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クラコフ王朝~古代ポーランドの歴史

15〜16世紀の東欧諸国ポーランドとリトアニアの版図はややこしい。


現在のロシア・東欧諸国と領土境界線はかなり異なったものである。


北からモスクワ大公国・ドイツ騎士修道会・リトアニア大公国・プロイセン侯国(現カリニングラード)・マゾフシェ侯国(現ポーランド。首都ワルシャワ)・ボヘミア王国・ハンガリー王国・モルダビア侯国・ポーランド王国(首都クラクフ)


この当時はポーランドが3〜4の王国・侯国にわかれ統一されていなかった。


ポーランド共和国。平原の民と言われるポーの一族が住み国名をポーランドにする。国の象徴は鹿を使って大平原を駆けまわる。一説にはポーランドにはトンネルがないらしく山らしい山がないの例えを鹿が大平原の象徴となる。


ポーランドの首都はワルシャワ。マゾフシェ侯国の首都。旧・ポーランド王国の首都クラコフ(krakow)。


クラコフは古都京都である。


歴史と伝統。さらに格式や貴賓が古都クラコフにはある。


その昔の昔クラコフには領地国家があり国王(領主)が君臨していた。その規模となると日本の地頭か守護大名クラスあたり。


国王はクラコフ領地一円を統治し現在のポーランド南半部を領地国としていた。


この古都クラコフには有名な(ドラゴン)伝説がある。伝説によるとクラク公なる人物がワルワラ城(wrawra)の洞窟に棲む龍(smok)を退治したことになっている。その名がクラコフの由来である。


ワルワラ城には地下洞窟があり龍がいた。


クラコフのワルワラ城は王が約100代ほど続き絢爛豪華な王朝絵巻きが繰り広げられた。


ワルワラの初代王なので日本ならば神武天皇に当たる。


ワルワラ城領地がポーランド全域支配ではなく単に一地方の領地支配の時代のこと。


農作物が豊富に取れるクラコフには毎年畑に果物・穀物類が実り市場は活気に溢れていた。


大平原では牛羊が放牧されのんびりと草をはんでいた。


ワルワラの王様領主は豊富な作物穀類の収穫と美味しい牛肉や羊肉に大変に満足しクラコフの肥沃な平原は自慢のひとつになっていた。


さらにはバルト沿岸で採れる琥珀(こはく)がクラコフに運ばれ宝石加工をほどこされ交易の人気商品となっていた。


クラコフ領主国王の自慢は3つある。

・肥沃なクラコフ平原

・クラコフの優秀な軍隊

・国王の姫。綺麗な琥珀の首飾りがよく似合った。


牧歌的な平和な首都。それがクラコフだった。肥沃な土地には穀物がいくらでも育ちクラコフの経済活動はいつも潤沢に潤っていく。小麦大豆からじゃが芋トマトきゅうり。穀物類は常に豊作。

「農民のたゆまぬ努力によりいくらでも収穫される。品種改良がいつもなされ素晴らしい農作物ばかりが収穫される」


国王は隣国との交易には自信を持ってそれらを提供をした。クラコフの野菜はうまい。採れる小麦は上質だと評判を聞きかなり広範囲で買い付けられている。人気の琥珀は言うに及ばない。


そんな牧歌的平和なクラコフにとんでもない悩みがあった。


クラコフの街から離れた洞窟に住むスモーキーが現れるようになったのだ。スモーキーとは獰猛な(ドラゴン)である。


クラコフに棲むスモーキーは腹が減るとクラコフの人里に現れては農作物穀類を食い荒してしまう。暴れて畑をすっかりダメにしてしまう。挙げ句のはては口から火を噴き畑や草原を焼け野原としてしまった。


さらに若い娘を襲うこともあった。


このスモーキーの存在に悩むのはワルワラの領主国王だった。


「なんということじゃ。せっかく実った穀物を農作物があの怪物のおかげで台無しだ」

クラコフの交易の重要な作物をスモーキーは食い荒らす。

「だから怪物を成敗したいと軍隊を繰り出すがクラコフの矢に効果がないのじゃ」


クラコフ領主国王はスモーキーの被害が心配で心配で夜も眠れないのであった。

「農作物が採れなくなると我が国は干上がってしまう。あの怪物をどうしても退治しなければ領地そのものが倒れてしまいかねない。しかし退治するも簡単な話ではないぞ。あーあ、いいアイデアはないものか。困った、困った」

