記憶―夏、欠片
三題噺もどき―はっぴゃくはちじゅうに。
自転車を漕ぐたびにスカートが捲れそうになる。
ホントに、何度も言いたくなるが、制服をこれに設定した人はおかしいと思う。
こんなモノ来ていたところですぐ捲れて意味もないのに……何のための制服なんだか。雨の日なんてただ濡れるだけだ。
「……」
耳につけたイヤホンからはお気に入りの音楽が流れている。
これで警察にでも見つかったら終わりなんだけど、今のところ指摘された事はない。自転車は車道を走るようにとなっても危なくてそんなこともできないようなところなので、自転車の規則なんてあってないようなものだ。
とか言うと怒られそうなので言いはしないけど。
「……」
キュ、とブレーキを握り締め、横断歩道手前で止まる。
すぐ横に、小学生が数人並んで立つ。
この辺りは小学校高校中学、少し離れた所に大学があるので学生がこの時間は多い。
「……」
大きなランドセルを背負って、足元にはレインブーツを履いている。
スニーカーの方がよさそうだが……体育の授業とかないんだろうか。今日はないのかもしれないか。
それに、梅雨に入ったのかどうかは知らないが、ここ数日雨が続いているので外で体育をすることもないんだろう。
「……」
というか、そうか。
今の時期は小学校中学校は体育はプールの授業だったりするのか。
見れば、他の小学生で何人かプールバックらしきものを持っていた。
しかし今日は天気が悪くなりそうだが……出来るといいな。
「……」
私はプールの授業にはいい思い出がないので、高校になって無くなったことに安堵を覚えている。何が楽しくて泳がないといけないのか不思議でならない。ただ遊ぶだけならまぁいいのだけど……それに、女という体の特性を持っている以上、入れない時もあったし。そういう時に限ってお遊び授業だったりしてたから。
まぁ、それだけじゃないが、体育そのものが嫌いなので、プールは当然嫌いなのだ。
「……、」
信号が青に変わり、ぞろぞろと車も人も動き出す。
小学生に気を配りながら、ゆっくりと自転車を漕ぎだす。
突然走りだしたりするから、目が離せない。何で小学生って車や自転車と並走しようとするんだろうな……特に男子。
「……」
徒歩の集団を抜け、歩道を走っていく。
道の電柱には、来月開催される夏祭りのチラシが括りつけられている。
毎年花火の写真だけを撮りに行っている、この辺りでは一番大きな夏祭りだ。去年は、花火より少し早い時間に来たので、軽く屋台を回ったような気もするが……。その時に食べたキャラメル味のポップコーンが美味しかった気がする。
何か所か花火の写真を撮りに行ったりしていたので、どの祭りの記憶なのか定かではない。
「……」
もう、そんな時期なのかと思ってしまうが……確かに、毎年これくらいの時期だ。
体育祭が終わり、すぐに中間テストがやってきて、気づけば期末考査がやってくる。そしてそのうち夏休みがやってくるのだ。
中間テストと期末考査の間が短すぎで、やる意味あるか?といつも思う。
「……」
ちなみに、今週の水曜日から、中間テストが始まる。副教科を抜いた教科の実なので、3日間だけである。
なんというか、体育祭終わりでそれどころじゃない学校の空気の中で、よく出来るなと思ってしまう。先生たちも授業を進めてそれに合わせてテスト作ったり対策したりって大変なんじゃなかろうか……。
「……」
おかげでと言うかなんというか。
テスト範囲そのものはさほど広くはないし、2年生までの復習も少し混じったりしている。
先生たちもその方が作りやすいんだろうけど、去年の授業の記憶なんてないので、復習用の対策が欲しいものだ。……まぁ、くれてるけどやっていないだけだが。
「……」
そのテスト期間中に、あの子と食べるお菓子も買って置こうかな。
昼食はいつも通りコンビニに買いに行くだろうから、休憩がてら覗きに行くときにでも食べるやつ。今度から、放課後残ってもいいが勉強は各教室でやるようにと言われているので……一緒に勉強して何が問題あるのか教えて欲しい。
「……、」
と、そうこう、うだうだと考えているうちに。
学校にたどり着いた。
今日からまた1週間が始まる。
お題:ブーツ・スカート・キャラメル




