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第24話 P1F:旅立ちの朝 Mattina della partenza
夢枕 愛しき背子の 呼ぶ声に 応えてみれば 虚舟
心戻せば 朝風に 飛び行く鳥の 囀りに 想い揺られて
現世に 帰りてみれば 我片身 何処に在らむと 乱髪
梳らぬときを 重ねつつ 覚えてみれば 我思い
暗き夜空に 望月の 満たせし心 振り捨てて
澄みし光に 常磐木の 変わらぬ緑 身に染めて
薄黄の髪も 掻き分けて 短き刃 握り締め 挑みし敵
割き竹の 遠き別れに 導きの 声も聞こえず
途惑いし 乱れる歩々に しかれども
続く梢に 早蕨の 萌え立つ蒼き 柔葉々に
肩行く風の 囁を 聞きつつ進む
その先に 指折り待ちし 友人と
向かう地々にも 染み渡る 能う力に 稀人の
創れる世々も 我道と 堅き心と 漕ぎ出でぬ
臨みし海に 石走る 浪速の道を なにものと
越えて歩まん 夢の波音




