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短編集

冒険者ギルドの受付にゃんこさま!

作者: 天織 みお

タグ注意にゃん。

 我輩は皆に癒しを届ける看板にゃんこである。


 いつもは冒険者ギルドの受付カウンターでゴロゴロし、美女冒険者達にもふもふさせてやっているにゃんこである。

 そんじょそこらの猫とは格が違うのである。にゃん。



 今日もカウンターの上で寝そべっていると、美人冒険者がやってきた。

 彼女はこの街で指折りの強い冒険者である。普段はキリッとしていて、近寄り難い雰囲気も持っている彼女だが、我を見ると相好を崩した。


「ソラちゃ〜ん。今日も可愛いでちゅね〜」


 ちょっと高めの甘い声呼ばれた。白くて細い彼女の手が我の頭を撫でる。目を細めながら擦り寄ると、我の可愛らしさにノックアウトされたのか目をハートマークにしていた。


 長毛種のもふもふ力の前には、気の強い女も形無しである。にゃん。


 美人冒険者は我を思う存分モフモフ触り倒した後、高難易度の依頼を受けて旅立って行った。我もついて行きたいと思いつつ、またカウンターでダラりと寝転がる。



 今度は髭モジャの厳ついおじさんがやってきた。


 日に焼けた浅黒い肌。額から頬にかけて傷跡がある彼は、先程の美人冒険者同様、この街の強い冒険者である。


 どこからどう見ても悪人面の彼は、我を見るなり二ヘラと締まりのない顔をした。気持ち悪いにゃん。


「ソラちゃ〜ん。今日も可愛いでちゅね〜」


 低い声で赤ちゃん言葉。そんな大男が手をワキワキと動かしながら、我に迫る姿は恐怖である。


 我は小型のにゃんこだ。上からガバッと覆い被さるように距離を詰められるのは怖いのである。


 だが、そんじょそこらの小型の猫とは違う我は、男の顔に右ストレート猫パンチをお見舞いしてやった。


 我は野郎に触られて喜ぶ猫ではない。


 ……なんかおじさんが嬉しそうにしているのが気持ち悪いにゃん。


 そんな彼も、受付嬢と何回か言葉を交わして去って行った。どうやら高難易度の依頼達成報告だったらしい。良くやったにゃん。



 またまたカウンターで寝転がって美女を待っていると、いきなり脇に手を入れられて、身体を持ち上げられた。


 美人受付嬢とバッチリ至近距離で目が合う。

 形の良い眉がつり上がっていた。


 ……あ、これは怒ってる。


「ダラダラしてないで、いい加減仕事して下さい!ギルドマスター!」


 お、お仕事は嫌だにゃん!

出演者

にゃんこ

美女冒険者

おじさん冒険者

美人受付嬢

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― 新着の感想 ―
[一言] 猫駅長システムなら、充分な仕事をしていると思う。
[良い点] ギルマスだったんですか。おもしろい。
2019/09/04 23:19 退会済み
管理
[良い点] これは良いにゃんこ(と書いてギルマスと読む) ほのぼのしていて、また、クスリと笑えて楽しめました。
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