表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/127

初戦結果

 カンカンカンカンッと甲高い鐘の音が闘技場に響き渡る。


『第38回闘技大会、初戦バトルロイヤル終了ー!やったね!イカすぜ!初戦の勝者はこの8名だ!!』


 ワーッ!キャー!と観客席から熱い歓声が上がる。

 熱気渦巻くドミネイトコロシアム。第38回闘技大会初戦。


 複数のチンピラに絡まれていたレイズは怒涛の勢いでそれを蹴散らし。

 見るからに異常な双子に絡まれていたフォクセルは華麗にそれを凪倒す。

 そして、飛び道具禁止の戦闘が不利だと思われていたラックに至っては、見上げる程に巨大な3メートル級巨人を打ち倒した。


 参加者総勢149名の中から初戦で残るのは僅か8名。

 その8名の中にレイズ、ラック、フォクセルの3人は見事に勝ち残ったのだった。


「す、すごい……!」


 改めて彼ら3人の強さを目の当たりにし、私は完全に圧倒されていた。

 闘技大会の出だしは上々。

 これならば本当に優勝も夢ではないかもしれない。

 周りの観客達と同様に私もまた白熱する闘技大会に完全に夢中になっていた。

 しかし、唐突に発せられたアレンの一言により私はその熱い夢から途端に現実へと引き戻される。


「ここまでこれば、あとはもう大丈夫だろう」


 唐突にアレンはそんな言葉を口にした。かと思うと、突然客席から立ち上がる。そして隣に腰を下ろした私に対しアレンはこう続けた。


「さて、ハル。俺達は俺達の“やる事”をやりに行こうか」


 アレンの言った“やる事”。

 それについて詳しく聞きたいところだったが、尋ねる暇もなく、私はアレンに連れられ観客席から移動する。そして、ドミネイトコロシアムを出て街の大通りを進んでいき、一軒の店の前へとやって来た。

 小洒落た扉を開き、アレンは店の中へとズンズンと入っていく。訳も分からず、ただアレンについて来た私は慌てその後を追った。アレンの後を追って店へと入れば、そこにはいくつもの洋服が綺麗に陳列されていた。そこはどうやらそこは女性物の洋服店のようだった。


 アレンは店内をズンズンと奥へと進んでいき、派手な髪型をした店員を捕まえ、何かを話し込んでいる。

 そしてその数分後。笑顔を浮かべる店員に見送られて戻って来たアレン。その手には何やら派手な色をしたそれがしっかりと握られていた。そして彼は、きょとんと立ち尽くした私に対し満面の笑みを向ける。


「さあ、ハル。これに着替えてくれ」

「え?」



***



「あの、アレン船長、これは一体どういう状況なんですか?」


 赤面しながら私はよたよたとアレンの後についていく。

 アレンが手にして戻って来た物。それは女性物の洋服だった。所謂パーティドレスと言われるもので、色は鮮やかなワインレッド。胸元は大きく開き、スカートは膝上14センチ。


 こんな格好、もう恥ずかしいったらありゃしない。

 そして、物凄く歩きにくい。

 その服に合わせ、私は履き慣れたパンプスから同じくワインレッドをした高いヒールへと履き替えたのだが、これがもう本当に歩きづらい。


 これは一体何なのか?

 一体何の為にこんな服に着替えさせたのか?


 私は何度もアレンにその真意を問い質した。

 しかし、当のアレンから返ってくるのは――


「よく似合ってるよ」

「あの店員なかなか見立てがいいな」

「男ってのは誰しも美しい女性を連れて歩きたいもんさ」


 的ハズレな返答ばかり。そんな事など誰も聞いていない。


(本当にこれは一体全体どういう状況なんですか!?)


 アレンの後についていきながら、私は一人悶々としていた。

 しかし、アレンがわざわざこんな服に着替えさせその理由を私はすぐに知る事となる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