国王は寝ても覚めてもスモーキーに悩み続ける。


この数年は疲労からすっかり弱りはて、ついには寝込んでしまうありさまであった。国王たるもの領地民の生活をしっかり守る義務があり治安の確保も必要とされた。

「いかんいかん余がのんびり寝ている場合ではない。なにか手を打たなければならぬ」

国王盛んに腕組みをしてあれこれ考える。横になりながらベッドに伏せても。

「おっ、そうじゃ」

何か妙案が浮かぶ。

「そうかその手があった」

ムクッと国王起き上がると、

「おーい、誰かおらぬか。執事はおらぬか」

家臣を国王はベッドに呼び寄せた。真剣な顔をひとつ見せてこう伝えた。

「よいかクラコフのお城の前に張り紙をしろ。スモーキーを退治した者には褒美をつかわすぞ。城に掲示板を作って張り紙をじゃ。でっかい張り紙を出すのじゃ」


国王はクラコフの勇敢な者に竜の退治を頼むとした。


「こんなことまでしなくてはいけないのか。もはやワシだけの知恵じゃなんともならんのじゃ」


国王はこれだけを言うとほとほと弱りましたと再度コテンとベッドに入って寝てしまう。気の毒にベッドに吸い込まれたら気絶してしまった。


命令を受けた家臣はさっそくクラコフ城壁にでっかい掲示板を出した。


「なんだなんだなにがあったんだ」

張り出されたお城のお触れを街の人々が見るのに山ができていた。


ざわざわと騒がしい朝のクラコフだった。

「おい見てみなよ。お触れはよ、スモーキー退治だってよ。スモーキーって人食いドラゴンなんだろ?一歩間違えたら食べられちゃうて話だぜ。退治するなんて大それたことだぞ。それよりもなんもしないほうがいいんじゃあないか。餌がないからクラコフに来るだけなんだぜ。よその国で餌探して適当に暴れてもらえよ」


ざわざわとクラコフの街。民衆は口々にスモーキー退治に話の花を咲かせる。話題としては退治とその獲得賞金だった。

「その褒美は好きなだけ金貨を出すなんてあるからなあ、ちょっと考えてみるか」


一気にクラコフの狭い街はスモーキー退治のやり方一色となった。その話題にはギャンブルもスポーツも町の綺麗な娘の噂すらなくなっていた。


バーでもカフェでも市場も寄ると触るとスモーキーの退治方法だった。なにか妙案がないかと話題は退治方法ひとつだけ。話題が金儲けとなるとクラコフにいた泥棒や暴漢までもが真剣に龍退治の妙案を練り始めた。


そのお触れの効果としてどんな応募があったのか。


告知の日、我こそはと勇敢にもスモーキーなるものを退治してやると町のモサが、長蛇の列を作って城をグルリと取り囲んだ。


クラコフ城では国王とその美しき姫が様子を見つめる。


「お父様見て見て。こんなにも皆がやって来てくれましたわ。これだけ集まればワルワラに棲むスモーキーも退治されますわ」

心優しい姫は日増しに衰弱をする国王の父親を見るのに耐えがたかった。だから早くスモーキーが退治されたらと願っていた。

「ああ確かに人数は多いさ。だがなんせ相手が相手だ。あのスモーキーだからのう。そんなに簡単に退治ができるものではないぞよ。退治が簡単ならばワシが真っ先にやっつけているわ」

国王はまったく元気がなく深く溜め息をつく。


国王の自慢のひとり娘はそんな父親の元気がないのが気掛かり。首飾りの琥珀も美しい姫の明るさも元気回復には役不足。


城にわんさか押し掛けたクラコフの若者のモサたち。いかにしてスモーキーを退治するか、ひとつひとつ妙案を語り使えそうなものを探してみる。


モサ達の退治方法は概ね次のようだった。


・槍で突く(かなり至近距離から攻撃)

・鎖でつなぐ(どうやっては不明)

・落とし穴を掘り身動き取れなくする。(龍の棲み家は洞窟。穴の中は好き)

・スモーキーの嫌いなものを投げつける(食わず嫌い作戦)

・スモーキーの好きな土地に金を払って行ってもらう

・敵対する怪獣を見つけて対戦させる(ドラゴンvsゴジラ)

