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ep.1-3 言いたい事を言い切った校長先生
「桜花の候、学園の周りに咲く桜は新しい一歩を踏み出す皆さんを祝福するようにその花びらを空に舞わせているようです」
校長先生の話をまともに聞いている人はいるのだろうか。辺りを軽く見まわしても3割くらいの人は目を閉ざしているし、5割りくらいの人は自分の世界に入っている。きっと話を真面目に聞いている人は『優しい・頭いい・かっこいい・かわいい‥‥』といったハイスペック系の人なのだろう。
そんなことを考えながら俺は自分の世界を展開していた。
気づいた時にはもう校長先生は満足そうに降壇していた。
聞いている人がほとんどいないことも知らずに。