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不遇の姉は、未来を拓く  作者: きむらきむこ
貴族編
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 19

  それはそうとして、現状私はダグラス卿と結婚して、ダウニング侯爵家を盛り立てていくことが決定しました。


 一応身内のみとはなりますが、挙式も執り行う予定ですので、かなり忙しくなるであろうことも確定となりました。きっとミッチェル様とリプリー様の婚姻も同時進行で進めることになりそうなので。


 もちろん次期侯爵夫妻の結婚式ですから、私たちのものとは規模が段違いになるので、こちらは二年計画くらいになるでしょうか?お二人の結婚時には、私たちはタヴァナー伯爵夫妻となっている予定です。


 その前に私のデビュー戦のやり直しが……


 ミッチェル様とあの衣装を着てデビューするよりは、お養父様のエスコートでひっそりとデビューする方がありがたいのですが、これからデビュー→婚約披露→結婚の時間を考えるなら、昨日(あれがまだ昨日の話だなんて、信じられない)の舞踏会でデビューしておきたかったです……


 ダウニング侯爵様やダグラス卿がクーデターを叩き潰すおつもりだったのですから、元々、私を昨日デビューさせる予定ではなかったと思うのですが、どうお考えなんでしょうか。


 私がこれからの人生設計に思いを馳せていると、イングリッド様からお声がかかりました。


 「昨日の舞踏会では、アメリアの社交界デビューは果たせなかったでしょう?スケジュール的にはかなりタイトになるとは思うのだけど……」


 昨日の舞踏会をはじめとするお祝い週間というのが、まだ続くそうなんですよ。

 

 結婚式自体は教会で行われるのですが、前世で言うところの披露宴というものが、式の前後一週間くらいぶっ続けで行われるのです。


 これに関しては、参加人数がとんでもなく多い、というのと各々領地での仕事があるので、披露宴の日を限定されると困る、という事情もあるからです。


 式の日は決まっていますが、家の代表が参加していれば良し、という風に絶対参加を求めるものでもないのです。


 お祝い週間の間に、手紙などで参加の日取りを合わせて久々の邂逅を楽しむといった、学生時代の旧友との待ち合わせをしたり、年頃の令息令嬢のいる家ではお見合いパーティーのように参加したりと、楽しみ方も多岐にわたるそうです。パーティーの内容も、国王陛下が出られる夜会から気軽な立食のガーデンパーティーなど、その期間中には色んな催し物が開かれます。


  第二王子の結婚式ですから、招かれている貴族家も多くいらっしゃる為、まだ王都に到着したばかり、とかまだ到着されていないという方も多いのだそうです。


 ……ということで、私の社交界デビューは、イングリッド様の結婚式の前日。


 前夜祭なのか、比較的きちんとした夜会で行われる令息令嬢のデビューに便乗することとなりました。


 っていうか、その時にダグラス卿のタヴァナー伯爵家の継承と私との婚約も周知するという強引なお披露目をすることになるらしい……


 私とダグラス卿のお披露目用の衣装も、準備は終わってるらしいです。ミッチェル様が銀髪でシルバーグレーの瞳というのに対して、ダグラス卿は明るい茶髪にグリーンアイ。衣装の色合いも全く違います。


 この辺の段取りなんですが、昨日着るはずだった()()衣装って結局無駄にするために作ったの?っていう前世日本人である私の「もったいない精神」というか、なんとも言えない気持ちがふつふつと湧いてくるのですよ。


 ミッチェル様とリプリー様が見事に引っかかったのですから、無駄にはなってないのでしょうか?これは解釈次第なのでしょうか……


 今世でもお金がないということに、苦労したからでしょうか、我ながらセコくてみみっちい性格だなあと思います。


 リプリー様が今後着てくださると良いのだけど

……などと思っていたら、昨日リプリー様が着ていたたドレスは別物で、リプリー様用にわざわざ作ったそうですよ。 


 「私用」のドレスは、「ダンス練習用」ということになったようです……


  

 

 

 

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