・泉ピン子を呼ぶ(渡る世間は鬼ばかり)鬼は強いはず。


国王はこれらの報告を聞き頭が痛くなる。我知らずフラッとしてまた寝込んでしまった。

「なんというくだらん話ばかりなんだ。クラコフの知恵とはこんな程度だったのか」

国王の嘆きはこれだけで止まらない。

「あれだけモサがいて蓋を開けたらこんなことなのか。城を何回りも長蛇の列を作っていたのに。あの連中はなんだったのか」

悩みはまったく解消されないままだった。


それでも悪の代名詞スモーキーは夜にはキチンと現れ畑を荒しまくり火を吐いた。農民が丹誠込めて作った穀物を食い農作物をすっかりダメにしてしまう。


ある夜、スモーキー退治のモサ達はゴチャゴチャと集まっていた。自らの自慢の退治方法を実践する時だった。


しかしスモーキーを目の前にしたらその異様な姿に恐れをなしブルブル震えてしまった。何もできずみんながみんな逃げてしまう。


「ギャアー。あんな不気味なやつなのかスモーキーというやつは。逃げろ逃げろ。まごまごしていたら殺されてしまうぜ。やあ、火を吐いたぞ。おけつ熱いよー」

体格のいいやつほど騒がしく逃げ足は早かった。


国王は翌朝スモーキーの畑被害を執事から聞くとまたまたガックリと力を落とす。

「穀物をやられたのか。これが最後の農作なのだ。もうクラコフには食べるものさえない。困ったぞ冬が越せない。一体どうやってワシは、この国を統治していけばいいんじゃ」

農作物がダメとなると家畜と川から採れる魚ぐらいしか残っていない。この程度では交易まで経済市場拡大できなかった。

また最大交易取引の目玉の琥珀。この宝石は燃えると塵埃となりなんにもならなかった。スモーキーの火炎が当たらないことを国王はただ祈るばかり。


悩める国王は執務室にヒキコモリ丸一日出てこなくなってしまう。さらに

頬はゲッソリとやつれ今にも倒れる病人顔だった。


日増しに衰弱をする父親の国王を見て姫は、

「クラコフの街がダメになることも国王が病気になることも黙って見てはいられません」

気丈夫な姫もスモーキー退治の打開策を軍隊と練ることにした。そんなクラコフの悩む親娘の元に一人の若者が城を訪ねていた。

「ドラゴンの退治に力を貸したいと思う。よし国王に逢うか」

若者はひたすらワルワルラのスモーキー退治に執念を燃やし城門を目指した。


城の周辺はすっかり荒廃していた。見るも無惨な荒れ野原だった。


スモーキーの被害がひどく憐れな国となっていたのだ。


また領地民は領地民でいい加減堪忍袋の尾が切れてしまった。

「公王さまはなにをしているんだ。スモーキーが出てきても何もしないじゃあないか。クラコフの国は早くスモーキー退治してくれなければ台無しになってしまう。いざとなりゃあ何にもしない王さまを殺せ。あんな爺さんいらんわ。マゾフシェ侯国(ワルシャワ)の侯王の方がいくぶんかましじゃあねえか。税金高いけどさアッハハ」

荒廃する街はクラコフを領地する公王の無策が原因だと怒りはスモーキーから無能よばわりされた公王に向けられた。

「クラコフ公王(Duck)はよ。マゾフシェ侯国やボヘミア王国も制服して公王からめでたく王(king)さまに格上げされたいんだろ。だけどご自分のクラコフ領地がこれだけ荒んでダメとなったらとてもじゃあないが他国と戦争しても勝ち目はありゃしないぞ。だからなぁ、公王から王(Duck→King)にはなれやしないさ。第一闘うための兵隊の食糧があらへんさ」

クラコフ公王はケチョンケチョンに言われてばかりであった。


荒廃したクラコフの街の様子はどうだったか。例えば広場はいかな様子か。


スモーキーの被害に遭った街の中心はすっかり荒廃し足の踏み場すらなかった。街一番の繁華街の広場は以前ならばクラコフ市民憩いの場で出店がいくらでも立ち並び若者から年寄りまでがやがやとどこそことなく集まってきた。


クラコフ公もこの広場の賑わいをみるのが楽しみであった。

「公王さまが広場が楽しみだぁ。だったら早くスモーキーを退治しちまってくれよ。平和なクラコフの街を取り戻してくれよ。できないんだから無能な公王さまなんだよ。マゾフシェ侯に領地してもらうがいいじゃあないか。マゾフシェ侯はクラコフが欲しくてたまらないんだろ。本気でそう思うぜ」

