女の子になりました。
「ここかぁ…。」俺、鈴原 音名。正直、この名前を嫌っている。女みたいな名前だから、コンプレックスを抱くのさ。ま、とりあえず今日から俺は高校生って訳だ。
「鈴原 音名です。よろしく」毎度ながら恥ずかしい。
自己紹介なんて飽き飽きする。ここに入ったってどうせ…また転校させられる。
もう、秋か。俺達の高校はもう生徒会選挙だ。生徒会なんて、やりたい奴らでやっていればいい。俺は…。
「あなたは、転校したくないのね?」誰だ?
「私は女神」は?
「あなた、転校したくないのでしょう?」
「ああ。親父の仕事の関係で転校してきた俺には友達らしい友達なんていないからな」
「条件があるわ。」
「それで転校しなくなるなら」
「いいでしょう。契約です」。そうして女神はスッと消えた。
ジリリリ!!目覚まし時計がなる。
「うっせ〜。あれ?」とどかねぇ。なんでだろう?ってか声変じゃね?
「あ〜」高い。まるで女みたいだ。ま、起きるか。『ボイン!!』は!?なんだその効果音は。まるで胸が膨らんだみた…い?ムネェ〜!!どうしよう。俺、女になっちゃったよ。
「うるさいなぁ…。」母さんだ!!どうしよう!!
「おとめちゃん?」
「えと。朝、目覚めたら女になってました」
「あ、私の為に神様が女の子にしてくれたのね〜」脳天気な母め。
リビングにて。
「女神様ねぇ〜。グッジョブ♪」
「なんで?」
「娘が欲しかったからよ♪」なんだそり!!
プルルル!!
電話か。
「はい。もしもし。うん。わかったわ。」
「何だって?」
「お父さん。来週から単身赴任するんですって」なに!?マジか!?すげぇ。
ピンポーン!!
誰だよ朝から。
「は〜い。」
「あ、女神ですけど。」うそぉ〜!!つーか。インターホン使うんかい!!