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呼び名

茂原市東部の農家です。昭和30年代前半の生まれで、生まれる前からラジオ、テレビがあったので、方言かどうかはっきりしないことがありますが、日常使っていたものを記したいと筆をとりました。従って「放言(言いたい放題)」と取っていただきたいと思います。

まず、他人と話すときに自分や相手、第三者をどう表現するか、を話したいと思います。

自分は「おら」、相手は「おめ」、第三者は対象によって違います。

男は「やろ」、女は「なご」、子供は「がい(がき)」です。

しかしながら、単独で使うことはあまりなく、相手の名前や屋号を使うことが多いと言えます。

「おら」は、「俺」が訛ったもの?「おめ」は、「お前(御前)」が訛ったもの?

「やろ」は、「野郎」。「なご」は、「女子(おなご)」。「がい」は、「餓鬼」が

訛ったもの?ですが、「おらげ(わたしの家)」、「おめらげ(あなたの家)」、のように

使うことが多かったように思います。

「やろ」も、「こんやろ(この野郎!)」や「あんやろどん(あの男たち)」、「なご」も「こんなごが!(この女がぁ!)」や「なごどんは(女たちは)」、「がい」も「がいどん(子供たち)」のように表現しました。

補足すると、「おめ」は、「にし(にっしゃ、お主の訛か)」と使われることもありました。何故かはわかりません。おそらく学生時代の名残か?

最初ですから、「〇〇の」は、「〇〇ん」と表現することが多いのを付け加えます。


あ、相手を話すには、屋号が重要となります。田舎では、名字が同じことが多く、屋号で呼ぶことの方が圧倒的でした。これがまた面倒な事項で、村内と他村の呼び名が変わってくるのです。

1,先祖代々の呼び名

 「〇〇左衛門」は、「〇〇ぜんどん」。「〇〇右衛門」は、「〇〇えんどん」。「○○兵右衛門」は、

 「〇〇ぺどん」又は「〇〇べどん」。これは村の内外で変わることはありませんが、「どこどこん○○どん」と他から使われることがあります。

2,職業による呼び名

 よく、「酒屋」や「麹屋」、「くま手屋」、「こびどん(木挽どん)」、「大工さんち」、「産婆さんち」のように先祖又は当主の職業を屋号として使用する。「てんしゃどん」が「大工」だったと近頃知しりました。分家すると「麹屋んみせ(店?)」のように使われることもあります。

3,場所による呼び名

 「はたけなか」、「てらやま」、「ひがし」、「うしろ」、「みやんめ」、「かど」等、寺や神社又は村の主だった場所や村内の相対的な位置。又は小字の名前そのものを使うこともあります。

4,「おもて」、「えんきょ」、「しんたく」、「にいや」等、本来家関係を示す屋号。

これがやっかいで、自分(同家)から見た関係だけでなく、他の村からでも「どこどこんえんきょ」などと呼ばれることがあるのです。これは、地域の代表的な家で現在でも他の屋号は使われていません。


ついでですので、地名のなまりを付け加えます。

村内で、「下村(したむら)」があれば「上村」がありますが、「上村」は「わむら」と呼ばれることもあります。「上谷」は「うわや」ですが「わや」と、「西谷」は「にっしゃ」などと呼ばれていました。現在は大字が変わったりそう呼ばれないことも多いです。

また市内の大字ですが、「千町(せんちょう)」を「せんじょ」、「台田(だいだ)」を「でぇだ」、「野牛(やぎゅう)」を「のうし」などと呼ばれることもありました。今はほとんど使われていません。






方言といっても、地域で大分違っています。このあたりで一般的な放言「だっぺ」や「だべ」を使ったことはありません。また、海岸(浜)の方言の録音を聞いたことがありますが、まったくわかりませんでした。

よく方言で、どこどこの人から聞いたと記録がありますが、その町村全部で使われていたかは疑問です。

農家と商家、職人では日常が違いますし、台と浜、藩と天領、旗本領でも少し違う。参考程度にしてください。

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