広場に集う商人たちは怒りをまじえながら公王の無能さに改めて溜め息をついた。


その荒廃したクラコフの街にひとりの日本人旅行者が佇んでいた。欧州諸国を旅する途中の様子である。

「ここがクラコフなのか。こりゃあ大変な被害に遭ったぜ。原因はなんだい、戦争か災害か」

日本人はたった今、広場に着いたばかりであった。

「事情が呑み込めない。どういうことか」


広場の片隅にある食堂に入ってみる。

「クラコフの庶民から話が聞けるやもしれない。ごめんください」

店からは店主がぼそぼそと出てきた。

「おや、いらっしゃいまし。何用でございましたか。大変申し訳ありません。我が店はついさっきまでクラコフで有名なレストランとなっておりましたが」

若者に店主は店が潰されてしまい何も料理が出せないと説明をした。

「潰されて?なんだろ」

何のことか。ますます訳がわからない。

「クラコフに空爆があったのか。焼け野原は爆弾攻撃にも似ている。マゾフシェ侯国とかモスクワ大公国と戦争を始めたのか」

若者は道行くクラコフ市民になぜ荒廃しているのかと尋ねた。市民は、

「スモーキー(Smok)が出現しただと。なんだいスモーキーなるものは」

スモーキーは怖いよとだけ言ってさっさと逃げてしまう。


荒れた広場を進むと教会が現れた。

「よし教父さまに聞いてみよう。ここならちゃんと教えてもらえる」

教会の扉を開けようと探す。しかし教会の建物は半壊しておりいずこが入り口かわからない。

「これもスモーキーのしわざなのか」

若者が建物をトントンと叩いたら返事があった。

「やあやあ。そんなに叩いたら教会が傾いてしまう。どなたかな」

初老の教父さまが現れた。


旅の若者はまず身分を話しクラコフの荒れた惨状を説明して欲しと頼んだ。

「なるほどスモーキーのことでお尋ねじゃな」


教父さまは若者を礼拝堂に案内をした。

「そうでございますか。東洋のアジアからクラコフに参ったのですね。それにしても大変な惨状の時に参ったんですなあ」


教父はしんみりとスモーキー(Smok)を語り始めた。


かつてはワルワラ城(クラコフの中心)にはクラコフの王さまが住み領地一円をしっかりと統治をしていた。ワルワラの領地は最初はほんの狭い範囲ではあったが段々近隣諸国を支配することになりクラコフは拡大していく。侯国から公国になりまもなく大公国といった具合だった。


そんな富めるクラコフ領地にとんでもない悪魔が舞い降りてしまう。


ワルワラの丘。城下には昔から深い洞窟があり大昔には恐竜が巣をつくり棲みついていたと言い伝えがあった。


洞窟の前には穴が塞がれ誰も中には入っていけない。その洞穴になんらかの原因で大昔の恐竜(Smok)の卵が孵化をして成獣となってしまう。


驚いたのはワルワラ城の公王たちだった。夜中に地底から物騒な叫び声が聞え始めたからだ。


最初は地震ではないかと怯えていた。鯰が暴れているなあと。


そこで家臣に命じて城の洞窟に入って鯰を成敗いたせとなった。


が家臣の見たものはバカでっかい龍であり暗闇の中で目をギラギラさせていた。その姿を見た瞬間には腰を抜かし逃げるに逃げれなかった。


家臣から城の下に龍(Smok)がいると聞く。


公王は慌ててワルワラ城を抜け出てクラコフの市街地に避難をした。


成獣となったスモーキーはクラコフの街に現れたのである。


スモーキーは悪のかぎりを尽し平和な城下町は次第次第に荒廃をしていく。農作穀物は言うに及ばず。牛・羊・豚は火炎を放射して丸焼きにしてから食い荒らした。ローストビーフはこんがりと焼きあがる。


