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総務おじさん探訪記  作者: 中澤 悟司
総務おじさん、覇(歯)道を往く
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第73話 秋音

前回のあらすじ

エロフのもりで、けしからんエロフに、であった~(森本〇オ風に)

「改めまして、私は秋音」


 ハートフル主従が合流して、全員揃ったところで、改めてお互いに自己紹介をすることになった。


「…、『寸胴で料理下手』な秋音です」

「すみませんでした、お許しください秋音様」


 俺は、流れるような所作でスライディング土下座を披露した。


「何卒お慈悲を賜りますようお願い申し上げます、エ…守り人様」

「あんた今エロフって言おうとしたでしょ、アロイス」


 ちょ、今そこでそんなことを言うでない、春香さんや。


「そう言えば、道中も何度か聞いたが、そのエロフと言うのは何なのだ」


 おい、ハル爺、お前もか。


「まあ、お主のことだから、大体想像は付くが」


 何、ハル爺にも見切られるなど、このアロイス、一生の不覚。


「そうね、森の縁で私と会った時にも言ってたわね。どういう意味なのか、教えていただけるのかしら」


 誠意を見せるつもりがあるならね、って、完全にその筋の人ですやん、秋音さん。


◇◇◇


 俺は、ひとしきり絞られて、床に転がされていた。共闘したせいか、すっかり意気投合した女性陣は姦しい。


「いやー、凄いな姉御は、同志春香も凄いが、姉御も人外だな」


 人外姉御だ、アハハと夏織さんが笑う。


「その姉御って、何か怖い印象なんだけど、夏織さん」

「でも姉御肌ですよね、秋音さんって。面倒見良いとかって言われないですか?」

「そうねぇ、確かに村で世話役はしているけど、それだけよ、春香さん」


 その一方で、珍しい組み合わせの会話が続いている。


「うーむ、お主が焼き物に造詣が深いとは思わなんだな、サマンサ嬢。的確な目利きも素晴らしい」

「ありがとうございます、山脇様」


 ハル爺とサマンサ嬢が、さっき買ってきたという茶碗ぽいものを見ながら蘊蓄談義をしている。あー、あれを見てるとメニカムさんのマジックアイテム談義を思い出すな。

 そう言えば元気にしてるんだろうか。俺のスマホも、元気に動いてるんだろうか。不思議なことに、俺が持っているタブレットは、とっくに稼働時間を超えているにも関わらず、バッテリーが減ることもなく動き続けていた。まあ、別に何を見るというわけでもなく、たまに電波が来てないかと電源を入れてみるだけなんだが、それにしても電池残量が全く減らないのはおかしいと思う。

 というか、そもそも俺の鞄、どこ行った。


「桜さん」

「桜です」

「ああ、…桜」

「はい、何でしょう、アロイス様」


 俺は、床に転がったまま、桜さんと会話を続けた。


「俺の鞄って、持ってる?」

「はい、お預かりしておりますよ」


 そう言うと、桜さんは鞄を俺に見せた。いや、その鞄、今どっから出した?さっきまで持ってなかったよね?


「あ、ああ、持ってくれてるならいいんだ、ありがとう」

「いえいえ、必要でしたらいつでもお声掛けくださいね」


 そうこうしていると、女性陣の会話が終わったようだった。果たして、そちらを見ると、秋音さんが目を見開いてこちらを見ていた。


「な、何かございますでしょうか、秋音様」


 いかん、ついつい敬語調になってしまうが、何というか、姉御肌というか、女王気質というか。秋音さんにはそういう素養があるように思う。


「く、空間収納?」


 どうやら桜さんがどこからともなく鞄を出したことに驚いたようだ。空間収納って、なんか埃っぽいイメージが。なんだろう、釣り下げ式の棚とか、そんな感じ?いや、もちろん違うのは分かってるんだけどね、思わずには居られない訳ですよ、おじさんの悲しい性ですな。これで『それは違うやろ』とか突っ込んでくれると、より嬉しいんだけどな。でも桜さんだったら反応してくれそうな気がする。佐久夜さんだったどうかな、分かって被せてきそうだが。

