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男は名刺を取り出した。

「私はこの様な者で御座います」

その名刺を手に取る。


「全国稲荷社総取り纏め事務局  狐担当」

名刺に可愛らしいお狐様が印刷してある。私は何の冗談かと思った。

男の厳つい顔と可愛らしい名刺を何度も見比べる。


「こちらに都賀様とおっしゃる禰宜の方はいらっしゃいますか」

男は言った。

男はあくまでも真面目で強面である。

私は答えた。

「生憎ですが、都賀は只今全国行脚の修行に出ております。都賀にどのようなご用件で御座いますか?」


男は「そうですか・・。ちょっと失礼します」と言って、もう一人の男とひそひそ声で打ち合わせを始めた。

私はその様子を見守る。

話が付いたらしい。

男はこちらを向いて言った。

「橘様は事の子細をご存じですね?・・・その・・松の」

私は頷いた。

「実際に見てはいないのですが、禰宜に詳しく報告を受けました。その事件が起きた時には私も社叢を見回っていたのです」

私は言った。

男達は頷いた。

「誰にもお話はされていらっしゃらない・・?」

「勿論で御座います。家内にも言っておりません。都賀にも他言無用ときつく言い渡して置きました」

私は言った。


それに言った所で誰も信用しないだろう。

妄想狂と思われてみんな逃げて行くだろう。

警察に連絡が行くかも知れない。

アブナイ人がいます。と。


「全国稲荷社総取り纏め事務局 狐担当」の二人は深く頷いた。

そして私に少し顔を寄せてこう言った。

「犯人は分かっています。犯人は三尾の白狐です。・・・彼らは『はぐれ神』です」

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