表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
総務おじさん探訪記  作者: 中澤 悟司
総務おじさん、降り立つ
6/107

第6話 商人の矜持(上)

なんか長くなってしまったので、2分割です。

「奴隷、ですか?」


 改めて、この女神様がスマホの対価だと言われた。実際は女神様だけではなくて、一軒家も付いてくる。ごめんちょっと胃が痛くなってきたかも。


「そうですよ、名前はどうされますか?」


 俺のそんな内心の葛藤などお構いなしに、メニカムさんは話を続けた。


「この奴隷、娘さんに名前はないのですか?」

「奴隷の名前は、主人が付けるのが通例でございます」


 自分好みの名前が付けれるのか、良い設定だな、俺の夢。


「ご存じありませんか、奴隷には今でも一応名前がついてはおりますが、それはあくまで商品を管理するための札のようなもの。それも商人ごとに違いますれば、その札の名前に大した意味など無いとご理解いただけるかと」


 バーコードみたいなもんか、それは生まれつきか?と一応聞いてみる。


「生まれつきの奴隷は基本的にはおりませんし、奴隷になる前の名前は、余程の事情が無い限りまず名乗りません。家の名前を汚すことになるとか、身元が判明すると揉め事になるとか、理屈は色々ですが、そういう取り決めになっているのです」


 ふーむ、まあそうだろうなぁ。奴隷など、綺麗事では済まないだろうからな。過去を知られたくない、知られるとマズい人も多そうだな。そんなことを考えていると、俺が奴隷について、何も知らないと見たのか、メニカムさんは基礎知識としての奴隷の話を俺に教えてくれた。


「犯罪者、戦争捕虜、戦果品、貢ぎ物、果ては金銭の対価としてなど、理由は様々ですが、その様な扱いを受けた者達の、最終的に向かう先が身分としての奴隷となります。奴隷というものには、人としての権利はございません。主人に絶対服従の労働力として、終生仕えることになります。なお、奴隷になった後、一部の例外を除いて奴隷たちは性交渉が不可能になるよう処理をされます」


 後宮仕えの宦官みたいなもんか、具体的にはグロそうなんで聞かないことにしよう。処理、なんて言ってる時点で相当エグそうだし。


「機能を残しても、過去の例では大抵の場合ろくなことにならないんですよ。それに、奴隷同士で勝手にされると、労働力が一時的に減ることにも繋がりますしね。商品管理の側面から言っても、そういうことをされると困ることの方が多いのです」


 奴隷と女主人とか、洋モノであったような気がするなぁ。労働力といえば、産休育休の代替えが居なくて困る、っていうのと似た理屈か。赤ん坊も、まあ労働力にはならんわな。色々衛生管理も大変そうだしな、確かに。


「まあ、内輪では囲って増やしても、小さいときから教育できるし、長期的には利益が出るんじゃないかという話もあったんですがね。どうも王宮の目的は異民族の浄化じゃないのか、って噂もありましてねぇ」


 民族浄化とか、何処行っても考えるんだねぇ。


「おっと話が逸れましたね。で、一部の例外ってのが、この娘のような、まあいわば愛玩用の性奴隷ってワケです」


 おお、性奴隷とか、ダイレクトな名称で来ましたな。


「これも未亡人の色気やテクニシャンがいいとか、小さな頃から育成とか、好みはお客様それぞれなんですが、まあ愛妾として求める方が多いので、やはり見目麗しい、そして知性もある若い女性が需要がありますね。この娘など、その最高峰ですよ。この美貌、東方由来の性質と知性、そして既に結婚適齢期に入っているにも関わらず、未婚で生娘、間違いありません」


 そこまで言われると逆に怪しい。通販のセールストークみたいだな。


「まあ、生娘に関しては、東方独特の事情がありまして、他の奴隷のように女奴隷にさわって確認させるわけにもいかなかったので、厳密には未確認なんですがね」


 おじさん的にはこんなめんこい娘ッコが俺とハアハアすんのかおいコラな状態で。生娘かどうかは風俗でいうところのコスプレオプションみたいなもんか?いや俺風俗行ったこと無いけど。まああったらいいなって感じで正直この際あまり気にしていないんだが、まあ一応聞いとくか。


「その、東方独特の事情と言いますと?」

「東方由来の性質といいますか、文化と言いますか。そちらに関しては、出来れば取引成立後にこの娘の口から直接お聞きになられたほうが良いかと。きっとアロイス様のお気に召しましょう」


 俺が女神様の方を改めて向くと、今まで頬がほんのり桜色程度だった女神様の顔が一気に赤くなる。こ、これは羞恥プレイか?そうなのか?メニカムさん気が利くじゃないか、ここはおじさんガンバって思い切り恥ずかしい思いさせちゃうぞ。ってなんかここだけ聞くと俺が何かすることで女神様に恥ずかしい思いをさせるように聞こえるが、気のせいだな。朱に交われば赤くなる、おじさんも一緒に恥ずかしいことして赤くなってあげよう、主に下半身だけのつもりだけどな。

 ここまで盛り上がってはいるが、念押しの確認は必要だろう。何故かは分からないが、普段の自分にあるまじき大胆な発想で、思いっきりストレートに聞いてみた。やっぱ夢だから出来ることってあるよね。


「まさかとは思いますが、私を騙そうとか」

「それこそまさか、です。商売は信用第一でございますれば。しかも今回は私が譲歩いただける立場、絶対にそのようなことはいたしません。」

「ま、それもそうですね」


 俺とメニカムさんは笑顔を交わした。一見とはいえ上客を相手に、そんなリスクを負うメリットは何も無い。少なくとも現代日本のビジネスマンにとっては常識のはずだ、と思いたい。まあ、スマホの対価とか言ってる時点で、詐欺も良いところだとは思うんだが、夢だ夢。


「私は他よりもそういうことには敏感でして。実は以前それで失敗をいたしましてね」

「ほう、一度は騙した、と」


 メニカムさんは俺の目をじっと見た。俺としては軽い言葉だったのだが、ひょっとしてNGでしたか?夢だからって調子に乗り過ぎましたか、すみません。


「そうですね、先方にとっては結果的にそうなってしまいました。今思い出しても申し訳ないことです」

「……聞かせていただいても?」


 なんかシリアスな感じになってきたが、聞いておく方が、いいんだろうなあ。ということで、メニカムさんの失敗談?を聞くことになった。

まったり続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