特に羊は大好物で真っ先に狙われている。


さらに困ってしまうのが人間も襲うことだった。公王への報告には牛や羊の被害だけでなくクラコフの若い娘が襲われてしまったとある。


公王はクラコフ軍を出動させ討ち取るが。


槍や銛で搗く程度ではなんともならない。火薬火器も使ってみたが効果はなかった。


若者はここまで教父さまの話を聞いて納得をする。


「スモーキー(Smok)とは龍のことか。ブルガリアやルーマニアのズメイ(Zmey)と同じ龍なんだろか。ズメイならば僕が退治をしてやった」

若者はグイッと拳を握りしめた。

「このクラコフを龍なんかにダメにされてなるものか。人間を襲うとは言語同断。問答無用だすぐに成敗致すぞ」

若者の顔に日本武士の血がメラメラと燃えた。


若者の勇敢さ龍退治の気概は教父にも感じとれた。


がしかし、

「旅のお方。スモーキーなるものは今は人食い野獣なるものですぞ。簡単に退治してやるなんぞ考えてやしまいな。妙な考えはやめた方がよろしい」

教父さまは若者にクルリッと背を向けて拝段を見つめた。

「スモーキーは餌がなくなればやがてクラコフから出ていく。今は餌があるからここまで市民を悩ませるだけじゃ」

教父はできるだけゆっくりと諭すように話した。

話を聞くだけにしておきなさいと。


が若者は龍が民を悩ませると知ると武士の魂が黙ってはいなかった。

「教父さま。色々と教えてくれてありがとう。よくわかりました」

頭を軽く下げ若者は教会を後にして荒廃としたクラコフの街に出て行った。


教父はやれやれといった困った顔をする。

「人食い龍に餌になるものですぞ。おやめなさいな」


若者は改めて広場を眺めた。龍の仕業の荒々しさが段々と憎しみに変わっていく。

「成敗せねばならない。こんな化け物は。いくらクラコフで餌が無くなってここからいなくなったとしても、他の領地を好きなだけ荒らす。許すわけにいかない」

目の前の広場は若者の正義感をさらに燃えたぎらせる。


クラコフの惨状は領地だけでなく隣のマゾフシェ侯国にも伝わっていた。

「スモーキーがクラコフ領地で暴れていることはわかった。そのうちマゾフシェ侯国にもやってくるかもしれない。ワルシャワがスモーキーの被害を被ってはたまらない。早めに退治をして両国を平和な街としなければならぬ」

日本の若者と同じ考えでいたのはマゾフシェ侯国に滞在していたクラク公爵だった。


公爵はひとまずクラコフの公王に会おうとお城(仮)に向かう。

「公王さまの考えを聞いてそれから退治の方法を練ってみたい」

クルリと黒いマントを翻し馬を走らせた。


お城をまず訪ねたのは賢い日本の若者であった。


がしかし対応した城門番は冷たいものだった。

「何者じゃ。こんな遅く城に来て。名を名乗れ。無礼者めが。お主言葉が変じゃな」

門にて足止めを食らってしまう。無礼扱いされた若者はこう言う。

「クラコフのスモーキー(Smok)退治に参りました。私は旅の途中の者で日本人です。クラコフの領地国が困っていると聞きやって参りました。ドラゴンの退治は前にブルガリアとルーマニアでやったことがあります。私には策があります。どうか王さま(公王)にお会わせください。よい考えでございます」

若者は丁寧にひとつひとつ言葉を選びながら門番に伝えた。困った門番は

「しかたがない、しばし待たれよ」

公王の執事室に駆けていく。


その頃は公王執務室からまったく出てこない。そこに門番からの伝言が届く。

「申し上げます。公王さま」

門番からの若者の報告を公王は聞き、

「なんじゃと。スモーキー退治ができるだと。前にドラゴンの退治をしただと。ブルガリアとルーマニアのズメイ(Zmey)を成敗したとな」

公王はまたこの手のヨタった話かとうんざりする。もういい加減にしろっとコブシも震えていた。

「夢物語を本気で言うな。まったく持ってろくでもない考えじゃ。余は会わぬぞ会う必要はない。えぇい、ダメだダメだ。とっとと、どこぞに消えうせよ。追い返せ。ヨタ話にはもううんざりじゃ」


