私〜幼少期3
「学習室はどこだい?」
イオが聞いた。
「君は立ち入り禁止だよ」
パパはそっけなく言った。
「イオをみんなに紹介しなくていいの?」
男の子が聞くと、パパは他のパパたちに事情を説明して、制限付きで都市内にいることを伝達した。
「ねえ、イオ。なんで学習室なんかの場所が知りたいの?」
私はイオに抱きついてまっすぐに見つめて聞いた。
「都市の由来がわかると思って」
「ふうん」
どうしてパパはイオに立ち入り禁止にしたのかな?
私は全然興味ないから行かないけど。
「シホ。大きくなったら俺のお嫁さんになってくれないか?」
イオが耳打ちした。
「c4!なんでそんなこと言うの?」
「気に入ったんだ」
「でも私が大きくなった頃はイオも年をとって、別のお嫁さん貰ってるかもよ?」
「いいや、俺はお前がいい。お前に決めた」
私はイオがちょっと怖くなって抱きつくのをやめた。
男の子が都市の由来なら知ってると言った。イオはしつこく聞き出そうとしたけれど、男の子はパパたちから教えちゃダメだと口止めされていた。
「イオ?何してるの」
暗がりの一角でイオが何かを持ち上げていた。
それはぐええと鳴いた。
それは男の子だった。
「これはヒミツ」
イオはニヤリと笑い、動かなくなった男の子を廃棄ダストに放り込んだ。
「なんで?なんでこんなことするの!」
「男の子は頭が良くて余計なこと知ってたからね。シホ。お前はかわいいから殺さないよ」
しー、と人差し指を口の前に立ててジェスチャーする。
私はどうしたらいいのかわからなかった。