4/14
ep.1-4 現れた幼女
始業式も終わり、俺は2-Aの教室へ向かった。俺がついたときは既に教室は活気に溢れていた。去年と違ってクラスには知っている人も多かったためだろう。
友達と春休みの思い出を話したりして時間を潰していたら、教室右前の入り口から1人の小さな女の子が入って来た。彼女はそのまま教卓の前へと向かっている。
でもどうして?ここは高校である。ここにいるのは少なくとも15歳以上であるはずだが。
「はーい!席について―!」
教卓の前に立つ女の子が一声かけるやいなやクラスの雰囲気は一気に落ち着きを取り戻した。
「全員集まったかな?」
もしかして彼女は――
「初めまして!2年A組の担任を務めさせてもらいます『向井 雫』です!よろしくお願いします!」