若者は暗闇の中で簡単に門前払いを受けてしまう。

「さようですか。ダメだと王さまはおっしゃるのですね。わかりました。残念です」

若者はがっかりしてトボトボ重い足を引きずり荒廃した街に消えた。


この一連の話を聞いていたのがひとり娘の姫だった。執務室にお茶を運ぶ途中の立ち聞きをしてしまう。


姫が給事をしたのは父親の公王があまりに悩んでいるのを心配したから。召しの者に代わりサービスをして少しでも父の側にいてやりたかった。


父親に元気になってもらえるならばと娘心はきれいであった。


「お父様ちょっとお待ちになってください。どんな方法か、ろくろく聞きもしないで断ってはなりませぬ。私が代わりに聞いておきましょう」

姫は父親に苦言を言ってしまう。言われた公王は面白くはないが、

「まあ姫の言うことだから」

少し片意地が緩む。


ならばと姫は慌ててお城の門番まで走る。


公王は姫の慌てぶりを見て勝手にしろと膨れっつらをしてしまう。


「日本人ですって。東洋からなのね。神秘な国だわ。だからいいアイデアであるかもしれないわ。なんとなく胸騒ぎが致しますわ」

姫は早足に石道を駆けていく。走るのにドレスは無理があった。


門番まで辿りつく。しかし若者の姿はなかった。

「姫さま遅いでごんす。たった今追い返しました」

姫は遅かったのねっ、と門に寄り添いガックリと腰を落とす。

「ダメだったわね。間に合うこともなく」

と姫はドレスのままガックリ片膝をついてしまう。かなり気落ちしていた。


翌日。


公王に面会をしたいとマゾフシェ侯国のクラク公爵が馬を駆り立てて到着をする。対応した門番。

「これはこれは公爵さまでございますか。しばしお待ちあそばせ。ただいますぐに執事に伝えます」

クラク公爵は馬から降りもせずにその場で待っていた。騎士道からは外れた非礼であった。


とそこに夜の若者が再び姿を表した。

「どうしても諦められない。もう一度頼みたい。龍を退治しなければクラコフは国が荒れて衰退してしまう。僕には僕なりの方法がある。頼むから王さま認めてもらいたい」

若者は一晩考え直し改めて退治方法を認められたいと来たのだった。


が門番に姿がわかるとまた追い返されると考え隠れていた。

「あっちょうど馬を引いて門に入ろうとしているや。あの団体に紛れて城に忍び込んでやれ」

門番がクラク公爵の馬を入れると同時、若者も入っていく。

「うん!なにやら余計な影がサァッーとよぎったかな。いやあ春風のしわざじゃろうて」

のんきな門番さんであった。


城内で執事に来城を伝えた。

「拙者クラク公爵はマゾフシェ侯国の使者である。このたびはスモーキーの被害が多大である。衷心よりおくやみを申したい」

執事はすぐに公王さまに取り継ぐ。

「なにマゾフシェ侯国からの使者だと。それはそれは有り難い。さっそくそのクラク公爵さまにお会いしよう」

公王は病気の体をよっこらしょと起こして衣裳に手を通す。クラク公爵を公式訪問客として見なしたからだ。クラク公爵はすぐに現れた。

「公王さま。マゾフシェ侯国のクラク公爵と申します。このたびはとんだ被害を」

公国王はひょっとしてマゾフシェ侯国から経済支援いただけるのかもしれないと期待をした。

「穀物が援助されたらクラコフは助かるぞ。ちょいと頼むか。我が領地から魚あたりと交換でもかまわない」

公王さまには笑顔が戻ってきた。


一方不法侵入した若者はどうしたか。


クラコフのお城(仮)にうまく侵入したはよいがどこに行けば王さまに会えるかわけがわからない。かなり道に迷ってしまう。

「日本のお城ならばね、お殿さまの居場所はすぐにわかる。大奥の隣にある。化粧や女の匂いがヒントになる。しかしこの城はなんだい。平屋造りで土盛りさえないぞ。敵が来たらアッと言う間に降参だ」

若者は忍び込んでどうしたらよいか悩む。その若者の嗅覚がヒクヒクと反応をした。

「うん!化粧の匂いがする。大奥だとよいが」

若者は壁に伝い化粧の匂いを元を確かめに走る。


小さな窓。若者は忍者のごとくこっそりと覗く。


その部屋はなんだったのか。


公王のひとり娘は朝からペタペタと壁塗り。いやお肌の手入れをしていた。姿見(全身鏡)に向かい丁寧に丁寧に姫飾り。


その姿見に偶然にも若者の姿が窓に写り驚く。

「あっ」

最初は人のいるはずがない窓だわ。幽霊かと心臓が踊る。が段々と落ち着くと人であるとわかる。

「どなたか」

顔つきはポーランドにはない者であった。

「他の国じゃな。ウクライナかモルダバ。いや黒髪からアジアだわ。アジアですわ」

ここで姫はハタっと気がつく。

「アジアだって。もしかして昨夜訪ねてきた日本人かな」

姫はここでクルリッと振り返る。


驚く日本人。


「しっ、しまった。見つかった」

踵を返して一目散に逃げようとする。


姫は呼び止めた。

「お待ちになられて。あなたは日本人ですね。スモーキー(Smok)退治をしてくださる方ですね」

若者は逃げる姿勢に声をかけられて驚く。


驚いた驚いた。

「さようでございます。僕が昨夜訪ねて参りました」

ここで若者は姫と話が通じるのではないかと逃げるのをやめる。


姫は部屋に入っていらっしゃいと手招きをする。言われて若者は少し警戒しながらも招かれた。


改めて姫を見た。

「なんと綺麗な娘さんだろうか。このクラコフではまず見ない美しい娘だ」

しばし姫の美貌にポカーンと見とれてしまった。

若者は危うく自分を見失いそうになるくらいだった。

「こんなところまで不法に入ってしまいました。お許しをありがとうございます。お嬢様はお姫さま(公国王娘)でいらっしゃいますか。私は日本からやってきた旅の者でございます。名は堂上(Donoue)でございます。どうぞよろしく。スモーキーを龍をブルガリアとルーマニアで退治して参りました。アイデアはあります。龍退治には自信があります」

若者は自らの身分を明かし堂上と名乗った。


退治のアイデアがあり体験もあるとわかった姫はなんとか公国王に会わせたいと願う。

「だって娘の私がどうのこうのとしても何も出来ないもの。それに日本からやってきた若者堂上はしっかりした考えをもっていらっしゃるわ。態度も凛々しいし紳士的にみえますわ」

姫としても堂上のドラゴン退治はうまくいくのではないかと賛同される面もあった。


が問題は、父親の公国王は頑固なタチで一度ダメだとしたものは徹底してダメである。一徹なおやじで有名であった。王妃を病気で亡くしてからは特に頑固さは厳しく見られ侍従たちも公国王のワガママには閉口をしていた。


