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イオ再生

タッキンリーの周囲を覆っていたジャミングシステムが解除された。

思ったより普通の人々が待ち受けていて、細菌に対抗するワクチンを打ってくれた。

「シホ。俺の仕事はここまでなんだ」

「え?」

「俺はお前のこと本当に気に入ってるぜ」

そう言って微笑むと、ばたり、と倒れた。

「イオ、イオ!」

「イオは肉体の限界を迎えた」

B国の人が言った。

「うそ。私が大きくなって同じ歳になったら手術する、って。いつまでもそばに置くって言ってたのに」

私は半狂乱で泣きじゃくった。

「タッキンリーの受精卵から培養した肉体が出来上がるまで、イオの自前の脳は大事に保存しておくから」

「じゃあ、イオは死なないの?」

「B国では新鮮な受精卵が無くてね。ぎりぎりのところだったんだよ」

私は、都市の外から何か怖いものが来るんじゃないか、と不安に思っていたけれど、実際は困っている人たちが独自の技術を携えて共存を呼びかけに来たのだった。

「c4」

「s3」

「よかった。生きてた」

「良くないよ。イオが再生したら一発殴ってやらないと気が済まないな」

「そう言わずに」

「c4はイオが好きなのか?」

「わかんない」



「イオ」

「シホ?」

「そうだよ」

「俺どうしたんだっけ」

「寝てた」

「うそだ」

「私、待ってる間に成長してきれいになったでしょ。手術はしませんからね」

「ああ。そのままのお前がいちばんだ」

イオはにっこり笑った。

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