私〜幼少期4
「どうした?c4」
パパが野菜室からレタスを収穫してきた。
私は無言で走り寄り、パパに抱きつくと、火がついたように泣きじゃくった。
「なにかあったのか?」
「イオが、イオが……s3を」
「s3?そういえばいないな」
「シホ。おしゃべりは嫌いだよ」
イオが微笑みながら言った。
私は震え上がり、パパの陰に隠れた。
「シホ。s3は生きてるよ」
「えっ。本当?」
「俺の仲間が都市周辺にいて、ダストシュートからs3が出てきたら蘇生させるはずだ」
「いったいなんの話だい?」
パパが怪訝そうに聞いた。
「シホ。お前は俺と同じ年になったら、手術を受けるんだ」
「やだ」
「それまで自由にさせといてやるよ」
イオがくっくっと笑った。
「イオなんか、大嫌い!あっち行って」
ふっとイオが思いついたようにどこかへ行こうとした。
パパは4人で行動するよ、って言っていたのに、そういえば、男の子がいなくなる前に、パパがいなくなっていた。
野菜室から出てきたパパは別のパパで、あんまり事情を知らない様子だった。
「ダメ!イオ!一緒にいて」
「なんだい、あっち行けって言ったり一緒にいろって言ったり」
私がイオを見張らなければ。
強い使命感が湧き上がった。
「私をお嫁さんにするんでしょ?いつも一緒にいてよ」
イオは満面の笑みを浮かべた。
「そりゃ嬉しいね。だがなにがお前をそう言わせる?」
「イオのこと、全部知りたいの」
「なるほどね。……俺はこの都市のことを全部知りたいんだが、一緒に学習室に連れて行ってくれないか?」
「……わかった」
私は、どうすればいいか考えを巡らせながらイオを案内した。