そこで娘の姫は考えた。

「そうだわ、いい考えがある」

姫は堂上にこう命じた。

「あなたは私の恋人といたしましょう。私との結婚の許しを願うためにわざわざ日本からやってきたことに致します。フィアンセとして私の父親・公王に会って貰います」

姫は堂上を城(仮)に入れひとまず住ませた。しばらく様子を見ておきたかった。


軍隊統帥に合わせた。

「堂上のアイデアに軍隊も協力しなければいけない」

姫につき従い堂上はフィアンセとして紹介をされた。

「姫さま。軍隊とは大袈裟ですね。でも協力してくれるのならばお願いします。そうだ協力してもらいましょう」

統帥は堂上からスモーキー退治の方法を聞く。

「そんなことであのスモーキーは退治できるのか。信じられない」

統帥は呆れ顔をして堂上をコバカにしてしまう。

「こんなわけのわからない日本人を連れてきて。姫はなにを考えているんだ。フィアンセだと?しばらく公王には黙ってくれだと」

呆れるのは当然だった。


統帥に鼻で笑われて堂上は憤慨をした。

「面白くないですね。軍隊は最後に数人協力してもらいましょう。それでもういいですよ。大砲や銃撃は龍には通じませんから。あれだけドンパチやったとしても軍は退治できていないじゃあありませんか」

お互いに誹謗の言い合いになった。


横で聞いた姫はかなり不安な顔をした。

「なにもここで子供の喧嘩しなくても」


数日後。


公王は執事からとんでもない伝言を聞く。またまたイライラを募らせてしまう。公王は今は顔が怒りで真っ赤である。

「なんということだ。スモーキー騒ぎだけで悩んでいると思えば。今度は姫が、我が娘が結婚したいと申してきたぞ。しかも相手は日本人だと」


姫の結婚話ですよと聞くと公王は領地支配の顔はなく父親の顔を覗かせていく。


「なんでこの忙しく騒がしい時に姫を貰いたいなどと申すのかブツブツ。日本には適当な女はおらんのか。こやつは旅の途中だと。なんだかわけのわからない話だ」


公王は執務室に篭り悩みを深くし、さらに父親としても悩める公王になる。


姫は若者堂上を連れて公王のいる執事室に現れる。

「初めてまして王さま。日本から参りました堂上と申します。美しい姫さまを貰いたいと思いこうして参上いたしました」

堂上は丁寧な挨拶を礼儀正しいタチイ振るまいを日本式でする。


ハタから見ていて清々しささえも感じる好青年と言うところだった。


が王はすっかり父親の顔になってしまう。まったくもって面白くない。嫁に欲しいというのは男手ひとつで育てた娘だから。

「ワシの可愛い姫を欲しいだと」

この公国王の不遜な態度は娘の身分としてはすでにわかっていたところであった。


そこで聡明な娘は、

「お父様、聞いて貰いたいことがあります」

と姫はちらりと堂上を見て目配せウィンクをする。続いて堂上が言う。

「王さま、お願いがあります。大切な姫君をただでこのまま私がいただくつもりはありません」

堂上は堰を切ったように話始めた。スモーキーの退治を語りはじめたのだった。


いかにしてスモーキーを仕留めるか、かなり具体的な案を出していく。その退治のために必要なものをお城で取り揃えて貰いたいと公王に願い出た。


公王は黙って堂上の話を聞く。

「姫とドラゴン退治は交換条件となるわけか。うーん考えたもんじゃな」

憔悴した王の顔に戻ってしまう。娘の将来を案じる父親の顔はすっかり消えた。

「だがな堂上。ワシはマゾフシェ侯国のクラク公爵にスモーキー退治は頼んであるのじゃ」


クラク公爵はマゾフシェ侯国の軍隊をクラコフに進軍させてスモーキー退治してみせると約束をしていた。

「それはホントでございますか。スモーキーには大砲や銃撃は通じることはありません。王さま今一度考えてもらえませんか。僕なら僕ならもっと簡単に仕留めて見せてご覧にいれます」

