『正義』と『悪』は同じものである
第二次世界大戦中、世界は二つの勢力の間で争っていました。
一方は国連連合軍、もう一方は帝国主義連合軍──なのかな?←疎い
帝国主義連合軍とはもちろんドイツ、イタリア、そして日本の三国です。
私たちは今では国連連合軍を正義、そしてナチス・ドイツをはじめとした帝国主義連合軍を悪、と教わっているように思います。
でも、戦争当時、果たして日本人は自分たちを『悪』だと思っていたでしょうか?
私はよく知りませんが、なんだか『鬼畜米英ー!』『臥薪嘗胆ー!』とか心をひとつにして、自分たちを正義だと思っていたように思います。
道路で車を運転するひとには、大きく分けて二つのタイプがあるように思います。
ひとつは『交通ルール遵守タイプ』、
もうひとつは『交通の流れ重視タイプ』です。
交通ルール遵守タイプが制限速度を守って走っていると、後ろから交通の流れ重視タイプがつっかえます。
交通の流れ重視タイプのひと「何トロトロやってんだ! みんなの迷惑になってるだろうが!」
交通ルール遵守タイプのひと「ルールを守れ! おまえらが迷惑なんじゃ!」
かくして両者のあいだに戦争が勃発します。
お互い自分を正義だと思い込み、けっして譲りません。
さて、ここで客観的に見て、正義なのはどちらで、悪なのはどちらでしょう?
答えは簡単。交通ルールを守っているほうが正義ですよね。15km/hオーバーとかで走るひとが悪なのかどうかはともかく、正義なのは交通ルールを守っているひとです。
ただ、制限速度を遵守しているひとがずっと高速道路の右側車線を走っていると、このひとのほうが悪になります。通行帯違反ですからね。
高速道路に限らずとも、車には左側走行の義務があります。一般道でずーっと右側を走っているひとも『左側通行義務違反』の犯罪者、つまりは悪ということになってしまいます。
すべてのルールを完璧に守っているドライバーなんて、たぶん、いません。いたとしても、そのひとが他の車とぶつかり合わずに走れているのかどうか、私は疑問です。
ぶっちゃけ、道路では正義だの悪だのはどうでもよく、みんながぶつかり合わずに走れることが一番だろうと私は思います。
道路を安全に、そして周囲の円滑を乱さずに走行しようと思ったら、見るべきものはスピードメーターではなく、周囲の状況だと思います。
つまりは道路をほんとうに安全に走れるひとというのは、自分の思う正義にこだわりすぎず、柔軟に周囲の状況に対応できるひとなのです。
そろそろ何が言いたいのかわからなくなってきたけど……
私は『正解』というものは中間にしかないと考えています。
ずっとこの考えで生きて来て、『やっぱりそうだよ』と思うことばかり体験して来ました。
第二次世界大戦なら国連連合軍と帝国主義連合軍のあいだ、道路交通なら交通ルール遵守タイプと交通の流れ重視タイプのあいだ──
どっちにもつかず、どっちの立場にもなれるひとしか正解ではない、と。
なぜなら片方にとって相手は悪なのです。
ひっくり返したらもう片方にとっては相手が悪で、自分は正義なのです。
正義と悪は同じものなのです。どちらも極端な立ち位置で、けっして相手を理解しないものなのです。
少し前の創作界隈ではそんなふうに、正義と悪は裏表の同じものとして描かれるのが流行っていたように思います。
例を挙げろといわれても出てこんけど……。←ツッコむとこ
それが最近では『正義』と『悪』をはっきりと描く風潮になっているように思います。
『弱き者をいじめるのは悪だ』みたいな感じで、『力があってそれを私利私欲のために使う者』はもちろん、『力があって弱き者を助けない』のも悪だ、みたいな?
知らんけど。←
ある者にとっての正義は、ある者にとっての悪です。
今の日本人の精神はなんだか帝国主義時代に戻りつつあるように私は感じています。
すべてをフラットにして『なんでもかんでも人それぞれだろぉ〜』というのがいいと言いたいわけでもありません。
戦えばいいと思います。新しい価値観の発見は戦いの中からしか産まれません。
私はニーチェが好きですが、それはあの方が物凄く『自分、偉い!』みたいな語り口で物を書きながら、パースペクティヴィズムも説いているからなんですね。
パースペクティヴィズムとは『視点を変えれば物事の価値の捉え方も変わってくる』みたいな、相対性理論みたいなものです。知らんけど。←
フラットな場所に身を置いていても、戦うことは出来るのです。
ただ、その戦い方は、正義や悪を頑なに設定しているひとたちの戦い方とは違い、めちゃめちゃ無節操な戦い方が出来るんです。
赤軍兵士「赤軍、万歳! 我らこそ正義! 憎っくき白軍を滅ぼせ!」
白軍兵士「白軍、万歳! 我らこそ正義! 憎っくき赤軍を滅ぼせ!」
無節操兵士「アホらし!www おまえらが戦争すると地球が傷んでしゃーないわ!www 滅せよ、人類!www」
……あれ?
コレじゃ魔王じゃん(笑)