 俺がどうでも良いことを延々と考えて戻ってきても、なお固まっている秋音さんに、夏織さんが答えた。


「ああ、桜の手品か、確かに不思議だよな、あれ。どうやってるのかさっぱり分からんが、便利だからいいんじゃねえか」

「え?」

「そうね、夏織の言うとおり、確かに不思議だけど、桜だし、まあいいわね」


 脳筋コンビの雑な納得の仕方に、戸惑いを隠せない姉御であったが。


「ま、まあ、二人がそう言うなら、そういうことなのね」


 そして、秋音さんは、改めて俺の方を向いた。


「本当に、あなた何者なの?」

「ただのローアングル好きな下僕です」


 …いや、冗談だからね、納得しないでね、そこ。あ、ローアングルってどういう意味とか、お願い聞かないで…。


◇◇◇


「で、この変態が森で何をするのですか、桜様」

「桜で結構ですよ、秋音様。私はアロイス様の奴隷ですので」

「………は?」


 変態に進化した俺は、とうとう簀巻きにされてしまった。


「まさか、そういうことを」

「ええ、可愛がっていただいておりますよ」


 頬を染めつつ破壊力抜群の流し目で俺を見ながら小さく呟く桜さん。奴隷発言に呆けていた姉御は、驚愕の表情から、徐々に憤怒に変化した。


「き、貴様!春香嬢ならともかく、こともあろうに桜様に手を出すとは!」

「『ともかく』ってどういうことなの?ねえ!」


 春香さんの即座の切り返しは、しかし完全にスルーされた。


「いや、ち、違うんだ姉御」

「貴様の姉になった覚えは無い!!」


 美人が怒ると怖い、マジ怖い。


「で、アロイス様がこの森で何をするか、でしたね、秋音様」

「え、は、はい、そうですね、桜様」


 桜さんが臆することなく話を続けると、気を削がれたのか秋音さんはトーンダウンした。


「目的は3つあります」


 え?3つもあるの?俺2つしか思いつかないんだけど。


「一つめは義歯の修理、二つめは巫女の確保」


 今確保って言いましたよ、桜さん。とっても良い笑顔ですけど、まるで被疑者みたいになってますよ、巫女さんが。


「そして三つめは、穢れの収集です」

「へ?」


 ついつい声が出てしまったが、穢れがここにもあるの?ここって確か神霊の森って言ってなかったっけ?


「神霊の森だから、徳がありそうに思われましたか?アロイス様」

「ま、まあ、語感的にはそうなのかな、と」


 桜さんの問いかけに、俺は言葉を濁した。確かに、何が美徳で、何が穢れかなんて、主観的な判断に過ぎない。特に概念的な話だと、片方にとっては善なる神が、もう片方にとっては悪しき者になっているケースなんて山ほどあるわけで。まあ『神霊』と言ったところで、別に善悪は特に言ってない訳だから、ひょっとしたら魔神や悪霊の類かもしれないわけで。

 …はっ!これはダークエロフの降臨かっ!実は森には酒の池に肉が釣ってあるとか、そういうやつか?酔っぱらって乱痴気騒ぎとか、このけしからんワガママボディでかっ!

 うーむ、それは大変に遺憾の意を表さねばならぬ事態ですな、ここは正確な報告書作成のために、実地確認を…。


「この変態は何を考えているのですか?桜様」

「何やら『気持ち良い』ことをお考えのようですね、アロイス様」

「んあ?ああ、酒池肉林とはまさにこのことかと、やはり公序良俗を所管する立場の人間としてはしっかりと現地確認を」


「な に を 言 っ て い る ?」


 ああ、そんな冷たい目で見ないで秋音さん、ゾクゾクしちゃうの!はうっ!


 この後、女性陣3人がかりで教育的指導を受けたらしいが、あまり覚えていない。

文章が砕けすぎ?そう思います、私も(苦笑)

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