堂上の目がキラリと輝いた。


自信ありげに言われてこの場の返事はいかがしようかと微妙な考えが錯綜する。公王は腕組みをして悩む。かなりの時間だった。


そして、

「よしわかった。君のやりたいようにしたまえ。協力しよう。具体的な方法は軍の者と詰めていけばよい。マゾフシェ侯国には断わりをしよう」

国王は最終決断で堂上を選んだ。


喜んだのは姫だった。堂上の熱心な説明、真摯な態度は公王の側にいた姫のハートをまずはズバッと射抜いてしまったようだ。


龍退治より姫が先だっ。


「日本とはどんな国なのかしら。少し勉強をしておかなくてはならないわ。世界地図はどこかしら」


堂上はさっそくに軍と退治方法を綿密に打ち合わせを始める。今回は公王の司令があるから堂上といえども総司令官扱いだった。


堂上のドラゴン退治計画の第一はスモーキーのおびき寄せをはかることである。


スモーキーは羊が好物らしいと聞きラム肉を大量に仕込む。ワイヤーロープにラム肉をぶら下げさもうまそうに見せていた。この肉には仕掛けがあった。肉の内には大量の香辛料(からし)が盛り込まれ食べたらとても辛く堪らないものだった。


「このラム肉から作戦をひとつひとつ実行していきましょう」

堂上は第二、第三の矢を用意することを軍に司令した。

「よし。これで作戦はうまくいく。見ていろよ化け物スモーキーめ」

堂上は姫の笑顔を思い浮かべ成功を夢見ていく。

「ブルガリアやルーマニアのドラゴン・ズメイ(Zmey)は羊は食べない。人間を食べてしまう。あちらの方がはるかに退治は難しかった」


夜にスモーキーがノソノソと餌を求めて現れた。


穀物農作を探しにクラコフに公王たちのいる仮の城近くに出現をする。堂上の予定した通りに現れたので嬉しかった。


ここで堂上は待ってましたとワーベル川辺にさあっとワイヤーロープを張りラム肉を吊した。

「さあスモーキーこっちにおいで。好きなだけおまえの好物をお食べあれ。うまいようまいよ、全部食べてしまえ」


スモーキーは目の前に好物のラム肉がぶら下がりフラフラと引き寄せられる。川辺にノシノシと足を運びやってくる。腹が減ってすごい勢いでパクパク食べ始めた。見る見るうちにすべての肉を平らげてしまう。


肉を食べた終わったスモーキー。今度は喉がヒリヒリ渇いてしかたがない。川の中程にドッカと座りこれまたすごい勢いで水をガバガバと飲み始める。


川の水はあまりの勢いから渇水するんじゃあないかと心配されるぐらいだった。


このスモーキーの豪快な水飲みを見て、

「今だ。川に毒を流せ」


軍隊はダァーと毒性物質を川に流す。喉の乾くスモーキーは毒だろうとなんだろうと気がつかずグイッグイッとすべてを飲み込んでしまった。見事な飲みっぷりだった。


カッ!


スモーキーの瞳が大きく見開く。毒が効いたため手足の動きがピタッと止まる。次の瞬間、大きくスモーキーはバターンと倒れた。


「や、やったぁ。スモーキーを退治したぞ」

堂上と軍は万歳を唱える。スモーキーは川に倒れそのまま流されてしまった。


翌朝のお城には公国王と姫、そして堂上と姿があった。


大喜びの公王は、

「よくでかした、たいしたものだ」

ともろ手をあげ堂上を誉め称えた。国王は嬉しい気持ちそのままに笑顔を見せた。


「しからば約束じゃ。そちの望むように姫をさしあげよう」


これにはさすがの堂上もしばし後退りをする。

「いやあ王さま、その話でございましたら真実を言いましょう。実はですね」

堂上は困る困ると頭をかく。

「あらっいけないわ」

すかさず姫が間に入り堂上の口を遮蔽しこう続けた。

「公王さま。いえお父様。姫は堂上さまと結婚しとうございます。大変に幸せでございます。嬉しいでございます」


公国王はよしよしと大きく頷きしっかりと堂上の手を握る。新しく王子になる"義理の息子"の手は温かくしっかりとした信頼のできるものだった。男の子がいない公国王は跡継ぎの王子が誕生したとに大喜びだった。

「ワシの跡継ぎ誕生だ。いやあ目出度い。今宵は祝宴の会をやろう。姫よ、姫。早く孫の顔がみたいぞよ」

公王はハシャギまくる。


あれだけ憔悴しきっていた姿はどこにいったやらだった。


堂上は弱ったなあ。どうも話が一方的に進み過ぎてしまったなあと盛んに頭をかくだけであった。


ポーランド王国のクラコフ。この名は伝説上のクラク公(Duck)がワルワラ城の地下洞窟に棲むスモーキー(smok)を退治したことに由来する。


またSmok伝説の話はふた通りある。


・獰猛な龍がクラコフの国を苦しめる。


・ワルワラ城に棲みつきクラコフの民と一緒になって外敵他国からの侵略を防ぐ。龍の火炎はワラワラ城を救った。正義の味方、スモーキーとなる。


ドラゴンズの堂上はどっちになるかな。

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