その少年は沢木 勇人。
大変お待たせしました。
大分ぶっ飛んで四月。
バン!!
「あたしが生徒会長の鈴原 乙女です」。体育館にて只今入学式中。
校門にて。
「ハァ、ハァ、ハァ。入学そうそう遅刻なんて俺もついてねぇな」。金髪の少年が体育館目掛けて走っていた。
俺、沢木 勇人。今年から高校一年になる男だ。特徴は天然の金髪赤眼であること。
「え〜であるからして…」ガラガラと体育館のドアが開けられた。金髪の少年が入って来た。誰もが振り返った。
「…君は沢木君だね?遅刻はいけないよ」沈黙を破ったのは乙女だった。
「す、すいません…。」とだけ言って彼は自分の席に着いた。それから30分後に入学式は終わった。
一年の教室にて。
「沢木。今回はなんだ?初日から遅刻たぁ、いい度胸してんじゃねぇか」勇人に話し掛ける少年がいた。
「朝霧。また、人助けだよ」
「好きだねぇ。とりあえず、高校でもよろしく。留年だけはするなよ」
「わかってる」そんなやり取りが終わると同時に一人の女性が部屋に入って来た。彼女は1-Aの担任、沢木 遥だった。
「今日から担任になった沢木 遥よ。よろしく。…勇人。後で職員室に来なさい。いいわね?」
「わかったよ、姉さん」。遥と勇人。二人はよく似ていた。姉弟なのだから当然だが。
「まったく。どうして初日から遅刻なんてしたのよ」
「人助け…」「また?でも、ほどほどにしなさいね」
「ああ…。」
「それから。学校では先生と呼びなさい。わかった?」
「ああ」二人は会話を終えた。そして勇人はそそくさに職員室を出ていった。