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ここは日本ではありません。ゲームです。  作者: なめろう
第1章 ゲームスタート
4/10

合流     

 

 人ごみを抜けて駅の正面にでた。現実世界とは違いそこは大きな広場になっている。その中央に立っている塔がユトとの待ち合わせ場所だ、塔の上には時計が浮かんでおり開始時刻の五分前を刻んでいる。


「あの塔の下が待ち合わせの場所だが・・・・」


 視線の先の塔の下には待ち合わせをしているであろう人が沢山いる。


「まぁ、ザ・待ち合わせ場所って所だから沢山人がいるよな」


 カナタはもう少し場所を考えろよと思いながらユトにメールで

『土下座しろ。』と送った。すると


『いきなりどうした!?』


 と返ってきたので。


『塔の下、人だらけでどれがお前かわからん』

『確かに人だらけだけどなんで土下座?手を挙げるとかでいいじゃん!』

『手を挙げるとか誰かと被るかもしれないだろ?だから速く土下座しろ』


 と打ち込みウインドウを閉じた。

 すると塔の下がざわつきはじめ人だかりができた。カナタはあそこかと思いつつ人をかき分けその人だかりの中心に行くと、そこには土下座する黒い髪の男《ユト?》とその男に話しかけている青い髪の女の子と金髪の女の子がいた。


「兄さん!何でいきなり土下座をはじめたのですか!?」

「カナタの奴が人が多すぎてどれが俺かわからないって言うからさ~」

「だったら手を挙げるとかでいいじゃないですか!」

「いや、土下座は向こうからの指示だよ」


 すると青い髪の女の子は大きな声で


「先輩がそんな事言うわけないじゃないですか!!」


 とぷりぷり怒りながら言った。

 何だか可哀そうになってきたのでユトに『分かったからもういいぞ』と送った。すると、ユトがウインドウを操作する様な動きをしてから立ち上がった。


「もういいみたいだ、見つけたってさ」

「そりゃあこんな目立つことしたらわかりますよ!」


 土下座が終わった事で集まっていたギャラリーも散っていった。

 カナタはまだ揉めて居る二人に声を掛けた。


「ごめん、お待たせ」

「よう、やっと来たかこの野郎」

「先輩聞いてください、さっき「いや、だからあれは」ちょっと、兄さんは黙ってて」

「ごめんなさい」


 妹に怒られユトは小さくなった。


「で、どうしたのユミちゃん?」


 ユミは青い髪を揺らしながら胸の前に握り拳をつくって


「聞いてください、さっき兄さんがいきなり土下座したんですけどそれは先輩の指示だって言うんですよ。違いますよね?」

「違うよ」

「おい!!」


 とユトが声を上げたが、ユミの鋭い視線を受けてまた口を閉じた。


「ですよね。すみません変なこと聞いて」

「いやいいよ、大変だねユトが兄で」

「そうなんですよ「ねぇ~ねぇ~」」


 金髪の女の子が話に入ってきた。

 ユミが声をかけられた方を見て申し訳なさそうに


「あっ、ごめんエリー」


 といった。

 すると、エリーと呼ばれた女の子は


「愛しの先輩とのお話が楽しいのはわかる「愛して何言いいているのカナカナ」えっ違うの」

「そんなんじゃななないよエリー」


 とユミは顔を赤くしながら、かみかみの言葉をかえした。


「えー本当にー?」


 エリーと呼ばれた金髪の女の子は(・∀・)ニヤニヤしながらユミをいじっている。

 さすがにユミが涙目になってきたので止めに入る。


「えっとエリーって言ったっけ」

「はいっ何ですか?先輩?」

「俺はカナタだ、別にユミの真似して先輩って呼ばなくていいぞ」

「そうですか。ではカナタ先輩って呼びますね!」

「俺はエリーって呼ぶわ」


 などと話しているとユミが復活してきた。


「エリーは私のいる学校に留学してきた留学生なんです」

「そうなのか」

「そうなんだよ、今年の春から転校してきたんだ~」


 朗らかに言った。

 俺はふと疑問に思った。


「その割には日本語上手だな?」

「先輩知らないんですか?このゲームには最新のリアルタイム翻訳ソフトが入っているんですよ」

「そうだよ! 現実じゃ私まだ上手く日本語喋れないけどここだとそんな事気にしなくていいから最高!」


 エリーがニコニコしながらそう言った。

 ユトもユミから受けた冷たい視線のダメージから復活してきて、


「顔合わせも終わったし、もうそろそろゲーム開始の時間だからカウントダウンしようぜ!」


 と今まで下がっていたテンションを取り戻そうとしてるユトが提案し、カナタ達は「しかたないな~」言いながらユトと合わせてカウントをした。


「「「「5,4,3,2,1、ゲームスタート!」」」」


 の声と共に周囲からも歓声が上がった。

 空には沢山の花火打ちあがり空を彩った、まるで世界がプレイヤー達の来訪を祝福しているように思えた。


【ピコン】

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