーミンはアクアスのパートナーなんだっけ?」
「うん、そだよ~」
「・・・アクアスとレーミンは一緒に研究してたりもするの?」
「そだよ~」
「・・・私これから先行くあてないし、一緒に研究したいからアクアスとレーミンについていっていい??」
「私的には是非、と言いたいところなんだけど、レーミンに聞いておきたいかも」
「・・・了解」
「レーミン今呼ぶ?」
「・・・今は二人でいたい」
「おっけー」
「・・・ありがとう。話したいことだけど、アクアスから不思議なものを感じていたからそれについて話したい。私が見た感じアクアスはマナの流れと外面が合ってない感じがする、マナの流れもあまりみないタイプ。」
「ん?どういうこと?」
「・・・私はマナの可視化の研究をしていて、ある程度人のマナの流れから性格を相関できると考えてる。アクアスは私とか孤児院にいる子どもの一部とかこれまであまり良い扱いをされてこなかった感じの人のマナの流れに似ているんだけど、そういう人達ってどこかでマナの逆流が起きていて破滅思想を持ち合わせているんだけど、アクアスにはマナの逆流が起きていない。あとマナの流れとアクアスの雰囲気が一致していない感じがある。」
「そうなんだ~、マナの可視化できるとそういうことも分かるんだね、とりあえず私がこれまでの例とは合わない存在というのは分かったよ。マナの流れと雰囲気が一致していないのは何だろうね、私にはわかんないや~。でもマナの可視化とか興味あるかも。」
ユスフルからマナの可視化の理論までは教えてもらっていないので詳しくは分からないが、私は異質な存在らしい。どちらにしろマナの可視化には興味がある。ただマナの流れと雰囲気があるというのがよく分からない。
「・・・私はマナの可視化はアクアスもできるようになると思う。むしろ既に少し可視化できてるはず。さっきイズール村に向かった時、イズール村のマナを目印にしてたような気がするから。」
ユスフルは多分観察力が優れている。今の指摘も恐らくマナの流れと実際の行動を比較するために、これまで様々な人間を見てきたから得られた推測に違いない。そしてその推測は当たっている。
「ユスフルすごいね~、そんなことが分かるなんてびっくりしたよ。正直私の想像以上だよ。ユスフル、私は今すぐレーミンにユスフルを私が仲間として迎えたいという話したいなって思うんだけどだめかな?」
「・・・いいよ、レーミンを呼ぼう。」
「レ~~ミ~~ン、ちょっと来て~~~」
「アクアス様今行きます~、トリケンの皆さん、ちょっと行ってきますね」
「了解だ、続きはまた話そう」
「私達のことは気にせずにいってらっしゃい」
「いってらっしゃいレーミンさん、また話しましょう」
レーミンが私とユスフルに駆け寄ってくる。
「レーミン、私ね、レーミンに相談があるの」
「アクアス様どうしました?」
「これからの私達の旅にユスフルも仲間にしたいんだけど、どうかな?」
「私としても是非仲間にしたい所ではあるのですが・・・」
珍しくレーミンが口ごもっているとユスフルがレーミンの手を握ると何やら話しかけ、二人は会話をする。しかし何故か私には二人が何と言っているのか分からなかった。確実に何かをしゃべってはいるのだが、人間の言葉には聞こえなく少なくとも私には解読できない音声であった。それでも解読しようとするといつの間にか握っていた手は放され、私にも言葉が分かるようになった。
「アクアス様、ユスフルを仲間にしましょう!」
「よかった、ユスフル、これからよろしくね!」
「・・・よろしく、アクアス、レーミン」
こうして私の旅にまた一人仲間が加わった!!!