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総務おじさん探訪記  作者: 中澤 悟司
総務おじさん、降り立つ
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第12話 そして限界へ

 和やかに話しながら、というよりは一方的に俺が話していたが、食事を終えると、食後のお茶を飲んでいた。紅茶っぽい飲み物だった。ただ、砂糖が無い。時代設定的に、そういうものが潤沢に手に入る世界ではないということか、俺の夢。


 で、まあ取り敢えず風呂でも、と考えて、ふと思い至った。ひょっとして、風呂無いんじゃない?俺は、桜さんに聞いてみた。


「風呂に入る習慣って、あります?」


 桜さんは、若干不思議そうな顔をしつつも答えてくれた。


「そうですね、私の故郷ではありましたが、この辺りではあまり一般的ではないようですよ。濡れた布で体を拭くくらいでしょうか」

「そうですか」


 若い頃、独身の頃は、風呂なんて入らなくても全然平気な顔だったのだが、最近は入ってないと気持ちが悪いのだ。特に結婚してから、風呂は欠かさず入るようになったな。やはり裸の付き合いをするからには、キレイにしておくというのが最低限のマナーなのだ、ということを嫁さんから教えられたものだ。


「ふーむ、では拭くだけでも拭くか」

「では、用意いたしましょう」


 桜さんは、立ち上がると、近くに居たメイドさんの方に行き、何やら話し始めた。そう言えば、メイドと奴隷だと、立場的にはメイドの方が上だよな、きっと。奴隷に給仕するって、さっきまでやってたけど、なんかおかしいか。まあ、いいやもう。ってか、桜さんは、どう見ても良いところのお嬢さんなんだよな。少なくとも俺の抱いている奴隷のイメージからはかけ離れているんだが。


 俺は、メイドさん、名前はエリーさんらしいが、の案内で、寝室らしい部屋に案内された。体を拭うものは、もう1人のメイドさん、こちらはサマンサさんだ、が用意しているらしい。ムルスキーさんと桜さんは何処に行ったのだろう。

 部屋自体は、特筆することもない、ビジネスホテルの部屋みたいな感じだった。ダブルサイズくらいかな?ベッドがあり、小さな机があり、本が何冊か置いてある棚があったり。俺は部屋を見回していた。


「程なく桜様がお越しになりますので、こちらでお待ちください」


 エリーさんはそう言うと、部屋から出て行った。ん?桜様?何故に敬称?ひょっとして奴隷だと聞いてないんだろうか。伝えておいた方が良いのかなぁ、後でこじれても面倒だし。しかし、夢なのになんでこんなことまで考えてるんだろう俺。

 俺が悶々と考えていると、部屋のドアがノックされた。


「桜です、入っても良いですか?」

「あ、ど、どうぞ」


 部屋のドアをノックされるということ自体が殆ど未体験であったため、ちょっと詰まってしまった。なんか緊張してるな俺、夢なのにな。

 桜さんが桶と布を持って入ってきた。桶から湯気が出ているから、お湯なのだろう。桜さんの巫女風な服装もあって、既に妙なエロスを感じるのは仕方のないことなのだ、きっと。

 そして、ここまできて、俺は重大なことを思い出した。そう、俺はこの夢で、この桜さんとイチャコラうふふタイムを過ごすために、わざわざ個人情報満載のスマホをマル暴なおっさんに引き渡しまでしたのだ。この夢が覚めるまでに、この思い、果たさずにおくべきか。俺よ、逝くのだ。チキンな俺でも、夢の中なら空も飛べるはず。


「桜さん」

「はい」


 俺は桶を机に置かせると、桜さんの手を取り、彼女と真正面から向き合った。


「桜さん!」

「は、はい」


 若干戸惑い気味というか、引き気味の桜さんに、俺のガラスのハートが砕け散りそうになった。いかん、こんなことではいけない。ここまで散々我慢して、散々待ったのに、ここで怖じ気づいては全ての努力が水泡に帰すではないか。逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ。


「わ、私の、その、か、体をふ、ふ、拭いてくれますか」


 ぎゃー、噛みまくりじゃねーか。しかし、そんな無様な俺の申し出に、桜さんは嫌な顔もせずに、若干照れながら答えた。


「は、はい。拭かせていただきます」


 俺は、桜さんに体を拭いてもらった。こんな若い娘に、おっさんは全身くまなく拭いて貰ったのだ。ああ、老後の介護もこんなんだったら最高なのに。まあ、当然だが、アレでナニな部分も拭いてもらった。彼女が頬を染めながらも一所懸命に拭いている最中に、上から見下ろすアングルがこれまた危険な光景を映し出していて、危うく暴発事故を起こすところであった。もう自分で思っているほど若くないのだろうから、弾は大事にしないといけないとはいえ、これは厳しい、非常に厳しい。継続するプレーに最後まで耐えきれるかどうか、序盤から不安全開である。

 俺の番が終わると、今度は桜さんの体を俺が拭くことにした。彼女はそのつもりではなかったらしいが、俺はその気満々であったため、かなり強硬に主張した。


「主人に体を拭かせる奴隷など、居ないと思うのですが」


 いいんです、ここに居ます。


 桜さんは、ためらいつつも巫女風衣装に手を掛け、俺の目の前でゆっくりと脱いでいった。うわー、まさしくイッツショータイム、何だかストリップショーみたいだな、行ったこと無いけど。この何というか、焦らされる感じがまた堪らんなこりゃ。何だか良い香りもして、俺の興奮も徐々に昂ぶっていた。つーか、俺ちょっと興奮しすぎてる、いつ果ててもおかしくないなこれ。お漏らしで目覚めるとかもう嫌だけど、これはちょっと我慢できないかもしれない。

 そして、下着?だけになった桜さんを見て、俺は言葉を失った。目の前の、完全な均整を持った美しい女性の体には、絹であろうか、滑らかな質感の薄布一枚が掛かっているだけであった。そう、キャミソールと言ったか、無地の、飾り気も何もない、ただ肩紐で吊しているだけの布だったが、神々しい双丘と、その頂の控えめな蕾に押し上げられ、独特のシルエットを描いていた。明かりと言えば蝋燭の火だけしかない、薄暗い部屋に、神秘のベールが現れたのだ。そして、薄暗く揺らぐ光とベール、その下に透けて見える魅惑的なボディラインの競演は、神聖で侵しがたい雰囲気ですらあった彼女に、淫靡で倒錯的、妖艶な雰囲気すら醸し出させており、俺はその圧倒的な光景にただただ見入ってしまっていた。そして、そんな、まるで幻のような光景に、最後の要素が加わった。彼女は俯き、手を胸と秘部に当て、内股をモジモジさせながら、上目遣いで言った。


「あ、あまり見られると、恥ずかしいです」


 エロスは爆発した。

R15でどこまで大丈夫なのか分かりませんが、これくらいなら良いのかな?

まったり続きます。

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