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不遇の姉は、未来を拓く  作者: きむらきむこ
乳母編

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誤字報告、いつもありがとうございます。

「そ…そのダービシャー卿って、元伯爵家だけど今は……その、平民なんでしょう?グエンのお兄さまも男爵位を賜るらしいって聞いたのに、同じような立場でどうしてその方は伯爵なんですか?」


 行儀見習いに入る前に、話し方も身につけるように言わないと……と頭の中でやることリストに付け加える。


 実はこの子、私のこと姉だと知ってるのかしら?でないと準王族の私に向かって、こんな話し方できる度胸がすごすぎない?確かに血はつながってるけど、許可も得ずにこんな話し方をすること自体驚きだわね。


「わたくしはあなたの主に当たるのだけど、そのような話し方をわたくしが一体いつ許したのかしら?」

 笑顔を消した私が冷たい視線とともに口にした言葉に、シーラは自分が調子に乗っていることに気づいて動揺したようだった。


「申し訳ありません、アメリア様。どうかお許しくださいませ」シーラはそう言って、最敬礼で以て謝意を示した。


「これより以降、二度は認めません。良いですね」

深く下げたシーラの頭に向かってそう言って、下げた頭を更に下げたのを確認して続けます。


「ダウニング侯爵家内のわたくしの養家サンダース家での行儀見習いを命じます。ダービシャー卿の足を引っ張ることも許しません、覚悟して学ぶように」


「ダービシャー卿に伯爵位を、というのは、言ってみればあなたのご実家と言うか母親への嫌がらせよ。子爵夫人が伯爵夫人に、つまりはあなたに上から目線で話しかけてこないようにする為ね。なにか言いたいことはあって?」


「……あの、嫌がらせ……ですか」


「そうよ、侯爵様にも親戚ぶって話しかけてくるくらいだから、あんまり意味はないかもしれないけど、身分を盾に遠ざける事はできるでしょう」


「……ありがとう存じます。実家とは距離を置きたいので、感謝いたします」再度最敬礼でシーラは頭を下げたのだった。


 あら、ちゃんと自分を守ってくれるためだってことは分かってるんだ。最初に思いついた時は、ターラント子爵夫人から身分差を盾に話しかけられないようにしてやる、っていうターラント夫人への嫌がらせのつもりだったんだけど……


 あの人、エアルドレッド侯爵にすら話しかけに行くらしいんだもん。身分差ってこの世には存在するのよね?とか自分の常識を疑っちゃうレベルで驚かされるのよ。


 親戚付き合いしてるくらいに親しければ、それもあるかもしれない。でもターラント夫人の父はそのへん常識人でエアルドレッド侯爵とは兄弟であっても、上下関係を崩したことはなかったって聞いてるから、夫人はどういう教育を受けたのか、すごく気になるところなのよね。


 それはともかくとして、グエンは兄のクィンシーの所へ、シーラはサンダース伯爵家での行儀見習いと言う行き先を決定して、私は王宮に戻ったのでした。


 王宮にて、私はダネル先生ともう一人、サンドラ・ダネル医師とともに、王太子妃オリビア・キャサリン様の元に来ております。


 王太子妃オリビア様は、王太子殿下エフレイム・ソーントン様とご成婚されて、ほぼ七年近くたちます。


 オリビア様はハームズワース侯爵家から王太子妃にと、嫁がれた方です。ハームズワース侯爵家というのは、エヴァレット・マイラ様の前のマイラを排出されたお家で、上下水道の設置で有名です。


 有難いことよね、このマイラ様のお陰でトイレもお風呂も快適です。実は私はトイレの度に、ハームズワースのマイラ様を拝んじゃうのです。


 それはさておき、オリビア様の件でした。どうも、胎内のお子さまの魔力量はオリビア様を遥かに凌ぐらしく、産み月が近くなった最近は、オリビア様はほぼ眠ったまま暮らしていらっしゃるそうです。


 産まれてしまえば、お子さまと共に胎児の魔力も外部に排出されるので、オリビア様に異常は起こらないのですが、大事を取って私も呼ばれております。


 だけど、何でもかんでもマッサージで解決出来るわけでもなし、産科医のサンドラ先生とダネル医師とで問題解決にあたってくれないだろうか……


 サンドラ先生は、ダウニング侯爵家専属の産科医で実はダネル医師の長兄の奥様、と言う立場の方です。


 難しいと言われる出産時の魔力のコントロールに長けた方で、実はミッチェル様もイングリッド様も、サンドラ先生が取り上げられたとか……


 今後は後進の育成ということで、ダウニング侯爵領の女性マッサージ師へ指導してくださることが決定しています。


 ミッチェル様へマッサージを行うことで、脊髄液漏れが原因の症状を見逃してしまったこともあり、私たちマッサージ師はサンドラ先生との情報交換をもっと密にすることになりました。


 簡単に言うなら、産科医の診察で異常がある場合はマッサージ師は手技を行わない、というまあ最もなことですね。


 マッサージの前後にも、元からの状態を知っている家庭医もしくは産科医に症状を確認してもらう、というのも決定となりました。


 貴族向けに開院するには、これくらいの対応が必要かとは思うのだけど、平民向けだと治療費が高くなってしまうので、これからどうするか……頭が痛いところだわね。

 

 

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