7話『新たな戦いの始まり』
前回出てきた通貨ですが、1K=5円ほどです。
この世界の物価は、日本と変わらないか少し安い程度です。ですので2人とも60000円ほど貰ったことになります。
子供のお年玉2年分くらいですかね?(笑)
俺とカレンは《スーデン》にある3つの門のうち、隣街への道がある門に来ていた。
その周りにはもう人が数人来ており、そこで出発式を行う者や、集合待ちしている者など、各個人での目的が違うようだ。
「この街とはここでお別れなんだね」
隣のカレンがふとありきたりな事を言い出す。まぁ両親が住んでいるし、15年間過ごした街だ。感慨深くなるのもわかなくもない。
「ん、そうだな。ここから俺らの冒険が始まるんだな.....」
「何急にそんなくさいこと言ってるんですかルシアさんってば。ぷぷっ」
「どの口が言ってんだよ自分の発言思い出してみ?」
「あーあー、きーこーえーなーいー!」
口先では臭いこと言うけどカレンも大して思うこともないようだ。
「んじゃま、行こうか」
「んー!おーけー!」
カレンに声をかけ、俺は歩き出す。隣でカレンが「じゃーねー!」と言ってるのが聞こえたが俺は何も言わずにカレンより先に真っ直ぐ歩く。俺のこれからの活躍のように、真っ直ぐ、真っ直ぐにーーーー
「ねぇルシアー!この辺の弱いモンスター相手に私の練習したいからそこ真っ直ぐじゃなくて右の方の林の中通るっていったじゃんかー」
「.......そうだったな」
「ルシア顔赤いよ?もしかしてなんか感慨深い感じを出しながら真っ直ぐ歩いてたんですかぁ?」
「ち、ちげぇしぃ?!」
「あ、図星だ。ぷーっ!」
「だから違うつってんだろがぁ!」
くそ、カンが鋭いこいつほんとに嫌いだよ!
俺はカレンの隣に並んで林の方へ歩いていく。
街と街をつなぐ道は、商人たちがそれなりに通るので、そこを歩いていけばモンスターとは遭遇しない。商人も戦える者が多いので、そんな人間たちを襲うモンスターはここにはいない。
ただ商人たちと普通の人間たちとの区別もつかないようで、道を通る人間全てが戦えるかのようにモンスターが襲ってこない。それくらいこの辺のモンスターたちは弱いのだ。
そこでカレンは、あえて林を通ることで、弱いモンスターとわざと遭遇し、戦うチャンスを得ようとしているのだ。その辺はよく思いつくなとおもう。
しかも街道はその林を避けるかのようにカーブしているので、実際、林の中を通ると隣街まで直線になるので、下手すれば戦闘があっても早く着くかもしれない。
林の中は、木々によって太陽の光が届かないので薄暗く、ひんやりとしていた。時々木々の間を吹き抜ける風が当たり、心地が良い。ずっとこの辺に座っていたいように感じる。
「んー、モンスターいないなぁ」
だが、本来の目的である雑魚モンスターとの遭遇は果たせていなかった。武器も持っていなかった俺らはこの林に入ることはあまりなかったので、この林の情報に疎い。どの辺が多いとか、どんなモンスターがいるのか、全くと言っていいほど分からない。ただ、『弱い』と聞くだけだ。
「んー、居るっていってもやっぱり巣の近くじゃないといけないとかあるのかも」
「あー、確かにー!でもそうなると大変よね」
「うん。巣をみつけようってのは難しいと思う」
しばらく歩いたが、本当にモンスターがいない。心地いいと感じるのもモンスターがいると思っていたからであって、何もいなくて薄暗いうえにひんやりしているとかもはや恐怖を感じるレベルだ。本当にどうなってんだ?
軽く立ち止まって考えていると周りでキョロキョロしていたカレンが言った。
「あ、あそこなんかいる!」
「え、まじ?」
「うん!なんか寝てるー!」
「おお、行ってみよーぜ」
やっとか、カレンナイスだ!俺らは静かに、そして急いでそれに近づく。そこにあったのは....
「....死体だ」
「っっ?!しかもこんなに大きいモンスターの?!」
「しかも首元を噛まれてるし、身体は裂傷だらけだ。確実に人間じゃない、寿命とかでもない、他のモンスターの仕業だ」
俺は唾を飲んだ。これはやばい。こいつが死ぬってことはそれ以上の強さを誇るモンスターがいるってことだ。隣のカレンも顔が強ばっている。
その瞬間
『きゃぁぁぁぁぁ?!?!』
「っ?!誰の声だ?!」
「ルシア!あっちから聞こえた。行くよ!」
ちっ!最初からこれかよ!ほんとにやばいぞ。
カレンの後を走って付いていくと、先程くらいのちょっと開けた場所に出た。そこにはーーー
「だ、だれかぁぁ!たすけてぇぇぇ!!!」
杖を持った魔法使い風の女の子とーーー
『グルルルルル.....!』
たくましい4つの足。その先についている長く、鋭い鉤爪。口から見える双対の牙。いかにも強そうなモンスターがいた......
ルシアたちが旅立つ前日の夜。フレイはあることに気づく。
「.....魔王城の方向だ」
フレイは、かつて自分が最終決戦をした魔王城の方向に、新たな闇の発生を感じた。
彼の主属性は光であり、固有スキル『勇者』の所持者である。それらの効果で、ある程度の強さであれば闇の魔力を感じ取れるのだ。全盛期である15年前であれば少々の闇でも感じ取れていて、常に敵がどの方角にいるか把握出来ていたが、今ではその力も衰退している。
だがその衰退した能力にもかかる闇の深さ。これは本物である。それこそ、かの魔王に近いものを発していた。
「魔王が復活....?でもそれは考えられないな。じゃぁどういうことだ.....?」
フレイは思考する。ただし、彼の持つ固有スキル『頭脳派』によってその思考時間は常人とは比にならない速さだ。まず比べるのが間違えているのだが。
そして1秒ほどで1つの予想にたどり着く。
「.....新魔王の誕生、か」
彼は思い出した。決戦での魔王の言葉を。
『光ある所に闇あり。新たな光の誕生は、新たな闇の誕生でもあるのだ。その誕生せし光が絶対的であればあるほど、それに対する闇も絶対的に深くなるのだ
そして、また其の逆も然り。俺とお主は、どちらから生まれたのだろうな.....』
「ーーーー絶対的な光.....ルシア.....」
『光が闇を消したのであれば、その光を潰さんと、新たな闇が潜み、時を見計らい、飲み込む。』
「ーーーー俺も飲み込まれるってことかよ、オズ。.....次の世代の、光と闇の闘いの始まり...な.....」
その時フレイは、世界を嘲笑う声を聞いたのだった。
どうも、青物です。
飽き性ですので、これを長く続けれるように なるべく土曜に更新と決めたいと思います!
週1になりますので、今より長め作品としていきたいと思います!