初戦闘
ユトたちを見送った後マップを開いた。
「さてと、どうしようか・・・なんも情報もないしスキル取得も難しいな。とりあえず戦闘でも経験するか」
マップで戦える場所を探しながらそういえば近くに皇居があったと思いその場所を確認してみた。
皇居があった場所は草原フィールドになっているようだ。その中央には今はない江戸城が立っている。
「江戸城も見てみたし、まずは草原にいってみるか」
向かう場所も決まったのでマップを閉じて歩き出した。
草原フィールドは近くにあるので徒歩でもすぐに着いた。
「みんな考えること一緒なんだな」
フィールドはすでにプレイヤーで溢れている。
戦っている人を見ると青いスライムの様なものを三人で囲んでいる。
攻撃受けているスライムの様なものは三人に殴られてポヨポヨすることすら許されていない
「あれは戦闘なく、いじめだろう」
スライムが倒されたの確認した後江戸城に向かってまた歩き出した。すると目の前に青いものが飛び込んできた。
頭の上にはブルースライムという名前と1というレベルが表示された。
「スライムか」
さっきの戦闘を見ていたので少し戦いずらいが、このまま睨み合っていても仕方がないので腰に付いてる初期装備の剣を抜いた。
「とりあえず切ってみるか」
近づき切ってみる。するとブシャという音とスライムの青い体に赤い線ができる。
「切った感触がある、ここまでリアルなのか」
今までのゲームにはない敵を切る感触に驚きながらも五度ほど切りつけてた。
すると、スライムはキラキラとエフェクトを散らしながら消えた。
ーブルースライムを倒したー
「こうしたことを言うのはおかしいのは分かるけど反撃してくれよ」
小さな罪悪感を感じながら進んだ、結局江戸城に辿り着くまで七回ほど遭遇したがスライムは一度も攻撃してこなかった。
運営の意図がわからないスライムの事を考えながら城門をくぐり江戸城の中に入った。
すると目の前に
【ダンジョンに入る】【天守閣に上る】の選択がでた。
そういえば観光することもできるんだったなと思いながらダンジョンに入るを選んだ。
一瞬目の前が真っ白になり景色が変わった。
「中はまんま城の中になっているんだな」
余りにもダンジョンに相応しくないことに驚きつつも進んでいく
「窓はないが障子や襖はあるんだな」
いくつか開けてみる、部屋に出るものもあれば廊下に出るものもあった。
「これ攻略するのすごく時間がかかりそうだな」
とウンザリしながら進む、ふと帰りが不安になった。マップを開いてみるとマッピングされている。
「良かった、マッピングされてなかったら遭難者多発するだろうこのダンジョン」
正解のルートなど分からないので適当に真っ直ぐ進み続ける。
行き止まり突き当ったので右にあった襖を開けた。
ーーーーーーーーーー
落ち武者 Lv11
ーーーーーーーーーー
の文字が見えて開けた襖をそっと閉めた。
・・・・ザクッ・・・・・
顔の横に鏡のような細い棒が襖を貫いている。
「マジかぁーーーーー!!」
と叫び声を上げながら出口に向かってダッシュする。
「まだ部屋にも入ってないし襖も閉めた。なのに刀で襖貫くってなんだよ、蹴破って来るってなんだよーーーー」
カチャカチャと鎧を鳴らしながら追いかけて来る。
「というか、コイツら部屋から出れるのかよ。トレインし放題じゃん、レイドパーティーでも全滅するだろ!?」
と言いながら走っていると出口が見えた。
ドンと扉に蹴り外へ飛び出た、出る時は選択肢は出ないようだ。
「あ~死ぬかと思った~」
「ハハハハハ、おかえり~www」
「ああ゛」
呑気な声にイラつきながら声の方を見る。
「誰だお前?」
見覚えのない茶髪の糸目の男がいた。雰囲気からチャラチャラしている。
「いや~初日から城の中に入っていく勇者クン(笑)がいたからさ出待ちしてたんだよw」
「殴っていいか?」
「ごめんごめんw」
と顔の前で手を合わせながら誤っている。
「で、なんで勇者なんだ」
カナタは疑問に思ったことを聞いた。
「それは簡単だ城に突撃したからだよ」
当然だろという顔で見てきた。
「確かにレベルは高かったけどチクチク削っていけば倒せるだろ」
「削れるのならね?君、中で何にあった?」
「Lv11の落ち武者」
「落ち武者か、アイツは鎧着ててスキルなしじゃダメージ通らないよ」
「マジか!」
「マジマジwだから君は勇者だ!」
「まあ、絶望感はそうだな」
(逃げて正解だったな)
と思いつつこのウザいのから逃げようとしれっと歩き始めた。
「ちょ、ちょとどこ行くの~」
「知りたいことも知れたし帰るよ」
「ま、待ってせめてお名前だけでも~」
とまるで時代劇のような事を言ってきたが無視して歩く。
「マジで待って!俺はジョン・ルーだよお前は」
名前もなんかチャラいルーってなんだよ・・・
「カナタだ」
「じゃ~な~勇者カナタ~」
と言いながら走り去って行った。
次あったら殴ると思いながら駅に戻った。